エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
- ITエンジニア
- 副業
Jason Yuanは、Rhode Island社の若手デザイナーです。彼が実体験を語った 「Apple Musicにお祈りされたデザイナーが、Apple Musicのデザインを再設計してみた」は、 TheNextWebや FastCoDesignなどで取り上げられました。 Jasonは、「デザインで有名な有力企業でさえ訳の分からない選択をしてしまうことってあるし、そしてそれはこんなに簡単に直せちゃうんだよ」ということを実例を持って示してくれたのです。
もちろん、Appleはこのデザインの失敗で深刻な痛手を負ったわけではありません。一般のユーザーは、デザインに改善の余地があることさえ気づかない場合がほとんどです。
世界は完璧じゃありませんし、ちょっと使いにくい程度のインターフェースにユーザーは慣れています。例えば、ややこしい航空券予約プロセスでも我々はなんとか使えている訳ですし、適当な中小企業のWebサイトが結局何をいいたいのか分からないことなんてしょっちゅうです。たいていの場合、それはそれで良いのです。大丈夫、大きな問題ではありません。「戻る」ボタンを押して、見やすいページを探せばいい。運が良ければ、類似のより良いサービスの選択肢はたくさんあるでしょうし。だから、ダサくて使いにくいインターフェースのサービスにこだわる必要がないのです。だから問題にもならない。
しかし、もしあなたがそのユーザーに踵を返されるビジネス側ならば、全然大丈夫じゃありません。大問題です。さて、あなたのサイトはどうでしょう?
目次
例えば以下の3つのどれか1つでも当てはまったら、あなたのWebサイトはリニューアルが必要かもしれません。
さて、あなたの現状が見えてきましたか?
次に、「サイトリニューアル」とはなんなのか、定義していきましょう。
サイトリニューアルとは、以下のようなことを指します。
逆に、以下のようなことはサイトリニューアルではありません。
さて、サイトリニューアルは何を指し、どういう人にそれが必要なのかまで述べてきました。いよいよサイトリニューアルの計画を立ててみましょう。
Webサイトのリニューアルを検討しているなら、改善すべき目に見える問題はすでに分かっているかもしれません。しかし、Webサイトがうまく機能していない理由というのは、ひとつだけではなく複数ある可能性もあります。ここでは、Webサイトでチェックすべき4つのポイントをご紹介しましょう。
最初にユーザーがホームページを訪れたとき、何をみるでしょうか?あなたのビジネスがどのようなものであるか分かりやすいですか?必要な情報はサイトの中で簡単に見つかりますか?もしこれらの質問に答えられないとすれば、ユーザーのペルソナを設定できておらず、どんなユーザーがターゲットなのかも不明確なのでしょう。 全てのターゲットアクションは、コンバージョン基準で明確に設定された目標結果に常に紐づけられている必要があります。
▲Yelpはコンバージョン戦略を変更し、場所ベースから体験ベースの配置にデザインを変更しました
サイトの中心となるメッセージを、ユーザー・顧客に正しく伝えられていますか? ユーザーにとってそのメッセージは分かりやすく、またそのメッセージが伝わるまでの導線はしっかり設計されていますか? Webサイトの読み込みスピード、便利なメニュー、セキュリティ、動作性の高さ……非常に多くの要素がユーザビリティに関わっています。
もし、ページを訪問たユーザーが、サイトから期待した情報を得られていないとしたら、コンテンツ戦略を練り直すべきです。コンテンツは正確で、読みやすく、ユーザーのニーズに高い関連性を持っている必要があります。タイピングや文法的ミスという次元を超えて、本質的な部分でこうした問いに答えを出してみてください。
▲CNNはニュース一覧が並ぶページで、新しいニュースほど大きい画像で表示し、くわえて文字が詰め込まれないようにデザインを変更しました
SEO(検索エンジン最適化)対策の有無は、検索エンジンからあなたのサイトへたどり着くユーザー数を大きく左右します。たとえば、コンテンツがグラフィックばかりで埋め尽くされており、代替テキストや効果的なHTMLタグ、関連キーワードが挿入されていなければ、あなたのコンテンツは検索上位に表示されにくいでしょう。自ページのSEOをWebsite GraderやSEOptimerなどのオンラインツールを使って評価し、最適化の中の明らかな誤りは早めに見つけましょう。
