【2019年版】スマートスピーカーをマーケティングチャネルとして活用するHow Toまとめ

2019年。音声認識技術はますます拡張し、これから起きる革命をスマートスピーカーが後押しすることでしょう。

音声認識技術は、自然言語処理(NLP)とAIを使用して、スマートスピーカーなどのデバイスと直感的に対話するためのテクノロジーです。基礎となる技術は何十年も前から開発されてきましたが、それが実用的かつ信頼性の高いものになったのは近年の話です。

本記事ではスマートスピーカーをマーケティングに活用し、顧客を巻き込む方法を包括的にご紹介します。

主要なスマートスピーカープラットフォーム 5選

まずは主要なスマートスピーカーのプラットフォームについてチェックしていきましょう。

1. Amazon Alexa

累計1億台の売り上げを誇る、世界で最も人気のあるスマートスピーカーがAmazon Alexaです。

Alexaは、エントリーモデルの『Echo Dot』から、スクリーン付きの『Echo Spot』『Echo Show』まで、幅広いスマートスピーカーに導入されています。

Alexaに特徴的なポイントとして、他の製造業者にもその技術をライセンス提供していることが挙げられます。プラットフォームにとらわれずに使用できるため、最近ではWindows 10やXbox、さらには電子レンジなどにも導入される事例がでてきました。

また「スキル」と呼ばれるAlexaに紐づいた一連のビルトイン機能を介して、デベロッパーが独自の新しい機能を追加することもできます。現在利用可能なスキルは70,000種以上ある他、イギリスのSkills Storeに活発な開発者コミュニティがあったり、先進的なブランドが次々とこの分野に参入したりしています。

今のところ、多くの消費者は「スマートスピーカーといえばAmazon」という見方をしており、市場への最初の参入者としての優位性を保っているといえます。

2. Google Assistant

Google Assistantの主たるアプローチは、高度なAIと検索機能の強固な実装にあります。Google Assistantは、ディープラーニングやGoogle Duplexを導入するなど、音声認識技術強化のための幅広い戦略をとっています。

またデバイスはアクションを介して新たな機能を実装できますが、同社はこれらをGoogle Assistantアプリとの互換性をもった形で開発しました。これにより、Google Homeなどののスマートスピーカーを所有していない人にも音声認識ソフトウェアが提供されました。

Googleの最近の声明によると、現在のGoogle Assistantユーザー数はおよそ10億人にのぼると試算しています。加えてAssistantがGoogleマップやiOSアプリと統合されることも最近発表されました。

Googleは現在、『Google Home Mini』や『Google Home Hub』など、さまざまなスマートスピーカーを提供しています。Google Assistantは今後、スマートテレビやその他の機器にも次々と組み込まれていくことでしょう。

3. Apple Siri

AppleのSiriの技術は、すべてのiOSデバイスとHomePodで利用可能です。

Apple Musicと一緒に使用すると有能なパーソナルアシスタント兼オーディオプレーヤーとして機能しますが、SiriはAmazonやGoogleほどの活発な開発者コミュニティを保有していません。

4. Samsung Bixby

主にサムスン製のハードウェア用に設計されている、新しい市場参入者です。

「Capsules(Bixbyのスキル機能)」により、開発者は新しい機能を構築できます。

5. Microsoft Cortana

Cortanaは定評のある音声アシスタントですが、これまでにそのスマートスピーカーが大量販売された実績はありません。

結果としてMicrosoftは現在、Amazonの戦略的パートナーとなり、AlexaとWindowsおよび他のMicrosoft製品との統合が実現しました。

スマートスピーカーをマーケティングに活用する5つのメリット

スマートスピーカーがこれからのマーケティングに最適な理由を5つご紹介します。

1. 直感的に使用できる

スマートスピーカーはどれも直感的に使用できるように設計されています。

消費者はインターフェイスやOSを学ぶ必要が無いため、アクセシビリティが大幅に向上し、より幅広いユーザー層を市場に解放できるでしょう。この中には、スマートフォンやタブレットの時代にしばしば無視されてきた高齢者層も含まれます。

2. 数多くの潜在顧客がいる

VRなどの、よりニッチな技術とは異なり、スマートスピーカーはすでに何百万もの家庭で利用されています。

Echo Dotは、2018年12月にAmazonのアメリカおよびイギリスの店舗で最も売れた商品のひとつであり、アメリカの家庭の55%が2022年までにスマートスピーカーを所有するようになると予測されています。

