WordPress.com Ads

AIとどう共存する?フリーランスが選ぶ、リアルな生存戦略

AIとどう共存する?フリーランスが選ぶ、リアルな生存戦略

「AIに仕事奪われはじめてるんじゃね?」という実感から始まった、この企画。

対談の前半では、「AIに仕事を奪われているのでは?」というリアルな不安や、実際に感じた“やばい瞬間”について、フリーランス4人で率直に語り合いました。

後半では、そんな状況を受けて「じゃあどう生き抜くのか?」にフォーカス。AIを実際に使い倒して見えてきた弱点や人間にしか出せない独自性の価値、さらには新しい働き方のヒントまで、具体的な“生存戦略”を掘り下げていきます。

「AIとどう付き合うべきか」「何から始めればいいのか」――そんな悩みを抱えるフリーランスの皆さんも、この対談をきっかけにAI時代の歩み方を一緒に考えてみましょう。

▼前編はこちら

<Workship MAGAZINEの愉快な仲間たち>

水無瀬あずさ
水無瀬あずさ

現役エンジニア兼フリーランスライター。大好きなゲームの新シリーズがソシャゲになったので、夜ふかしプレイ中。期間限定のコラボカフェにも行くぞ!(note: @azasaz_a

夏野かおる
夏野かおる

フリーランスの編集者・ライター。博士(人間・環境学)(←って何???)。趣味は放浪。(X:@Natsuno_Kaoru

猫宮しろ
猫宮しろ

フリーランス8年目のライター兼ディレクター。SaaS関連のコンテンツ制作やデータ分析が特に得意。趣味は犬と戯れること。(X:@siro3460

北村 有
北村 有

フリーランス歴6年目。年数としては中堅どころだが、マインドもお金に関する知識もまだまだ半人前フリーランス。(X:@yuu_uu_

AIを信じてド田舎へ…

夏野:
前半では「やばい瞬間」の話をしました。後半では、そんなやばい状況にどう向き合っているのかを話していきましょう。水無瀬さん、どうですか?

水無瀬:
私は、今すぐ仕事が減って困っている状況ではないんですが、「いずれ来るだろうな」という予感は持っています。

そのうえで、私の強みって「ライターだけどエンジニアとしての立場からも記事が書ける」というニッチな部分なので、そこを磨いていくことが大事かなあと…。

夏野:
独自性って、やっぱりキーワードですよね。

水無瀬:
そう思います。これからの時代は「経験」とか「体験」が一番の価値になると思うので、そのなかで独自性をうまく出していきたいですね。とはいえ、自分の経験だけでは限界もあるので、同業の夫から情報をもらったりして補っています。

夏野:
一次情報の大切さをちょうど感じた出来事があって。

私、最近バルセロナのホステルに泊まったんですが、二段ベッドのサイズが大きすぎて、「落ちたら終わり」みたいなスリルがあったんですよ(笑)。

ホステルの口コミでは「ナイス!」「完璧!」って書かれていたんだけど、それって体格の大きい国の人の感想であって、日本人女性には参考にならない。だから私は「体格によっては上段が厳しいので、予約の際は下段を希望したほうがいい」みたいなことを書きました。

ドミトリーの二段ベッド部屋

▲海外で過ごすと、同じ女性であってもずいぶん体格が違うことに気付かされます

夏野:
AIが書く口コミって、そういう“人間らしさ”が抜けがちで、「美味しかった」「安かった」みたいなツルンとした表現になっちゃう。

でも私は人間だから、「所持金が3000円しかなかったので、2500円は高かったです」とか、そういうリアルなことを書ける(笑)。説得力も温度感もまったく違ってきますよね。

ゆうゆう:
確かに。ドラマや映画の感想もそうで、AIはまだ作品を観て自分の感想を書くってことはできないから、そこには確実に人の価値が残っていると思います。

本当にAI界隈がめちゃくちゃ進化して、人型ロボットみたいなのが映画やドラマを見て…なんてやりだしたら、もういよいよと思うんですけど。

水無瀬:
あとは、「敵を知る」という意味で、ChatGPTを使い倒しています。最初は「別にAIなんて必要ないよ、自分で書けるし」と思っていたんですけど、AIに関する技術カンファレンスで生成AIの話を聞いてからは危機感を持って、慌てて課金して使い始めました。