評価フェーズの最後では、サイトリニューアルの詳細を述べたプロジェクト文書をまとめる必要があります。この文書の役割は、開発者、デザイナー、戦略担当者たちを、アイデアからリニューアル完成まで導くことです。この文書では、評価のフェーズで設定した全ての目標や期待する結果をきちんと説明し、会社の状態、ターゲットの性質、プロジェクトの予算や時間的制限を明記しましょう。
コンテンツファーストアプローチは、今日のWeb業界で最も人気なデザイン思想の一つです。これが意味するところはつまり、デザインはWebサイトの「主役」である情報やメッセージにとっての、ただのフレームワークにとどまるべきだということです。すごくオシャレでスタイリッシュなWebサイトでも、ユーザーに正しくコンテンツを届けられないのでは意味がありません。
またコンテンツファーストのアプローチは、ミッションやゴールに常に誠実に向き合っていられるため、サイトデザインへの迷いが少なく済みます。そして、正しいサイト階層と一貫性を確実に実現できます。
コンテンツファーストの思想のもとでWebサイトの情報構造をどうリニューアルしていくか、例を見ていきましょう。
情報構造(Information Architecture =IA)の構築は、あなたのWebサイトをユーザーにとって分かりやすく魅力的な方法でまとめることを示唆しています。IAの構築は、データに基づいて進行されます。ここにきてフェーズ1のリサーチ結果が大いに役立つのです。Heatmaps、 Googleアナリティクス、トラッキング ……そうした調査・分析ツールの全てがIAの構築をスムーズにし、IAは顧客情報とビジネス的要請(つまり利益)のバランスを取ってくれるのです。
カスタマー・ジャーニーは、ユーザーがそのサイトを訪れるときに関わる全てのタッチポイント(何に興味を持ち、何のキーワードで検索して、何のページに訪れて、何のリンクをクリックして……)を描写したものです。カスタマージャーニーを作ろうという場合、ペルソナとユースケースが必要となります。
もしユーザーが、あなたの会社の製品についてもっと知りたくてWebサイトに来ているとしたら、最初に何をクリックするでしょうか? あるタスク(「製品Aの中で自分の欲しいタイプを選んで買う」)をひとつ達成しようと思うと、たいがい小さいタスク(「製品Aの価格を会社ごとに比較」「製品Aの機能を知る」「製品Aのタイプごとの違いを知る」など)をいくつも完遂しなければなりませんよね。そして、そのタスク間の繋がり/関係性がまさにユーザーの経路であり、「カスタマージャーニー」を生むものなのです。
▲Spotifyのユーザーフロー(転載元)
フェーズ2は、コンテンツがどのように新しいゴールに役立つかをテストする役割を果たします。カスタマージャーニーにて得た知見を、現在のコンテンツを見直すのに活用しましょう。新サイトではどれに編集が必要で、どれが完全な書き直しが必要で、どれを削除すべきでしょうか? 最後までコンテンツに目を通せないような不具合、内容の不一致がありませんか? 競合相手のユーザーフローを検証して、顧客をどのようにゴールまで誘導しているか学ぶと良いでしょう。また検索画面をうろうろしている人たちには、魅力的なコピーとサイトへの行動喚起を意識して、彼らをうまく誘い込む方法を見つけましょう。
サイトマップには、新しいサイトの案内図とページリスト、そしてページ同士の関係性を載せましょう。サイトマップは、サイトを体系化してくれるだけでなく、Webページを巡回するクローラーが各々ページを見つけやすくしてくれます。魅力的なサイトマップを作ることは、WebサイトのUXを考える上でもっとも重要なことのひとつです。
▲旅行マネジメントサイトのサイトマップ(転載元)
サイトマップの要素は、基本的にはカスタマージャーニーを作る際に決定するコンテンツのカテゴリーに準拠します。サイトマップの要素は階層状に構成される必要があるため、カテゴリを正しいアイテムに繋いでいくことで、それらの関係性について必要な情報を提供する図ができます。
サイトマップが完成したら、ワイヤーフレームの作成に入りましょう。ワイヤーフレームとは、コンテンツが各ページでどう体系化されるかについての簡単な設計図です。ユーザビリティを具現化するステップといえます。
▲Booking.comの新デザイン用ワイヤーフレーム(転載元)
ワイヤーフレームはコンテンツ中心のツールです。そのため、ダミーの Lorem ipsum テキストはこの段階では使わず、旧Webサイトのテキスト(またはワイヤーフレーム用の準備テキスト)を使い、競合サイトのコンテンツと比較しましょう。準備テキストはざっくりとしたアウトライン、サイトに載る情報の箇条書きで問題ありません。
