【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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はじめまして! フリーランスでライターをしている中野亜沙子と申します。わたしは大学を卒業してから就職しなかった、いわゆる「大卒ニート」でした。そこからフリーターと会社員とフリーランスを行ったり来たりして、やっと「フリーランスという働き方、合ってるかも……!!」と自信が湧き始めているこの頃です。
そんな社会に出たり引っ込んだりしているわたしから「会社員とフリーランスどっちがいいの~~~!?」と働き方に迷っている人へ向けて、これまでの失敗談と働き方を選ぶ際に考えたことをお話します!
おでかけ、カルチャー、健康にまつわることが好きなフリーライター。趣味は大喜利と犬。(X:@kururi64)
目次
わたしは大学を卒業してすぐ無職になりました。就活はそれなりにしていて、内定もいただいていたのですが「本当に就職していいのか?」という理由もわからない強い違和感から抜け出せずに辞退してしまい、そのまま卒業を迎えました。
思えば就活で言う「自己分析」がとても下手だったように思います。面接ウケのいい強みや志望動機を作り上げて、これが本当のわたしで、これが本当にやりたいことなんだ!! と信じ込もうとしていました。
そのことに耐えられなくなって、無気力になってしまった時に、唯一光って見えたのが「文章を書くこと」でした。第二新卒の道もありましたが、とにかくいま、手のなかにあるちっちゃな希望が仕事になるのか知りたくてクラウドソーシング事業をしているベンチャー企業で社内ライターのアルバイトを始めました。
ここからのキャリアは込み入っているのですごろくで紹介させてください。
このようにハチャメチャな経歴です。失敗という失敗をしてきたと思うので、実体験をもとに問題点を洗い出していきます!
突然ですが「自分にとって大切なこと」を言えるのってとても重要だと思うんです。みなさんはパッと思い浮かぶでしょうか? わたしの場合は、ライターになるというふんわりとした一点で突き進んでいて「どんな記事を書いて、読者にどう影響を与えたいのか」、「自分がどんな生活を望んでいるのか」を長いあいだ決めることができませんでした。
また、いざ自分にとって大切なことを言語化できても、それが本心とは限りません。昔は「大手出版社の社員になる!」とか「いつか有名なWebメディアの編集長になる!」とか、わかりやすく大きな目標を立てていた時期もあったのですが、どこか現実離れしていて、絶対に叶えるという熱意も湧いてきませんでした。
それもそのはずで、いま考えると全然なりたくなかったんです。ライターの成功例といえばコレ!! という表面上の見栄えのよさしか見ていなくて、自分の興味や性格に合った仕事を探すことから目を背けていました。
その結果「キャリアアップしなきゃ」、「もっと場数を積まなきゃ」、「周りより目立つために変わった経歴を積まなきゃ」といった焦りが溜まりに溜まり、大阪移住計画という迷走をします。
当時はいたって真剣だったんですが、貯金30万円だけ持って知り合いが誰もいない大阪に飛び込み、自分を追い込むことで何かが変わる!と思ったんです(そして貯金が0になって、実家に戻ってくることになりました)。漠然とした不安を放っておくと、まっすぐ歩けなくなるんですね。
そこで少し立ち止まって考えてみることにしました。そうすると「もっと取材やインタビューをしたい」、「読んだ人がワクワクするような記事を書きたい」という欲求が出てきたんです。最初に勤めていた会社で扱う記事はネットで情報収集して執筆するものがメインで、取材がほとんどなかったことにモヤモヤしていました。
それをヒントに、取材をもとに新しい情報を盛り込んだ記事が書ける観光系Webメディアの編集部に入りました。そこで働くうちにだんだんと「たくさんの人がいまを楽しめるようになったらいいな」、「落ち込んでいる人が元気になるような記事を書きたいな」といった自分の願望が言葉として浮かぶようになりました。
本当はもともと心の内にあったと思うのですが「四の五の言ってないで働け!」という、もう一人の厳しい自分が居たせいで見ていなかった部分でした。このあたりから自分の歩く道がなんとなく見えてきた気がします。
まぁ、そのあとにまったく自分に合っていない広告制作会社に入ってしまうのですが……。
人は大事なことですらすぐに忘れるし、同じ間違いを何回もするということも学びました。周りの人や会社にご迷惑をおかけしないためにも、自分にとっての「大切なこと」をしっかり見つめているか、という問いかけはいまも心がけています。
