エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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夏のイベントといえば、海水浴や音楽フェスなどが定番ですよね。
筆者の住むロンドンでは、こうした定番のイベントに加えて、クリエイターが仕事場を公開するイベント「オープンスタジオ」というものがあります。
ロンドンには、さまざまなジャンルのクリエイターが集うクリエイティブコミュニティが数多く存在しています。そのようなコミュニティが、普段は仕事場として活用されている場を公開し、一般の人も交えて楽しむイベントが「オープンスタジオ」なのです!
今回はそんなオープンスタジオに参加し、クリエイターの仕事場を見学してきました。この記事ではその様子をご紹介します。
目次
ロンドンのオープンスタジオ事情を探るために、例として2019年の夏に焦点を当てます。
2019年の6月から9月のあいだだけでも、少なくとも7か所でオープンスタジオが開催されるようです。以下にその情報をまとめてみました。
イベント名 | 開催日 | 場所 |
Bow Road Open Studios 2019 | 6月14(金)18:00〜20:00 6月15日(土)12:00〜18:00 |
Bow Arts, 183 Bow Road, London, E3 2SJ |
6月20日(木)18:00〜25:00 | Netil House, 1 Westgate Street, London, E8 3RL | |
7月4日(木)18:00〜25:00 | Hackney Downs Studios, 17 Amhurst Terrace, London, E8 2BT | |
Old Paradise Yard OPEN STUDIOS 2019 | 7月11日(木)18:00〜24:00 | Old Paradise Yard, 20 Carlisle Lane, London, SE1 7LG |
7月26日(金)18:00〜21:00 7月27日(土)12:00〜18:00 7月28日(日)12:00〜18:00 |
Hackney Wick, Wallis Road, London, E9 5LN | |
7月27日(土) 12:00〜16:00 | Turf Projects, 1046 – 1047 Trinity Court, Whitgift Centre, Croydon, CR0 1UQ | |
The Hive Summer Open Studios | 8月9日(金)10:00〜20:00 8月10日(土)10:00〜18:00 |
26 Holborn Viaduct, London, EC1A 2AT |
開催期間は1〜3日で、週末を中心に開催しているようです。
平日は夜までオープンしているので、仕事のあとにも立ち寄れますね。場所はロンドン東部の地域で開催されていることが多いです。
オープンスタジオの多くは、イベント情報サイト『eventbright』などを通して事前予約を呼びかけています。eventbrightで要求される情報は名前やメールアドレスのみで、チケットはメールで送付されるため、参加までの手続きはとても簡単です。なお、参加費は無料のものが多いです。
オープンスタジオの内容は、スタジオに入居しているクリエイターや、運営団体などによって左右されます。入居者などの情報をチェックしておおまかな内容を掴んでから、参加するイベントを決めるのがおすすめです。
今回は数あるオープンスタジオの中から、Old Paradise Yardで開催される『Old Paradise Yard OPEN STUDIOS 2019』に参加してみました。決め手はロンドンの中心地という立地と、その入居者の多様性。
Old Paradise Yardには、クリエイティブ・コンサルタンシー、出版社、プロップ(映画や演劇で使用される物品)制作会社、ファッションデザイナー、グラフィックデザイナー、建築家など、さまざまなジャンルのクリエイターが入居しています。これだけ多様なジャンルのクリエイターが一箇所に集まっているというだけでも、とても魅力的な環境ですね。
そんなOld Paradise Yardですが、かつては学校やチベット仏教センターとして使用されていたというユニークな歴史も。観光の拠点にもなるウォータールー駅から徒歩約5分という恵まれた立地ながら、敷地内は木が生い茂り、キャンプ場や農場を思わせる、のどかな雰囲気です(というか、農場は実際に併設されているそうです!)。
参加費は無料(事前にWebページからの参加申し込みとチケット予約が必要です)。
当日はチケットに記載されているQRコードを受付で提示し、手にスタンプを押してもらいます。
受付を済ませると無料で飲みものがもらえます。ソフトドリンクも用意されていましたが、ビールが圧倒的に人気でした。
参加費無料なのにアルコールもあるとは……太っ腹ですね!
オープンエリアには飲食店が出店されており、参加者もクリエイターも一緒になってお酒を飲んだり、何か食べたりしてくつろいでいます。
大学の文化祭とガーデンパーティーを足したような雰囲気です。
有料の飲食店とは別に、スタジオがフードやドリンクを振舞うことも。ただ仕事場を解放するだけではなく、参加者を歓迎している様子が伝わってきます。
ここまではオープンスタジオ全体の雰囲気をお伝えしてきました。
では、スタジオの中はどのようになっているのでしょうか。今回は3つの仕事場を訪問して、お話を伺いました。
最初に訪問したのは、プロダクトデザイナーのYasuyuki Sakuraiさんと、グラフィックデザイナーのRisa Sanoさんによるデザイン会社、Mentsen。
それぞれ異なる分野のデザイナーであるお二人のスタジオ。棚でざっくりと2つのエリアに分かれており、工具や書籍が並んでいます。
植物が多く、仕事場というよりもおしゃれなインテリアショップのような雰囲気です。
あちこちにSanoさんのグラフィックデザインと、Sakuraiさんがデザインした棚や椅子などの家具が展示されています。
───今日はオープンスタジオですが、なにか普段と違う点はありますか?
