エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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テクノロジーの未来を知ることは、アナタの未来を知ること。
スマートフォンは既に大半の人の生活に無くてはならない物になりつつあり、また仕事にはPCだけでなくタブレットを活用している方も多いでしょう。また、ニュースなどで見聞きすることが増えた自動運転カーやIoT、ブロックチェーンといった技術は、これまでのビジネスのあり方を変え、これからの私たちの生活を変える存在となりつつあります。それゆえ、テクノロジーの未来を知ることこそが、これから私たちの前にやってくるであろう未来を知るための重要な手がかりとなるはずです。
そんなテクノロジーの最新動向を知るために最適な場所が、世界最大級のコンシューマー向けテクノロジー展示会CES(読み:シーイーエス)なのです。
今回、筆者は2019年1月8〜11日に行われた『CES 2019』の取材を行なってきました。そこで本記事では、CES 2019の現地の様子と注目ポイントをピックアップしご紹介します。記事の最後には気になる次回開催の情報もありますので、ぜひ、最後までじっくりとお読みください!
目次
CES(Consumer Electronics Show)とは、直訳すると「一般消費者向け 電子機器 展示会」となります。もっと平たく言えば「スマホや自動運転カーに電動バイク、8Kテレビにドローンまで、なんかハイテックっぽいモノが世界中から集まっている超巨大展示会&カンファレンス」という感じ。高級ホテルが立ち並ぶラスベガスの一角で行われるテクノロジーの世界的祭典と言えばわかりやすいかもしれません。
テック系のイベントと聞くと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、実際はお祭り状態でカオスな場所なのです。
現地までの移動や会場の様子など、CES2019の様子が臨場感タップリに分かる動画(再生リスト)もあわせてご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=videoseries?list=PLC_52dl72SPJaACidky2F8PGmlHq9atCJ&w=560&h=315
CESでは毎年、無数の製品やサービスの展示・デモが行なわれます。その中には実際に世の中を変えるような製品もあれば、まったくの夢まぼろしで終わる製品も大量にあります。
また、イベントで大きくフィーチャーされた技術やトレンドを知ることは、(その後大きく普及するかは未知数ですが)今のテック業界が注目しているモノゴトを知ることに繋がります。
というわけで、まずはCESの本開催に先駆けて行なわれたカンファレンスで、主催者のCTA(Consumer Technology Association)が発表した2019のテックトレンドをチェックしてみましょう。
資料を見るとちょっと散漫な印象もあり、実際に発表が行なわれた会場に居た参加者たちも「?」な感じになっていた面もありますが……多様性に富む今日のテクノロジーのトレンドをまとめるとなると、内容が多岐に渡ってしまうのは当然のことかもしれません。
なお、上記の全てを網羅したスライド資料(英語)は下記のリンク先にありますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。
CTA – U.S. Consumer Technology Sales & Forecasts 2014-2019 (January 2019)
上記の「テックトレンド」の内容の中から、筆者が選んだ注目の2大トレンドは「5G」そして「乗り物とテックの融合」です。その理由は、大手企業が本腰を入れていること、来場者たちのブースへの注目度が高かったこと、そしてわかり易いプロダクトの展示やデモが示されていたことなどです。
もちろん、その他のトレンドが「重要ではない」というわけではありませんし、業界や興味関心の方向性によっては、もっと別のトレンドが重要であるという見方も当然あるとは思います。しかし、実際に会場を歩いてみて「これが来そうだよね」という印象が強かったこの2つのトレンドをピックアップしてご紹介したいと思います。
「5G」とは、大容量かつ低遅延の次世代移動通信システムのこと。いま私たちが日本で主につかっているのが4世代(4G LTE)なので、その次の世代の通信システムにあたります。
5Gのメリットは、身近なところだと高速データ通信により「出先からスマートフォンで動画をサクサク視聴できる」といった例が挙げられます。ですが、5Gが活躍するの場面はそれだけではなく、低遅延という特性を活かして「自動車 対 自動車」や「自動車 対 インフラ」間での通信に利用することで次世代の自動運転技術に利用したり、消費電力の低さを活かして家電をネットワーク化するスマートホームへの活用が期待されています。
少し前までのCESは「家電ショー」と表現されることが多かったのですが、近年では「自動車ショー」という色合いも強まっており、今回のCES 2019でも電動自動車や自動運転カーの展示が盛んに行なわれていました。また、後5Gの普及とともに、ネットワークと連携して安全性や利便性、エンタメ性を高めた車が続々と登場してきそうなことから、今後はますます車とテックの融合が進みそうです。
また、乗り物とテックの融合は車だけにとどまらず、電動バイクや自転車、キックスクーター(電動スクーター)にまで拡大しており、CES 2019の会場で大きな存在感を示していました。
ここからは具体的な出展に注目し、私が独断と偏見で5つの注目企業をご紹介します。
すでにモバイル端末向けCPU『Snapdragon 855』や、モデムの『Snapdragon X50』を発表し、5Gの旗振り役となっている米国企業のクアルコム。同社のライバルであるファーウェイ社(中国)が実質的にアメリカ市場から閉め出された背景もあり、現地での注目度は高め。
クアルコムは今回のCES 2019で、「自動車 対 自動車」「自動車 対 歩行者」「自動車 対 インフラ(信号、標識など)」を4G LTEや5GでつなげるC-V2Xという構想を発表。『9150 C-V2X』というチップセットを製造し、アウディ、フォード、ドゥカティなどと共同で実験を進めていくことを表明しています。