3. デバイスの価格が安い

エントリーモデルのスマートスピーカーは4,000円程度で買えるものもあり、消費者にとって手の届きやすい価格設定です。

スマートフォンやタブレットなどの数万〜数十万円する高価なデバイスと比較すると、その差は歴然でしょう。

4. 機能追加の参入障壁が低い

AmazonとGoogleは、それぞれ「スキル」および「アクション」を作成するための直感的な開発ツールや学習リソース、金銭的インセンティブを提供しています。

たとえ高品質な音声エクスペリエンスであっても、JavaScriptなどの一般的な言語を使用して、小規模なチームで比較的簡単に作成できるようになっています。

5. 新興市場である

スマートスピーカーはまだまだ発展途上にあり、その市場の定義もこれからといった段階です。

この革新的な状況であれば、今から市場のトップに立つチャンスもあるといえます。一番、刺激的な時期でしょう。

スマートスピーカーをマーケティングに活用する4つのインサイト

1. コンテンツキュレーション

スマートスピーカーは、ラジオ、ポッドキャスト、ニュースの最新情報を聞くのにも便利なデバイスです。

例えば「Alexaフラッシュブリーフィングスキル」を利用することで、毎日または毎週更新のフラッシュニュースをユーザーに提供できるため、マーケティングチームは既存のフィードを利用してフラッシュニュースとしてコンテンツを再配信できます。

またガーディアン誌は最近、2018年のニュース記事に基づいてGoogle Assistantのためのクイズの提供を開始しました。このような、スマートスピーカーを介したインタラクティブで魅力的なリスニング体験が増えていくかもしれません。

2. リードジェネレーション

リードジェネレーション(見込み顧客を獲得するための活動)のために、音声アシスタントはさまざまなデータベースやCRMシステムに接続し、ユーザー情報を取得する可能性があります。

気が早い話かもしれませんが、今後消費者は手動でフォームを入力するのではなく、スマートスピーカーに話しかけるだけで住所や連絡先情報を提供できようになるかもしれません。

ただし、ユーザー情報を受け取ることに対して口頭による同意が十分であるかどうか、GDPR(EU一般データ保護規則)が懸念を示す可能性もあります。特にICO(仮想通貨の取引で資金を調達する方法)に関しては、いずれガイダンスが発表されるでしょう。

3. ナラティブ&ストーリーテリング

これはスマートスピーカーが得意とする分野であり、クイズやゲーム、ストーリーテリングの機能は非常に人気があります。一方でその手法は確率されておらず、未だメディアの混乱を招いている分野でもあります。

HBOは既に対話型ゲーム『Westworld』に多額の投資をしており、Netflixも『Stranger Things』や『Lost in Space』のキャラクターと話す機会を提供しています。

イギリスでは、BBC R&DがSFコメディアドベンチャー作品『The Inspection Chamber』に肯定的なレビューをつけています。

4. 対話型ガイド

インタラクティブな対話型ガイドは、あなたの製品やサービスを説明するのに最適な方法です。

たとえば対話型のコーヒーガイドなどは、消費者を引き付け、商品に付加価値を提供するのに役立つでしょう。

スマートスピーカーを使ったキャンペーン

スマートスピーカーが製品紹介に優れている理由として、製品を口頭で案内したり、顧客が自分のペースでオプションを探索できる点が挙げられます。

そんな中でマーケティングチームは、潜在的なマイナス要素(プライバシーへの懸念や広告ブロッカーの使用)を取り除いたうえで、パーソナライズドされた広告キャンペーンを提供できる可能性があります。

たとえばDiageoは、2018年12月にAlexaスキルを通じて「対話型のウイスキー試飲キャンペーン」を実施しました。2019年は、より知名度の高いブランドが魅力的なブランドキャンペーンを展開すると予測されます。

スマートスピーカーからの製品購入は難度が高い?

