エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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モノクロ写真に挑戦してみたことがあるなら、きっとその奥深さにもう気付いているのではないでしょうか。
ハイテク時代の基礎を築いたのは、ほかでもないサイレント映画やモノクロ写真です。そして今もなおモノクロ写真は独自の芸術的価値を持っています。モノクロ写真は過去のものではなく、現代においても人びとの美的感覚に訴える魅力があります。
モノクロ写真はただ美しいだけではなく学びにも役立ちます。写真家を志望するならまずモノクロ写真に取り組んでみましょう。モノクロ写真は特に構図について学ぶのに役立ちますが、そのほかにもさまざまなヒントを得られるはずです。
モノクロ写真のテクニックはさまざまなテーマに応用できます。今回は、モノクロ写真の撮影時のコツ、撮り終わった時のコツ、上達のためのコツをご紹介します。
デジタル写真が登場する以前、アーティストは特殊なフィルムを使用してモノクロ写真を撮影していました。そのような時代に比べると、今日ではモノクロ写真を撮影することは格段に簡単になったといえるでしょう。手持ちのカメラのモードをモノクロに切り替えれば、簡単にモノクロ写真を撮ることができるはずです。
また、電子ビューファインダーを搭載したカメラを使えば、シャッターを押す前に画像をモノクロに変えて確認するオプションを使用することができます。デジタル一眼レフのライブビューでも同様の機能があり、三脚を使う撮影に役立ちます。
画質を保ちたい場合にはJPEGのかわりにRawフォーマットを使用することを強くおすすめしますが、初心者は扱いやすいJPEGを選ぶのが賢明です。
モノクロモードを設定し、任意のオプションを選択しましょう。設定に応じて結果が変わってくるはずです。特にマニュアルでオプションを切り替えながら撮影すれば、よりクオリティが高い写真を撮ることができます。
Dawn, Canal Grande Study III, Venezia, 2016
モノクロ写真において特に有用なのが、NDフィルターとPLフィルターです。NDフィルターはたとえば空の写真の細部を強調するのに役立ちますが、PLフィルターはコントラストを高めて反射を減らすことができます。また、露光を変更して一度に複数の写真を撮り、HDR(ハイダイナミックレンジ)画像として合成することも可能です。
コントラストについては、カラー写真と同じフィルターで調整することができます。これらのフィルターは反対色のオブジェクトを暗くし、焦点をあてるべきオブジェクトを明るくしてくれます。
カラーフィルターは、フィルムカメラ時代のなごりのような存在です。フィルムカメラを使うアーティストはカラーフィルターを購入し、色のトーンを変えていました。たとえば、黄色やオレンジ、赤のフィルターを使えば青空をダークなトーンにすることができるのです。
緑色のフィルターを使えば、風景写真に写る木などの緑を強調することができます。四つのベーシックなカラーフィルターは今なお健在で、モノクロの設定メニューから見つけることができます。
モノクロ写真には、どの被写体を採用すべきかという絶対的なルールがあるわけではありません。しかし、カラー写真のほうが魅力を伝えられる被写体というのは存在しています。また、あらゆるライティングの条件がモノクロ写真を撮影するのに適しているともいいきれません。以下ではその例を二つお伝えします。
前述したように、天候や照明の影響はモノクロ写真においても考慮しなければいけない要素です。Photoshopでの編集は多くの問題を解決してくれますが、あせらずに理想的な条件を待ってから撮影をするほうが賢明です。
雰囲気に大きく依存する被写体も、モノクロ写真においては避けるべきだといえます。日没や日の出などがその例として挙げられます。動物の写真はモノクロでも問題ありませんが、日没や日の出を撮影するならカラー写真のほうが無難でしょう。
夜空やペンギンのように極端に色数が限られているものは、モノクロ写真の被写体としては理想的ではありません。
もし最新のカメラを持っているのであれば、アスペクト比を調整するためのソフトは必要ありません。ほとんどのカメラでは、モバイルカメラアプリと同じ正方形フォーマットで写真を撮影し、構図を電子ファインダーで簡単に調整することができます。
写真のトーンを変えてみることも可能です。一部のカメラはトーンを変える機能を搭載していますが、必ずしもこの作業が必要であるとはいえません。
モノクロ映画のようなざらついた質感の写真が撮りたい場合には、ISO感度を最低値に設定して撮影し、編集で効果を付け加えてみましょう。こうすることによって、写真の質を落とさずにざらついた効果だけを乗せることができます。
ISOを最低値にして撮影する際には、ブレが生じないように気をつけてください。デジタルカメラにはブレを防止する機能が搭載されていることが多いですが、だからといってブレを完全におさえることができるわけではありません。
カラー写真においてもノイズは大きな問題ですが、モノクロ写真においてはさらに重要です。できるだけISO感度を低く設定し、ノイズをできるだけ減らすように心がけましょう。
雨がふっているからといって、写真を撮るのを諦める必要はありません。ただ何もせず雨がやむのを待つかわりに、カメラを持って撮影に出かけましょう。光がソフトであればあるほど被写体間のトランジションはスムーズになりコントラストを調整することによって作品をよりよいものにすることができるはずです。
Black and White beauty Portrait
優れたモノクロ写真に欠かせないのが、適切なライティングです。シェイプ、パターン、テクスチャ、コントラストを表現するためには、適切なライティングが不可欠であるといえます。
ライティングを決める前に、撮影する対象の要素をしっかり観察しましょう。それらの要素をより魅力的に見せることができるようなライティングが理想です。
偏光板は、太陽光などが反射している被写体を撮影するときに非常に有効です。モノクロ写真では反射がさらに強く表現されてしまうので、偏光板を活用して撮影をしてみましょう。