ワイヤーフレームは、情報構造を提示し、検証するためだけに存在しているため、色付けや組版、その他ビジュアル的な要素で独自性を出す必要はありません。これは「断捨離」的な思想で、簡単に後から変更できるように作成し、本当にUXにとって大切なものにフォーカスを当てたものにしてください。
製品をうまく検証してくれるAIみたいなものが開発されるまでは、ユーザーに製品をテストしてもらう必要があるでしょう。デザイナーは幅広い手法を使って、ターゲットのリアクションを観察し、フィードバックを得て改善を続けます。例えば、KJ法のようなカードを使ったやり方や、調査、インタビュー、アイ・トラッキング(目線の追跡)、ゲリラテスト……等さまざまな方法があります。(ユーザーから客観的にフィードバックを得る方法論についてはこちら)
実際にユーザーに会って知見を書き起こすことも可能ですし、オンラインで潜在ユーザーから意見を聞くこともできます。どちらの場合でも、先述のワイヤーフレームが資料として使えるのです。
ユーザーはあなたの説明・解説とワイヤーフレーム上での位置確認だけを頼りに操作をします。そのため、最も現実的で操作可能性の高いシナリオを作ったほうが良いでしょう。そうすることで、デザインプロセス全体で行う似たようなテストの数を減らすことができ、またブランドのアピールポイントがユーザーに響いているかどうかを確実にチェックできます。
この第4フェーズでは、ワイヤーフレームは完璧に構築されたUIに姿を変えます。UIは情報構造とビジュアルデザインを結び付けます。サイトマップとワイヤーフレームの作成は、UIを導入するための準備です。そう、ビジュアルの部分は最後に来るのです。
UIのリデザインは、リブランディングとよく混同されます。UIを更新することは、新しいブランドアイデンティティを創出するときにも必要かもしれませんが、二つの用語は同じではありません。リブランディングは、ブランド社会での認識を変えようとするマーケティングのツールです。その変更には、ロゴ、名前、画像、また音声面からのリデザインさえも含まれるでしょう。リブランディングは会社を過去のアイデンティティから解き放つことが目的なので、これは非常に大ごとで急進的な行為なのです。一方でUIのリデザインは、その時々のWebデザインの流行を反映することが多く、頻繁に行われるべきなのです。
では、ビジュアルデザインにはどういうアプローチで取り組めばよいのでしょう? ここでは3つのポイントを取り上げます。
近代的なwebサイトを持つ多くの会社は、彼らのブランドイメージと上手く合わないのであれば、グラデーションや大きなレタリングをUIに取り入れません。まずはそれを補助するような、基礎的なデザインアイディア(例えばマテリアルデザインや躍動感あふれる配色)を使ってみましょう。
もちろん、デザインがブランドのために活きるようにする必要があります。ブランドを無視してデザインだけが目立っても意味がありません。
ユーザーの目的達成を助けることは、動的なボタンをつけたり魅力的なローディング画面に凝るよりもずっと重要です。ユーザーはワンクリックで購入を完了させたいし、重要なことは通知してほしいし、ページ上部でもっとも価値のある情報を見たいのです。
ユーザーが今日Webサイトに求めているのは、シンプルさです。ミニマリズムは追うべき流行であるといえるでしょう。過剰な装飾で非効率なデザインは、いい結果や感動を生みません。
全ての検証項目を確認し、全てのバグを取り除いたら、いよいよリリースです。新デザインのWebサイトをリリースすることは、初めてそのサイトを立ち上げたとき以上に大きなインパクトを生む可能性もあります。あなたの顧客は、使い慣れたリンクを開いてみたら、まったく違うインターフェースが目の前に広がるのです!サイト全体の様子を見て回りたくなりますよね。
さて、ユーザーが更新されたサイトを見て「このサイト(サービス)にこれからもお世話になろう」とユーザーに思わせるにはどうすればいいのでしょう?ここでは3つのポイントをご紹介します。
リニューアルのような複雑な業務に取り組んでいると、何かが記憶から抜け落ちることはよくあります。全てのアドバイスやタスクをこなしたか、またアクセシビリティ、ユーザビリティ、SEO対策……などに全て取り組んだか。
インターネットにはたくさんのWebデザインチェックリストがあるので、それを利用しましょう。たとえば、 こちらは一般的なWebデザインのチェックリスト。他にもこのSEOに関するチェックリストは検索結果上位にサイトを表示するために有用です。
