エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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プランナーや編集者などの企画職はもちろんのこと、デザイナー、マーケター、広報など「アイデアや企画を考えるのが仕事です!」といった方は多いでしょう。
私も記事の企画を考えるたびに、ウンウンと頭を悩ませているWebライターのひとりです。人をあっと驚かせるようなアイデア、これまで見たこともない斬新な企画……。どうやったらポンポンと浮かぶようになるのでしょうか?
悩んだときは先人の知恵に頼ろう!ということで、発想力/企画力/アイデアと名のつく本を8冊読み比べてみました。
「具体的なノウハウが載っている実践的な本」「心持ち・マインド重視で書かれている本」など、内容別にご紹介します。実際にノウハウを試してみた感想も添えているので、ぜひ本選びの参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
書名 | 嶋浩一郎のアイデアのつくり方 |
著者名 | 嶋浩一郎 |
実践的なノウハウ | ★★★★☆ |
心持ち・マインド | ★★☆☆☆ |
特徴 | 欲しいノウハウが体系的にまとまってる、現役広告ディレクターが書いた本 |
こんな人向け | 整理整頓が苦手 |
購入 | Amazon |
『博報堂ケトル』の嶋浩一郎さんが書かれた本。嶋浩一郎さんは雑誌『ケトル(※2020年12月15日発売号を以て休刊)』の編集長でもあり、下北沢にある本屋B&Bを立ち上げた方としても有名です。
「アイデア」や「斬新な発想」は限られた人にしか降りてこないもの、その降りてくる過程は知る人ぞ知る、未知のものであるイメージが強いかもしれません。しかし、嶋さんは本作で「アイデアを生むために必要なのは、よりたくさんの情報である」と書いています。
嶋さんが提唱するアイデア発想法は、以下の3ステップ。
<嶋さん流アイデア発想法>
- ステップ1 :【情報収集】とにかく集める
- ステップ2 :【情報放牧】寝かせて、並べる
- ステップ3 :【化学変化】予想外の出会いとアイデアの誕生
最初はとにかく情報を集めて、手帳でもノートでもメモアプリでもいいから記録すること。嶋さんは「手帳は情報を放牧する場所である」とも書いています。どんなことでもいいから、自分がちょっと気になったことや面白いと思ったものを「収集」することから始めると良いとのこと。
情報の仕入れ先もさまざまです。
<情報の仕入先>
- 本、マンガ
- 映画、アニメ、動画
- TVやラジオ番組
- 人との会話
- 雑誌、新聞
- 会議や雑談
「とにかくなんでもメモしようと言われても、本当になんでもいいの?」と少し不安に思う方もいるかもしれません。私もそのひとり。
そんな私たちのために、嶋さんは「情報を集める方向性」についても5つにまとめてくれています。
<情報を集める方向性>
- 事実
→新聞や雑誌など、気になった「事実」をメモする
例:都内在住30代男性の平均年収は約600万円- 意見
→他の人の主張で気になったもの、斬新な「意見」をメモする
例:毎日化粧水をつけ、月に1回は美容院へ行くのが普通の男性
(①②参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/a986f44f17603df21ef359ced9d05145e9769438)- 分析
→ナイスだ!と思った「分析」をメモする
例:私が結婚した理由は「選択肢が多いほど幸福とは限らない」ということに気付いたからだった。- 疑問
→自分の疑問を含め、小説やエッセイなどの主人公・著者自身が抱いている「疑問」をメモする
例:ルールがあるから安心することがある一方で、ルールがあるから信じられないこともありませんか?
(③④引用:長井短「内緒にしといて」)- 表現
→面白いと思った文章表現、比喩などの「表現」をメモする
例:白いたつまきが空に向かってまるで太いロープのようにまっすぐたちのぼっている。
(引用:村上春樹「海辺のカフカ」)
これらの方向性に沿って、気になったことや面白いと思ったことをメモします。これならいまからでも始められますね!