観光系の記事執筆や編集をするようになって1年が経過し、これで一件落着か? と思っていた矢先、体調を崩して会社に行けなくなりました。
夜寝ても疲れがとれなくて遅刻したり、ミスが増えたり、仕事はしたいのに思い通りにいかなくなっていくことに悩みました。何かおかしい……。
見出しに書いたのでお気づきかと思いますが「働き方が自分の性格に合っていなかった」のが大きな原因でした。
会社員時代に感じた、イヤなことを列挙してみます。
これらの情報を見わたして、会社員向いてなくない? としっくり来ました。とはいえ、こういった不便さを感じながらも会社員を続けている人もいると思います。
ここで大事なのは誰かと比較しないということだと思っています。誰かと比較してしまうと「甘えなんじゃないか」、「みんなイヤだけど我慢している」とストレスを軽く見積もってしまったり、反対にいい環境にいるのに「もっと向いている働き方があるんじゃないか」と衝動的に仕事を変えて後悔してしまったりする危険が高まります。
あくまで例えですが「朝が苦手」な人のなかにも、レベル2くらいに感じている人もいればレベル10に感じている人もいます。レベル2くらいだったら我慢するほうが総合的にいいかもしれませんし、レベル5くらいだったらリモートワークやフレックスタイム制がある会社に転職するだけで解決するかもしれません。
誰かに相談するにも判断材料は自分のなかにしかないというのが悩ましいところです。ちなみに完全に個人的な意見ですが、特大のイヤな理由がなければ会社員のほうが有利な点が多いと思っています。
さて、「会社員とフリーランスどっちがいいの?」という疑問の答えですが、現時点でわたしが出した結論は「自分にとって大切なこと」と「得意・苦手」の総合評価で決めればいいです。
具体的なステップを見ていただいたほうがわかりやすいので、わたしがフリーランスになると決めた時の流れをご紹介します。
「朝起きるのが辛い」、「社内の争い事を見るのが苦しい」、「疲れた人の心を癒すような文章が書きたい」、「書きたくないテーマになると集中力が落ちる」、「旅行の体験レポートを書きたい」、「出退勤の申請をいつも忘れる」、「都内で一人暮らししたい」、「貯金がない」、「もっと人を笑わせたい」、「初対面の人は苦手」など(実際は50個くらい出しました)
【自分にとって大切なこと】
多くの人が「自分を認めていまを大切にできる」文章を書く、人を笑わせる、気持ちのいいコミュニケーションをする、自立して生活できるだけのお金を稼ぐ、自分を表現する趣味を大切にする、れもん(愛犬)を幸せにする など
【得意】
問題点や課題を見つける、周りの人の要望をくみ取る、わかりやすい言葉で伝える、どんなときも穏やかでいる、自分のペースで物事を進める など
【苦手】
威圧的な人と接する、決められた時間割りに沿って行動する、自分の決めたことと矛盾している行動をする、初対面の人と接する、細かい報告や手続きをする など
ポイントは強く感じることを中心に大きく書き、そこから派生する内容や「できれば大切にしたい」レベルのことを外側に細かく書いていくことです(おそらく巷でマインドマップと呼ばれているものと同じだと思います)。日記やメモは気持ちをすっきりさせるには効果的ですが、忘れずにいつも頭に置いておくには向いていないと思っています。なので1枚の紙にまとめるのがおすすめです。
書き終わったら、書いたことの中心かつ、なるべく広範囲を満たせる選択を考えてみます。
わたしの場合は「目的へのこだわりが強く会社の利益に合わせて働くのが難しい」、「会社員に求められる規律や協調が性に合っていない」という点が強かったため、フリーランスでライターをしながらお笑いやものづくりなどの趣味の領域を広げていくことがベストだと心から思えました。
本当にベストかはわかりませんが、自分の気持ちが整理されて納得した状態で覚悟を決めて進めることが重要だと思っています。
また「わたしってフリーランスでいいんだっけ?」、「この仕事は受けるべき?」といった不安が出てきた時も、このページを見れば迷子にならないので便利です。大切なものが変わることもありますが、その度に書き直しています。
ちなみに自分と関連が薄いものとして「毎月安定的な収入を得る」、「カレンダー通りに休みがある」、「人とチームワークを発揮して仕事する」、「規模の大きなプロジェクトを動かす」などがありますが、会社員に向いている人はこういったことがページの中心に入ってくるのかもしれません。
働き方に迷っているあなたはきっと真剣に仕事に向き合おうとしているはず。わたしも将来を真剣に考えて正社員になっては辞め、フリーランスになったはいいけど不安で、また転職活動へ向かう……といった迷いっぱなしの20代だったので、この経験が少しでも決断するヒントになれば幸いです!
(執筆:中野亜沙子 編集:少年B)