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オウンドメディアのKPI本当にそれで大丈夫?事例を交えて目標設定を解説

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「オウンドメディアを運営する上で、適切なKPIを設定していますか?」

KPIは、Key Performance Indicatorの略称で、「重要業績評価指標」と日本語では訳されます。

組織やビジネスが目標達成へと進んでいく際に、その度合いを計測する指標となります。

では、オウンドメディアにおいてKPIはどのように設定すればいいでしょうか。

オウンドメディアのKPIと言えば、PV数やCV数と考える人が多いと思いますが、安易にKPIを設定していまうと、大きな落とし穴にはまってしまうリスクがあります。

  • オウンドメディアのKPI設定における落とし穴は何なのか?
  • うまくいっているオウンドメディアは、どのようなKPIを設定しているのか?

これらについて、具体的な事例を交えて解説していきます。

オウンドメディアのKPIにおける 「失敗事例」 と「成功事例」を知ることで、あなたが運営するメディアの適切なKPIが見えてくることでしょう。

KPIを設定する前にオウンドメディアの価値を考える

KPIを設定する前に、意識すべき重要なことがあります。

それは【オウンドメディア=企業の顔】となるという点です。

昨今、様々な企業がオウンドメディアを立ち上げていますが、目先のKPIを追うあまりに企業のブランドを傷つけてしまった例は珍しくないからです。

<事例をひとつ紹介します>
事例をひとつ紹介します。

プログラミングスクールの『侍エンジニア塾』は、スクール集客のためにプログラミング学習のオウンドメディアを運営していました。

しかし、そのオウンドメディアは、SEOテクニックに偏って作られたものでした。

検索上位は獲得したものの、各コンテンツも薄い内容が多く、プロのプログラマーからの評判を落としていったのです。

そして、目先の申し込みや問い合わせ数を追うあまり、景品表示法に触れるような訴求を行い、そのやり方が批判され、大きな炎上を起こしてしまいました。

その結果、企業のブランドを大きく傷つけてしまったのです。

このように短期的な数字を追いすぎることは、企業のマーケティング活動全体に悪影響を及ぼすリスクもあることを念頭に入れておきましょう。

オウンドメディアで失敗しないためにも、長期的な企業全体のビジョンから逆算して、細かなKPIに落とし込んでいく事が重要となります。

オウンドメディアのKPI事例

オウンドメディアの大切さを確認したところで、うまくいっているオウンドメディアはどのようなKPIを設定しているのかを、事例を交えて解説します。

CV(コンバージョン)

CV(コンバージョン)とは、webマーケティングにおいて『成果』を意味します。

オウンドメディアにおける成果とは、具体的には以下のようなものなどがあります。

  • 商品購入/売上
  • お問い合わせ
  • リード獲得
  • 採用

オウンドメディアはマーケティング対策の一環なので、多くのメディアがCVをKPIとしています。

実際にどのようなKPIを設定しているのか、具体例を紹介します。

資料請求

まずは、リード獲得の一例を紹介します。

リードとは、主に「見込み客」を意味します。

資料請求やメルマガを通じて、ユーザーが欲しがっている情報を無料提供して、自社商品を売り込む手法が一般的です。

バーコード講座』は、解析機器や測定機器を企業向けに開発しているKEYENCEのオウンドメディアです。

バーコードの原理や種類について、わかりやすく発信しています。

「バーコード」の検索ユーザーは、キーエンス商品の見込み客である可能性が高いので、そこへ資料ダウンロードの導線をひいて、リード(見込み)獲得をしているのです。

オンライン会員登録

ネスレアミューズ』は、コーヒーメーカーのネスレが運営しているオウンドメディア。

ネスレのほか、同社が取り扱う『MILO』『キットカット』などのブランドのキャンペーンのPR、エンタメ系のコンテンツを発信しています。

それと同時に、ネスレ商品の通販サイトとしても機能しています。

このようなメディアでは、通販可能なオンライン会員の登録数をKPIとするケースがあります。

会員数を増やすことで、通販の売上増加をはかるだけでなく、その会員に対してキャンペーンやメルマガのPRも行って、企業全体のマーケティングに繋げられるからです。

PV(ページビュー)

