画像解析をフリーソフトでやってみる!無料の画像解析ツール4選

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医療やEC、農業や工業での品質管理等、さまざまな分野における「画像解析技術」の発達が進む昨今。画像データ内の文字情報を認識してテキストデータに変換する「光学文字認識(OCR)」も画像解析のひとつです。

近年は機械学習の進化により、応用分野がさらなる広がりを見せていることから、注目度が高まっています。しかしいざ学んでみようとすると、ソフトウェアがかなり高額だったりと、非常にとっつきにくい技術でもあります。

今回は画像解析の概要と、画像解析に触れてみたい方のために無料で使える画像解析ツールを4つご紹介します。

画像解析とは

画像解析とは、「画像から任意の要素を取り出し、データとして定量的・客観的に表現すること」と言われています。

道路の写真から交通量を計算したり、細胞断面写真から病原体の数を数える等、画像データ内の特定の範囲における対象オブジェクトの数や面積、長さ等の計測を目的としています。

画像解析には、大きく分けて3つのステップがあります。

1. 強調

まず輝度の調整やノイズの除去等、撮像系の影響や注目していない領域の要素を除きます。

2. セグメンテーション

次に輪郭を強調したり、明るさや色合いを調整したりすることで、注目する表現形質や現象を取り出します。

必要な部分を「1」、不要な部分「0」とするマスクを作成する「2値化」と呼ばれる工程もこれに含まれます。

3. 領域抽出

最後に、画像の幾何変換、パターン認識、フーリエ変換等の処理や演算を行うことで、目的とする形状を抽出するための演算を実施します。

セグメンテーションと同時に行うこともあります。

画像解析、なぜ注目が集まっているの?

画像解析技術への社会的なニーズは急速に高まっています。その背景として、デジタル写真の普及が挙げられます。

デジタルカメラが世界で初めて発明されたのは1975年12月のこと、コダックの開発担当者Steve Sasson氏の手によるものでした。当時の画像サイズは100×100の10,000ピクセルだったそうです。それからたった45年の間にデジタルカメラは爆発的に生産台数が伸び、2018年の国内総出荷台数は1942万台にも上りました。

近年、デジタルカメラの出荷台数は減少しつつありますが、一方で急激にシェアを伸ばしているのがスマートフォンです。2017年におけるスマートフォンの国内総出荷数は3746万台であり、今では多くの人がデジタルカメラ以上にスマートフォンで写真を撮っていることでしょう。

そしてデジタル写真が普及した結果、莫大なデータが各所に保存されてきました。その莫大なデータから、目的にあったものを抽出するニーズが増えているのです。SNSで話題になっているものをリサーチするといったものから、品質基準から外れた野菜を検知するようなものまで、用途はさまざまです。

無料ツールでチャレンジ!画像解析フリーソフト4選

画像解析フリーソフト①:ImageJ

生物学では業界標準の解析ツールとして知られているソフトウェアです。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)に勤めていたWayne Rasbandさんを中心に開発されているもので、前身のNIH Imageを含めると最初のリリースから27年以上経っている歴史のあるツールです。

ImageJ(日本語情報)

画像解析フリーソフト②:OpenCV

OpenCVは正式名称を「Intel Open Source Computer Vision Library」と言い、その名のとおりインテル社が開発したオープンソースのC/C++ライブラリ集です。

コンピュータ・ビジョンに必要な各種機能がパッケージされています。

OpenCV(日本語サイト)

画像解析フリーソフト③:R / RStudio

Rといえば統計処理用ソフトウェアの印象が強いですが、画像処理用パッケージも公開されています(EBImage, biOps, RImageBook)。

当然ながら、ソースコードをR言語で書く必要があります。R言語の関数を使用できるという利点もありますが、両方ともイチから学ぶとなると、少々大変かもしれません。

imager: an R package for image processing

画像解析フリーソフトの紹介④:AT-Image

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▲出典:Vector

最後に、日本人の方がフリーで公開しているものをご紹介します。

画像処理の学習に適した実験・結果解析用ソフトで、2値化やフーリエ変換等、工学で学習する「画像処理」を体験できるソフトです。

Windows XPが動作OSの最新となっておりリリースからは少し時が経ってしまっていますが、機能名を一通り読んでみるだけでも、画像解析の世界の一端を知ることができます。

AT-Image

おまけ:Photoshopの画像解析機能

その他にMetamorphMATLAB等のパワフルな有償ソフトウェアもありますが、それらは非常に高価で、一般ユーザーが気軽に触ってみるのは難しいでしょう。

そんな有償ソフトの中で、安価に使えて実は画像解析機能を備えているのがPhotoshopです。Photoshopは高機能な画像編集(フォトリタッチ)ソフトウェアとして知られていますが、ヒストグラムパネルや輪郭検出機能など、基本的な画像処理・解析機能もサポートされているのです。

もしPhotoshopを持っているようでしたら、ぜひお試しください。

Photoshop

まとめ

ここまで、画像解析に使える無料ツールをご紹介してきました。

画像解析は無料からも始められるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

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