インフラエンジニアで後悔する人の共通点とは?向いている人・キャリア戦略も解説
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「インフラエンジニアって後悔する仕事なの?」――SNSや口コミでネガティブな意見を目にして、不安を感じたことはありませんか?
確かに「やりがいを感じられない」「思っていたのと違った」と悩む人がいる一方で、「インフラエンジニアを選んで本当によかった」と感じている人も少なくありません。
この記事では、インフラエンジニアで後悔しやすい人の共通点や、満足度の高い人に見られる特徴を紹介しながら、後悔しないためのキャリア選びと働き方のヒントをお届けします。
現役エンジニアとして幅広い現場を経験してきた筆者が、リアルな視点で「後悔の理由」と「納得できる選択肢」について詳しく解説していきます。
現役エンジニア兼フリーランスライター。最近名刺を新調しました。運動不足すぎるのでWii Fitで筋トレ強化中。(note: @azasaz_a)
目次
インフラエンジニアとしてキャリアを歩み始めたものの、「思っていたのと違った」「やりがいを感じられない」と後悔する人がいるのも事実です。ここでは、後悔しやすい人に見られる共通点を具体的に解説します。
「とりあえずIT業界に入りたい」という動機でインフラエンジニアを選んだ人は、後になって「他の道の方が良かったのでは」と後悔することがあります。
インフラエンジニアの仕事は需要が高く、未経験からでも挑戦しやすい一方で、明確な目標や興味を持っていないと業務の中で成長実感を得にくく、「やりがいを感じられない…」という事態に陥ってしまうのです。
また「とりあえず」で選んでしまうと、業務の中で壁にぶつかった際に、それを乗り越えようという意欲が湧きにくく、結果として早期に離職してしまうケースも少なくありません。
インフラ分野はクラウドや自動化技術の進化が著しく、現場で求められる知識やスキルも日々変化しています。そのため、新しい技術を自らキャッチアップしようという意欲がない人は、次第に業務についていけなくなり、後悔や不安を感じやすくなってしまいます。
特に近年では、生成AIなどの革新的な技術が急速に普及しており、たとえ現時点で業務に直接関係なくても、自分なりに試してみたり調べたりする姿勢が不可欠です。こうした変化を受け入れ、楽しめる人でないと、将来のキャリア形成にも大きな影響を及ぼしかねません。
インフラエンジニアとしてキャリアを積むうえで、「運用・保守」から「構築・設計」へのステップアップは欠かせません。しかし、その意志がないまま運用業務を繰り返していると、スキルの幅が広がらず、仕事が単調に感じられ、やがて後悔につながってしまいます。
キャリアパスを明確に描けていない場合、「いつまでも下流工程ばかり」という不満が蓄積し、早期離職に至る可能性もあります。インフラエンジニアの業務内容は技術の進化や現場のニーズによって常に変化しているため、その中で自ら成長や変化を望まなければ、キャリアに行き詰まりを感じることになってしまうのです。
「言われたことを手順通りにこなすだけ」で満足してしまうと、キャリアに停滞感を覚えるようになり、後悔につながることがあります。
マニュアル通りの作業に終始し、自ら課題を発見したり改善に取り組んだりする姿勢が欠けていると、スキルがなかなか蓄積されず、将来的な市場価値も上がりません。主体的に学び、業務の効率化や改善提案に取り組む意識がなければ、「このままでいいのか」という不安が徐々に強まり、仕事へのモチベーションも低下してしまうのです。
開発職に憧れを抱きながらも、さまざまな理由でインフラエンジニアの道を選んだ人は、現在の仕事に納得感を持てず、それが後悔につながることがあります。
常に「やっぱり開発の方がいい」「コードを書きたい」と他職種との比較ばかりしていると、自分の成長や貢献を実感しづらくなり、仕事へのやりがいや満足感も薄れてしまうのです。
もちろん、どの職種にもそれぞれの魅力と価値がありますが、“隣の芝生が青く見える”思考にとらわれてしまうと、自らの成長機会を逃し、キャリアの停滞を招く原因になってしまいます。
インフラエンジニアとして後悔する人がいる一方で、「この仕事を選んでよかった」とやりがいを感じながら働いている人もいます。ここでは、インフラエンジニアという職種に満足し、前向きにキャリアを築いている人たちに共通する特徴を紹介します。
インフラエンジニアは、システムの安定運用を支える役割が求められるため、地道な作業や継続的な改善に取り組める「コツコツ型」の人に向いています。派手さはないものの、信頼性と継続力を重視する人にとっては、大きなやりがいを感じられる仕事といえるでしょう。
また、インフラ分野は企業にとって不可欠な基盤であり、比較的需要が安定していることから、安定志向の人にとっては安心感のある職種です。
