フリーミアムを成功させるには?有料プランにユーザーを導く3ポイント

BUSINESS

基本無料でサービスを開放しつつ、一部の有料プランから収益を得るビジネスモデルである「フリーミアム」。近年は多くの企業がフリーミアムを採用しており、その人気の高さは明らかです。

しかしフリーミアムで収益を上げるのは簡単ではありません。もし無料機能だけでユーザーが満足してしまったら? もし無料機能に対して不満を抱かせてしまったら?

今回は有料プランへのアップグレードを促進する3つの戦略を、実例と共にご紹介します。

1. 機能を適切に制限する

フリーミアムの製品やサービスを使用していると、特定の機能をクリックした際に有料である旨が表示されることがあります。どの機能が無料で、どの機能が有料なのかをユーザーに知らせられる、かしこい戦略です。アップグレードしたいと思わせるきっかけにもなりますね。

しかし同時に「使いたい機能が使えない」という経験が重なると、ユーザーにストレスを与えてしまうリスクもあります。

ではどの機能を、どの程度制限すればよいのでしょうか。『Spotify』と『Slack』の戦略を参考にしてみましょう。

Spotify

音楽配信サービスであるSpotifyの無料ユーザーは、1時間あたり6曲をスキップでき、この制限を超えると有料プランへのアップグレードを促されます。

しかし6曲スキップしてから突然アップグレードについてのメッセージが表示されるわけではありません。6曲に到達するまえに段階的にメッセージを表示することにより、有料プランに対する抵抗感を少なくする工夫をしています。

freemium upgrade prompt

また表示される文章にも、「制限ではなく機会である」とユーザーにとらえさせる工夫が施されています。「課金をしないとこの機能は利用できません」というメッセージよりも、「プレミアム機能を発見しました」という表現のほうが、よい印象を受けますよね。

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こうしたアプローチによって、Spotifyは2019年4月時点で1億人の有料ユーザーを獲得しています。

Slack

ビジネスチャットツールの『Slack』は無料でも利用できますが、特定の機能を使おうとすると、アップグレードを促すメッセージが表示されます。

freemium upgrade prompt

「ここから先は有料プラン限定です」と伝える代わりに、アップグレードによるメリットをユーザーに伝えているのが特徴です。

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「Learn more(詳細)」のリンクは価格設定のページに繋がっています。こうした控えめなアピールは、特定の機能を必要とするユーザーにぴったりです。

2. リマインダーを活用する

フリーミアムを成功させるために、ぜひ活用したいのがリマインダーです。ユーザーのワークフローを邪魔することなく、アップグレードによるメリットを印象付けられます。興味がないユーザーは、ただメッセージを無視すればよいのです。

リマインダーを継続的に表示すれば、一度無視されても、翌日には同じリマインダーがクリックされるかもしれません。

リマインダーに関しては『Dropbox』を参考にしてみましょう。

Dropbox

Dropboxの無料ユーザーに与えられる容量は限られています。容量の制限を超えると有料プランへの移行が必要ですが、Dropboxは制限に達したユーザーにいきなりアップグレードを促すことはしません。

その代わりに、無料プランの制限を定期的にリマインドし、アップグレードの機会を提供するのです。

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表示するメッセージの内容やデザインを、少しずつ変えているところもポイントです。ワークフローを邪魔せずに、ユーザーの目をひけます。

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3. 需要を創出する

ユーザーが求めている機能を提供するのはもちろんのこと、ユーザー自身も気づいていない新しい需要を発掘することも重要です。もし自分の製品にUXを向上させる便利機能があるなら、その機能についてアピールしましょう。

このトピックについては、『Grammarly』と『Evernote』が参考になります。

Grammarly

文法チェックツールのGrammarlyの戦略はなかなか巧妙です。誤字や誤用数をサイドバーに表示し、アップグレードすればさらに文章を改善するための提案を表示するとアピールしています。

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またサイドバーには、有料サービスである「校正」と「盗作チェック」の控えめなボタンも。ユーザーが想定しないような機能を宣伝し、スマートに需要を創出しています。

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Evernote

ノートアプリのEvernoteのアプローチもユニークです。例えば無料ユーザーがChrome拡張機能を利用して記事をクリップすると、「デスクトップでクリップして、携帯電話で読もう」というメッセージが表示されます。

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この記事でご紹介した他の例と同じく、シンプルかつ控えめなところがポイントです。またEvernoteは製品内だけでなく、メールでもユーザーにアピールしています。

おわりに

アップグレードを促すために必要なのは、魅力的な機能だけではありません。まずはユーザーが製品をどう利用するかを把握することが大切です。

アップグレードを促す方法やタイミングに注意しましょう。適切なタイミングは、製品やユーザーごとに異なります。ユーザーにアップグレードを強いるような戦略は避けましょう。

ユーザーが製品の魅力的な機能を発見しそれを使いたいと望んだとき、スムーズにアップッグレードできることが重要なのです。

(原文:Katryna Balboni 翻訳: Nakajima Asuka)

 

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