お気に入りの手帳やノートにメモするもよし、以下の記事を参考にメモアプリを使ってみるのもよし。アイデア脳になるため、メモ活動を始めましょう。ちなみに私はモレスキンのノートとEvernoteを併用しています。
そのほか、おすすめのメモアプリについては以下の記事もご参照ください。
無料のおすすめメモアプリ25選!かわいい〜シンプルまで【Windows/Mac/iPhone/Android】
Workship MAGAZINE
書名 | ひらめきはスキルである |
著者名 | 瀬田崇仁 |
実践的なノウハウ | ★★★★★ |
心持ち・マインド | ★★★☆☆ |
特徴 | いますぐ試せるノウハウ中心の、コンサルタントが書いた本 |
こんな人向け | 具体的なノウハウを知りたい、いますぐ実践したい |
購入 | Amazon |
とにかくノウハウが知りたい!いますぐ発想力を鍛えられる訓練を始めたい!という方におすすめの1冊。これでもかというほど具体的なノウハウが詰まってます。一例をご紹介しましょう。
<発想力を鍛えるノウハウ>
- 学びを結果に変える読書法
- 学びのゴールデンタイム活用法
- お気に入りの記事をデジタル写経
- ひらめきに繋がる趣味の追求法
- 問題解決のタネを探す「何かないかなメガネ」
上記はごく一部です。245ページ分たっぷり、最初から最後まで具体的な訓練法しか載っていません。早起きしたり定時上がりしたり、いつもとは違う習慣をつくって時間を作る必要もなし! これまでの生活を続けるなかで、自然と発想力を鍛えることができます。
なかでも私のお気に入りは、学びを結果に変える読書法「A4マトリクスノート術」と、問題解決のタネを探す「何かないかなメガネ」です。
1冊の本を読んで学んだことを、A4用紙1枚にまとめるのがA4マトリクスノート術です。ひと目でパッと分かるよう、学びを一覧にするのがコツ。後から見返すときに復習しやすいのもメリットです。
読んだ本から学んだことをこのノート術でまとめておけば、「読んだだけで終わり」といった状態を避けられます。
常に「何かネタが落ちてないだろうか」と探しながら街中を歩いたり、見聞きするものに触れたりすることをこの本では「何かないかなメガネ」と呼んでいます。
たとえばコンビニやドラッグストアに買い物に行くとき。普通に買い物をするだけでなく、以下のような目で店内を見てみると、企画の種に出会えるかもしれません。
- 商品の並びはどうなっているか?
- 季節商品はどれだけ展開されているか?
- お菓子や食品からどんなトレンドが読み取れるか?
日頃よく行くファミレスでも、見方を変えるだけで新しい情報に出会えることも。
- 店舗による主力メニューの違い
- 特定の店舗にしかないオリジナルメニュー
- あまり知られていない、組み合わせると美味しいメニュー
ご飯を食べるだけでなく、美味しさ以外の情報も持ち帰れたら一石二鳥ですよね。
書名 | 「ついやってしまう」体験のつくりかた |
著者名 | 玉樹真一郎 |
実践的なノウハウ | ★★☆☆☆ |
心持ち・マインド | ★★★★☆ |
特徴 | 体験デザインの話が中心の、元任天堂プランナーが書いた本 |
こんな人向け | ゲームが好き |
購入 | Amazon |
そんなつもりはないのに、ついついやってしまう体験。自然と人を惹きつけ、行動させてしまう仕組みづくりについて書かれた1冊です。
ゲームにおける体験デザインの話が主なので、日頃ゲームをやらない方にはイメージが掴みづらく不向き。ゲームが好きで、かつ「行動を引き起こすためのデザイン設計」に興味がある方におすすめします。ノウハウよりは考え方、マインド中心の本です。
書かれている内容の一例として「スーパーマリオ」の体験デザインを挙げます。最も有名なゲームのひとつと言っても過言ではないスーパーマリオシリーズ。任天堂といえばまず本作を思い浮かべる方も多いでしょう。