近年のインフラエンジニアの現場では、クラウドやIaC(Infrastructure as Code)、自動化ツールの活用が一般的です。このような技術に興味を持ち、積極的に学び実践したいと考えている人にとって、インフラエンジニアの仕事はまさに成長と挑戦の場になります。
業務の効率化や品質向上に直結する技術に携わることで成果が実感しやすく、自らの成長も明確に感じられるため、モチベーション高く働くことができるでしょう。
インフラエンジニアはシステム全体の基盤を担うため、トラブル時の対応や構成変更の判断など、責任ある場面が多くあります。そのような状況で「頼られている」と感じることにやりがいを見出せる人にとっては、非常に適した職種です。
周囲から信頼を得て、重要なポジションを任されることで、自己肯定感や仕事への満足度も高まりやすい傾向があります。責任感が強く、人の役に立ちたいという気持ちがある人にはおすすめです。
私の新卒の同期にも、まさにそんなタイプの人がいました。とても面倒見が良く、私も新人研修の頃から何かと助けてもらっていたのですが、その後もさまざまな現場で困っている人をサポートし続けていました。気づけば周囲の信頼を集め、あっという間にマネージャーに昇進。
人を助けることが本人のモチベーションとなり、それが結果的にキャリアの成功にもつながるのだと強く実感しました。
インフラエンジニアの仕事は、目立つ成果を直接出すというよりも、開発チームや業務部門が安定して業務を遂行できるよう支える「縁の下の力持ち」的な役割です。自分の手で支えたインフラが、他人の成果につながることに喜びを感じられる人は、適性が高いといえます。
誰かの成功や業務のスムーズな進行を自分のやりがいに変えられるタイプは、インフラエンジニアとして長く活躍できるでしょう。
私は開発エンジニアですが、開発系ってどちらかというと“我”が強く出やすいイメージがありますよね。自分の技術力をアピールしたいという気持ちが前に出がちで、「誰かを支える」ことに喜びを感じるインフラエンジニアとは対極にあるように見えます。
「サービスを使う誰かのため」にシステムを作っているという点では、本質的には同じはずなのに…。エンジニアの一人として、インフラエンジニアの持つ献身的なマインドを鍛える必要性を改めて感じました。
インフラエンジニアは安定性や需要の高さから人気のある職種ですが、選び方や働き方を間違えると「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクもあります。ここでは、インフラエンジニアとしての道を選ぶ前に意識しておきたい3つのポイントを解説します。
インフラエンジニアの業務は、サーバーやネットワークの設計・構築・運用・保守など多岐にわたります。特に最初は運用や保守などの下流工程に配属されるケースが多く、「単調な作業ばかり」と感じて後悔する人も少なくありません。
そうしたギャップを防ぐには、あらかじめインフラ業務の全体像を理解しておくことが重要です。また、自分がどのようなキャリアパスを描きたいのか――構築や設計に進むのか、クラウドや自動化の分野を極めるのか、といった将来像を持っておくことで、日々の業務にも目的意識が生まれます。
インフラエンジニアとして成長していくには、「どんな職場で経験を積むか」が重要です。特に未経験から挑戦する場合、教育体制やOJT(現場で実務を通じて学ぶ研修制度)の有無、先輩エンジニアのサポート体制など、学びの機会があるかどうかを必ず確認しましょう。
また、クラウド技術や自動化ツールの導入状況、ナレッジ共有の文化、定期的なフィードバック体制なども要チェックです。日々の業務が忙しすぎて学ぶ余裕がないような現場では、スキルが伸び悩み、モチベーションの低下にもつながります。
技術スタックや働き方、チーム構成などにも目を向け、「この環境で成長できるか?」という観点で職場を見極めましょう。
「とりあえずIT業界に入りたい」「手に職をつけたい」といった漠然とした理由だけでインフラエンジニアを選ぶと、途中で目的を見失ってしまいます。後悔を避けるためには、自分が将来的にどうなりたいのか、どんな働き方をしたいのかを明確にし、それを言語化することが大切です。
例えば次のような具体的な目標を立てましょう。
このような目標があると、職場選びや日々の業務への取り組みに軸ができ、迷いにくくなります。また、自分の価値観や優先順位(収入、成長環境、ワークライフバランスなど)を把握することで、選択の基準が明確になり、納得感のあるキャリアを築きやすくなるでしょう。
インフラエンジニアという職種に興味はあるものの、「自分に向いているのか分からない」「選んで後悔しないか不安」と迷っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、迷ったときに確認しておきたいインフラエンジニアの選び方をご紹介します。
インフラエンジニアとひとくちに言っても、その働き方や関わる工程は多種多様。安定運用を支える保守運用系のポジションもあれば、最新技術を取り入れてシステム構築やクラウド化を進める現場もあります。