スタジオ内の配置を変えて、棚や椅子を展示し、ソープディッシュなどを販売しています。スタジオは本来プライベートな空間なので、こうして多くの人がいるのはなんとなく落ち着かないです(笑)。
───オープンスタジオに期待していることがあれば教えてください。
オープンスタジオは本来、アーティストがギャラリーを通さずに作品を販売できる場なんです。私たちとしては、友人が訪ねてくれる機会になればいいかなと思っています。
そう答えてくださったSanoさんの言葉どおり、ひっきりなしにお客さんが訪ねてきていました。来客が多い中、快くインタビューを受けてくださったお二人。どうもありがとうございました!
次に伺ったのは、国内外で数々の賞に輝いているクリエイティブコンサルタンシー、GW+Co。
GW+Coのスタジオは白が基調で天井が高く、広々としています。
スタジオ内で何かイベントを行なっているわけではありませんが、Michelleさんがパネルを使いながらブランディングの魅力について語ってくれました。
スタジオの中にはガラス張りの温室のような建物が設けられており、ミーティングはそこで行うそう。
広いオフィスをいかした、ユニークな空間です。
───今日はオープンスタジオですが、なにか普段と違う点はありますか?
業務で使用しているパネルを並べて、この会社の魅力についてお伝えしています。見た目が注目されがちですが、ブランディングの魅力はそれだけではありません。とても奥深い世界なんですよ!
───オープンスタジオに期待していることがあれば教えてください。
こうして訪れてくれるお客さんに、会社のことや、ブランディングという仕事のすばらしさを伝えたいです。
写真をお願いすると「僕たち二人、ボーダー同士でお揃いだからちょうどいいね」と社長のGilmarさん。終始笑顔で、「この仕事が大好きなんです」と楽しそうに語るMichelleさん自身が、会社の魅力を体現しているように思えました。
最後に訪れたのは、Young In Ohさんによる建築事務所、YoungIn Architects。
現在YoungIn Architectsがスタジオとして利用している場所ですが、元々はなんと男子トイレだったそう。
現在はYoung Inさん自身が大幅に改装し、機能的な事務所になっています。
スタジオの奥には、人が集まれるスペースが用意されていました。和気あいあいとした雰囲気でお酒と食べものを楽しんでいます。
───今日はオープンスタジオですが、なにか普段と違う点はありますか?
食べものを用意して、スタジオの内外でお客さんをもてなしています。
───オープンスタジオに期待していることがあれば教えてください。
大きい規模のコミュニティの場合、入居者同士がお互いを知り合う機会になるでしょうね。また、オープンスタジオがOld Paradise Yard自体のマーケティングになっていると思います。私自身としては、友人が来てくれると嬉しいです。
スタジオには人が常に出入りしており、とてもにぎやかでした。オープンスタジオは、友人を仕事場に招く機会だと捉えられている場合が多いようです。
イベント開始からしばらく経つと、人の数がどんどん増えてきました。
来場者はこのイベントになぜ参加し、当日をどのように過ごしているのでしょうか。今回は何人かの参加者にお話を伺ってみました。
最初にお話を伺ったのは、オープンエリアで話をしていたAmandaさんとLisaさん。お二人ともどこかアーティスティックな雰囲気です。
───オープンスタジオに来たきっかけを教えてください。
友人がここで働いていたのがきっかけです。
───オープンスタジオには年に何回くらい参加しますか?
年に2〜3回ですね。
───今日はこれからなにをする予定でしょうか。
ベトナム料理を食べます! あとはこれから開催されるライブも楽しみです。
お二人とも、友人をきっかけに来場しており、年に2〜3回オープンスタジオに参加しているという回答でした。スタジオをまわるだけではなく、食べものやライブも楽しめるところがいいですね。
Mentsenのスタジオの近くでお会いしたKaori Tatebayashiさんは、ご自身も陶芸家としてロンドンで活動中。快くインタビューを受けていただきました。
───オープンスタジオに来たきっかけを教えてください。
Mentsenのお2人と旧知なので、会いに来ました。
───オープンスタジオには年に何回くらい参加しますか?
年に2〜3回です。
───今日はこれからなにをする予定でしょうか。
Mentsenにはご挨拶できたので、ほかのスタジオものぞいてみる予定です。
Tatebayashiさんご自身が入居しているVanguard Courtというコミュニティーでも、オープンスタジオが開催されるそうです。参加者にも、Tatebayashiさんのようなアーティストやクリエイターが多いのかもしれません。
最後に、目をひくお二人にインタビューさせていただきました。DanielさんとDanelleさん、つなげたらブランド名にできそうな、すてきな組み合わせです。
───オープンスタジオに来たきっかけを教えてください。
Timeoutに載っていたのがきっかけです。
───オープンスタジオには年に何回くらい参加しますか?
これが初回です。
───今日はこれからなにをする予定でしょうか。
もうスタジオをいくつかまわって説明を聞きました。このあとはお酒を飲みながらライブを楽しむ予定です。
お二人は誘われたのではなく、自ら情報を掴んで、はじめてオープンスタジオに参加したとのこと。シティガイドであるTimeoutにオープンスタジオの情報が載っているのも驚きでした。
首輪をつけているので、主催者側の飼い猫の可能性も。
インタビューをしていてよく耳にしたのが、「サマーパーティー」という言葉。会場がもつのどかな雰囲気もあってか、参加者は夏の一日をのんびり楽しく過ごしているという印象でした。
こうしてオープンエリアでお酒を飲んでいる人に来場者サイドのインタビューをしようとすると、「私は入居者なの」ということもしばしば。入居者も肩肘張らずに、来場者と一緒になってイベントを楽しんでいることが伝わってきます。
友人と会うことを楽しみにしている入居者が多いものの、決して「一見さんお断り」的な雰囲気はありません。それぞれのコミュニティの輪がゆるやかに広がるような、おおらかで活気あるイベントがオープンスタジオなのかもしれません。
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