新しいバージョンのサイトを、限られたユーザーにだけ公開することも、さらなるフィードバックを得たり、小さな変化にコントロールをきかせる手助けになります。
ユーザーに、まだアップデートの途中だと伝えた上で、意見を積極的に伝えてもらうよう依頼しましょう。もし前のサイトの方が良かったらのならそちらに戻す可能性を検討するのも良いでしょう。当たり前ですが、旧バージョンの方が良いという意見が多かった場合、新バージョンで何か重大な問題が起こっているというサインです。
リニューアルが、会社だけでなくユーザーからも長く待ち望まれたものであることを、周囲にちゃんと広め伝えていく必要があります。ユーザーにサイトの変化したポイントを案内し、それにより生まれるメリットについて明確に説明しましょう。新しいユーザーフローを使って、ひとつタスクをこなすところまで手伝ってあげてください。もちろん、彼らが新デザインサイトを自由に閲覧して、「リニューアル」の効果を探索することもさせてあげるべきです。
この段階にくれば、きっと前回のテストでは発見されなかった新たな問題も見つかるでしょう。そうした問題の中には、ユーザーの使い勝手を大きく損なう可能性があるものもあるでしょう。残念ながら、こういうものが見つかった場合は旧バージョンに引き返すべきです。
最近の Snapchatのアプリリニューアルが、絵にかいた餅で終わってしまった話をどこかで見聞きした人も多いでしょう。12億5千万人が嘆願書を送って旧バージョンに戻してほしいと訴え、アプリストアでの評価は1.8ポイントにまで落ち、Snapchatのユーザーは数日のうちにSnapchatから逃げてしまいました。ほとんどのユーザーは新バージョンの使い方を学習して慣れる必要があったのでしょうが、 それは他人に期待しすぎというものです。
デザインをどんどんアップデートするのも良いですが、その変化をしっかりユーザーに説明していきましょう。フィードバックを慎重に集め、データを精査することで、何が問題を起こしているか見つけられます。また、旧コンテンツとデザイン要旨を安全に保管し、必要があればすぐ見られるようにしておきましょう。
目標次第で、リニューアルをリードするポイントは変わってきます。たとえば、コンテンツは素晴らしいがUIが時代遅れだとしたら、経路誘導とUIを改善することでWebサイトの効果は大きく変わるはずです。また、ビジュアル面では洗練されているがコンテンツ自体に問題があるとしらら、「何を伝えたいのか」「それを最も効率的に実行するにはどうするのか」について集中的に取り組み、コンテンツを改善した方がいいでしょう。時には、今あるサイトにおけるユーザーの訪問経路を完全に刷新する必要がある場合もあるでしょう。
そしてそれらの思い切った大転換には、のちにさまざまな改善が連なってくるのです。どのようなリニューアルにおいても、以下の3つの法則が、リニューアルを無事に成功させるカギとなってきます。
今日の業界では、リニューアルは「敏捷」で「継続的」で「増加傾向」であるべきです。急で大きな変更にユーザーは追いつけず、ユーザーが慣れるまでにはより多くの時間と労力を費やします。何よりそういうアプローチは、いくつかの時代遅れなWebサイトにしかみられません。
徐々に小さなアップデートを行なっていくことで、ユーザーは急な変化にとまどうことなく、コンバージョンを維持できます。革命的なアプローチがもたらす混乱リスクも避けられます。
サイトリニューアルのもたらす価値を計測するには、リニューアル前後のコンバージョンを比較するのが良いでしょう。検索流入数の変化は、SEO対策の効果の現れです。直帰率やサイト滞在時間からは、サイトのパフォーマンスと利便性が分かります。そしてコンバージョン率は、CTA(行動喚起)やランディングページ、フォームの成否を判定するのに役立ちます。
もしサイトリニューアル前の方が良い結果が得られるなら、旧バージョンに戻した方が良いかもしれません。
多くの場合、Webサイトリニューアルのプロセスは、一からWebサイトを構築する作業と似ています。どちらの場合も、リサーチとテストを無視することはできません。
しかし、新バージョンが旧バージョンより良いかを評価するためには、それぞれのサイトの動き方がそもそも違うため、評価基準を統一するのが難しいです。
この問題を改善した評価方法が、まったく新規のユーザーに、新・旧Webサイトの両方を試してもらうことです。既存のユーザーだと、慣れ親しんだUIと初めて見るUIを比較することになり、バイアスがかかってしまうからです。新規ユーザーであれば、フラットな視点から新旧サイトを評価してくれます。
(著者:AltexSoft Inc 翻訳:Yuko Nakamura)