最近はいろいろな種類のAIが出てきていますが、私はまずChatGPTをとにかく友達のように使い倒して、「まあAIってこんなもんだよね~」と語れるレベルになりたいと思っています。

※アホみたいなネタ振りにも全力で返してくれる私のマブダチ・ChatGPT

しろ:
僕もめちゃくちゃAIを使うようにしています。AIで仕事がなくなっていくっていうマイナス面もありますけど、うまく共存すればむしろ仕事が増えるとも思うので。

たとえばライター案件でも、「AI活用前提でスピーディに記事制作できますよ」と提案することで差別化しています。

夏野:
どういうスタンスをとるにしても、やっぱり使い倒すのは大事ですよね。

私もAIはかなり活用していますが、水無瀬さんと同じように最初は半信半疑でした。でも、自分のブログなど責任の取れる範囲で検証していくと、「こういう癖がある」「ここまでの分量なら精度が高い」などが見えてくる。こうした知見をクライアントにも還元しています。

ただ、AIに過信は禁物ですよ!というのも私、スペイン旅行中にダリの美術館に行きたくてChatGPTに道を聞いたら、まさかのド田舎に連れていかれたんです!

※ガチで知らんスペインの田舎風景…のどか~

夏野:
「この電車に乗ればOKです!」って自信満々に言うから信じたら、地元(兵庫の田舎)みたいな場所に放り出されて。「ふざけんなよ!」と思いました。しかも文句を言ったら、「焦らずに打開策を見出しているあなたは素敵です!」とか言い出す(笑)。マジで黙ってくれ。

水無瀬しろゆうゆう(爆笑)

※「そしてね」じゃなくてね

クオリティの担保と人間らしさが価値になる

水無瀬:
ここまでの話でも何度か出てきましたが、AIを活用する上で、やっぱり一番の課題は「クオリティーの担保」だと思うんですよね。

エンジニアの世界でも最近は特に、品質保証(QA=Quality Assurance)の役割がすごく重視されるようになっています。実際、コードを書く人はAIの進化でどんどん減っていくかもしれませんが、それでもサービス全体の品質を管理・保証する人は必要です。

これはライターの仕事にも通じる話で、たとえAIを使って記事を書いたとしても、その責任を誰が持つのか、どう管理するのかという観点は、今後ますます重要になってくると思います。私たちの仕事も、いずれはそこにシフトしていく必要がありますね。

しろ:
確かに。現時点ではAIだけで品質を担保するのは難しいと思うので、人の目や手はどうしても必要になりますよね。

実は最近、僕もブログを始めまして、AIに記事を書かせてみているんです。すると、意外と「そこそこいい記事」ができちゃうこともあって、危機感を覚えていて。

AIが完全に1本の記事をまるっと書けるようになる未来を見越して、今のうちから編集スキルを鍛えたり、磨いたりしておくべきだなと強く感じています。

ゆうゆう:
本当に、AIを過信しすぎるのは危ないですよね。特にこの業界では、文章の完成度よりも「情報の鮮度」「公開までの速さ」が価値になるケースが多いので、AIをどう使うべきかの見極めが難しいです。

エンタメ系の仕事をしていると、たとえば「この俳優さんは過去にこんな作品にも出演しています」みたいな情報をAIにリストアップしてもらうことがあるんですが、これが結構な確率で間違ってるんです。「えっ?出てたっけ?」と調べてみると、やっぱりまったく出てなくて…。

でも本来、AIとはかなり相性がいい領域でもあると思うので、今のうちから「AIを活用しつつも、独自の情報や視点をしっかり盛り込んだ記事」を作っていくのが、一つの有効なアプローチかなと思っています。

夏野:
AIのレコメンドよりも、親しい友人からのレコメンドのほうが、やっぱり心に響くし、信頼できますもんね。そういった「人間らしさ」のある情報は、これからますます価値が高まっていく気がします。

それに、AIを使うにもまずデータが必要。特にインタビューのような場では、そもそも話してもらわないとデータが得られませんよね。相手に気持ちよく話してもらう部分は、どうしてもAIにはできない。

