エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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SNSが爆発的に普及して久しい昨今。各種コンテンツがSNSでシェアされるのは当たり前になり、それが「バズる」か否かが商品やサービスの売上を左右するまでになりました。
しかし、こうして表に出てきているコンテンツの利用者が、じつは全てのユーザーを表しているわけではないことをご存知でしょうか?
今回は、SNSやブログなど、誰にでも開かれた場所以外からコンテンツにアクセスする「ダークソーシャル」と呼ばれるプライベートなコンテンツのシェアについて解説します。
閉じられたプライベートなメッセージ上でのコンテンツのシェアを「ダークソーシャル」、ダークソーシャル上からのトラフィックのことを「ダークトラフィック」と呼びます(※ダークトラフィックのことをそのまま「ダークソーシャル」と呼ぶことも多いです)。
ダークソーシャルでシェアされたコンテンツはWebサイトの集客につながりますが、Google検索やSNSからの流入と異なり流入元を追えないので、「参照元なし」のダイレクトトラフィックとして扱われます。そのため実態がつかみにくく、マーケターにとって施策が打ちにくい分野となっていたのです。
「ダーク」と名がつくので怪しい用語に聞こえそうですが、要は「マーケターにとって流入経路がダーク(暗い/隠れた)なコンテンツ」という意味になります。
では、実際にどれほどのユーザーがダークソーシャルでコンテンツを共有しているのでしょうか?
国際的なデジタル関連の統計データを扱うGlobal WebIndex社の調査によると、63%のユーザーがプライベートなメッセージアプリを使ってコンテンツや情報をシェアしているとのこと。
ソーシャルメディアよりもシェア率が高いと示されており、ダークソーシャルでのシェアを促進する重要性がよく分かります。
ダークソーシャルが何かを整理できたところで、ここでは具体的にどのような経路でコンテンツにアクセスした場合、ダークソーシャル(ダークトラフィック)に該当するかを見ていきます。
SNSでのやり取りは、すべてがオープンになっているわけではありません。クローズドなSNSでのやり取りの代表例が、「DM(ダイレクトメッセージ)」を使った会話です。
TwitterやInstagram、Slack、TeamsなどのDM機能、Facebook Messenger、LINEでのチャット……。
こうした身近かつプライベートな空間でシェアされたコンテンツからの流入は、アクセス解析ツールで追うことができません。
オンラインコミュニティや社内グループといったクローズドなコミュニティで、メンバーのみにシェアされたコンテンツもダークソーシャルにカウントされます。
よくあるパターンとしては、例えば「社内グループで社長が社員に読んでほしいコンテンツをシェアする」「オンラインサロンで面白いコンテンツをシェアする」といったイメージです。
メール上に記載された情報からコンテンツにアクセスした場合も、流入元が追えなくなります。そのため、例えばコンテンツがメール上で発信・やりとりされている場合、実際の効果を正確に測定するのは難しいです。
ただし自社で扱うメルマガでの配信の場合、メルマガ用にパラメータ付きURLを設定することで計測可能になります。
他のサイトやSNSを経由せず、直接サイトに訪れた場合も流入元が追えません。
なおブックマークからの流入の場合はサイトへの愛着度が高く、リピート率も高い傾向にあります。このようなユーザーは大切にしたいところです。
近年では個人情報保護の観点から、セキュリティソフトやデバイスの設定によりアクセス情報を送信しないケースが増えてきています。
この動きはますます加速するとみられており、今後アクセス元の追跡できない流入が増加する可能性があります。
この「ダークソーシャル」と呼ばれる現象、じつは現在進行形で当メディアにも発生しています。皆さんにもダークソーシャルのイメージを掴んでいただくべく、実例をご紹介しましょう。
当メディアはGoogleのアクセス解析ツール『Google Analytics』で記事のアクセス経路を日々分析しており、大半の記事では流入経路をしっかりと追えます。
しかし、2021年になってリリースしたある記事に、突如としてダークソーシャル経由でのアクセスが殺到しました。
記事自体のPVは好調だったのですが、流入経路を特定して今後の記事制作に活かすことができませんし、何より「大量に読まれているのに、誰が読んでいるか分からない」という状況には、少し気味悪さも覚えました。
SEOに精通した編集部メンバーと流入経路を推測してみたのですが、ハッキリした答えは出ません。一応、「補助金」「フリーランス」という記事の特性から「フリーランス系のコミュニティでシェアされた」「フリーランス中心の会社内でシェアされた」あたりが濃厚だという結論になりました。
このように、ダークソーシャルで大量に共有されると、コンテンツの制作者は成果分析に苦戦します。
流入経路を追えないという点でやっかいなダークソーシャル。しかし、何かしらの手段で流入が増えていることには変わりないので、ダークソーシャルによる流入を狙う価値は十分にあります。
また先述したとおり、ダークソーシャルでのコンテンツシェアは全体の63%を占めています。これを逃す手はありません。
では、ダークソーシャルによる流入を増やすにはどのような施策が考えられるのでしょうか。
大前提として、プライベートな領域でシェアしたくなる、つまり「知り合いに見せたくなる」コンテンツをつくる必要があります。
もちろん、コンテンツを制作する際は、基本的に「多くの人に見てほしい」と思うもの。普通のコンテンツづくりと大きくは変わりません。
しかし、コンテンツを多くの人に届けるための「バズを狙う」手法は、ダークソーシャルマーケティングに不向きかもしれません。
例えば確定申告のイロハがすべて盛り込まれている記事を作成し、確定申告に悩む人を見た知り合いが「これを見れば確定申告が分かるよ」とシェアしてくれるのを狙うといった、身近な知り合いに見せたくなるコンテンツづくりを心がけましょう。
コンテンツがシェアされるプライベートなコミュニティには、IT系ビジネスマンが多いと推測できます。IT業界では社内SNSやコミュニケーションツールが広く普及しており、身内で記事をシェアする文化が根付いているからです。
マーケティングや業務効率化ツール、働き方などに関するコンテンツは弊社の社内ツールでもよく言及されており、IT系ビジネスマンに響きやすいと思われます。
ユーザーがダークソーシャルでコンテンツ共有してくれるのをただ待つのではなく、主体的にダークソーシャルな環境をつくり出すのも有効。施策として考えられるのは、オンラインコミュニティやメルマガの運営です。
これらの施策は単にダークソーシャルによる流入を促進するだけでなく、サービスやブランドへのエンゲージメントを高めたり、濃いファンにコンテンツの更新情報を届けられたりといった効果も見込まれます。
ここまで、やっかいな存在であるダークソーシャルについてまとめてきました。
コンテンツ制作者の中にも「まだダークソーシャルとは縁がない」という人もいるかもしれませんが、今後は世界的なクッキーレスの流れによりターゲティングが困難になっていくと予測され、ダークソーシャルによる流入が増えると考えられています。
今のうちにダークソーシャルに関する知見を深め、対策を講じておきましょう。
(執筆&編集:Workship MAGAZINE編集部)
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