フリーランス白書2023抜粋解説。コロナ禍でフリーランスの収入はどうなった?仕事獲得経路にも変化あり

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下フリーランス協会)が、2022年度のフリーランスの実態を調査した『フリーランス白書2023』を公開しました。

フリーランス878名を調査した結果をもとに、コロナ禍による収入の変化、仕事獲得経路の変化などがまとめられています。

この記事では、とくに重要と思われる「フリーランスの収入」「フリーランスの仕事獲得経路」「働き方満足度」の3項目を抜粋し解説します。

フリーランス収入の世帯に占める割合は

▲出典:フリーランス白書2023

フリーランス業を通して得ている収入の世帯に占める割合について、男性は「8割以上」が約6割、女性は4割弱という結果に。2023年現在、在宅勤務をしつつ育児や家事に時間を取られている女性たちが、限られた就業時間内で効率的に業務をこなしている背景がみえます。

また年収は「200-400万円未満」が3割、「200万円未満」「400-600万円未満」が約2割ずつ。年収上位の職種であるエンジニア・技術開発系ならびにコンサルティング系はどちらも約8割が400万円以上と回答しています。Web系で約5割が400万円以上、出版・メディア系で約4割が400万円以上となっており、時間単価の差が年収に反映されていることが予想されます。

仕事獲得経路「エージェントサービスの利用」割合が向上

▲フリーランス白書2023

フリーランス白書2021ならびに2022から変わらず、もっとも収入が得られる仕事獲得経路として「人脈」の割合が減少(33.6%から回復せず)。比例するように「エージェントサービスの利用」の割合が向上しています(12.4%)。

コロナ禍から下落している「人脈」の割合は、第2位「過去・現在の取引先」(33.5%)と同率。「エージェントサービスの利用」は、コロナ禍後に上昇したまま維持し続けています。コロナ禍を機にエージェントサービスへの注目が高まったこと、リモートワークとの親和性の高さなどが反映されているのではないでしょうか。

▲フリーランス白書2023

フリーランスが登録しているエージェントサービス数は「3サービス」が最多(25.1%)。そのうち直近で稼働したのは「1サービス」と回答されています(45.6%)。多くのエージェントサービスに登録するよりも、求める仕事や働く環境によって適切なエージェントサービスを取捨選択するのが大切だと考えているフリーランスが多いことが推定されます。

また、エージェントサービスに求めることの上位3つは、「案件紹介(77.8%)」「条件・価格交渉(63.9%)」「発注元企業とのトラブル仲介(49.9%)」。仕事探しはもちろん、営業にまつわる業務を代行してくれるサービスと捉えているフリーランスが多いことがわかります。

「会社員時代よりも生産性向上」が約8割

▲フリーランス白書2023

「仕事上の人間関係」や「プライベートとの両立」など9項目のうち、「収入」「社会的地位」「多様性に富んだ人脈形成」これら3項目の満足度は約3割と低い結果に。前者2点はコロナ禍以前から低い値で推移していましたが、後者はコロナ禍を機に急速に減少し、2023年現在の回復の兆しがみられません。

上記の結果に対しては少々世知辛い情勢が反映されてしまっているように感じられます。しかし、満足度、スキル/経験、生産性については、会社員時代とくらべて約8割の人が「増えた(上がった)」と回答。コロナ禍により会議や飲み会の場が減ったことが、個人のスキルアップにつながったのかもしれません。

また、働く時間についても約6割が「減った」と回答。リモートワークが浸透したことにより生産性が向上し、残業や休日出勤が減ったと推定できます。

まとめ

新型コロナの感染拡大により大きく変化せざるを得なかった仕事環境も、落ち着きを見せ始めている2023年。収入や働き方など、100%コロナ禍前の状態に戻っているとは言えませんが、新しい様式が定着しつつあるのも事実です。在宅でも働きやすくなり、如実に収入に反映される一方で、職種による年収格差があらわれ始めてもいます。

リモートワークが浸透したことが、フリーランスの仕事獲得経路、ならびに働き方満足度の変化につながっているのではないでしょうか。Workship MAGAZINEでも随時、情報を発信していきますのでぜひご確認ください。

(執筆:泉 編集:じきるう)

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