では、「なぜマリオにヒゲが生えているのか?」理由を聞かれたら答えられるでしょうか。マリオにヒゲが生えているのも、立派な体験デザインのひとつなのです。デザイナーさんの好みや遊び心ではありません。
※※以下本書のネタバレを一部含みますので、ご注意ください※※
マリオにヒゲが生えている理由は……「身体の向きがひと目で分かるようにするため」です。スーパーマリオが発売された当時(1985年)はドットが荒く、限られた色数で表現しなければなりませんでした。
スーパーマリオは、マリオを「右へ」動かすことで進むゲーム。最初の画面で「マリオが右を向いている」ことがユーザーにわかりやすく伝わらなければ、成立しないのです。
他にも「そんな理由があったの!?」と驚いてしまうゲーム体験デザインについて書かれています。直接的に発想力を鍛えるノウハウは少ないですが、物事の捉え方を変えるのによい1冊です。
任天堂のゲームに学ぶ、ユーザーオンボーディングにおける3つの教訓
Workship MAGAZINE
書名 | アイデアは考えるな |
著者名 | 柳澤大輔 |
実践的なノウハウ | ★★★☆☆ |
心持ち・マインド | ★★★☆☆ |
特徴 | アイデア出しに特化した、面白法人カヤック代表が書いた本 |
こんな人向け | 体育会系である、質より量重視 |
購入 | Amazon |
面白法人カヤック代表・柳澤大輔さんが「もっと世の中に面白がり屋を増やしたい!」をモットーに書いた1冊。アイデアは机に向かってウンウン唸りながら出すものではなく、外に出て行動することで生まれるものと定めています。
実践的なノウハウ、マインドともに半分ずつの文量で構成。企画を考える際に悩むことが多い、アイデア出しの方法を中心に知りたい方向けです。
<「面白がり屋」になる方法>
- 自分から「楽しい」と言う
- 神様にフェイントをかける
- とにかく目の前のことに乗っかる
- 縛り、連想、組み合わせを活用する
- アイデアの公式を使う
朝起きて、決まった朝食を摂り、電車に乗って会社へ行き、仕事をし、同じルートを通って自宅へ帰る。
決して悪いことではありません。でも、変化のない毎日の繰り返しは何も生まず、「面白がり屋」にはなれない。まずは自ら楽しいと思えることを探し、少しずつでいいから変化を意識することが大切だと学べます。
合わせて重要なのは、「アイデアの公式」を活用すること。本作で紹介されている公式は「結果逆算法」と「マンダラチャート」です。
結果から逆算して考える方法。まずは求める結果をイメージとして共有し、そこに至るために必要なアイデアは何かを考えます。
本作での例は「思わず笑っちゃうくらいに満員電車を楽しむ方法とは?」です。満員電車を解消する方法を探すのではなく、思わず笑っちゃう仕組みを考えてみるアプローチ。実現可能性はともかく、さまざまなアイデアが出せそうですよね。
ちなみに本作で紹介されている方法は以下のとおりです。
- 背中に「どうぞくすぐってください」と張り紙をする
- つり革で体操をする
- おもちゃの虫を床に放つイタズラをする
企画出しに悩んでいるときは、まず結果から逆算したらどうなるか?を考えてみましょう。
9マスの中央にキーワードを置き、連想されるワードを周囲のマスに書いていく連想法。周りに書いたワードのなかでピンとくるものを拾い、またそのキーワードから連想されるワードを広げていく発想法です。
メジャーリーガーの大谷翔平選手も、このマンダラチャートを元に目標達成シートを作成しているそう。発想法に限らない柔軟な使い方ができそうですね。
たとえばWorkship MAGAZINEはフリーランス向けメディアなので、「フリーランス」を中心に発想してみましょう。
フリーランスといえば、連想されるワードには何が浮かぶでしょうか?
