小売業界のマーケター必見! オムニチャネルの動向と成功事例集

数字は嘘をつきません。必要な買い物があったらいつも近所の雑貨店を訪れる、そういう日々はとっくの昔に過ぎ去りました。

購買傾向がオンラインの世界に傾くという変化があったことはよく知られていますが、実際67%ものミレニアルズ(1980〜2000年前後に生まれた世代のこと)がオンラインでの購買経験があります。しかし近年では「オンラインショッピング」という言葉の意味さえも進化してきました。小売ウェブサイトで一度購入するということが急速に複雑な状況へと進化しているのです。

小売業界における、オムニチャネル活用の動向

今日の消費者は、ごまんとある通販サイトの中から、特定のページで繰り返し購入する傾向にあります。

Web上の小売店は次のように分類されます。

  • 大型小売店:AmazonやeBayのようなオンラインマーケットプレイス
  • カテゴリー特化型店:Target(米ディスカウント百貨店チェーン)のような、REI(米アウトドア用品店)やJeni’s Splendid Ice Creams(米アイスクリームショップ)のようなが挙げられます。

消費者との接触点は驚異的な速度で増加しています。そして、eコマース技術もマルチチャネルなユーザー行動と並行して進化を続けているのです。さほど遠くない過去、Facebookがたまに広範囲のユーザーに対して関連広告を表示するのを商業マーケティングに対する革新的なアプローチだと捉えられていました。

今、世界をリードするSNSではユーザーをセグメント化しターゲットユーザーを絞り込むことができます。それも、プロのダーツプレイヤーのように正確に行えるのです。

さらにFacebookのカスタマーエクスペリエンスは進化していて、単純に既存顧客や潜在顧客に対して広告を表示するという段階はとっくに終わっています。今ではFacebookのプラットフォーム上でユーザーに直接販売することもできます。ユーザーは商品を選ぶところから買うところまで、自分のフィードを離れることなく実行できます。

この発展により、商業は今次のフェーズへと移行していっています。次のフェーズでは、オンラインストアは必要不可欠です。ただし、小売戦略上オンラインストアが必ずしも主な収益源であったり主要戦略であったりする必要はありません。

成功している小売店は技術やデータを意のままに活用し、自分の顧客の可視化や多くの人に自分の商品を届けられるようにしています。Amazonから端を発した商品検索機能の大部分が現在もSNSで発展し続けてマーケットは地ならしされ、どんなオンライン小売業も上手くすれば数クリックで何千もの潜在顧客に到達できると言える状態に近くなっています。

しかし、新たなツールや無限の可能性から得られる恩恵には不安も付きまとうものです。何から手を付けたら良いのでしょう。そして、自分の使える時間とリソースをどうしたら最大限活用できるのでしょう。

小売業界におけるオムニチャネルの成功事例集

マルチチャネルで成功している小売業者のもので、彼らはこういうさまざまな接触点を妨害とは捉えず、むしろ競争上の強みとして見ています。

Facebookの活用事例:Spearmint Baby(スペアミントベイビー)

アメリカアリゾナ州に本社を構える子供服ブランドのスペアミントベイビーは、SNSを使った通販に力を入れています。

スペアミントベイビー

オーナーであるシャーリ・ロット氏は、SNS上で公開する商品写真をひとつひとつ並べるのではなく、全身のコーディネイトを並べたフラットレイ動画(様々な物を並べて真上から撮影した写真)にしたのです。このおかげでスペアミントベイビーは、若いママたちの目にとまるようになりました。写真に惹きつけられた彼女たちは写真にある商品すべて買うことも多くありました。

見せ方を工夫することで、スペアミントベイビーは新規のFacebookファンを急速に獲得しました。

スペアミントラブはFacebook広告マネージャを通して様々な種類の広告やターゲティングのテストを開始しました。コピーや写真を調整し、顧客獲得コストが一人あたり5ドル以下になるまでテストは続けられました。テストチームは数ヶ月かけて全広告を最適に修正し、とうとう広告費用1ドル毎のROI(投資利益率)は5ドル〜10ドルになりました。

さらに、スペアミントラブはもう一歩踏み込んで自らのデータを活用し、顧客のLTV(生涯価値)予測まで行っています。ロットの夫が同世代分析を行い、初回購買日をベースに顧客をグループ分けし、グループごとの行動を追跡してパターンを割り出しました。

ROIの急速な落ち込みに気づくと、スペアミントラブは自分たちのターゲティング手法が陳腐化し始めていることを認識しました。スペアミントラブというブランドにとってターゲティングとは、顧客の子供の年齢や顧客の妊娠週を把握するくらい粒度の細かいものでなければならなかったのです。このことに気付いたスペアミントラブは広告戦略の改革を進め、ファンを親としての以下の4つの期間に分けてターゲティングするようにしました。

  • 出産前6ヶ月の妊婦から出産後6ヶ月までの母親
  • 6ヶ月〜18ヶ月の年齢の子供を持つ母親
  • 18ヶ月〜30ヶ月の年齢の子供を持つ母親
  • 30ヶ月以上の年齢の子供を持つ母親

この新たなアプローチはほとんどすぐに結果を出し、顧客の子供の年齢に合った商品を提供することに成功したのです。

Amazonの活用事例1:Kap7

水球用品ブランドのKap7は、Amazonを有効活用しています。同社は、多くの潜在顧客が1つのチャネル(Amazonもしくはブランドオンラインストア)のみで買い物をしているということにいち早く気づきました。

KAP7

Amazonに見込んだメリットは次のふたつです。

  • ブランド認知度の増加やトラフィックの増加
  • Amazonのマージンが低くなっていく

Amazon経由で販売すれば、オンライン小売業者は売上の他に、リスクヘッジとスムーズな管理ができるのです。

Amazonの活用事例2:デアリ―フェアリー

授乳用ブラジャーブランドのデアリ―フェアリーもニッチ領域の小売業者かつAmazon拡大で成功を収めた例です。いや、「成功」という言葉では物足りないかもしれません。Amazonへの出店後、デアリ―フェアリーの売上は2倍になったのですから。

thedairyfairy.

デアリ―フェアリが扱うのは、ブラジャーの中でもニッチな部類です。顧客に見つけてもらいやすくするために、Amazonの強力な検索エンジンを利用しました。見つけてもらいさえすれば、Amazonブランドの信頼とシンプルな会計処理がコンバージョンを促してくれます。

一方で同社は、Amazonの店舗に加えてブランドWebサイトを持つことの重要性を認識しました。Amazonが継続的に商品ページにより多くの顧客を誘導してくれる可能性がある一方で、ブランドのオンラインストアがあると顧客との関係をコントロールできるのです。

オムニチャネル成功の秘訣は、シームレスなエクスペリエンス

3つの例から、マルチチャネルへの投資が有効であることをお伝えできたでしょうか。オムニチャネル成功の秘訣は、カスタマーエクスペリエンスを維持すること。そしてシームレスなエクスペリエンスへの鍵はツールを統合することです。

店舗にチャネルを追加する前に、いろいろな顧客接点がどういうふうに関わっているのかを必ず書き出しておいてください。

メールマーケティング、メディア広告、eコマースプラットフォームとやっていくと、顧客との交流を一箇所でまとめて見られるようにそれぞれのサービスを繋げるようなツールが必要になります。

(翻訳:Kazunari Mino / Thumbnalis Photo:

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