エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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デジタル製品が浸透していなかった時代は、画面上に示されたフラットなボタンを押せるものだと認識できる人は多くありませんでした。そのため浮き出たようなデザインのスキュアモーフィズムが主流に。
しかし、近年のユーザーはスクリーン上のボタンをタップしたり、コンテンツをスワイプして左右に動かすことに、慣れています。コンテンツが自分の視界において見えなくても、バックグラウンドで起動していることも理解しています。
ここ数年は、滑らかで立体的なボタンや、リアルなボタンの物質に似せたデザイン等は不要とされてきました。音声アシスト製品が増えたことによって、スキュアモーフィックなインターフェイスが注目されています。
スキュアモーフィズムは、インターフェースにおいて現実世界に存在するメタファーを使用することで、 インターフェースにおけるわかりやすさを高めようとして取り入れられました。機械のスイッチのように見える立体的なボタンや、木目調の材質のキャンバスなどを、スクリーン上に表示されるインターフェースに使用する例等がよく見られます。
では、スキュアモーフィズムはあらゆるインターフェイスからなくなったのでしょうか?
その答えは、NOです。スキュアモーフィズム自体は、実は今も存在しています。しかし、それは目に見えるものではないのです。
新しいスキュアモーフィズムは、音声アシストの中に存在しています。Amazon Echo、Google Home、そして、みなさんの携帯にも搭載されている、Siri、Alexa、Cortanaもその仲間です。
音声アシストは、身体はないものの、まるで人間のように作動します。そして、ユーザーも、音声アシストをまるで人間のように話しかけ、彼・彼女の名前を呼びます。彼らはときどきジョークを言い、ユーザーは、それによって感情を動かされます。音声インターフェイスの中にいるアシスタントには性別も決められているし、音声アシストの声は、人間が発するイントネーションをそのまま真似ています。
ビジュアルにおけるスキュアモーフィズムは、実際のボタンらしいボタンを表現していますが、音声の場合は、アシスタントの人間らしい声を表現しています。
音声アシスタントは、家電のオートメーションや、自動運転技術、その他のスマートデバイス等のインターフェースに取り入れられています。
声をインターフェースとすることで、ロボティクスにおける心理学の重要性が増します。音声は、他の会話をするインターフェースと同様、人間に話しかけることによって、感情的な反応を引き起こします。感情的な愛着を持つことで、人が音声アシストを信頼しやすくなるということが、音声アシストにおいてスキュアモーフィズムが生み出す効果の一つです。
スキュアモーフィックなビジュアルインターフェースは、現実世界を参考にデザインされています。モチーフとなっているものは、多くの人に馴染みのある、触り心地のある物体です。重機械や家庭の機械のスイッチ等におけるコントロールパネルのデザインを真似ているものもあります。初期のコンピューターのインターフェースは、これらのモチーフをよくそのまま使用していました。
コンピュターがよりパーソナルなものになるに連れて、オフィスの中にあるものがメタファーとして使われるようになりました。「机の上」は、最初に作られたメタファーの一つです。さらに、タッチスクリーンを持つパーソナルモバイルデバイスができてから、メタファーはもっと細かく、行動そのものをオブジェクトにしたような分かりやすいものに変化していきました。
音声アシストの価値は、パーソナルアシスト、ナレッジソース、コントローラー、そしてサービスへのアクセスポイントとして機能する新しい選択肢として、価値があると考えられています。
音声インターフェースをデザインするのに、スキュアモーフィズムを利用するのが間違っているとは言いませんが、今後、ビジュアルインターフェースで起こったようなスキュアモーフィズムの衰退が音声アシストにおいても起こるのではないかと思います。人が音声アシストを自然に使えるようになり、確実な行動を取れるようになってきたら、衰退の動きはすぐに訪れると思います。
音声インターフェースからスキュアモーフィズムがなくなったら、人間らしい音声ではなくなり、その価値は人らしさではなくどのように機能されるかということによりフォーカスされることになるでしょう。
スキュアモーフィズムは、人々がサービスやプロダクトと接触するための表面的なレイヤーです。そして、その先にあるプロダクトやサービスは、人が抱える問題の解決策を提供します。
スキュアモーフィズムと並んでよく活用される、バイオミメティクス(生物模倣)は、プロダクトやサービスの創造に使用されます。スキュアモーフィズムが人の一時的なインタラクションを元に表現されるのに対して、生物模倣とは、スキュアモーフィズムよりもっと深いレベルを表します。自然の世界にあるモデル、システム、行動等を模倣し、どのように、そしてなぜという理由までを含め、デザインや技術開発に活用されます。
ビジュアルインターフェースにおいては、スキュアモーフィズムは次の時代に進んでいると言っていいでしょう。そして、それは音声インターフェースにおける見えないスキュアモーフィズムにおいても、同じことが起きると想定されます。
(翻訳:Akiko Ogita)