だからこそ、自分が「どんな働き方をしたいのか」「何にやりがいを感じるのか」といった志向を明確にし、それに合った職種や職場環境を選ぶことが大切です。
例えば次のように、自分の志向に応じて職場を選ぶ視点を整理してみましょう。
自分の志向 | おすすめの現場や企業 |
---|---|
技術を極めたい | 構築・設計工程があり、AWSやGCPなどクラウド技術を扱う現場 |
安定性やチームとの関わりを重視 | 運用・保守が中心で、大規模な社内システムを扱う企業 |
成果が目に見えることにやりがいを感じる | サービス運用を支えるSREやDevOps系のポジション |
マルチスキルで柔軟に働きたい | 開発とインフラを兼務する小規模なスタートアップ |
将来的にマネジメントも視野に入れている | キャリアパスにリーダー職が用意されているSIerや自社開発企業 |
志向と職場の方向性がずれると、「思っていた仕事と違った」と後悔につながりかねません。求人票だけでなく、技術スタック、現場のチーム構成、キャリアパスの制度などもチェックして、自分にフィットする環境を見極めましょう。
インフラエンジニアの職種については、こちらの記事で詳しく解説しています。
インフラエンジニアの職種・種類まとめ|仕事内容・年収・将来性をわかりやすく解説
Workship MAGAZINE
「未経験歓迎」と記載されたインフラエンジニアの求人は多く存在しますが、すべてが成長につながる環境とは限りません。中には、監視やアラート対応などの単純作業だけを延々と繰り返す現場もあり、スキルが身につかないまま時間だけが過ぎてしまうケースもあります。
そのため、未経験から挑戦する場合でも、「この職場で将来的にどのようなスキルが得られるか」「キャリアアップにつながるか」といった観点で見極めることが重要です。
具体的には、次のようなポイントをチェックしましょう。
また、技術的な成長に加えて、「何年目でどういうポジションを目指せるのか」など、キャリアパスが明確に描かれているかどうかも確認ポイントです。目先の条件だけでなく、3年後・5年後を見据えた職場選びをすることで、後悔の少ないキャリアを築くことができるでしょう。
いきなり転職するのが不安な場合は、副業としてインフラ業務に触れてみるのも有効です。副業案件には比較的短期間・低負荷で取り組めるものも多く、自分に向いているかどうかを確かめたり、小さく実績を積み上げたりすることができます。
こうした副業の機会を活用することで、いきなり本業に踏み切らなくても、インフラエンジニアとしての自信と経験を徐々に育てることが可能です。
副業案件を探す際は、フリーランスマッチングサイト「Workship」などの総合的なプラットフォームを活用すると、案件の選択肢も広がります。加えて、インフラエンジニアに特化したマッチングサイト「クロスネットワーク」も、専門性の高い案件を扱っておりおすすめです。自分のスキルレベルや希望に合った案件からスタートし、無理のない形で経験を積んでいきましょう。
インフラエンジニアができる副業案件については、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。
インフラエンジニアができる副業7選|週1・土日OKの案件と始め方を徹底解説
Workship MAGAZINE
インフラエンジニアとして働いてきたものの、「思っていた仕事と違った」「やりがいを感じられない」と感じて後悔している人もいるでしょう。しかし、そこでキャリアを諦める必要はありません。ここでは、後悔を前向きな転機に変えるためのキャリアパスをご紹介します。
「やっぱりコードを書いてプロダクトを作りたい!」と思う人には、開発職への転向がおすすめです。インフラで培ったネットワークやサーバーの知識は、バックエンド開発やインフラに近いポジション(API設計やパフォーマンス最適化など)でも大いに活かせます。
最初は独学や小さな開発副業から始めるのもよいでしょう。最近ではPythonやGoを活用したインフラ寄りの開発案件も増えており、完全未経験ではない強みを活かせます。
ただし、開発職に転向する道も決して甘いものではありません。競争相手は多く、若手の優秀なエンジニアやコンペティティブな現場では成果を出すスピードも求められます。さらに、近年は生成AIやローコード/ノーコードツールの進化によって、一部の開発業務は自動化・省力化の波にさらされているのが現実。私も日々、戦々恐々としています。
「やっぱり難しそう」「向いていなかった」と途中で挫折しないためにも、腰を据えて学び、地道にスキルを積み上げていく覚悟が必要です。情熱だけでなく、継続する力こそがキャリアチェンジを成功に導きます。
「夜勤やトラブル対応に疲れた」「もっと生活のリズムを整えたい」と感じている人には、情シス(情報システム部門)や社内SEといった企業内でのITサポート職への転向がおすすめです。比較的残業が少なく、インフラやIT知識を活かしながら社内の安定運用を支える役割を担います。
