29歳、フリーランスで台湾移住。ぶっちゃけ仕事はどうしてるんですか?

FREELANCE

「海外で自由に働きたい! でも、どうやればいいの?」

もしも、そんなことを考えたことがあるのであれば、台湾を拠点にフリーランスとして活動しているナカジマチカさんのお話が参考になるかもしれません。ナカジマチカさんは約7年間の会社員生活を経て、独立。フリーランスとなり、2015年に台湾へ移住されます。

しかし、はじめは仕事の目処もないままの台湾移住だったのだとか。どうやって海外で仕事をしているのか、フリーランスとして海外移住するためには何をすればいいのかなど、お話を伺いました。

「同じ暮らしを続けることはリスクでしかない」戦略なく決意した台湾への移住

―― 台北へ移住したキッカケを教えてください。

会社員をやっているとき、日本の社会の中で会社員としての人生の成長ステップからゴールまでが見えてしまっている気がして、面白くないなと感じていたんですね。成功のロールモデルが決まっているような雰囲気の場所で生きるのはつまらないなと。なので、他の人とは違うことをしたいという想いがありました。

また、社会人2年目頃から業務内容がつまらないと感じてしまって、何か別のアプローチができないかなと考えていたんです。そこで平日は会社員として働き、土日はフリーランスとして個人の仕事を受けていたりしました。

そんな中、台湾に旅行で来てハマってしまって。帰国してからも台湾のことを考えたり、何度も台湾へ足を運ぶうちに、「いまここで動かないで、同じ暮らしを続けることはリスクでしかない」と感じたんです。
もともと場所を問わずに働きたいという想いもあったので、29歳のときに会社を辞めて、その約3ヶ月後に台湾へ移住してきました。

―― 移住前から台湾での仕事の目処はありましたか?

仕事の目処も、毎月の収入の目処も何もありませんでした(笑)。当時はフリーランスとしての戦略は何もなく、「台湾で暮らしたい」という気持ちが先行していた状態だったんです。
ただ、会社員時代から自分でメディアをつくって情報発信をしたり、フリーランスで仕事を受けていたので、多少は給料以外の収入がありました。だから、もしお金に困りそうだったらメディア運営を全力でやったり、フリーランスで受けていた仕事に注力すればいいかなと気軽に考えていました。

そして台湾に来て最初の1年は語学留学をして過ごしていたんですが、挨拶代わりに「仕事を辞めたんだ」とフランクに伝えていたら、知り合いや前職の会社から仕事をもらえるようになって。
Webデザインやコーディング、そしてメディアの広告収益がいまの収入源になっています。最初は不安でしたが、意外とやっていけるなと思いました。

生活費は月10万円程度。台湾移住はフリーランスにとってメリットがたくさん

―― 台湾での生活で大変だったことはありますか?

やはり苦労したのは、語学です。たとえば、朝起きたら部屋のWi-Fiが繋がらないなどの設備の不良が度々あったのですが、当初は語学力が不十分だったのでそれをうまく説明できなかったんです。旅行をしているだけではあまり感じませんが、生活をするとなると語学力は非常に重要ですね。

ただ、台湾に関して言えば、東京で一人暮らしをしていた自分にとっては、生活の固定費が下がるというのはフリーランスにとって非常にメリットだと思います。生活費は大体月10万円程度、さらに台湾は飲食店が豊富で外食するのも便利ですし、コインランドリーもたくさんあって、家事に費やす時間を短縮できるので、生活がとてもラクだなと感じています。

交通費も安いですし、医療費もそこまで高くありません。自費で払っても、日本の病院で健康保険適応での自己負担額とあまり変わらないなという印象です。

あとは、日本企業のクライアントを持つフリーランスにとっては、お客さんのところに行かなくていいというのもメリットですよね。無駄な打ち合わせが減りますから(笑)。

―― 他に、台湾の「ここが良いな」と思う点はありますか?

多様性を受け入れる文化があって素敵だなと思います。こちらが外国人だからといって態度が悪い方向へ変わることが少なく、同じひとりの人間として接してくれるんですね。また台湾では他人に同調せずとも居心地良く過ごせるので、それも多様性を受け入れる文化があるからこそだと思います。

そして台湾、特に台北は日本と比べると成長のサイクルがとても早く、混沌としていて常に刺激的な街なのが良いなと思います。

―― 今後も台湾に滞在予定ですか?

いまは自分のメディアを通じて、台湾のことを発信したいという想いがあるので、台湾にいる予定です。企業と手を組んで、何か一緒にやれたらいいなと思っています。

ただ台湾に来て1年目は苦労もあって、日々成長している感じがあったのですが、いまは台湾の生活に慣れてしまったので、また成長を感じられる環境に身を置きたいなと思ったりもします。

先日訪れたホーチミンは、移住先としてもいい場所だなと思いました。街を歩いているだけでも楽しいですし、ご飯も美味しい。海外移住で、ご飯が飽きないというのは重要なポイントですからね。
時間も場所も自由だからこそ、台湾は好きですがあまり台湾に固執せず、常に刺激的な場所を求めて行動していきたいです。語学がでえきれば、フリーランスはより選択肢を広げられるなと思います。

会社員時代にスキルアップと情報発信を心がければ、なんとかなる

―― 海外在住フリーランスになるために必要なスキルや意識すべきことは何かありますか?

個人的な経験則でいうと、まず会社勤めしている間に “替えがきかない存在” になっておくことが大事だと思います。替えがきかない存在であれば、独立した後も仕事の相談が来るようになるので。

また、海外在住だとクライアントと直接顔を合わす機会はほぼありません。会えなくて不都合なことはもちろんありますが、その不都合さを感じさせないくらい汲み取る力、また仕事を丁寧にやることが大切だなと感じています。
実際、私自身もサラリーマン時代より仕事を丁寧にやることを意識するようになりました。

そして、スキルアップを常に心がけること。気になった技術やツールは片っ端から試してみるようにしています。そうすることで、新しい依頼があったときに「できません」ではなく、「できます」と言えるため、次の仕事に繋げられますからね。

―― ナカジマチカさんはメディア運営もされていますが、情報発信をしていて良かったなと思うことはありますか?

情報発信を続けていると、なんらかのリアクションが返ってくるのがありがたいです。いまは台湾の情報を発信するメディアなど、自分の得意分野を活かしたメディアをいくつか運営しているのですが、読者の方から「こういうのもありましたよ」と逆に情報を得られて、勉強になることも多くあるんですよ。
情報発信のために常に新しいことを探すようにしているのですが、自分で調べたことを他人へ伝える行為が逆に新しい知識を得ることに繋がっています。

また、「役立つ記事を書いてくれてありがとうございます」という声をいただけることもあり、そういうときは単純に嬉しいです。情報発信は仕事にも繋がるので、好きなことがあれば情報発信したほうがいいなと思います。

―― 最後に、これからフリーランスになりたい、また海外に移住したいという方へアドバイスをお願いします。

まずは、目の前の仕事を全力で取り組むことをオススメします。いきなりフリーランスになるのではなく、スキルアップをして「気づいたらフリーランスになってた」くらいのほうがいいのかなと。自分のスキルは給料以上の価値があると思ったら、会社を辞めればいいのではないでしょうか。

また会社を辞めるときも、円満退社をしたほうがいいですよね。私のように前職から仕事をもらえるかもしれませんし、フリーランスになってみてダメだったときでも戻る場所があると思えることも大事です。

そして海外に移住したいという方は、短期間でもいいから一度暮らしてみるといいと思います。台湾であればLCCですぐに来れますし、一度来てみれば様々な気付きがありますよ。

(執筆:永田優介)

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