エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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カナダ第3の都市、ブリティッシュコロンビア州・バンクーバー。多民族国家カナダの多様性のある環境に加えて、アメリカのIT都市であるシリコンバレーからも飛行機でたったの2時間。このバンクーバーに、近年密かに日本からクリエイティブ人材が集結しています。
今回をお話を伺うのは、カナダで永住権を取得し、現地で10年以上Web制作を行っている日本人・セナさん。「バンクーバーのうぇぶ屋」として知られており、バンクーバーを拠点に日本人クリエイターやデザイナーの留学・海外就職のサポートを行う『Frog』という会社を運営されています。
留学先としてだけではなく、その後の海外就職までも視野に入れた渡航先として、バンクーバーが大きな注目を集めている理由はなんなのでしょうか? 今回はその秘密に迫りたいと思います。
―― まずはじめに、簡単なプロフィールを教えて頂けますか?
私は熊本県出身で、高校から18歳頃まで印刷会社で営業とDTPを担当していました。高校卒業と同時にその会社が東京に支店を出すことになったため、私もそのタイミングで上京しました。そしてその会社にサポートをしてもらいながら、渋谷のデジタルハリウッドというところでウェブプロデューサー専攻でマネジメントの勉強を1年間していました。ただ、プロデューサー専攻といいながらも、デザイン専攻の人たちと一緒にがっつり制作の勉強もしていましたね。
1年後、19歳でデジタルハリウッドを卒業し、ウェブ制作会社にウェブディレクターとして就職しました。私は周りから、フロントやデザインの人間というイメージを持たれていますが、もともとはディレクション側の人間だったのです。ここで2年間働いたのですが、21歳の時に過労で倒れてしまいました。
―― 一生懸命仕事をされていたんですね。その後、なぜカナダへの留学を考えたのでしょうか?
過労で倒れたのをきっかけに、自分の働き方について改めて考えていたのですが、当時自分の周りにバンクーバーに留学されていた方が2人ほどいて、その人たちに話を聞く機会があったんです。留学というのはそれまで意識したことはなかったのですが、Web制作という仕事は世界中で必要とされているし、最初は「海外留学とか、なんとなくかっこいいな」みたいなノリでしたね。国もあまり考えたことはなく、単純に王道でアメリカかなと考えていたのですが、アメリカはビザの関係で難しく断念しました。
そこで、ワーキングホリデー制度もあるカナダを検討しはじめ、また、将来的にアメリカにいけたらという思いもあったので、シリコンバレーとの近さも考えてバンクーバーに決めたのです。カナダの治安の良さも決め手のひとつでしたね。
―― 渡航後の生活はどうでしたか?
ワーキングホリデーでカナダに入り、3ヶ月ほど語学学校で勉強していたのですが、渡航前のイメージとの違いに少し戸惑いました。というのも、語学学校で出会った日本から来ているワーキングホリデーの人たちの9割ほどが、皿洗いやウェイターをしていたのです。働く場所もジャパレス(日本食レストラン)がほとんどで、カフェだったらまだマシ、という環境でした。
当時私は英語を全然話せなかったので、その後3ヶ月の語学学校を終えて、さてこの先どうしようかと思ったのですが、何をトチ狂ったのか、そのまま現地で仕事を探し始めたんです(笑)。ただ、当時は北米の企業がこぞって日本進出をはじめていて、日本語や日本の市場がわかる人材を求めていたというのもあり、日本人は比較的就職しやすかったと思います。FacebookやTwitterが日本語化して、日本への注目が高まっていた最中だったというのもありますね。私は日本での実績もあったので、日本人の上司もいる広告代理店に就職でき、そこで2年ほど働きました。その会社に就労ビザを出していただき、その後の永住権取得にも繋がりました。大変お世話になりましたね。
渡航後3年目にはフリーランスとして活動を初め、2014年にFrogを立ち上げ、現在までここで活動をしています。カナダに来てから11年目になりますね。
―― Frogにて現在行なっている活動を教えてください