実際にこの間、ChatGPTの音声入力を、おしゃべりの相手として試してみたんですよ。でもやっぱり、全然テンションが上がらない。ブレスト用途には使えそうだけど、人との会話だとテンポ感がまるで違うし、応答も機械的で…そういう部分は、まだこっちの仕事かなって思います。

水無瀬:
私も、インタビューに関しては、どうしたって人間の仕事だと思います。相手の言葉をうまく引き出したり、イントネーションや間の取り方、感情の動き…多分、その場でしか、人間しか感じられない部分があるから、そこに価値を見出していくべきかなと。

私はインタビューライターじゃないんですけど、それができるとすごい強いんだろうなぁっていうのは感じます。

しろ:
インタビューもそうですけど、そもそもAIと食い合わないような働き方にシフトするのも大事ですよね。

たとえば、完全に請け負いのスタイルで仕事をしていると、AIの導入で業務フローが変わったときに、急に仕事がなくなってしまいます。

でも、時給制や月給制で契約していると、半年~1年単位での契約になることが多いので、仮にフローが変わったとしても「こういうやり方に変更しましょう」と調整しながら、案件自体は継続できるケースが多い。

そういう意味でも、時給や月給の契約をある程度持っておくのは、安定的に働くための一つの戦略になると思っています。

AIで拓ける新たなチャンス。冷静に立ち位置を固めよう

夏野:
そういえば私は最近、セルフプロデュースにAIを活用し始めています。

海外で写真を撮っていると、「インスタやってないの?」ってよく聞かれるんです。「写真上手いんだから、仕事にした方がいいよ!」って。これまで一度もインスタのアカウントを持ったことがなかったんですが、あまりに応援されるので、ついにアカウントを作りました(笑)。

ただ、投稿のキャプションを英語で考えるのがとにかく面倒で…。そこでChatGPTに頼んでみたら、驚くほどハイクオリティな翻訳をしてくれて! しかもMarkdown形式で出してくれるので、コピペ一発で投稿できるんですよ。

何がすごいって、これまで「面倒くさいから」と発信してこなかった自分が、AIの力を借りて新たな発信のチャンネルを手に入れたことです。これは予想もしなかった影響で、これからはもっと前向きに活用していきたいなと思っています。

ゆうゆう:
なるほど。私もインスタとかSNS発信はずっと止まってたんですけど、今こそ再開するタイミングかも。AIも使って、また頑張ってみようかなって思いました。

しろ:
新しいことを始めるハードルは、確実に下がっていますよね。僕も久々にブログを再開しましたけど、「ちょっと聞きたい」と思ったときにすぐAIに相談できるのがありがたい。1人で運営している感じがしないんです。これはAIのポジティブな影響ですね。

水無瀬:
皆さんのお話を聞いて、「やっぱりAIとの付き合い方を真剣に考えなきゃいけないな」と改めて実感しました。

ただ漠然と不安を抱えるのではなく、自分なりの立ち位置を見つけて、これからどう動くかを考え、実際に行動に移すことが大切だと思います。フリーランス一人ひとりが、今こそキャリアの方向性を見直すべきタイミングに来ているのかもしれませんね。

今のところAI時代の働き方に“正解”はない。迷った時はWorkshipで相談してみよう

AIに仕事が代替される未来は、もはや遠い話ではありません。ライティングや開発など、これまで人の手で担われてきた領域にも、急速にAIの影響が広がりつつあります。

とはいえ、そんな時代をどう立ち回るか――その“正解”は、まだ誰にも見えていません。経験を活かすのか、独自性を磨くのか、あるいはAIと共存していくのか。今回の対談でも、全員が試行錯誤の真っただ中でした。

不安や迷いを感じるのは、ごく自然なこと。そんなときは一人で抱え込まずに、フリーランスや副業に特化したプラットフォーム『Workship』や、フリーランスから正社員へのトランジション採用を支援する『Workship CAREER』を頼ってみてください。キャリアアドバイザーからのアドバイスや同じように悩む仲間たちの声が、きっとこれからの一歩を後押ししてくれるはずです。

(執筆:水無瀬あずさ、編集:夏野かおる)

SHARE

  • 広告主募集
  • ライター・編集者募集
  • キャリア相談受付中
週1〜3 リモートワーク 土日のみでも案件が見つかる!
Workship