このように中央に「フリーランス」と書き込みます。そして何も調べずに思いつくままの言葉を周囲のマスに書き込みましょう。
ざっとこんなところでしょうか。記事の企画にするために使えそうなネタはあるか?といった視点で見ていくと……キーワードになりそうなものがいくつかありますね。
記事に限らず、商品やサービス、広告アイデアなどにも応用できるでしょう。まずは身近な例から試してみてください。
書名 | アイデアのつくり方 |
著者名 | ジェームズ・W・ヤング |
実践的なノウハウ | ★☆☆☆☆ |
心持ち・マインド | ★★★★★ |
特徴 | 有名な古典 |
こんな人向け | 基本概念をおさえたい |
購入 | Amazon |
アイデアや企画発想についての本を読んでいると、以下のような言葉が頻繁に出てきます。
- 新しいアイデアは、既存の概念を組み合わせたもの
- 前提となる知識が薄ければ、斬新なアイデアは生まれない
それらはすべてジェームズ・W・ヤングの「アイデアのつくり方」に書かれた文章から派生しています。本書は1988年4月に初版が発行され、2020年の時点で70刷以上になっている大ベストセラー。実践的なノウハウは少ないですが、土台となるマインドを培うためにも読んでおいたほうがよい1冊です。
本書では、「アイデア発想における過程は、車を組み立てる過程と同じ」といっています。つまり、アイデア発想の手順は半ばマニュアル化できるもの。一部の天才にしかできない技ではなく、手順に沿えば誰でも斬新なアイデアは作れると教えています。
本書で提唱されている「アイデアの作り方」は以下です。
<アイデアの作り方>
- 資料を集める
- 情報を組み合わせる
- 放置する
- アイデアを文章で書き残す
- アイデアを具体化する
新しいアイデアは既存の概念を組み合わせたもの。よって、より多くの知識や情報を集めるのが基本です。項目ごとに情報をまとめ、整理する方法を「カード索引法」として紹介しています。スクラップブックを作るもよし、スマホのメモアプリでジャンルごとに情報を集めるのもよいでしょう。
集めた情報をもとに、いったん組み合わせてみるのが第2段階です。しかし、本書では「この段階で斬新なアイデアが生まれることは少ない」としています。大切なのは、組み合わせても上手くいかない!と思ったあとの第3~5段階にあるのです。
情報を「放置」し、新しいアイデアが降りてくるのを待つ段階がもっとも重要とのこと。あえてまったく関係のないことをするのが大切です。例としては以下があります。
<放置中にやること>
- 散歩、掃除
- 映画鑑賞
- 読書
ニュートンが万有引力を発見したのも、机に向かってウンウンと考えている時間ではなく、リンゴが木から落ちるのを見た瞬間でした。
これでもか!と考えきったあとは、いったん放置して別のことをしてみる。一度は聞いたことのある話なことかもしれませんが、原典に触れて基礎から考えてみるのもいいかもしれません。
書名 | ビジネス書を捨てよ、街へ出よう |
著者名 | 高山洋平 |
実践的なノウハウ | ★★★★☆ |
心持ち・マインド | ★★★☆☆ |
特徴 | ストーリー形式の、広告会社代表が書いた本 |
こんな人向け | マニュアル通りの仕事が得意ではない、新しいことをしたい |
購入 | Amazon |
株式会社おくりバントの社長・高山洋平氏が書いた、プロの営業術についての本。先述した「アイデアのつくり方」における「情報を集める」を実行するにあたって、これほどピッタリな本はないのでご紹介します。
「本当に使える仕事のヒントは、街や遊びの中にある」をテーマに、いかに日常のなかで仕事や企画のヒントになる情報を集めるか。その方法が書かれています。
<街中や遊びからヒントを得る方法>
- 流行りの人気漫画は漏れなく熟読
- チェーン店、ファミレス、喫茶店でメニューや周囲を観察&分析
- コンビニも立派な情報源
漫画に限らず、世の中で流行っている作品・商品・サービスには漏れなく「流行っている理由」があります。魅力はどこにあるのか、どの世代にもっとも受け入れられているのか、時代性をどれだけ反映しているのかなど、着眼点はさまざまです。
コンビニへ行ったり、ファミレスなどで外食したりするときにもヒントは転がっています。どんな商品が目立つ場所に陳列されているか、季節性をどれだけ反映しているか、客層や人気メニュー、居心地など。視点を変えるだけで入ってくる情報が段違いになります。
私自身、いつも買う定番商品やお気に入りのメニューではなく、あえて新商品に挑戦してみるようになりました。具体的な店名・商品名は挙げませんが、「新商品=美味しい」の構図は必ず成り立つわけではないことも学べます。
書名 | 仕掛学 |
著者名 | 松村真宏 |
