医療のIoTである「IoMT」を知っていますか?

IoMTは「Internet of Medical Things」の略称で、IoT(Internet of Things)を医療業界に応用するというものです。インターネットを医療業界に応用することで、医療のさらなる進歩や、新たな治療の可能性を見出すことが期待されています。

このレポートは、デジタルトランスフォーメーションに関する世界的なカンファレンス『LiveWorx 2018』にて、IoMTについてのプレゼンテーションをおこなった方のレポートを、著者と掲載メディアに許可をとって翻訳したものです。

LiveWorxとは

LiveWorxとは、「デジタルトランスフォーメーションに関する世界で最も権威のあるカンファレンス」です。今年のLiveWorxは、2018年は例年に比べてスピーカーの人数が大幅に増え、230を超えるセッションがおこなわれました。

カンファレンスの展示会フロアには、製造業、交通、医療、教育など、業種を超えて使われている最先端のテクノロジーが集まりました。とくに添加物の製造において、テストやパッケージングから組み立て作業までをおこなう知能の高い製造ロボットが人気でした。

またAR/VRテクノロジーの存在感は大きく、Reality Editorを紹介するPTC Realityラボもありました。

気になるポイントとしては、AmazonやMicrosoftなどの大企業が参加していなかったことが挙げられます。

ポッドキャスト”the Industrial Edge”

会場にて、『The Industrial Edge』という新しいポッドキャストシリーズの収録現場にも立ち会いました。これはTamara McCleary氏が、AR/VR、IoT、ロボティクス、AI、モビリティについて業界のビジョナリーやテクノロジーの専門家にインタビューをするというものです。

彼女がインタビューした人の中には、eViRa Healthの共同創始者でデジタルエバンジェリストであるEvan Kirstel氏がいました。彼は、デジタルヘルス、IoT、クラウドや遠隔医療に関する意見を述べ、LiveWorx 2018の感想をこう述べました。

「IoTにとって今年は重要な年でした。工場間の連携や工業過程のオートメーションなど、産業への応用についてが大きなトピックでしょう。産業ロボット自体は新しくはありませんが、IoT技術によるロボット間での連携には目を見張るものがあります。IoTでマネジメントされているサプライチェーンは、非常に強力です!」

▲ThuliumのCEOであるTamara McCleary氏が、eViRa Healthの協同創始者であるEvan Kirstel氏にインタビューをしているシーン

 

▲LiveWorx 2018にて展示されたスマート製造ロボット

近年、ヘルスケア業界でIoTテクノロジーの可能性が注目されています。LiveWork 2018にて、私とEvan氏はこのトピックについて発表をおこないました。

医療におけるIoT:IoMTの未来

そもそもIoMT(Internet of Medical Things)とは何か?

IoMT(Internet of Medical Things)は、IoTテクノロジーの医療への応用をさします。

”Connected Health ”(接続された医療)としても知られるIoMTは、パーソナル化されたデータドリブンの予防医学を可能にする技術です。

接続されたデバイスのネットワークは、健康に関連したデータをリアルタイムで観測し交信できます。このことから、非常にパーソナル化されたインサイトを得たり、個々人に合わせたニーズに答えられるのです。

IoMTは、疾患の治療や症状管理といった従来の医療のあり方から、個々人が自身の健康をコントロールする医療へとパラダイムシフトを起こす可能性を秘めています。”Connected Health ”(接続された医療)は、より手が届きやい安価な医療へ私たちを導いているのです。

ヘルスケアの消費化

医療の消費化はすでに起こっています。人々は、自身の健康を管理し医療に参加するためのツールを欲しています。個人をエンパワーすることによって、はじめて本当の意味で先駆的な医療と予防医学が可能になるのです。

ウェアラブル、モバイルヘルスアプリ、Amazon Echoなどの自宅用医療機器、遠隔患者モニタリングなどのIoMTデバイスは、すでに一般的に使われています。その大部分がフィットネスの推進とトラッキングに用いられているとはいえ、通常の健康状態に関するデータを読み取るIoMTデバイスも順調に増えてきています。

IoMTにより読み取られた健康データを個々人に還元するフィードバックループを通して、人々の健康は管理され、また治療計画の向上にも役立てられます。IoMTはリアルタイムでの医療介入を可能とし、医療危機を救う可能性を秘めているのです。

IoMTのイノベーション

(以下は、今回のLiveWorx 2018で我々が発表した内容の簡単なまとめです)

IoTは本当の意味で、” 全ての”モノのインターネットとなりました。全てがインターネットに接続されているのです。そこには遠隔技術も含まれます。遠隔医療は、放射線画像の通信から皮膚科医へのバーチャル訪問まで拡大し、現在では精神医療から外科、医療境域まで、さまざまな医療領域に応用されています。

そして次世代通信システム「5G」の登場は、医療供給の新たな道を切り開いてくれる技術です。DIY運動の上昇により、オープンソースの脳スキャナーや、心拍数モニターなど、多くの進歩をもたらしました。またバーチャルや拡張現実の技術は、外科医やその他の医療専門家が人間の身体をより詳細に調べることを可能にし、医療教育を強化しています。

未来のヘルスケア機器を使うことで、ワンストップで健康状態の測定が可能で、健康診断に新しいソリューションを提案します。パッケージ化された薬は医療提供の新しい要素のひとつで、戦場や緊急事態で携帯し、すぐに使用できるでしょう。呑み込んで使えるロボットやセンサーは、人間の身体内部から診断をおこなうでしょう。

まとめ

IoMT技術は、メディカルケアの分野で今後より重要な役割を担うようになるでしょう。遺伝科学、健康の社会的決定遺伝子、病気の発病と発展、人間の行動と健康に対するライフスタイルの影響を深く理解することで、人間の健康に対するアプローチはより良い結果をもたらします。

もちろん、医療業界におけるIoTの応用には困難な部分もあります。例えば、健康デバイスをインターネットに接続することによるセキュリティ上の問題は大変複雑です。しかし、センサー、ネットワーク、クラウド、モビリティ、ビックデータの領域で研究は進んでおり、個人情報の適応領域については各企業とも慎重に取り決めています。

IoMTは医療業界におけるIoTの新しい応用ですが、その成長スピードは急速です。IoMTは、パーソナル化され、データに基づいた予防医学を可能にするテクノロジーです。ヘルスケアの消費化と個人が自身の健康を管理するためのエンパワーメントは、今後”Connected Health ”(接続された医療)をますます加速させていくことでしょう。

(著者:Irma Rastegayeva 翻訳:Mariko Sugita)

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