Workship MAGAZINE書籍化第3弾!#ADHDフリーランス の新常識 他
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企業の問題解決において、数字や統計ほど重視されている指標はありません。
経営者たちが出す結論はユーザー目線ではないため、ユーザーに長く親しんでもらえるような価値を提供しづらいです。「デザイン思考」を念頭においていれば、クリエイティブな問題解決ができ、ユーザーに新しい価値を提供できます。
デザイン思考とはユーザー目線を重視するためのデザインプロセスのこと。ユーザーからのフィードバックのもとに、ユーザーが望んでいる商品を生産します。デザイン思考には、3段階があり、その中にもふたつのステップがあります。
ステップ 1. ユーザーの感情に共感する
ユーザーリサーチを実施し、インタービューや調査を行います。ユーザーを理解するのがゴールです。
ステップ 2. 問題を定義付ける
リサーチの結果を分析し、ユーザーの問題を明確にします。
ステップ 1. 思考をアイデア化する
ひとりで、もしくはグループで複数のアイデアを書き出します。現実的なアイデアかどうかを問いません。
ステップ 2. アイデアをプロトタイプ化する
「アイデア化」の段階から、案の試作型を作成します。
ステップ 1. 商品を試す
再びユーザーにフィードバックを求め、ニーズに合うかどうかを再確認します。
ステップ 2. 商品を生産する
商品をリリースします。
また、デザイン思考はあくまで進み方であるため、デザインと異なる職業にも通用します。技術を重視している企業でもデザインと関わらない企業にも導入する実績があるのです。
IT企業であるApple社や、車会社であるゼネラル・エレクトリック社などは、ユーザーの体験に絞らず、会社の大きな決断にまでフレームワークを取り入れています。
スティーブ・ジョブズがApple社に戻ったとき、デザイン思考を会社の全プロセスに取り込みました。ユーザー対象の戦略としては、ECサイトを開業し、ユーザーのフィードバックもデザイン時に求めるようになりました。商品の素材を再考した結果、もっと質のいい素材を選定するようになりました。
日本にもデザイン思考を採用している企業があります。
富士フィルムは、2007年にデザイン思考を導入し、全面的にビジネスのプロセスに取り込んでいます。企業のためにさらにカスタマイズをし、ユーザーを重視する代わりに、技術の本質的な機能を可視化しています。
日立の場合、2002年にデザイン思考を導入し、概ね商品開発にデザイン思考を取り込んでいます。デザイン思考を取り込む前に、日立の主管デザイナー曰く、ユーザーのニーズを把握しなくなったとのことです。現在、心理学の専門家もデザイン部に配属しているうえ、ユーザー重視の商品開発に挑んでいます。
数字ベースの問題解決法と異なり、ユーザーを中心に考えて動くのはより時間がかかりますが、商品の質を上げるために、実施してみてはいかがでしょうか。
(翻訳:Jordan Colston)