エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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フリーランスや個人事業主として働いていると、営業活動のために自分自身のブランディングやサービス紹介など、SNSやブログなどで文章を書く機会が増えますよね。でも、記事を書くのは時間がかかるし……と、気が重くなる方も多いと思います。
その課題、ChatGPTを使うことで解決できます。じつはChatGPTは文章を書くのも得意なのです。
インタビュー記事・SEO記事・ブログ記事など、さまざまな原稿を20年以上にわたって書いている現役ライターの私が、ChatGPTを使って効率的で高品質に仕上がる記事作成の方法を解説します。
目次
ChatGPTは、人類全体に利益をもたらす汎用人工知能を普及・発展させることを目標に、AI分野の研究を行うアメリカ企業Open AIが開発した人工知能です。大量のテキストデータから学習した言語モデルで、人間が書くような文章を生成することができます。
ChatGPTで現在公開されている言語モデルは「GPT-3.5」「GPT-4」の2種類で、無料版はGPT-3.5、有料版はGPT-4を使用できます。大きな違いは学習データ量や言語モデルの精度に影響するパラメータ数で、データ量・パラメータ数は一部非公開ですが、GPT-4のほうがより高度な予測や文章生成を行えます。
言語モデル | 使用料 | パラメータ数 | 扱えるデータ量(日本語) |
GPT-3.5 | 無料 | 1,750億件 | 1,000~2,000語 |
GPT-4 | 20ドル/月 | 非公開(5,000億~100兆とも) | 最大25,000語 |
ChatGPTの魅力は人それぞれ感じるところだと思いますが、私がChatGPTを使い倒すようになった理由は3つです。
とくに「情報格差」はひしひしと感じています。APIが公開されたことで、多種多様なサービスやプロダクトに組みこまれ、AIの特性や利便性を知っている人と知らない人との情報格差はどんどん広がっています。
AIの使用用途は職業によって異なりますが、自分の専門分野の業務範囲でChatGPTを使えるか使えないかは、今後のスキルセットにも関わってくると考えています。Webブラウザでもアプリでもサクサク動くので、できるだけいろんな形で使い倒しておきたいところです。
ChatGPTの活用法などを調べる際「プロンプト」という言葉を見たことのある方も多いでしょう。
プロンプトとは、ChatGPTに出す指示のことです。AIはかなり高性能になりましたが、人間のように拡大解釈や先回りして考えてくれませんので、明確で具体的な指示を出すことが必要です。このAIに伝わる指示をプロンプトと呼びます。
プロンプトを入力する際は、最初に指示を書き、条件がある場合は「#」や「”」で指定します。条件や質問の背景を設定することで、専門的な知識を引き出すこともできます。
プロンプト入力時の注意点については、ChatGPTに聞くと以下のような返答がありました。
▼プロンプト
ChatGPTにプロンプトを入力する際、注意するポイントを教えてください。
こちらは要約し、下記のようにまとめました。
こうして書くとわかりにくいかもしれませんが、やってみるとわかってくることが多々あります。まずは後ほどご紹介するプロンプトを参考に試してみてください。
「ChatGPT」と「人間が行う情報収集」はどう違う? 検索代行サービスと比較して解説
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ChatGPTは記事作成に役立つ能力を多く備えており、さまざまな角度からサポートしてくれます。たとえば、こんなシーンで役立ちます。
とくにライティングは原稿を書き始める前のリサーチが必要で、資料を揃えてこそ執筆がはかどるもの。手作業の多いリサーチや細かな作業をChatGPTがサポートしてくれるので効率化が図れますし、優秀なアシスタントがいるのと同じレベルのサポートと言っていいと思います。何度聞いても怒らず、黙ってアウトプットしてくれるのもAIならでは。
このほか、外国語記事の翻訳と要約、アイディア出し、セルフコーチング、暇なときの話し相手など、ChatGPTを使うシーンはどんどん増えています。
記事作成にChatGPTを使うとどんなメリットがあるか、簡単にまとめてみます。
