インポスター症候群とは?「自分なんて……」を解消する5つの対処

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最近「インポスター症候群」という言葉をよく目にします。

インポスター症候群とは、実際には能力や実績があるにも関わらず「目標やプロジェクトを達成するのに自分の能力では不十分で、今後もずっとできっこない……」と理由もなしにネガティブになってしまう傾向のことです。

インポスター症候群の人は、仮に何かに成功したとしても「運がよかっただけ、きっと自分は周りを騙して有能に見せているんだ……」と思い込みがちです。それゆえに「インポスター(=詐欺師)症候群」と呼ばれます。

Abigail Abhramsの記事によると、インポスター症候群の原因は、神経質な性格特性のほか、家族や行動パターンによる影響が挙げられるそうです。例えば「成績が両親の期待に満たなかった」「兄弟姉妹がある分野で圧倒的に自分より優れていた」などと感じた子供のころの記憶が、長期に渡って影響を及ぼすことがあります。

この記事ではデザイナーである筆者の、インポスター症候群の実体験を踏まえながら、インポスター症候群への5つの対処方法をご紹介します。デザイナーだけでなく、どんなビジネスや生活の場面にも応用できる内容になっています。

対策1. 自分が達成したことに思いを馳せよう

インポスター症候群

筆者の場合、人に褒められることで逆に自己嫌悪に陥ったり、「もっと準備すべきだった」と反省したり、「今回は単にラッキーだっただけだ」と考えたり、「自分は不出来だ」という感情に絶えず襲われたり……などの形で、インポスター症候群が姿を現わしました。

そのような思考は、非現実的な目標設定や、極度の疲労を感じるまで自分を追い込むような働き方につながります。その結果として、自分を過労と燃え尽き症候群に追い込んでしまったのです。筆者は当時、自分を正当化するための努力ばかりを重ね、現在の自分に満足するために時間を使っていなかったのです。

そこで今、インポスター症候群に対処するために試みているのが、個人的なもの、友人や家族と一緒におこなったもの、自分の得意な分野など、とにかく自分の達成したことについて考えることです。「自分自身がその分野の知識を取り入れ、一生懸命取り組み、向上の努力を怠らなかったから達成できたのだ」と自分に言い聞かせるのです。

燃え尽きることなく、自信をつけ、満足したいのであれば、自身の成果を認め、賞賛することが欠かせません。

対策2. 分からないことは必ず質問しよう

デザイナーの世界では、自分がチームの中で最も経験の浅いデザイナーに思えたり、アイデアを提案する相手が自分より圧倒的に高いレベルにいるように感じることがあります。そういうときでも私が心に決めているのは、「今までやってきたことをただやること」と、「分からないことがあれば必ず質問する」ことです。

「fake it till you make it(うまくいくまでは、うまくいっているふりをする)」という姿勢は、何かを成し遂げるための最初の壁を越えるときには役に立つかもしれません。しかし推測だけでものを言ったり、嘘の情報を相手に与えたりしてしまうと、それによって後から自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。自分の発言は、常にデータや過去の情報で裏づけしましょう。

相手の発言で分からないことがある場合は、相手に説明を求めてください。組織で何か問題が生じている場合は、手助けが必要であることを周りに知らせましょう。それが最も効率的であり、自然な人間の行動です。

対策3. 自分が快適に感じられるやり方を見つけよう

ノルマに対するプレッシャーや、目標を達成し続けなければならないという意識から、必要以上に自分に厳しくしてしまうことが、インポスター症候群の人にはよくあります。

私は現在、リーダーシップやスピーチ能力が問われる場面が多々ありますが、かつては「自分と異なるキャラクターを演じなければならない」「求める基準を満たすことができていない」といった感覚を受け入れがたく、いらだちを覚えていました。

今ではなるべく自分自身が快適に感じられる方法を探っています。自分に焦点を当て、自分自身がどのように反応し、その状況がどのように自分に影響を与えるのかを客観的に分析するのです。

インターネット上のライフハック記事に頼りすぎたり、人の勧める方法に従ったりするのではなく、自分自身で計画を立てて、自分にあった行動をしましょう。

対策4. 成功を自分ゴトとして受け入れよう

インポスター症候群に陥った人は、何かにチャレンジし、そして成功したとしても「自分の才能によって成功したのではない……」と感じてしまいます。

インポスター症候群の人は、自分に対して高い期待をし、それゆえにチャレンジに成功してもしても、自分の実力による成功と見なせなくなっています。しかし現実には、あなたがチャレンジに成功したのは喜ばしいことであり、「どうせ運が良かっただけだから……」と自分をむやみに不安にさせる必要はないのです。

自分を俯瞰してみると、それはチャレンジの成功を自分ゴトとして受け入られていなかったことが原因であることが分かるかと思います。

筆者の場合は成功を自分ゴトとして捉えるために、自分のWebデザインを自ら積極的にエンジニアに見せるようにしました(以前はしていませんでした)。自ら積極的に公の場で話す機会を設けるようにしました(以前は公の場で話すなんて無理だと思っていました)。

「失敗してしまうのでは……」「他人を失望させてしまうのでは……」といった恐れを手放して一歩踏み出して、自分ゴトとしてチャレンジを積み重ねれば、成功を受け入れられるようになるでしょう。

ちなみに、全てのチャレンジが失敗したとしても、何も問題ありません。私たちは失敗するようにできています。忘れてはいけないのは、「間違いは起きるものだ」ということ。そして小さな改善を通して、それらと向き合うことです。

対策5. すぐに次の作業に切り替えよう

インポスター症候群の人は、プレゼンテーションが上手くいったなど、素晴らしいことが起こった時に、すぐに粗探しを始めてしまう癖があります。

インポスター症候群が起こる原因は、悪い部分にばかり目を向けてしまうことです。ゆっくり成功に思いを巡らす時間を与えず、自分自身の向上を妨げ、ずっと大変な努力ばかりを自分に求めてしまうのです。

そんな傾向のある人は、どんなことがあっても「単なるできごとのひとつだ」と考えてみましょう。失敗により、ネガティブな思考に引き込まれないよう努めるのです。このネガティブな思考を手放さない限り、自分自身が十分でないと感じ、十分に思えるまで働き続けるループを終わらせられません。

上手くいったことを受け入れ、今後進めるべき別の作業に意識を切り替えましょう。そうすることで、前に進めるのです。

おわりに

今回はインポスター症候群への5つの対処方法をご紹介しました。

しかし人は、一夜にして変われません。インポスター症候群をすぐに改善するのは難しいでしょう。

どんな些細なことでも、まず自分ができることから行い、そしてその一つひとつの改善の瞬間を大切にしましょう。

(原文:Tiffany Eaton 翻訳:Okuda Yumiko)

 

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