また、Snapdragonをベースに、ボイスコントロールやAI利用を想定した運転席用ダッシュボード『Snapdragon Automotive Cockpit Platform』の発表も行ない、Amazon Alexaと連携させるデモを披露していました。
アメリカを代表するオートバイメーカーのハーレーダビッドソンは、完全電動の大型バイク『LiveWire(ライブワイヤー)』の予約受け付け開始をCES 2019にてアナウンスしました。価格は29,799ドル(約323万円)〜となっており、米国とヨーロッパの一部地域のみを対象に2019年秋から納車が始まります。なお、日本での発売に関する情報は残念ながら未発表でした。
『LiveWire(ライブワイヤー)』にはパナソニックと共同開発した「H-Dコネクト」というデジタルシステムが登載されており、モバイルネットワークを通じて専用アプリと通信を行えます。このシステムを使用することで、バイク本体から自動で送られた情報を元に、充電状況や駐車位置、盗難被害に遭っていないか等の情報をスマートフォンから閲覧できます。
アメリカ西海岸を中心に利用者を拡大している電動キックボード(※英語では「エレクトリック・スクーター」と呼ばれる)のシェアリングサービス。『バード』や『ライム』といったスタートアップが勢いを増す中、配車アプリ大手の『ウーバー』も参入するなど、いま最もホットな領域として注目を集めています。
そんなシェアスクーターの一大トレンドの影で大きな成功を収めているのが、セグウェイ・ナインボット社です。かつて体重移動で操作する「未来の乗り物・セグウェイ」で話題を集めた同社は、今や電動スクーターのシェアリングサービス各社に車両を提供するメーカーとして大きな成功を収めています。2018年には約150万台を販売し、2019年にはさらなる拡大を見込んでいるそうです。
セグウェイ・ナインボットは、SIMカードとセットになった通信モジュールを電動スクーターの追加部品として提供し、同社のOEM車両を使ったサービス提供者がアプリなどの開発を容易に行えるようにしています。これはまさに、IoT、乗り物テック時代のお手本的なプロダクトと言えるでしょう。
BYTON(バイトン)は自動運転機能などを備えた完全電動自動車を開発する中国メーカーです。既に第1世代車両の発売を開始しており、その完成度の高さとラグジュアリーなデザインから「テスラのライバル」として注目されている存在となっています。
今回のCES 2019では今年発売予定の第2世代車両『K-Byte』の展示を行なっていました。中国市場ウケが良さそうな重厚感のあるボディには独自開発のOSが登載されており、顔認識やディスプレイ型ダッシュボードのタッチ操作に対応しています。また、Amazon Alexaと連携した音声操作も可能で、ハンズフリー操作で天気の確認や音楽の再生が行えるそうです。
なお、電気自動車大手のテスラ(Tesla)は、CES 2019において展示や発表は行なっていませんでした。
ドイツを拠点とするNOVUS bikeが開発する電動バイク『NOVUS』は、フルカーボンボディに最大出力14kwのモーターを備えたスポーツマシン。最高時速は時速100km近く、バッテリー駆動時間は最長約3時間とのこと。
非常にスタイリッシュなデザインですが、価格も400万円超と自転車にしては極めて高額。
一方、以下の画像は世界で初めてAmazon Alexaを登載したというハルフォーズの電動自転車。音声操作でライトの点灯/消灯やマップの検索などが行えることをアピールしていますが、「自転車にAndroid端末を埋め込んだだけ」という感じが否めません。しかも、デモ機はバッテリー切れで音声操作は試せず……という状態でした。
CESは複数の施設にまたがる巨大な会場で行なわれるため、会期中に1人ですべてをくまなくチェックすることは不可能です。また、展示や発表の内容も多岐に渡るため、わかりやすいテーマやトレンドを示すことは容易ではありません。
その中で、あえて無理を承知で今年の総括をするのであれば「IoTはジワリと日常生活にも浸透し、その操作方法として”ボイスコントロール”が主流になっている。そして乗り物へのIoT登載が進んでいたのが印象深かった」という感じでしょうか。
スマホやPCだけでなく、車やバイク、スピーカーから家電まで、全てのモノが繋がる時代「エブリシング・イズ・コネクテッド」の幕開けに盛り上がりをみせたのが、今回のCES 2019だったと言えるでしょう。
しかし、忘れてはいけないのは「全てがネットワークに接続された時代」にやってくる、プライバシー保護の問題です。2018年までに、FacebookやAmazon、Googleなどの世界的企業は、ユーザー情報の不適切な取り扱いに対する說明に追われていました。そして2019年、日常の全てがデジタル化され、より複雑な個人情報がデータとして蓄積されていく時代が始まりつつあります。このことに不安を覚えるのは、筆者だけではないはずです。
これまではもっぱら検索エンジンやSNS企業に求められていた個人情報の取り扱いや說明責任が、今後は家電や乗り物などを含めたあらゆるメーカーに求められる時代になりつつあるのです。
ちなみにAppleはCES 2019には出展しなかったものの、来場者の大半が目にする場所に「What huppens on your iPhone, stays on your iPhone.(あなたのiPhoneの中で起こったことは、iPhoneの中に留まります)」という巨大広告を掲示しました。CES 2019を丸ごと皮肉るような内容に苦笑させられます。
CES(Consumer Electronics Show)は、毎年1月の上旬にアメリカ・ラスベガスで開催されるイベント。日本のテック系業界人やバイヤー、ライター界隈では「CES詣(もうで)」という言葉があるほどポピュラーな催しです。
ちなみに、このCES 2019レポートを書いている時点で、早くもCES 2020の開催が発表されています。
会場に入る料金は、早めに申し込めば申し込むほど安くなり、周囲のホテルの料金や飛行機のチケットも早いほどお得に予約できるでしょう。2020年のCES参加を検討されている方は、早めに準備をしておきましょう!