RAW形式にカメラが対応していない、またはをあえて使わないという人もいますが、編集をする段階で画像をモノクロにできるという点においてRAW形式を使うことを強くおすすめします。JPEGでモノクロ写真を撮影することも可能ではありますが、おすすめはできません。
もしRAWが使えない場合は、カラーで写真を撮って画像編集プログラムでモノクロに変換しましょう。これにより、もともとモノクロで写真を撮影するよりも編集が容易になります。
どのようなモノクロ写真にも欠かせないのがグレーの色調です。モノクロ写真において、グレーの色調は繊細な風合いを表現してくれます。こうしたグレーの色調もまた、モノクロ写真の大きな魅力であるといえます。
モノクロ写真は白と黒で表現されていると思いがちですが、実は多くの部分はその中間であるグレーの色調で成り立っています。
モノクロ写真のコントラストを調整方法は二つあります。ひとつは写真を撮影するときにカラーフィルターを使う方法。そしてもうひとつは、写真を撮影したあとに編集するという方法です。
長年にわたり、写真家はPhotoshopのチャンネルミキサーを使ってカラー写真をモノクロに変換してきましたが、Adobeはこれよりさらに優れたツール、Camera Rawを開発しました。Camera Rawでは八つの色ごとに写真の明るさを調整することができます。
Camera Rawではスライダーを動かすことによって白から黒まで色を調整することができるのですが、適切な調整のためにはどのスライダーがどのように影響するのかを知っておかなければいけません。
赤いスライダーを使ってピンクや赤のシャツの明るさを変えると、人物の肌や唇の色ももちろん変わります。トーンとコントラストはカーブとレベルコントロールで調整することができ、HSL/グレースケールコントロールでは色を変えることによってオブジェクト間の識別を完璧なものにすることができます。
覆い焼きと焼き込みは、暗室で写真を現像していた時代からの非常に便利なテクニックであり、主にハイライトとシャドーを調整する目的で使われます。Photoshopの覆い焼きと焼き込みのツールはハイライト、シャドー、またはその両方をターゲットにすることができます。
基本的には焼き込みは明るすぎるハイライトを暗くし、覆い焼きにはその逆の効果があります。これによって容易に美しいテクスチャを強調し、シャープにすることができるのです。ツールの不透明度を変更して、オブジェクトのエッジを細かく編集することも可能です。
日陰でポートレートを撮影するときのように、フラットライトで撮影した写真は、二次元的な仕上がりになる傾向があります。こうした仕上がりを補正したい場合は、LightroomやPhotoshopを使ってコントラストを調整してみましょう。
カラー写真ではテクスチャが見落とされてしまうことがあります。カラー写真では主題が強調され、鑑賞者は写されている対象そのものというよりもラベリングされた主題を見る傾向があります。
モノクロ写真では色という情報がないため、鑑賞者はテクスチャにフォーカスします。テクスチャを強調したい場合はモノクロ写真を選択してみましょう。
モノクロのファッション写真が人気であることからもわかるように、モノクロ写真のコントラストはテクスチャの美しいディティールを表現するのにとても向いています。骨董品や古い建物、風合いのあるテキスタイルなどのテクスチャをモノクロ写真は豊かに表現してくれます。
HSLはこの記事の中でももっとも重要な要素のうちのひとつです。写真を編集してモノクロに変換するには、LightroomもしくはPhotoshopのカラーパネルで色を調整する必要があります。HSLに関するチュートリアルはWeb上にたくさん存在しているので、ぜひ編集の参考にしてみてください。
特に雲や流れる水を撮影する際に、長時間露光はとても役に立ちます。水の撮影に長時間露光を取り入れることによって、より広いエリアを撮影し、コントラストを強調して、フォーカスしたい瞬間を際立たせることができるのです。
動きがぼかしによって強調されるのが長時間露光の特徴ですが、さらに強調したい場合にはリーフィルターのビッグストッパーやリトルストッパーなどのNDフィルターを使用するという方法もあります。これらのフィルターはシャッタースピードを遅くして、露光を減らします。
露光を1/60秒以上にするとぼやける可能性があるため、三脚の使用をおすすめします。可能であればミラーアップとリモートレリーズを使うのがベターです。
専用のフィルターをレンズに直接装着することによって、空は黒く、葉が白く輝くドラマチックな赤外線写真を撮影することができます。
赤外線写真用の設定が搭載されているカメラもありますが、画質がよいとはかぎりません。また、CSおよびElementsで赤外線写真風の作品を作ることも可能です。
モノクロにしたらどう見えるか、という「モノクロ目線」を身につければ、作品を見ながらどの作品がベストかを決めるかわりに、頭の中でその作業をおこなうことができるようになります。もちろんすぐに身につくことではありませんが、いくつかヒントをお伝えします。
まず、色ではなく形を観察するようにしましょう。照明などの条件によって形を把握することが難しい場合であっても、影を捉えれば形を見極めることができます。モノクロ写真はカラー写真よりも形の美しさを際立たせることに長けています。
モノクロ写真で際立つのは形だけではありません。構図もまた、カラーよりもモノクロの写真のほうが容易に把握することができます。ポートレートの肌や髪に光をたすように、構図を際立たせるために光を足してみましょう。
カラー写真のコントラストを強くすると、インパクトが強すぎてかえって悪い印象を与えてしまうことがあります。色という要素がないモノクロ写真であれば、コントラストをより有益に使い、被写体に焦点をあてることができます。
モノクロ写真はあなたの作品をさらに美しいものにする可能性を秘めています。写真をモノクロで撮影したり、撮影した写真をモノクロにしたりするプロセス自体もきっと創作意欲を刺激するはずです。時間をかけて取り組み、その可能性と魅力を追求してみましょう。
(翻訳:Asuka Nakajima)