タイトル案、構成案、Webページに必要なメタ情報のサポートなどは、ChatGPTを使うことで0から作業せずにでき、時間短縮になります。とくに構造化データを作るのが得意なので、構成案を作る軸を定める方向性を検討しやすく、大いに参考になります。
ChatGPTとのブレストを通じて記事のアイディアを膨らませていくこともできるので、自分一人で検索を続けるよりずっと高度なアイディアが出てきます。記事を書いている間、ちょっとした息抜きのおしゃべりにも付き合ってくれますし、励ましの言葉も送ってくれます。
結論から言うと、ChatGPTの情報をそのまま記事にすることは難しいですが、下地を作ることはできます。SEOで取りたいキーワードを指定すれば、そのキーワードを使ったタイトルや構成の提案、メタ情報を作成してくれます。
ただし、ChatGPTには2021年9月時点の情報までしか学習データが入っていないため、最新情報を踏まえてはいません。また、2022年12月に更新された検索品質評価ガイドライン(QRG)も情報としてもっていないため、いわゆる「E-E-A-T」情報を踏まえた記事の提案はしてもらえません。
E-E-A-Tとは? Googleが設けた新しい評価基準の「E(経験)」を解説
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ChatGPTでSEO記事を作る場合は、提案してもらった情報をもとに、最新情報を踏まえたSEOツールで裏を取り、必要な情報を書き加えていく前提で使うのがおすすめです。
ここからは、実際にChatGPTを使った記事作成の手順を解説します。
じつは、本記事は書くにあたってChatGPT(GPT-4)を使っていますので、実例を手順とプロンプトを交えながら解説します。また、各手順でChatGPTに質問する際、同一のチャット(スレッド)を使用しています。同一チャットを使うと、事前に質問した内容を引き継ぎながら回答してくれるためおすすめです。
今回は、編集部からの提案をもとに、まず下記のようなプロンプトを制作し、ChatGPTに伝えました。
▼プロンプト
あなたはデジタルマーケティングの達人です。「ChatGPTで現役ライターが高品質な記事を効率的に作成している方法」のタイトルで記事を書くにあたり、下記のペルソナについて提案してください。
#想定する読者像
#読者が検索するきっかけ(トリガー)
#読者が知りたいことは?(検索意図)
#読者はなぜそれを知りたいのでしょうか?(インサイト)
#どうすれば読者を満足させられますか?(キーメッセージ)
ChatGPTが出してくれたものだと、原稿を書くときにわかりにくいので、箇条書きで要素ごとにまとめなおしています。
■想定する読者像
- フリーランスのライター、ブロガー
- 品質の高い記事をChatGPTで書く方法を知りたい方
- ChatGPTを使って効率的に記事を書きたい方
■読者が検索するきっかけ
- ChatGPTを使って記事を書けないか?
- 作稿にChatGPTを使って効率化できないか?
- 1本あたりの書く時間を短くできないか?
■読者が知りたいことは?
- ChatGPTの具体的な使用方法
- 実際にChatGPTを使って書いた記事のサンプル
- 無料版と有料版でどのくらい機能に差があるか
■読者はなぜそれを知りたい?
- ChatGPTを使うことにどのくらい価値があるかわかる
- 導入に必要なステップやヒント、注意点がわかる
- 無料版と有料版の差がわかる
次はタイトルを決めていきます。
▼プロンプト
「chatgpt 記事作成」のキーワードで記事を書きたいです。タイトル案を提案してください。
ChatGPTの提案をもとに、「ChatGPTは記事作成に使える? AIを活用して高品質な記事を作成する方法を現役ライターが解説!【記事制作用プロンプト付き】」を仮タイトルとしました。SEO的に取りたいキーワードと、手順1で設定したペルソナが探している情報をタイトルに盛り込んでいます。
仮タイトルとペルソナが完成したら、実際に構成案の作成を依頼してみます。
▼プロンプト
上記のペルソナをもとに、「ChatGPTは記事作成に使える? AIを活用して高品質な記事を作成する方法を現役ライターが解説!【記事制作用プロンプト付き】」の仮タイトルで構成案を提案してください。
提案された内容をそのままは使えないため、タイトル・ペルソナを考慮した上で編集部の確認を経て、最終的に下記のようにまとめました。
ChatGPTとは?