PVとは、Page Viewの略称で、ユーザーがサイトへ訪れた総回数を意味します。

CVのような成果ではなく、PV を KPI にするオウンドメディアもあります。

PV は、市場への影響度指数となるので、売上などの直接的な成果ではありませんが、ブランディングなどを目的とした間接的なオウンドメディアの KPI として適しているでしょう。

たとえば、リクルートキャリアが運営している『リクナビNEXTジャーナル』は、ブランディングを目的としてるので、CV導線を設定している訳ではなく、影響度(PV)をKPIとしていると言えます。

出典:働く人の毎日を応援したい――リクナビNEXTのオウンドメディア戦略に迫る

PV数を測ることで、テレビCM、看板広告、その他マス広告と、広告のリーチ人数の比較ができるので、おおよその費用対効果がわかり、企業としてもそれぞれの広告に優先順位をつけることができるのです。

『リピーター数』と『新規/リピーターの割合』

北欧、暮らしの道具店』は、「北欧」というビッグワードで検索順位1位の、北欧雑貨通販サイトによるオウンドメディアです。

日常生活におけるライフハックをコンテンツとしていて、オシャレでユニークなサイトは、多くのユーザーに愛されています。

このサイトのKPIは、以下のふたつのみです。

  1. 過去に20回以上サイトに訪問した人が純増しているか
  2. 全体の占有率が、①のリピーターが45~50%で安定しているか

ECサイトへの流入を目的としているとは思いますが、売上などをKPIにはしていません。

20回以上サイトを訪れたユーザー、つまり ”常連” がしっかり増えているかどうか、かつ、新規もしっかりと増えているかどうか、をKPIとしているのです。

上記のような目標を立てれば、「いかに常連客に楽しんでもらえるか」がコンテンツ作りの上で重要となっていきますね。

そして、多くの人から愛されるメディアを作ることで結果的に、連動するECサイトの売上も増加していく訳です。

出典:「北欧、暮らしの道具店」青木代表が語る、僕らがセールをしない理由

採用候補者の既読率

mercan(メルカン)』は、フリマアプリ最大手のメルカリが運営しているオウンドメディアです。

KPIは非常にユニークで「メルカンで掲載した人数」や「採用した社員が入社前にメルカンを知っていたか、入社した社員が定着しているか」などです。

メルカンが意識していることは、「メルカリの採用メディアとして支持されているか」という点。

メルカンは数値目標を持たず、行動目標のみ意識しています。

重要視している点は「更新頻度」で、月間40本は記事をあげたいと思っているとか。

しかし、1記事ごとのSNSシェア数など、エンゲージメントを表す数値は見ていないのです。

あえて数値を気にせず、「採用メディアである」というテーマに真摯に取り組んでいるからこそ、記事の内容でこだわるものは「企画内容」だそうです。

編集長・松尾氏が選ぶ基準は、おもしろいか、おもしろくないか。

メディアのカラーは基本的に編集長が決めるものなので、松尾氏は編集長としての任務を真っ当に遂行しているように思います。

「メルカリの採用メディアとして支持されているか」が可視化できるものとして考慮しているポイントをまとめると、

  • メルカンで掲載した人数(1ヶ月40記事目標)
  • メルカンを読んで入社した社員の定着率

この2点になります。

しいて言うならこれらがKPIなのかもしれません。

出典:メルカリのオウンドメディア「メルカン」は、なぜKPIを設定しないのか?

KPIを達成するために必要なこと

最後に、オウンドメディアのKPIを達成するために必要なことをご紹介しておきます。

Webメディアについてとにかく勉強

あなたがオウンドメディアのディレクターの場合には、まずはとにかくWebメディアについて勉強する必要があります。

様々な企業や個人がメディアを持つ時代に、努力なしに競争に勝つことは難しいからです。

具体的には、以下の分野が必要と言えます。

SEO対策

SEOとは、「検索エンジン最適化」を意味します。

検索エンジン向けの対策をし、コンテンツを上位表示させ、アクセスを集める技術のことです。

検索ボリュームの多い検索キーワードで、上位表示されているコンテンツの多くは、SEO対策が施されています。

SEO対策ができなければ、いくら記事を書いても、ユーザーにリーチすることができず、アクセスは伸びません。

SEO対策で成功している事例に、株式会社みんなのウェディングが運営する、結婚に関するポータルサイトの『みんなのウェディング』があります。

このサイトは約9割を検索エンジン経由で集客しています。

ちなみに、先に紹介した『バーコード講座』の約6割、『北欧、暮らしの道具店』の約5割のアクセスは、検索エンジン経由です。

参考:SmilarWeb調べ

このように、オウンドメディアを運営する上で、SEOは必須のスキルと言えます。

Webライティング(記事作成)

