歴代CTO of the yearが語る「CTOからみた日本のスタートアップ」。そして2018年の”オブザイヤー”は……?

登壇者さま

2018年11月21日、Amazon Japanのコワーキングスペース「AWS Loft Tokyo」にて、2018年にもっとも輝いたCTOを選出しその栄光を讃えるイベント『CTO of the year 2018(CTOオブザイヤー2018)』が開催されました。

そのイベントの中で、歴代CTO of the yearによるパネルディスカッションが行われました。本記事ではその様子をご紹介します。

CTO of the year(CTOオブザイヤー)とは

AWS Japan株式会社 スタートアップ事業開発部 プリンシパルの畑浩史氏は、以下のように述べています。

COOの表彰の場は多いのに、CTOを表彰する場は少ない。そこでTechCrunchさんと組んで、CTOの栄誉を讃える場を作ろうとしたのがこのイベントの始まりです。2014年から開催されており、今回で5回目になります。
CTOの評価は、技術による経営への貢献を軸に行なっていきます。審査基準は、「独自性」「先進性」「業界へのインフルエンス」「組織運営」。多面的な評価軸でできればと思っています。

歴代CTO of the yearご紹介

▲左から竹内氏、安川氏、橋立氏、大竹氏

▲左から竹内氏、安川氏、橋立氏、大竹氏

  • 2014年CTO of the year:竹内 秀行氏(ユーザベース チーフテクノロジスト、UB Ventures テクノロジーパートナー)
  • 2015年CTO of the year:安川 健太氏(ソラコム CTO/Co-founder)
  • 2016年CTO of the year:橋立 友宏氏(Repro CTO)
  • 2017年CTO of the year:大竹 雅登氏(dely CTO/執行役員)

CTOからみた日本のスタートアップ

ー はじめに、CTO of the year受賞前後で何か変化はありましたか?

竹内:僕が受賞した2014年はCTO of the yearが初めて開催された年で、まだ小規模でアットホームなイベントだったからなあ。CTOの方々に顔を売れたくらいですかね。当時は頂いた優勝パネルも手書きだったので、電車で持って帰るのが恥ずかしかったです(笑)。

安川:僕は現在アメリカに拠点を置いているのですが、「TechCrunchのイベントで受賞した」っていうと向こうではかなりウケが良いですね。その意味ではかなり良い広報活動になったかなと。

橋立:僕は周りの人がなにかと「○○ of the year」って呼んでくるように……(笑)。あと、会社の名前が売れて、採用関係で少し効果が出ましたね。「CTO of the yearの記事見ました!」って言ってくれる人が増えましたし。あと弊社も今後は海外展開を考えているので、安川さんのようにこの受賞歴はぜひ活用していきたいですね。

大竹:僕はこのお三方に比べてスペシャリティがあるわけではなかったのですが、箔はついたかなと。もともと学生ベンチャーだったのでなかなか評価されなかったのですが、ちゃんと周りから評価されるようになりました。ちなみに社内的には、橋立さんと同じようにイジられるようになりましたね(笑)。社内Slackで「CTO of the year」のオリジナルスタンプが作られるとか……。

ー 日本のスタートアップはここ3,4年でエコシステムが回るようになってきていますが、CTOの皆さんから見て、今後の日本のCTOはどのようになっていくと思いますか?

大竹:そんな偉そうなこといえる立場じゃないんですけど、ポジションとしてのCTOを知らない人はほぼいなくなってきましたよね。今ではわかりやすいポジションのラベリングとして、CTOが認知されています。
そして、この次があるんじゃないかと思っています。VPOEとか、CXOとか。特にデザイン系のポジションには注目してます。最初からチーフのデザイナーがいるという状況がスタンダードになってきている状況も増えてきてますし、今後はデザイナーの重要性が益々高まっていくと思います。

橋立:最近思っているのは、世の中には再利用できる便利な技術がめちゃめちゃいっぱいある。AWSとかその代表ですよね。既存のサービスの組み合わせによって、よりよいサービスが作れる時代。その組み合わせ作業のできる人材がスタートアップには必要ですし、そのような人材をしっかり採用することが大事だと思います。
ちなみに私自身は0→1が得意じゃないんですよ。1→100の方が得意。0→1は最初で失敗すると数年単位で失敗しかねません。だからこそ、今ある技術やサービスを見極めて使っていきたいですね。

安川:当然いろんな意見があるとは思うんですけど、僕はCTOは技術の切込隊長になるべきじゃないかなと思っています。新しく出てきた技術に先陣を切って取り組んでいって、それが実際に使えるのかどうか試してみる。
先ほどの橋立さんは1→100タイプですけど、僕はどっちかっていうと0→1タイプですね。僕自身は切り込むのは得意なんですけど、そのあとは苦手なんですよね。広げるのは他の仲間に任せたいです。

竹内:僕も0→1タイプですね。もう20年くらいそれしています。ただ、最近はその0→1が難しくなってきている。というのも、切り込むための選択肢(サービス)が今は無限にある。AWSもありえないほどたくさんのサービスがありますしね。昔はほとんど選択肢は限られていたのに……最近の若い人は大変ですね(笑)。どの選択肢を使ったら良いか、しっかり見極めましょう。

まとめ :2018年の”オブザイヤー”

今年のCTO of the yearには教育のパーソナライゼーションを手がけるatama plus株式会社のCTO・川原尊徳氏が、オーディエンス賞にはボイスメディアを手がける株式会社VoicyのCTO・窪田雄司氏が選ばれました!日本のスタートアップを牽引していくであろうお二人の活躍に、今後とも注目していきたいです。

より詳しい情報を知りたい方は#CTO2018で検索!

 

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