【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
- コラム
- とは
- フリーランス/個人事業主
こんにちは、フリーランスで編集者・ライターをしております赤坂太一と申します。47歳になりました。
フリーランスとして12年ほど、お仕事をさせていただいていますが、最近知り合いの編集者さんが年下であるケースが増えてきました。
フラットなやりとりができるクライアントがほとんどですが、そうではない担当者とお仕事をする可能性もあります。なんとなく気を遣われてしまう状況になってしまった場合、ちょっと怖いなと思いませんか?
今のところ、ありがたいことに仕事は減っていないのですが、今後はどうなるかわかりません。そこで、いま一度自分を見返す意味も込めて、私が「年下の発注者相手に気を付けていること」をまとめました。よかったら一緒に振り返ってみてください。
編集者・ライター。2023年より福岡と東京の2拠点生活をスタート。福岡の住心地の良さと東京の面白さを改めて実感している札幌生まれの47歳。(X:@taichi_akasaka)
よく「ベテランになるにつれて仕事が減る」と聞きます。周りの環境の変化と自身の年齢、それぞれに原因はあると思います。
ひとつはクライアントの担当者が自分よりも若くなっていくこと。会社組織は人材の新陳代謝があるので、若い人に引き継がれることも多く、お仕事を依頼するにしても、とっつきにくいベテランよりは、年が近い実力のしっかりある人に声がかかるのは自然な流れだと思います。
話しかけにくい空気を出していたりすればもちろんのこと、自分がそこそこの年齢であるにも関わらず、言動や態度が若すぎても声はかかりません。精神年齢が低く見られてしまうと、これまた信用されづらいからです。
私自身、若い頃に発注者として大先輩方にお仕事をお願いする立場でした。どんな人に声をかけていたかな? と思い返せば、「実力があって話しかけやすい人」によく依頼していたと記憶しています。
いつしか自分が年長者になって、周りから敬遠されているとしたら。それは自分の態度や振る舞いによるものかもしれません。
それでは、若いクライアントと接するときに、気をつけなければいけないことを書き出してみたいと思います。
先方が気を遣って、コミュニケーションを少なめにしてくる場合があります。経験豊富なベテランを相手に、細かな確認を何度もするのは、やはり気が引けるのだと思います。
でもコミュニケーションが少ないと、どこかでミスが発生する可能性が高まります。やわらかく、こまめに、こちらから連絡しましょう。
年長者はキャリアを重ねているぶん、若い担当者よりも多くの経験をしているはず。でも、それを過去の栄光のように伝えてしまうと、相手は引いてしまいます。
伝えるにしても、「こういう場合はこうするとよかったですよ」「こういうケースもあったから気を付けたほうがいいかもしれませんね」などと、事例として丁寧に、客観的に伝えたいところです。
日頃、あまり褒められることのない年長者は、こういうときについ自慢したくなってしまいます。絶対やめましょう。
プロジェクトが走り出すときに陥りやすいミスなど、ベテランは過去の経験から失敗しそうなところに気が付く場合もあります。
そんなときは先回りして、先方と「こんなときはどうしますか?」と心配事の洗い出しをしましょう。
また、現場では頼り甲斐のある存在としての振る舞いも大事です。「今日の現場はベテランさんと一緒だから大丈夫だ」と思っていただけるように、クライアントに安心感を与えられるような態度でいるように心がけましょう。
経験の差はあれど、相手はクライアント。対等なビジネスパートナーとしてコミュニケーションに気を配るべきです。明らかに相手が若いからといって、雑な言動はもってのほか。フラットで丁寧な会話を心がけましょう。
年下であっても、目の前に現れる相手は、何かを気づかせてくれる存在であることを忘れずに。謙虚である方が好ましいと思います。
私がこの業界に入ったのが20代前半。一度ブランクがあり、30代に再び編集プロダクションに勤務し独立。そこから10年以上が経ちました。
顕著に実感したのが、30代後半から40代に進むに連れて体力が落ちていくことです。たとえば徹夜がしんどくなってきたり、夏場の外取材のダメージが大きくなったり、稼働できる時間が少なくなってきたり。
それ自体は自然なことだと思うのですが、何より「気力」も減退している自分に気が付き、ショックを受けたのがここ1〜2年の話です。
楽しいコンテンツを作りたいとは思うのですが、1日の作業量の上限が減ってしまい、思考が止まり、手が動かなくなる限界が早く来てしまうのです。
会社員であれば、役職が上がると若い部下に作業をお願いすることもできますが、フリーランスではそれもなかなか難しいですよね。自分の場合は、いただいたギャランティの中で、同業者の仲間にお仕事をお願いすることが増えました。この先は自分も会社を作り、若い人にお願いするというのが自然な流れなのだと思います。
体力と気力の変化によって人に頼るのは、会社員もフリーランスも変わりない自然の摂理だと実感しています。
加齢による変化は、マインド的にも身体的にも大きなものがあると実感しています。
とくに、気をゆるめた時や慣れによって出てしまう軽率な言動や振る舞いには、十二分に注意したいものです。ましてや、誰からも指導されないフリーランスという立場は、自分の態度を振り返る機会もありません。
「年を重ねると、自然と仕事が減っていく」と言われていますが、それは自分が付き合いづらいキャラクターになってしまっていることが原因というケースも往々にしてあると感じています。
無理に20代のようなフレッシュさを出す必要はありませんが、あくまで謙虚に、あくまで朗らかにコミュニケーションを心がけるという絶妙なバランスを意識してみるのがいいと思っています。
(執筆:赤坂太一 編集:少年B)
「定年後フリーランス」が爆増する日本でどう生き残るか
Workship MAGAZINE