エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「時間に融通が利く」「子育てしながら働ける」というメリットから、フリーランスを目指すママが増えています。
ただ、「子どもの面倒を見ながら仕事なんてできるの?」「仕事と家事のバランスはどうやって取ればいいの?」とフリーランスママならではの不安があるのもたしか……。
そこで今回、相談したのはフリーランス歴10年&子育て歴8年のイラストレーター兼エッセイ漫画家・カワグチマサミさん。
「フリーランスママの実態」から「子育てしながらできる仕事」、「家事と仕事を両立する方法」までざっくばらんにお話を聞いてきました!
佛教大学社会学部でマスコミ学を学びながら、デジタルハリウッドでWEB・グラフィックデザインを学ぶ。2010年から漫画家・イラストレーターとして活動を始める。その後、結婚し、2012年に男の子を出産。現在は育児しながら、エッセイ漫画を中心に活動している。産後に働きすぎて体調を壊してから、「スキあらばゴロゴロ」をモットーにストレスフリーで働いている。デジタルハリウッド特別講師としてフリーランスママに向けた講演会などに登壇。
取材ライター。自分の面倒すら見られていないのに、「子どもの面倒を見ながら働く」世界線が想像できなさすぎて、ワーママの時間術がめちゃくちゃ気になっている
目次
ゆぴ:
私はいまフリーランスライターとして活動しているんですが、仕事だけでも大変なのに、そこに育児も重なるなんて想像もできなくて……! ママになってもフリーランスを続けるべきなんだろうか……ってちょっと悩んだりもするんです。
育児もフリーランスも長年やってきたカワグチさんは、フリーランスママになるメリットって何だと思いますか?
カワグチ:
フリーランスと子育ての相性って、じつはすごくいいと思うんですよ。
というのも、子育てをしていると本当に寝かせてもらえないという前提があって(笑)。そんなときでも、普通の会社員だったら朝になれば出勤しないといけないじゃないですか。
その点、フリーランスは子どもに合わせて、臨機応変に仕事できるのが最大のメリットですね。子どもが寝たり幼稚園や小学校に行ったりした後に仕事するみたいな。なんなら、二度寝も全然できちゃいます……(笑)。
カワグチ:
会社ってどうしても休みづらいですよね。でも、フリーランスは子どもの体調やイベントに合わせて仕事を調整できるので、子育て期間中でも働きやすいんですよ。
あと、いいと思うのが、子どもに働く姿を見せられること。うちの子は小さいころから私が仕事をしているのを見ていて、お金を稼がないとお菓子が買えないとわかっているので、「親が仕事をすること」に対して理解が深いんです。私が仕事しているときは、応援してくれたり、1人で勉強したり遊んでいたりしてくれて。ついには、私が仕事をサボっていると焦るようになりました(笑)。
それに、「ママは働くことが楽しいんだよ!」と伝えつづけたからか、「ママのお手伝いがしたい」とパソコンを欲しがるようになりました。いつか、確定申告とかしてくれたらいいんですけどね!
ゆぴ:
確定申告できるお子さんはすごすぎます(笑)。仕事に対してポジティブなイメージを持ってもらえるのはすごく良いですね!
ゆぴ:
「フリーランス」のなかにもさまざまな仕事があると思うのですが、子育てしながら働くのに向いている仕事はありますか?
カワグチ:
それ、よく聞かれるんですけど、ちょっと危険な考え方ですよ。
ゆぴ:
え、危険……!?