Frogは簡単にいうと、エンジニア、デザイナー、映像関係など制作に関わるクリエイティブな仕事をしている日本人の方々の海外進出サポートとプランニングをメインで行っている会社です。海外進出のプランニングの際に、まずは留学を選ばれる人が大半なので、英語力やスキルを考慮した上で、ビザや保険、ホームステイ先など全般のサポートをしています。留学エージェントといった方が近いかもしれません。
仕事内容は非常に幅広く、イベント企画などもやっています。カナダでの就職活動に成功した方々を集めて情報共有をしたり、スキルアップのための勉強会の開催なども行っています。
いまカナダの会社で実際に使われている技術を、現地で就職されている方々に聞くのは大切です。よく、「どのくらいのスキルがあればカナダで就職できますか?」という質問をよく受けますが、答えようがありません。現地就職された方が、どんな会社で働いており、普段どんな勉強をしているかなど、具体的でリアルな情報が聞ける場を提供することも大切にしています。
またFrogは制作関係や業界の分析サポートを行っていますが、やはり留学となるとビザなど専門的な知識が必要になるので、そこはCOSという別の会社に任せています。FrogとCOSは協業という形で常に一緒に働いていますね。
それぞれのスタッフの仕事内容もさまざまですね。エンジニアとして生徒対応や業界情報キャッチアップをしているメンバーもいれば、私たちの命綱ともいえるコミュニティの活性化を目的に、イベントの企画開催など行っているメンバーもいます。
―― 現在Frogでは、カナダを中心とした留学&就労支援をされています。海外の中でも、特にカナダが魅力的な点はなんなのでしょうか?
沢山ありますね。Frogサイトのインタビュー記事にて、海外就職を実現させた経験者の情報をたびたび紹介しているのですが、このようにカナダには「成功事例が沢山ある」という事実はひとつの魅力だと思います。
海外就職というと、一般的には「輝かしくて手の届きにくいもの」という印象がありますよね。海外就職の事例としては、たとえば日本の外資系企業で働き、その後アメリカのオフィスに移籍するというケースであったり、あるいは日本にいる頃からスキルが高く、海外の会社からオファーをもらうなど……。一方カナダでは、学歴や現地のコネクションがなくても、またスキルや英語力を今から伸ばしていこうという人たちでも挑戦できるような環境が充実しています。
ビザの取りやすさも魅力のひとつです。アメリカはそもそもワーキングホリデーができず、イギリスは非常にビザが取りづらい上に物価が高い。現地に行ってすぐに就職するぐらいでないと破産してしまいます。オーストラリアに関しては、半年までしか同じ会社で継続して仕事ができないなど、さまざまな制約があります。一方で、カナダであればひとつの会社で継続して働いても問題ありませんし、現地で1年間学生をしていれば、その後1年間働いても良い、という制度があるなど、ビザの取りやすさが充実しています。現地の公立の学校に1年間在学すればその後1年間、2年在学すればその後3年間分の就労ビザも出ます。その上ワーキングホリデーというオプションもあるので、外国人としての就労環境は非常に充実していますね。
―― カナダのビザ制度は非常に太っ腹なんですね!
アメリカで、例えばFacebookなどの会社で働く人たちの平均勤続年数をご存知ですか? 約2年といわれているんです。この2年という数字を、私たちは重要視しています。私がカナダに来た当時はビザも取りやすく、現地就職は比較的容易だったのですが、ここ最近はビザの問題がより大きくなっています。ですから、自分がどれほどの期間その国に留まれるか、しっかり計画を立てるべきなのです。
Frogのことを知らずに、とりあえずワーキングホリデーでカナダに来た方々の相談は非常に多いです。最初の数ヶ月就職活動をしても結果が出ず、残り数ヶ月しかビザが残っていない人を雇う会社はそうそうありません。残りのビザが少なくても会社が雇いたくなるような高いスキルを持っている人なら別ですが、最初からそんなスキルを持っている人は非常に稀ですよね。ワーキングホリデーや留学をしてから、現地で自分の能力を高め、その後その国で働けたら……と思っていても、ビザの面でそもそも難しいのが現実です。ワーキングホリデーを考えなしに使うのは、そういう意味であまり良くないですね。なので、カナダを選ぶ理由としてビザの取りやすさは確かにありますが、無計画に来るのは気をつけた方がよいです。
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