エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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人口がどんどん減っていく現代の世の中で、組織は外部の労働資源を積極的に活用していかなければなりません。一方で、フリーランスとしていくつかの仕事を持つ人も増え、会社に雇われず自由に働く人が増えてきました。
雇用契約以外の「契約」には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。この記事では、業務委託契約と派遣契約を比較し、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
業務委託とは、「受注した仕事の成果物」や「業務の遂行」に対して報酬が支払われる仕事のやり方です。受託者(働く人)は個人である必要はなく、企業が受託する場合もあります。
特徴は委託者(クライアント)と受託者の関係が対等であることです。たとえば正社員や契約社員、アルバイトといった「雇用契約」では、会社と労働者は主従関係にあるため、労働者は会社の指示に従わなくてはいけません。
一方、業務委託契約では、委託者・受託者、双方の関係が対等で、受託者は委託者の指揮命令を受けません。
指揮命令を受けない例を挙げると、たとえば委託者は出勤日や労働時間をはじめ、仕事の順番や方法などについての指示を受託者にしてはいけません。報酬はあくまで「仕事の成果物」や「業務の遂行」に対して支払われるもの。受託者はあくまでも自己の裁量と責任に基づいて業務を遂行します。
なお、よく目にする「業務委託契約」という言葉ですが、じつは法律上には業務委託契約という名の契約は存在しません。民法上に定義された「請負契約」と「委任契約・準委任契約」を総称して「業務委託契約」と呼ばれています。
委任・準委任・請負契約の違いとは? 業務委託契約の種類を解説!
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請負契約は、受託者が完成させた成果物の対価として、委託者が報酬を支払う契約です。
代表的な例としては、フリーランスならライターやカメラマン、エンジニア、デザイナーなど、企業であれば建築業者や製造業者などが挙げられます。ライターなら記事を、カメラマンなら写真を、エンジニアならプログラムやアプリを、建築業者なら建築物を作り、クライアント(お客さま)に納品することで、はじめて報酬が支払われます。
たとえ途中まで進めていたとしても、成果物として納品されなければ報酬は発生しません。さらに、受諾者が期日までに成果物を完成させられなかったり、納品した原稿やプログラムに欠陥があったり、契約上で定められた品質基準を満たしていなかったりした場合は、成果物として認められず、報酬がもらえない可能性もあります。
委任契約と準委任契約は、契約内容に応じた一定の時間や進行度合いに対して報酬を受け取る契約です。請負契約のように、完成した成果物に対して報酬を受け取るわけではなく、時給や日給といったかたちで、報酬が支払われます。主にシステムの保守作業や事務仕事など、成果物というかたちで評価がしづらい仕事に対して結ばれることが多いようです。
委任契約と準委任契約の違いについてですが、弁護士や行政書士などに「法律に関する業務を依頼する場合」は委任契約に、法律に関わらない業務はすべて準委任契約になります。そのため、一般的にフリーランスが業務委託契約を結ぶ場合は、「請負契約」か「準委任契約」のどちらかを結ぶことになります。
委託者の企業からすると、指揮命令ができない代わりに、長年のノウハウや経験が必要とされる専門的な業務を専門家に委託することができるというメリットがあります。
ここからは業務委託契約と派遣契約の違いを解説していきます。
「派遣契約」は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣された企業で仕事をする契約形態です。
派遣会社と契約している企業に派遣され、そこで決められた仕事をすることで報酬をもらいます。主に派遣会社から報酬が支払われる場合が多いですが、支給方法はそれぞれの契約形態によっても異なります。その一方、仕事内容については派遣先の企業から指示された業務に従事する必要があります。
近年は、Webサイトの作成や運用、新規事業の立ち上げにおける法務手続きなど、専門的なスキルが必要な業務を任せる「プロフェッショナル派遣」の活用も進んでいます。派遣期間中に実際の働きぶりを見て、直接雇用のオファーも出せるため、入社後のミスマッチを避けた採用にもつながります。
準委任契約と似ていますが、業務の指揮命令系統に大きな違いがあります。準委任契約では委託者と受諾者は対等の関係で、指揮命令もできませんが、派遣の場合は派遣先の企業が派遣されてきた人に業務の指示を出すことができます。そのため、派遣先の企業からみると、社内で継続的に行われている業務の一時補填に適した勤務形態であるといえるでしょう。
また、業務委託契約と派遣契約では、トラブルが起きた際の責任の所在も違うことが多いです。というのも、業務委託契約の場合はフリーランスと委託先が直接やりとりを交わし、業務にまつわる契約を決めることが一般的。個人で契約している場合、業務内で起きたトラブルはすべて個人の責任になります。