カワグチ:
はい。みなさん、自分がやりたいことよりも「やっていけるのか」「稼げるのか」という視点で見てしまいがちですが、それだとフリーランスは長続きしないんです。
それよりも、「自分には何ができるのか」「何をすると楽しかったり、喜びを感じられたりするのか」に目を向けると、どんな仕事でも続けられると思います。
ゆぴ:
(耳が痛い……)ネットを見ていると、エンジニアやWebデザイナーなどが目に入り、「特別なスキルがあれば効率よく稼げそう!」と思ってしまうんですよね。
カワグチ:
たしかにSNSではクリエイティブ系の仕事が目立ちますが、実際には事務や司会、カウンセラーなど、フリーランスにはさまざまな仕事があります。
知り合いにお裁縫が好きで自作のマスクを配っていたママがいるのですが、それがめちゃくちゃ売れて「仕事」になっていました。
そんな風に、いまはメルカリやインスタで作ったものが簡単に売れる時代だから、「稼げる」よりも「好き」な気持ちが一番大切だと思いますよ。仕事を自分の「好き」で囲むことができるのは、フリーランスの醍醐味だと思いますね。
ゆぴ:
なるほど……。カワグチさんが自分にとっての「好き」を見つけるためにやったことはありますか?
カワグチさん:
小さいころに好きだったことや、気づいたらやってしまうことを思い出して「自己分析」をするのは大事ですね。
あと、好きなことを見つけるには「合わないこと」を見極めるのも大切。私はイラストレーターになるためにデザイン学校に通っていたのですが、「今はもうWebの時代だよ」とWebクラスに行かされて、すごいストレスだった時期があって……。
一時期はキャラも崩壊するほど暗くなり、結局やめちゃいました。自分に合わないと思ったら、見切りをつけて「次!」といくのもフリーランスに必要なんじゃないかな。
ゆぴ:
たしかに、1回トライして判断するのは大事かもしれないですね。
カワグチ:
失敗を恐れちゃうことも多いんですけど、失敗は実験と同じで、1回目で成功なんか絶対できないから。いろんなことをやって、嫌だったらやめて、最後に残ったものが好きなもの、って消去法で考えるぐらいの気持ちでいいんです。
やってみると気持ちがガラッと変わることもありますからね!
ゆぴ:
子どもは年齢ごとに「手のかかる度合い」も変わってくると思うのですが、実際にどのくらい働けるのかが気になります。
カワグチ:
子どもの成長ステージによって、ママの働き方はだいぶ変わってきますね。
妊娠中を含めて、0歳〜2歳のあいだは、ほとんど何もできません。
ただ、育児だけじゃなくて、他のこともやっていたほうがストレスは発散されるので、気晴らし程度に少し仕事したり、本格的に仕事をするための準備期間に当てたりするのはいいと思います。
ポートフォリオを作ったり、資格の勉強をしたり、ブログやSNSで発信をしたりみたいに、マイペースにやるのがちょうどいいですよ。
ゆぴ:
その期間は、クライアントワークは避けたほうが良いんですかね?
カワグチ:
むしろクライアントワークのほうが単価も良く、信頼があればスケジュールをしっかり組んでくれることが多いです。妊娠前〜保育園に入るまでは1社、2社と丁寧に付き合い実績を積んで、子どもが成長したら案件を増やしていくのがオススメ。
子どもが3歳になって保育園に入ると、少しずつ時間が取れるようになってきます。ただ、3歳児って病気にめっちゃかかりやすいんですよ! 1年ぐらい体調を壊しつづけます。しかも子どもが病気を持ってきて、親もかかって、どっちも倒れる、みたいな……。
ゆぴ:
地獄絵図や……。
カワグチ:
だから、保育園に入って1年は仕事も助走をつける段階でいいと思います。4歳〜5歳の年中さんになった頃は、準備期間に仕込んでいた種がちょっとずつ芽吹いて、仕事が軌道に乗り始めるころ。
6歳になって、小学校にあがるともうこっちのもんですね。子どもが学校に行っている間、好きに仕事できます。仕事しながらもフリーランスは家にいられるので、子どもを出迎えてあげられるし、家事や生活に合わせて融通が利きます。
ゆぴ:
「子どもの成長に合わせて、仕事も徐々に軌道にのせていく」というお仕事スタイルになるんですね。
カワグチ:
完全に休んでしまうと復帰が難しいので、細々でもいいから続けることが大事ですね。SNSを見ていると、めちゃくちゃ頑張っている人たちしか目に入らなくてしんどくなることもありますが、あの人たちは異常なので(笑)。
そこは目指さずに、少しずつやっていくのが一番安定です。
ゆぴ:
独身のわたしですら家事と仕事を両立するのに苦戦しているのですが、カワグチさんは「家事・子育て・仕事」を両立しているうえで気をつけているポイントはありますか?
