2019年、SEM(検索エンジンマーケティング)戦略でライバルに差をつけるにはどうしたらよいでしょうか?

2018年、Googleは9つの大きなアップデートを行いました。このアルゴリズムの変化が、あなたのビジネスにどんな影響を与えるのでしょうか?

今回は2018年に行われたアップデートから、2019年のSEMトレンドを【SEO編(前編)】【PPC編(後編)】の2回に分けて予想していきましょう。

2018年におけるGoogle検索エンジンのアップデート一覧

  • Brackets」コアアップデート 20183
    Danny Sullivanのツイッター(@searchliaison)によると、このアップデートによりトラフィックに影響がでたWebサイトがあるようです。「何もサイトに不具合はないのにパフォーマンスが悪い」「以前パフォーマンスが悪かったページが急に良い結果を出すようになった」という不思議な状況が起こったようです。
  • ゼロリザルト SERPテスト 20183
    「ゼロリザルト」と呼ばれるアップデートは、1週間のテストの後、早急に停止されました。日程・時間・為替計算など1つの具体的な答えが求められるような検索に関して、Googleは検索結果を表示せずに、その具体的な答えのみを短いナレッジグラフカード上に表示するという機能でした。
    現在は検索結果と共にゼロリザルトが表示されるよう修正されています。
  • モバイルファーストインデックス 2018年3月
    モバイルファーストインデックスは、モバイルにおけるUX最適化の重要性がアナウンスされたあと、数ヶ月間の開発期間の経て公開されました。
    これまではPCでのサイト評価に準拠して検索エンジンにインデックスされていましたが、今後はモバイルのサイト評価に準拠してインデックスされるようになります。2018年において、最も重要なアップデートのひとつでしょう。
  • コアアップデート(名称なし) 20184
    特に名前がついていないアップデートが5月になされ、特定のサイトのランキングが上昇しました。特筆すべき大きな混乱はなかったようです。Googleはこのようなコアアップデートを年に4,5回行うと述べています。
  • ディスクリプション(スニペット)の長さ変更 20185
    2018年の初めには、SERP(検索結果画面)におけるディスクリプションの表示文字数が300文字以上に増え、これまでより長い説明文を入れられるようになりました。しかし、5月には150-160文字へと再び短縮されました。
  • ビデオ・カルーセル 20186
    SERPにおけるビデオは少し面白い方向へと動いています。ビデオ・カルーセルは、モバイルSERPとナレッジ・パネルにおけるテストを経て、デスクトップにおいても実装されました。
  • モバイルスピードアップデート 20187
    Googleは、モバイルでのページスピードが検索ランキングに影響すると公式発表しています。これは、モバイルのユーザーがより迅速な答えを求めているという傾向があることを示しています。
    なお、極めて読み込み速度の遅いページのみがランキング上位から削除された模様で、影響を受けたサイトはほんの一部だったようです。
  • Chromeセキュリティ警告(フルサイズ) 20187
    Googleは繰り返しウェブサイトの安全性が重要であると強調していましたが、2018年7月以降はHTTPS以外を利用しているサイトが検索結果に表示されにくくなったり、ユーザーが開いた際に警告メッセージが出るようになりました。
  • Medicコアアップデート 20188
    これはGoogleの広い範囲におけるコアアルゴリズムのアップデートであり、ランキングやトラフィックに大きな影響を与えました。
    もっとも影響があったのは、健康・フィットネス分野のサイトだったようです。信ぴょう性の低い医療情報が掲載されているサイトは検索エンジンに表示されにくくなりました。

Googleの一連のアップデートは、基本的にはGoogleがよりスマートでクオリティの高いコンテンツを提供するために行われています。しかし今年のアップデートを見ると、それにはいくつか重要なパターンがあるように見えます。

2019年のSEOトレンド予想

まずはモバイルの基本を抑えよう

最新のイノベーションに適応し、サイトを最新のアップデートを反映したものに最適化することは大切ではありますが、その前にまずは基本的な内容を確認してみましょう。

 デジタルマーケティングコンサルタントであり、Paper Gecko の取締役である、David Sayceは下記のように述べています。

Googleやその他の検索エンジンは、よりスマートに、情報を検索・索引・表示するようになっていきます。そのために検索エンジンは、キーワードに基づきより多くの情報を集めようとしています。