小説や論文、Web媒体と、同じ文章でもカテゴリーによってライティングのやり方は異なります。

主にSEOを狙うような記事では、検索ユーザーの疑問や問題を解決するような文章を書くことが基本となります。

またWeb媒体は基本的に無料。

そのため「読者はすぐに離脱する」ことを念頭にいれて、できるだけ ”シンプルにわかりやすく” まとめることが求められます。

雑誌や本などの有料媒体と同じに考えてはいけないということです。

このようなWeb媒体におけるライティングノウハウを知らなければ、ライターさんに執筆を依頼しても評価のつけようがありません。

オウンドメディア運営においては必須のスキルと言えます。

SNS

メディア運営において、アクセスを集める王道の手段はSEOでした。

しかし、最近はSNS経由の流入が伸びているため、そのルートも無視できません。

Googleの検索エンジンの評価指数においても、SNSでの拡散力が影響するようになりました。

Facebook、Instagram、Twitterなどでアカウントを作り、検索エンジン以外からもアクセスを集める方法が、今後重要度をより増していくでしょう。

特に、若い世代を中心に、SNS経由で情報を得る人が増えています。

ITリテラシーの高い彼らは、SNSで知りたい情報を検索した方が、より生の口コミなどを知ることができると考えているのです。

そのためにも、各プラットフォームの特徴や攻略方法を勉強する必要があります。

インターネット広告

企業によっては、SEO、SNSなど「無料だが時間がかかる方法」ではなく、広告予算を投じて、アクセスを集めるケースも多いです。

インターネット広告にも様々な種類があり、リスティング広告、アフィリエイト広告、SNS広告などがあります。

これらは、出稿しない場合でも、各媒体の枠内で競合することがあるので、インターネット広告の仕組みやトレンドは押さえておく必要があるでしょう。

これらの分野は、非常に幅が広く、奥深いので、すべてを理解できるという事はありません。

日々webマーケティングのトレンドは変わっているので、アンテナを張って勉強していくことを心がけましょう。

業者に依頼する

社内で対応するのが難しい場合には、オウンドメディアを作る際に、専門業者に発注してしまうこともできます。

その場合には、SEOコンサルティングを行う会社が依頼先となります。

彼らは、数多くの会社や事業のオウンドメディア支援を行ってきています。

技術的にオウンドメディアを制作してもらうだけでなく、その知識や経験も一緒に買うと考えれば、メリットは大きいです。

詳しい人を中に入れる

社内にWebマーケティングに詳しい人材を育てることができれば理想的です。

これからの時代には必須の項目ですので、人材の育成の際には目を配っていきましょう。

ただし、社内リソースでWebマーケターを育てるには、時間的にもコスト的にもなかなか難しい企業が多いのも事実だと思います。

その場合、Webマーケティング分野(特にメディア分野)に詳しい人材との協業や採用を選んだ方がよいケースもあるでしょう。

まとめ

今回紹介したように、オウンドメディアには様々なKPI事例があります。

重要なのは、安易に短期的な成果を求めるのではなく、長期的なビジョンに基づいてKPI設計をすることです。

KPI設計がずれてしまえば、多くの投下リソースが無駄になってしまったり、企業のブランドを損ねてしまう危険性があります。

今回紹介した他社事例が参考になり、あなたの運営するオウンドメディアのKPI設計のお役に立てば幸いです。

またオウンドメディアのKPIを売上にしている方はこちらをご覧ください。

オウンドメディアの収益化の方法についてご紹介しています。

(執筆:能登谷 貴仁 提供元:Web幹事

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