カワグチ:
結論、「家事・子育て・仕事」の両立はできません!
カワグチ:
だから、「両立できない前提」で考えていかなきゃいけない。
大切なのは、家族と一緒に家事をすること。そして、それを実現するには「話し合い」に尽きます。
話し合いでは、ただ家事分担を決めるのではなく、お互いに今どんな仕事をしているのかを共有しましょう。それで、夫婦それぞれの繁忙期に合わせて家事を分担していけばイライラも少なくなると思います。目標や夢も共有すると、お互いに応援できて夫婦関係も良好になるのでオススメですね。
カワグチ:
私はフリーランスになるにあたって、いろんな起業家の講演を聞きに行ったり、ビジネス書を読んだりしたんですけど、「経営」って「家庭の持ち方」と同じなんですよね。
家族は会社と同じでそれぞれに役割があって、ママだけが頑張っていたら、経営が傾いてしまうときが来る。経営マインドを持つフリーランスママは家庭もうまくいくんじゃないかな。
ゆぴ:
なるほど……。会社同様、家族間でも「会議」の時間を設けるのが大事なんですね。
ゆぴ:
子どもの長期休みや急病のときなどは、仕事はどのようにされていますか?
カワグチ:
小学2年生ごろになると、「ママは仕事してるんだな」というのがわかるみたいで、仕事させてくれるようになりました。あとは学童など、利用できるものは利用していますね。
ただ急病など、緊急時にはクライアントに正直に話して仕事を調整してもらいます。「明るく諦める」ことが肝心ですよ。
ゆぴ:
明るく諦める……!
カワグチ:
だって、暗く諦めても明るく諦めても結果は一緒なんですよ。子どもが風邪をひくって、東から太陽が昇るぐらい当たり前のことだからどうしようもない。そこで落ち込むと、悲しい連鎖が起きてしまいます。
だから、「急遽休みが降ってきた」ぐらいの気持ちで明るく諦めて、ちょっとでも気分が良くなることをして、切り替えるに尽きます。
ゆぴ:
たしかに……ほかに、仕事や育児がストレスにならないために、カワグチさんが工夫していることはありますか?
カワグチ:
「手を抜く」って大事ですよ。過保護になると子どももダメになるし、ずっと“お母さん”でいようとすると、「その役割を演じなければ」という意識が働いて自分もストレスに感じちゃう。
たとえば、子どもが遊びたがっているけど、自分はすごく疲れてしまっているときってあるじゃないですか。そんなときは、無理して遊ぶんじゃなくて、正直に「今しんどいから明日遊ぼう!」って言っていました(笑)。
子どもって、ママが嘘を吐いているとすぐにわかるみたいなので、変に取り繕うよりは素直に伝えるのが良いそうです。
究極的には本気で寝てました……(笑)。そのうち、子どもの興味も別のことに逸れるので。その代わり、約束は絶対に守って、遊ぶときは全力で遊ぶ。
ゆぴ:
そのぐらいの気持ちでいたら、精神的にすごくラクそう……。
カワグチ:
パーフェクトを目指さずに手を抜くことを覚えたほうがいいです。それに、お母さんが倒れちゃうと、子どももすごく悲しむし、お父さんも動揺しちゃう。
自分のためにも、家族のためにも、ちょっと「ズボラ」がいいと思います!
(本記事ではオンラインセミナー『子育てママがフリーランスとして働くには? #フリーランスの進路相談室』のレポートをお届けしました)
(執筆:ゆぴ 編集:泉)