-ChatGPTの魅力
-参考:プロンプトとは?
ChatGPTは記事作成にも使える
ChatGPTを記事作成に使うメリット
-メリット1. 業務効率が上がる
-メリット2. 記事を書くのが楽しくなる
ChatGPTで「成果の出るSEO記事」は作成できる?
ChatGPTを使った記事作成の手順【プロンプト付き】
-手順1. キーワード選定・企画立案
-手順2. タイトル設定
-手順3. 構成案作成
-手順4. リード文、本文作成
ChatGPTを記事作成に使う際の注意点
-注意点1. 誤った情報を出力することもある
-注意点2. 最新情報には対応できない
-注意点3. 記事の品質担保にはまだ人間が必要
続いて、この構成案で記事を作成する場合の結論をまとめます。
▼プロンプト
この構成案で書いた結論をまとめてください。
ChatGPTが挙げてくれたままだと長すぎて逆にわかりにくいので、短くまとめます。くわえて、タイトルとペルソナを受けた情報を盛り込み、最終的に次のようにまとめました。
記事を作成するには、資料集めをはじめ、SEOに関わるリサーチ、構成案の作成など書くまでの下準備が多く、時間もかかります。ChatGPTはその下準備を手伝ってくれる優秀なアシスタントです。彼の登場によって「書く」ことに集中しやすくなりました。ぜひこの機会に優秀なアシスタントと仲良くなって、記事を書くことにチャレンジしてみてください。
手順1~3はChatGPTの力を借りやすいのですが、ここから先のリード文と本文は人間が0から書いています。
本文を書く際は、ChatGPTとGoogle Chromeの拡張機能(無料)である音声入力ツール『Voice In』の組み合わせを使って音声入力で書きます。Voice Inはマイクとつないで音声入力ができる優れもので、認識精度も高いです。ただし、入力した文章には句読点がつかないため、ある程度入力したら、ChatGPTに校正してもらいます。
入力の際は、ChatGPTに直打ちもできるのですが、入力の途中で文章が保持されないことがあるため、私はGoogleドキュメントに一時文書として保存しながらテキストをまとめています。
続いて、Voice Inで書き起こした句読点のない文章を、ChatGPTで句読点と改行を入れて読みやすくしてもらいます。
▼文章整形のプロンプト
下記の文章の適切な場所に句読点を打ち、改行を入れて読みやすくしてください。表現は変えないでください。
このプロンプトは頻繁に使うため、WindowsのIMEパッドに文章ごと「単語登録」をして、「c」を入力して変換をかけると出てくるように設定しています。
こうして文章を整えれば、かんたんに記事を作成することができます。
手順1~4をご覧いただいておわかりのとおり、ChatGPTで出力された原稿をそのまま使っている部分はなく、加工して使っています。記事作成でChatGPTを使う際は、以下の点に注意する必要があります。
ChatGPTで出力される情報はインターネットで収集されたデータから学習した情報から出力しているため、誤った情報を学習していることがあります。また、AIは人間のように文脈やニュアンス、行間を読むことができないため、判断できる情報から判断して“より正しい”とデータ上判断されたものが吐き出されます。
そのため、出力された情報の正誤や関連性については、人間が確認する必要があります。
ChatGPTは2021年9月時点の情報をもとに学習しているため、それ以降の最新情報を保持していません。そのため、新情報に基づいた情報更新が行われず、古いままの情報で止まっています。
ChatGPTがもともと学習したデータの問題や最新情報を保持していないことから、ChatGPTが出力するデータが正しいかどうかは、人間が判断する必要があります。他の情報源と照らし合わせて正誤確認を行い、記事作成の補助的ツールとして利用するのが現段階での最善策と言えます。
記事を書く際に効率的にChatGPTを使うには、ご自身がもっている情報と書きたい原稿の最終イメージをもとに仮説を立て、ChatGPTと知識のすり合わせをしていく形で利用すると、より効率的にデータを引き出せると思います。
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(執筆:まてぃ 編集:少年B)