質という点では、スピードや安全性が非常に重要になってきます。しばらくの間アップデートされていない古いウェブサイトは、今後ますます検索結果に表示されにくくなるでしょう。

パーソナライゼーションや音声検索もまた、次の時代の大きなテーマになるでしょう。これらがトレンドになるのは時間の問題です。

くわえて、ユーザーが外出中に情報検索することが増えていくにつれ、モバイル最適化やAMPの重要性もますます増しています。

私はこれまで8年間、モバイルが次の大きなテーマだと言い続けてきました。まずは、基本を抑えるということが私が一番お伝えしたいアドバイスです。

重要なのは、Googleのアップデートが検索ランキングやSERPにおける視認性に影響するかではなく、貴方のビジネスが今後どのように進んでいくのか、そしてどんなアップデートすればそれを有利に運ぶことができるのかです。

SERPは常に変化しています。ひとつのSEO戦略だけで結果を出したり、それぞれのアップデート全てに対応して対策することはできないのです。

モバイルSEOの複雑化

あらゆるサイトがモバイルにおける体験を重要視し始めており、「モバイル体験がユーザーにどのように提供されているか」「Webでの検索が迅速かつ簡単にユーザーの質問に答えられているか」をみんな真剣に考えています。

SEO専門家であり、Move it Marketingの取締役であるDawn Andersonは下記のように述べています。

2019年、アシスティブ・サーチの到来によって、SEO戦略はさまざまな戦略やチャネルと調和・連携し、リテンションや新規ユーザー獲得を考える必要ができてきました。

我々は、ユビキタス・コンピューティングの時代へと向かっており、そこには顧客が操作するさまざまなデバイスにおけるSEOが関わってきます。これらの要素の絡み合いを踏まえ、シームレスで摩擦のないUXを目指していくことで、ユーザーはより簡単にさまざまな問題を解決でき、意図したタスクをスムーズにこなせるようになります。これは、私たちの未来に向けた大きなチャレンジです。

また音声検索は進化し続けており、「話しかけられる」検索という新しいフォーマットを生み出すでしょう。Google ActionのDialogflowは、会話における質問と答えのナレッジを増やし続けています。これによって、Google Actionと音声検索の両方において、より良い回答がされるようになるでしょう。

この状況において、SEO対策を適切に行うのは簡単なことではありません。さらに、サイトにおける顧客体験を向上させるため、PWAをとおしてアプリ化する動きもあります。Googleのモバイル検索は、ユーザーにとってモバイルアプリのような存在になっていくことでしょう。

我々は、サイトとこのアプリをシームレスにつなげていくよう努力しなければならないのです。

それでは2019年において、どのSEOの技術が、どのように私たちのビジネスに適応していくのでしょうか? 今回まず私たちは「音声検索の重要性」について述べていきたいと思います。

音声検索の重要性

音声検索においてユーザーが問いかける質問文は、ユーザー自身が抱えている問題についてどれくらい理解しているかを反映します。コンテンツクリエイターはそれを踏まえて、どのようなコンテンツをユーザーに対して提供すべきか常に考えなくてはなりません。

ユーザーの理解状況が初歩段階であれば、ユーザーを教育し、楽しませるコンテンツを用意しなくてはなりません。一方で、ユーザーがその問題について詳しい知識を持っているようならば、より新たな情報を与えたり、ユーザーが納得を持って商品を購入できるようなコンテンツを準備しなければならないのです。

例えば、音声検索におけるユーザーの問いかけ方は、下記のように分類できます。

  • 質問と答え → 問題に基づいた問い合わせを求めている
  • 質問のみ → 明確でダイレクトな答えを求めている
  • 問題そのものについての質問 → 症状に基づく問い合わせを求めている
  • 原因を尋ねる質問 → 症状に基づく問い合わせ
  • ブランドの名前や商品のパーツ名 → 問題解決の方向性をすでに持っており、知識がある
  • 情報を求める問い合わせ → 問題は認識しているが、知識がない

問い合わせのタイプについて理解することは、モバイル利用がより進み、音声認識技術が発達するほど重要になっていきます。

音声検索は、2017年には3500万人のアメリカ人が1ヶ月に1回は音声アシスタントデバイスを利用するというところまで普及しており、1年で利用率が28.9%増加しています。この利用率が上がるにつれ、検索エンジンにおいて「会話のようなフレーズ」がより多く使われるようになるでしょう。タイピングする際に使う言葉と、声で話しかける際に使用する言葉は大きく異なります。