スマートスピーカーから直接商品を購入するのは、未だ難度が高いと言われています。

しかしAmazonは、2018年のクリスマス期間にスマートスピーカーからの売上を前年比の3倍にしたと報告しました。Amazonは「In-Skill Purchasing」といったAlexaからの製品購入フローをサポートするツールも提供しており、うまく活用できればAlexaからの収益化に役立つでしょう。

一方Googleは最近、Google Assistantを使った慈善団体への簡単な寄付方法を提供しました。これは支払い統合の試験運転の実例として、多くの分野において参考になるでしょう。

Amazon Alexa「スキル」/Google Assistant「アクション」の承認プロセス

Amazon Alexaの「スキル」と、Google Assistantの「アクション」は、ユーザーに提供する前にそれぞれ「承認プロセス」をクリアする必要があります。これは通常のばあい簡単なプロセスで、修正が必要な場合も詳細にフィードバックがもらえる仕組みになっています。

承認までの期間はさまざまですが、両社とも5営業日以内に最初のフィードバックを返すことを目指しているそうです(実際には繁忙期や月末付近は期間が長くなることが想定されます)。

ここでは承認の可能性を最大限に高めるためのコツをいくつかご紹介します。

  • 詳細なリリースノートを記載する
    特に機能やテスト方法に関して、開発者から承認チームに十分な情報を提供するよう心がけましょう。
  • マイクをONのままにしない
    スマートスピーカーは、ユーザープロンプトが表示されてから8秒間だけ入力できるように設計されています。それ以外のばあいにマイクをONのままにしておくと、スキルまたはアクションは拒否されてしまいます。
  • 具体的なプロンプトを使用する
    ユーザーからの入力を求めるときは、どのような情報が必要かを常に具体的にしましょう。
    【悪い例】なにかお困りですか?
    【良い例】今日はどのクラスを予約しますか? スピニングまたはズンバからお選びください。
  • 正しいカテゴリーを選択する
    当たり前に聞こえるかもしれませんが、ダブルチェックは必要です。

マーケティングの効果測定はどのような指標を見れば良い?

分析的データおよび行動的データの分析はAmazonおよびGoogleどちらのプラットフォームでも利用可能ですが、現在のところできることはかなり限られています。

しかし、方法によってはいくらかの有用なデータを得られます。 KPIに関しては、次のような指標を追跡すると良いでしょう。

  • アクティブユーザー
  • リピーター率
  • 会話の長さ
  • 途中離脱率
  • カスタマージャーニー(会話のルート)

2019年、スマートスピーカーが辿る4つの道

この記事を通して、スマートスピーカーが低コストでインパクトのあるマーケティングツールだとお分かりいただければ幸いです。

スマートスピーカーのマーケティング活用は、これから軌道に乗ることが予想されています。最後に2019年に起きることを予測してみましょう。

1. マルチモーダル体験

スクリーン付きのスマートスピーカーはすでに発売されており、2018年10月にこれらの新機種をサポートする『APL(Alexa Presentation Language)』が発表されました。 APLは、写真、ビジュアルレイアウト、ビデオ、およびHTML 5の要素を使用して音声体験を向上させます。

Googleも『Surface Capabilities』を通じて同様のサポートを提供しています。

2. 文脈理解の精度向上

Alexaが発売されて4年、AIと機械学習は大きな進歩を遂げました。

これからスマートスピーカーは、会話のニュアンスや流れにもっと繊細に対応できることが予想されます。この進歩は、部分的には会話状況の理解力向上、そしてデバイスがセンサーやIoT機器と通信できるようになることにもつながります。

3. アンビエントコンピューティング

音声技術によって物理的なインタフェースが不要になり、画面への接触時間が短縮される可能性があるのと同様に、「アンビエントコンピューティング(人間が意識せずともコンピューターを操作できている状態)」への移行が広がっていくことが予想がされます。

その中でスマートスピーカーは、家電製品、電話、その他の機器のシームレスな連携が進行するでしょう。今後の5Gの公開でネットワークの接続性と帯域幅容量の問題を回避できるため、アンビエントコンピューティングにとっては良い環境が出来上がるでしょう。

Amazonのデバイスおよびサービス部門担当部長Dave Limp氏は、最近のThe Vergeのインタビューで次のように述べています。

「アンビエントユーザーインターフェイスはまだ非常に特異な概念であり、Amazonにとってはそれが最も重要視されるべきと考えています。」 – Dave Limp

4. 市場への新規参入者

AmazonとGoogleの二社が現在のスマートスピーカー市場を独占していますが、今後はAlibabaを含む他企業との競争も激しくなるでしょう。

VHS対Betamaxのような昔のフォーマット戦争とは異なり、今後は複数のスマートスピーカーが消費者と共存し、デバイスの迅速なアップデートと新機能の追加により消費者にとってはますます便利な存在になるでしょう。

(原文:Smart Insights Expert commentator 翻訳:Tomomi Takei)

 

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