【社労士解説】ジョブ型雇用時代におけるフリーランスの生存戦略とは?
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Uber Eatsを中心に、ひとつの文化として浸透してきているデリバリーアプリ。マナミナでは以前よりフードデリバリー市場に注目し、2020年の7月にウィズコロナ時代のデリバリーアプリに関する調査を行いました。
この調査から約1年経ったいま、フードデリバリー業界の勢力図はどう変わったのでしょうか。本記事では最新のデータを引用し、フードデリバリーアプリを分析します。上記の記事も併せて読んだ上で、勢力図を予想しながら今回の記事を読んでいただくと、より理解が深まるかと思います。
まずはフードデリバリーサービスのユーザー数を、グルメ関連アプリのユーザー数と比較しながら見ていきます。次の表に、2021年4月での利用ユーザー数ランキング(上位15アプリ+デリバリーアプリ)をまとめました。なお、赤線が引いてある項目がフードデリバリーアプリです。
フード&ドリンク関連アプリでは、マクドナルド、ケンタッキーが1、2位を占め、4位にすかいらーく、6位にスシローと飲食店チェーンのアプリが上位に入っています。
デリバリーサービスに着目すると、Uber Eatsが全体9位にランクイン。これはスターバックスや食べログと同程度の利用ユーザー数です。そして出前館が11位とその後を追っています。その下は3倍以上の差が開いてmenu、foodpanda、楽天デリバリーと続いています。
前回6月の調査と比較したデリバリーアプリの変動としては、menu、foodpandaが楽天デリバリーをランキングで追い抜いています。
一方で、デリバリーサービスのWeb利用ユーザーは下のランキングのようになっていました。データはWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を使用して算出。そのひとつの機能である「業界分析」を使い、「グルメ デリバリー」の各サイトを分析しました。
セッション数で見ると出前館が2位と2倍以上の差をつけて1位となっています。2位のドミノ・ピザに続いて、楽天デリバリー、dデリバリー、Uber Eatsがランクインしています。
上記5サービスのシェア率をグラフにすると下図のようになります。
アプリでは首位をとっていたUber Eatsですが、Webではシェアを大きく落としています。一方の出前館はWebではシェアの1/3以上を獲得しています。
ここまでアプリ、Webそれぞれのユーザー数を調査してみましたが、上位サービスのユーザー数をまとめるとこのようになります。dデリバリーは2021年4月をもって注文受付の終了、 2021年6月30日にはすべてのサービス終了が発表されているため除いています。
では続いて、これらのサービスのユーザー数推移に注目してみます。
まず、アプリの利用者数に注目してみます。
昨年4月から、Uber Eatsが最もユーザー数が多く、出前館が後に続くという状況は変化していません。基本的にどのサービスもユーザー数を伸ばしていますが、楽天デリバリーのみユーザー数が減少しています。その影響で、2020年11月にはmenuに、2021年4月にはfoodpandaに追い越されています。
また、特に出前館とUber Eatsについてはアプリ所持ユーザー数の伸びに比べて、利用ユーザー数の伸びが小さくなっています。このことから、クーポン等によってアプリをダウンロードするも、その後利用しないユーザーが一定数いると示唆されます。
次に、Webの利用者に注目してみましょう。
時折変動はありながらも、やはり首位は出前館となっており、楽天デリバリーとUber Eatsがその後を追っています。アプリユーザー数と比較すると、出前館/楽天デリバリーはWebの方が強いと言えそうです。
また、出前館は2020年9月にUber Eatsや楽天デリバリーを下回っていますが、2020年10月からが大きくユーザー数を伸ばしています。アプリ利用者に注目しても、2020年10月から2021年3月に大きく増加しています。
この要因を探るために出前館の決算説明会資料に着目すると、該当期間(2021年8月期の1Q,2Q:9月-2月)で広告費が大きく増加しています。
2020年8月期の4Qと比較すると、広告費は1Qで約2倍、2Qが約3倍になっています。また、営業利益が黒字になっていない現在(2021年8月期2Q)でも、全体の売上と比較して半分以上の金額が広告宣伝費に投資されています。
このことから、各デリバリーサービスによる顧客獲得競争がまだまだ白熱している様子がうかがえます。
一方、ユーザー数の観点でやや伸び悩んでいる楽天デリバリーの集客構造に注目してみます。
上記の紫色の棒グラフで表される楽天デリバリーでは、セッション数の8割以上が外部サイト、特に楽天関連サービスからの流入になっています。
楽天デリバリーを使えば楽天ポイントがたまることを考えると、楽天経済圏を重点的に使っているユーザーは楽天デリバリーをメインに利用していると推測できます。
無理に広告費をかけて新規顧客を獲得し大きく成長を目指す戦略というよりは、楽天経済圏の1つのサービスとして運営していく戦略なのかもしれません。
ここまでユーザー数に着目していましたが、今度はユーザー属性に着目してサービスごとの特徴を分析していきましょう。
Uber Eats、menu、foodpandaのアプリユーザーはほぼ同じ年代構成なのに対して、楽天デリバリーは30,40代が多く、出前館も30代以上の割合が多くなっています。
また、全体的にWebユーザーは30,40代の構成比がピークになっており、アプリよりも利用者の年齢層がやや高いことも分かります。
次に、未既婚・子供有無のユーザー属性に着目して、アプリごとの違いを調べてみましょう。
出前館・楽天デリバリーは他サービスと比較して、既婚者や子供がいる世帯の利用がやや多いことが分かります。このことから、家族でデリバリーを楽しむようなシーンには、出前館と楽天デリバリーが強いことが推測できるでしょう。この2つのサービスはポイントが溜まりやすいというメリットもあるため、家族世帯や主婦には受けがいいのかもしれません。
ユーザーの居住地構成でアプリごとの違いはあるのでしょうか。こちらもグラフを見てみます。
居住地域の構成比は各サービス間でほとんど同じなか、foodpandaのみ北海道、中部地方、九州地方といった地方ユーザーが多いです。関東地方・近畿地方はすでに競合が多く新規顧客獲得が難しいと予測されるため、それ以外の地域から顧客を獲得しようという戦略なのかもしれません。
最後にアプリの併用状況に注目してみます。
前回の調査時と比較すると、併用利用者が5ポイントほど増加していました。
詳細に注目すると、楽天デリバリーユーザーは出前館との併用が最も多く、menu・foodpandaユーザーはUber Eatsとの併用が最も多いことがわかりました。
年代構成比の観点を考慮しても、中年層ユーザーの多い出前館・楽天デリバリーと、若年層ユーザーの多いUber Eats・menu・foodpandaという特徴が見えてきます。
本稿ではアプリ利用データ/検索データを用いてフードデリバリーサービス市場について詳しく分析してきました。現状ではやはりUber Eatsと出前館の2強になっており、楽天デリバリー、menu、foodpandaがその後を追う構図になっています。
また、上記の結果から、出前館と楽天デリバリーは中年層ユーザーが多くWebで強く、Uber Eats、menu、foodpandaは若年層ユーザーが多くアプリで強いという特徴が見えてきました。しかし、まだまだ顧客獲得競争は激しく、menuやfoodpandaだけでなく、DiDi Foodやwoltといったサービスの成長も見込めます。
フードデリバリー業界の動向には今後も注目していく必要がありそうです。
(執筆:近藤佳大 提供元:マナミナ)
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