派遣契約の場合、雇用契約を結んでいるのはあくまで人材派遣会社です。たとえ業務中にトラブルが起こったとしても、責任をとるのは派遣会社ならびに派遣先企業です。
業務委託契約の場合、委託者と受託者の間で報酬を自由に決められます。派遣契約とは異なって、業務委託契約では人材派遣会社を介する必要がありません。
これにより依頼する企業側のコストが抑えられ、請負側に支払う報酬を幅広い価格帯から自由に設定できようになるのです。交渉次第で報酬アップが望めるのは、請負側のメリットにもなります。
派遣契約の場合は、最長3年までなど雇用期間に制限がありますが、業務委託契約にはそれがありません。
委託者にとっては、状況に合わせて雇用期間を調整できるメリットがあります。また受託者にとっても、努力や成果次第では長く仕事に就けるメリットがあります。
さらに、就ける職種に制限がある派遣契約に比べ、業務委託契約はスキル・知識・経験さえあればどんな職種にも従事できます。自身の可能性を狭めたくない方は業務委託契約が良いでしょう。
業務委託契約の場合、指揮命令が受託者にあるため、委託者はスタッフへの指示や管理をする必要がありません。
委託者に業務を指揮するリソースがない場合は、業務委託を選ぶほうがいいでしょう。一方で、細かくスタッフへ指示をしたい業務の場合は、派遣契約がおすすめです。
また、受諾者にとっても、既存のやり方にとらわれずに仕事ができるメリットがあります。成果を出すための最短・最速な進め方を選んでいける反面、自己管理ができないと難しいです。
派遣雇用契約のみで十分な派遣契約とは違い、指揮命令ができないぶん契約が難しくなりがちです。
独立した業務をそのまま委託するため、請け負う業務によって細やかな条件を決める必要があります。
委託した業務が完了するまでは、委託者と受諾者の間で行われるコミュニケーションは最低限のものです。
小まめに連絡をとらないでいると、納品された成果物がイメージとは違うケースも発生してしまいます。直接管理や指導ができないのがデメリットです。
業務委託契約では、請負側の責任が重くなってしまうのも特徴です。
成果物を求められるのが業務委託契約であり、結果が出せない場合は契約違反とみなされ、信頼をそこなう恐れがあります。
仕事によって複雑な契約が必要な業務委託契約とは違い、派遣契約の場合は人材派遣会社との雇用契約のみで済みます。
双方にとってシンプルで、責任の所在もわかりやすいのが特徴です。
人材派遣会社と契約している派遣先企業で仕事をするため、取り組む業務がある程度決められています。二重派遣とならない限り、業務管理しやすいのがメリットです。
二重派遣については後ほど詳しく解説します。
定期的に契約更新の時期がやってくる派遣契約は、一見デメリットに見えるかもしれません。ですが、見方を変えればより自分に合った仕事先を選べるということです。
契約更新のタイミングで、働き方を振り返るきっかけにもなります。
派遣スタッフは、あくまで人材派遣会社から派遣されているスタッフではありますが、仕事の進捗管理や指導義務は派遣先の企業にあります。
管理や指導に割くリソースがない場合は、大きなデメリットとなりえます。
建築や警備の仕事はできないなど、職種に制限があるのも派遣契約の特徴です。
また、雇用期間も最長3年までと制限があります。たくさん雇用してたくさん退職させる「派遣切り」が社会問題となったこともありました。
業務委託契約であれば、努力や成果によって報酬がアップする可能性があります。一方、派遣契約の場合は報酬がアップする可能性が低く、低賃金に甘んじなければなりません。
昇給制度を利用しない限り報酬は横ばいとなってしまいます。
二重派遣とは、一度派遣先に派遣されたスタッフをさらに別の派遣先に派遣している状態です。労働者がトラブルに遭った際の責任所在が曖昧になってしまうため、違法とされています。
二重に派遣されることで手数料が増え、依頼者の支払う料金と派遣スタッフの賃金の差が大きく開いてしまう原因にもなります。
偽装請負とは、業務委託として請負契約をしているにも関わらず、委託者が指揮命令している状態です。
二重派遣を防ぐために、形式上は業務委託の契約をおこない、実態は派遣と変わらないということが問題になっています。偽装請負も違法とされているので注意してください。
偽装請負は何が問題なの? 判断基準、事例、罰則を解説
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この記事では業務委託契約の種類と派遣契約との違い、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。
組織のパートナーとして仕事をするケースも増えてくるこれからの時代、それぞれの契約について知っておくことは、身を助けることにも繋がります。
業務委託契約はある程度の知識やスキルがあり、成果物の納品まで責任をとれる自信のある方向けです。
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(執筆、編集:Workship MAGAZINE編集部)