そして音声検索で重要なのは、信頼できる答えを早く見つけることです。ユーザーが求めているのは、そのトピックについて詳しく書かれた記事ではなく、問題解決のための答えを素早く見つけられる記事なのです。

2019年、Web検索における一番大きなトレンドは音声検索です。今や、スマートフォンを持っている人なら誰でもすぐに音声検索ができます。そして音声検索は、ユーザーが行動する際の意思決定に影響を与える、より洗練されたものへと変わっていくでしょう。comScoreは2020年までに、約50%の検索は音声によって行われるようになると予測しています。音声検索が大きく成長していく市場であることは明らかです。

現在、音声検索を利用する最も大きなユーザー層は、子供・赤ちゃんから手を離すことができない親たちです。重要なのは、音声アシストデバイスは、誰もが想像するような典型的なアーリーアダプターやミレニアル世代だけではなく、ごく一般的な人たちに受け入れられているということです。

- Andy Kinsey, Smithfield Agency 検索部門代表

Googleクオリティシグナル「E-A-T」とは?

81日のアップデートにより、E-A-T(Expertise 専門的, Authoritative 権威がある, Trustworthy 信頼できる)に基づくコンテンツを作ることが、これまでよりもさらに重要になりました。

EAT

Googleが最初にE-A-Tを検索結果評価ガイドラインに導入したのは2015年です。それを受け、Webに従事してい人たちは、より権威のある、信頼できる、プロフェッショナルな答えが得られるようなコンテンツを作ろうと必死になりました。

しかしながら昨今では、より良いコンテンツを表示させようと必死になっているページを多く見かけます。例えば、被リンクを集めるために、中身に関連のない言葉をたくさん連ね、SERPにおいて高いランクを稼ごうとするものです。個人的には、これによってコンテンツの質が悪くなったWebサイトもあると感じています。

私はこのE-A-Tモデルを、自分のブログに他のライターや記事を採用する際に意識するようにしています。正確な情報をユーザーに伝え、次のアクションにつながるコンテンツこそ、良質なWebサイトに必要なことだと考えるからです。

検索はGoogle, Bing, Yahooだけじゃない

「ググる」という言葉は、何かわからないことがあった時に一般的に使われる言葉となっています。 つまり、何かわからないことがある時に頼りになるのがGoogle(またはその他の検索エンジン)なのです。

ただそこで忘れがちなのが、Googleは答えを持っているわけではないということです。Googleは、無数のWebサイトのコンテンツに基づいて、ユーザーが質問した内容に最も適切だと思う答えを表示してくれるものです。

その他のサイトは、検索においてどのような役割を果たしているのでしょうか。

AhrefsのMarketing代表、Tim Souloは下記のように述べています。

2019年は、「検索における存在感」はGoogleだけに関わることではない、ということに気づかされる年です。これからはGoogle以外の、そのほかの大きなプラットフォームにおける検索機能においても存在感を示すことが大切になってくるのです。

  • YouTubeにおいて見つかるか?
  • SlideShareにおいて見つかるか?
  • Apple App StoreやGoogle Play Storeではどうか?
  • eBayやAmazonではどうか?
  • Alexa, Google AssistantやSiriに話しかけた時、どんな検索結果が出るか?
  • Facebook, Twitter, Instagramではどうか?

これらのプラットフォームにも検索機能があります。

少し前ならば、オンライン上のすべてのアクションはGoogleからスタートしていたかもしれません。しかし今日では、それはもっと複雑なものになっているのです。

何をやりたいかによって、ユーザーは検索するプラットフォームを柔軟に選びます。そのプラットフォームで検索した時に、あなたの会社やブランドが表示されなければ、すでに多くの機会を失っているのです。

これは、Googleが時代遅れの検索エンジンだということを意図しているわけではありません。もちろん、Googleは今でもモバイル端末、デスクトップにおいて最も利用されているプラットフォームであることには間違いはありませんが、他のプラットフォームにおけるSEM(SEO)対策も忘れてはいけないのです。

Search Engine

(原文:Carolanne Mangles 翻訳:Akiko Ogita)

 

後編(PPC編)はこちら▼

 

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