実践的なノウハウ | ★★★☆☆ |
心持ち・マインド | ★★★☆☆ |
特徴 | 仕掛けで人の行動を変える方法が書かれている、経済学教授が書いた本 |
こんな人向け | コストをかけず仕掛けで物事を解決したい |
購入 | Amazon |
人の行動を変えるさまざまな「仕掛け」について書かれた1冊。
たとえば、ゴミの不法投棄をやめさせたい場合にはどんな対策が考えられるでしょうか? 一般的には「看板を立てる」「ロープを張る」などがあるかもしれません。
本書では「花壇をつくる」が良い対策例として挙げられています。景観がよくなるだけでなく、住民、自治体の目がしっかり配られていることの証となり、ポイ捨てや不法投棄が減るそうです。このような一石二鳥の仕組みを「仕掛け」と定義し、多数の事例を紹介しています。
<「仕掛け」の例>
- コインスライダーのついた募金箱
→ただの募金箱ではなく、コインスライダーをつけることで募金への心理的ハードルを下げる仕掛け。香川県高松にある博物館「四国村」にほど近い「わら家」といううどん店の正面口に特大のコインスライダー募金箱があります(2020年12月現在)。- ピアノ階段
→スウェーデン発祥。足をかけると実際に音が鳴る。楽しさからついつい階段を上ってしまう心理を利用した、運動不足解消につながる仕掛け。2016~2017年あたりまでは日本にもあったそうです。- バスケットボールのついたゴミ箱
→遠くからゴミ箱へ向かってゴミを投げる遊びをしたことのある方も多いでしょう。その心理を利用し、片付け促進のため普及された子ども向けの仕掛け。
真正面からではなく、知恵と工夫で人の行動を変える仕掛け。本書には、そんな仕掛けをつくる方法や例について書かれています。
街中で、店内で、人の本能や心理を利用した仕掛けが隠れていないでしょうか? 物事への見方を少しずらすだけで、企画のヒントが見つかるかもしれません。
なお松村氏の仕掛学に近いものとして、「ナッジ理論」があります。
ナッジ理論とは?ノーベル経済学賞を受賞した、人を操る現代の魔法
Workship MAGAZINE
書名 | ない仕事の作り方 |
著者名 | みうらじゅん |
実践的なノウハウ | ★☆☆☆☆ |
心持ち・マインド | ★★★★★ |
特徴 | 新しい仕事を生み出す方法が書かれている、「マイブーム」名付け親が書いた本 |
こんな人向け | 自分にしかできない仕事を生み出したい |
購入 | Amazon |
漫画家、イラストレーター、エッセイストとして活躍するみうらじゅんさんの本。「マイブーム」や「ゆるキャラ」といった言葉をつくった方としても有名です。どちらも市民権を得ている言葉ですが、本書を読むと浸透するまでには長い道のりがあったことがわかります。
<本書で学べる考え方>
- 仕事がないなら自分でつくろう
- 好きでい続けるためにも努力がいる
- 見聞きする物事にムダはひとつもない
まだ世のなかに「ゆるキャラ」という言葉がなかった頃。みうらじゅんさんは各地の地方キャラクターにまつわる情報を集めはじめました。雑誌に載っていたらスクラップし、テレビに出演していたら必ずチェックし、イベントに出ると知ったら現地まで見に行く。イベント運営担当にわざわざ電話で「キャラクターは何時から登場しますか?」と確認するほどの執念ぶり。
「これから確実にゆるキャラが流行る!」と信じ、自分を洗脳し続けたのです。その結果、雑誌の連載やイベント企画に繋がり、ゆるキャラが周知の存在となりました。
こういった話を聞くと、「それほど没頭できるもの、私にはないし……」と思ってしまいがちではないでしょうか?
みうらじゅんさんは、本書でこう言っています。
「『これだけ面白いものが、流行らないわけがない』と、自分を洗脳していくのです。(中略)そこで必要になってくるのが、無駄な努力です。興味の対象となるものを、大量に集め始めます。好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まってきたから好きになるという戦略です」
好きだから没頭するのではなく、没頭しようと努力するからだんだん好きになるというアプローチ。これなら誰でも応用できるのではないでしょうか。
自分にしかできない新しい仕事は、こういった一見ムダな地点から始まるのかもしれません。さあ、あなたが「好きになりたいもの」はなんでしょうか?
8冊読み比べて思ったことは、「一瞬で発想力を鍛え上げる魔法はない」でした。当たり前のことですが、やはり一朝一夕にはいかないようです。
本記事で紹介したうち、1冊でも興味を惹かれた本があれば、ぜひ読んでみてください。発想力を鍛えて、面白い記事や企画を世に生み出しましょう!
(執筆:北村有 編集:少年B)