業務内容はヘルプデスクや機器管理、IT資産管理、クラウド導入の推進など多岐にわたり、実務経験者であれば転職もしやすい分野です。「インフラの知識はあるけど、この働き方は合わない」と悩んでいる人は、職種を変えることで無理なくキャリアを継続できる可能性があります。
ただし、情シスや社内SEだからといって、必ずしも「定時で帰れる楽な仕事」とも限りません。特に中小企業では、インフラ管理から社内システムの保守運用、さらには業務ツールの選定・導入、ヘルプデスク対応まで、IT関連業務を少人数で幅広くカバーしなければならないケースも多く、実際にはかなり忙しいという声も聞きます。
残業の有無や業務負荷よりも、自分にその働き方が合っているか、興味の持てる仕事内容かをしっかり見極めましょう。
「インフラの仕事にやりがいは感じているけれど、もっと成長できる環境に行きたい」という人には、クラウドやSRE、DevOpsエンジニアへのスキルアップ転職がおすすめです。特にオンプレミス中心の現場で停滞感を抱えている場合、AWSやGCP、IaCを活用している企業へ移ることで、大きなキャリアの飛躍が期待できます。
現場で培った経験をベースに、ポートフォリオを作成したり、AWS認定などの資格を取得したりすることで、自身のスキルを客観的にアピールしやすくなるでしょう。
ただし、クラウドやSRE、DevOpsといった分野は将来性が高い反面、業務量が多く、常にスピード感と高い責任感が求められる現場であることを理解しておく必要があります。「最先端だからカッコいい」と安易に飛び込むのではなく、自分にその責任感や対応力が備わっているかを冷静に見極めたうえで挑戦することが大切です。
なお、クラウドやSRE、DevOps分野への転職を目指す際に取得しておくと有利な資格については、こちらの記事で詳しく解説しています。キャリアの方向性に合った資格を選び、転職活動を有利に進めましょう。
インフラエンジニアにおすすめの資格10選|未経験OK・キャリア別にやさしく解説!
Workship MAGAZINE
「仕事は嫌いじゃないけど、働き方に縛られすぎて疲れた」と感じている人には、フリーランスとして自由な働き方にシフトする道もあります。
インフラ系のスキルは、案件によってはスポット対応や設計支援などの業務にも対応でき、正社員よりも柔軟な働き方が可能。自分で働く時間を調整できたり好きな技術領域に集中できたりする点は、フリーランスの大きなメリットです。副業から始めて実績を積んでおくと、独立へのハードルも下がります。
ただし、フリーランス市場も決して楽観視できる状況ではなく、AI技術の進化やツールの高度化によって、求められるスキルの水準は年々高くなっています。自由度が高い分、自分自身でキャリアを切り開く必要があるため、収入の安定やスキルアップ、営業活動まで含めて、計画的かつ戦略的に準備を進めることが大切です。
転職や独立といった大きな選択をせず、今の職場で新たなやりがいや成長を見つけたいと考える人もいるでしょう。そんな方におすすめなのが、業務改善や自動化への取り組みです。まずは現在の業務を振り返り、「もっと効率化できることはないか」「手間のかかる作業を減らせないか」といった視点で改善ポイントを探してみましょう。
具体的には、次のようなアプローチがあります。
こうした改善の取り組みは、日々の業務をラクにするだけでなく、自ら課題を見つけて解決する姿勢として評価されやすくなります。地道な改善でも、積み重ねることで大きな価値につながり、結果として技術力と影響力の両方を高めることができるでしょう。
インフラエンジニアのキャリアパスについては、こちらの記事で更に詳しく解説しています。合わせて参考にしてください!
インフラエンジニアのキャリアパス完全ガイド|将来性・必要スキル・副業の始め方まで解説
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インフラエンジニアとして後悔してしまう人の多くは、「情報不足」や「自分の志向とのミスマッチ」が原因です。職種や働き方について正しい知識を持たずに選んでしまうと、「思っていたのと違う」というギャップに直面しやすくなります。
だからこそ、自分の向き不向きを理解し、「どんな働き方をしたいか」「どんなスキルを身につけたいか」といった未来の姿を描いたうえで選択することが大切です。
「後悔しないためにも、まずは副業から始めてみたい」という人は、フリーランスマッチングサイト「Workship」を活用して、自分に合った案件を探してみましょう。また、インフラエンジニアとしての専門性を活かしたいなら、「クロスネットワーク」のような特化型サービスもおすすめです。
現代は、働き方もキャリアの築き方も多様化しています。転職だけでなく、副業やフリーランスといった選択肢も広がる中で、情報収集と行動を重ねながら、後悔しない自分らしいキャリアを築いていきましょう。
(執筆:水無瀬あずさ 編集:猫宮しろ)