曖昧マーケティング用語「費用対効果(ROI)」とは?算出/使用方法を徹底解説

MARKETER

「この企画の費用対効果は?」

会議のときに、そんな言葉をよく耳にするでしょう。

費用対効果(ROI)は、ビジネスシーンで頻繁に使われるマーケティング用語です。費用対効果がわかっていれば複数の事業の有効性をくらべたり、プロモーションの効果をより正しく測ったりできます。

このように費用対効果は、ビジネスシーンにおいて、難しい決断を下すための合理的な判断材料となるのです。

今回は、よく耳にするけれどよく分からないマーケティング基礎用語「費用対効果」について解説します。

費用対効果(ROI)とは

費用対効果(ROI:Return on Investment)とは、「費やすお金に対してどれくらいの効果があるか」を示すマーケティング用語です。

費用対効果が「高い」ほど、かけた費用よりも多くの結果を得られ、有益な投資であるという考えになります。

また似た用語にコストパフォーマンス(Cost Performance)がありますが、こちらは「コスパが高い」というように、消費者目線で利用される言葉です。

費用対効果(ROI)の算出方法

費用対効果を算出するには、以下のの式を使います。

「効果(利益)÷費用(投資額)×100(%)」

100%を基準値とし、それ以上の値であれば有益な投資と考えます。

費用対効果を算出するときに気をつけたいのが、産業や分野によって算出に利用する「費」と「効果」が異なる点です。

費用と効果には、以下のような例ががあります。

  • 費用の例:
    広告出稿料、システム導入費、人件費
  • 効果の例:
    売り上げ、作業効率により削減された人件費、ブランドの認知度向上、会員登録数

どのような項目を費用と効果にあてはめるかで、答えが変わります。

適切な要素をさだめ、目標にあわせた費用対効果を求めましょう。

費用対効果(ROI)を算出する3つのメリット

費用対効果は、企画や事業の効果を、数値に置き換えて合理的に測定するのに役立ちます。

適切にはじき出された数値は、大きく分けて以下の3ポイントで活躍するでしょう。

1. 予測を立てられる

費やした投資金額をどれくらいの期間で回収できるのか、予測を立てるのに役立ちます。

2. 比較ができる

複数の企画を比較検討する際に、費用対効果の数値を用いて投資するべき案件を決定するのに役立ちます

3. プロジェクトの目標達成度を判断できる

プロジェクト実施後、目標が達成されたかどうかを、費用対効果の数値をもとに判定できます。

覚えておきたい!費用対効果に関連するマーケティング用語

プロジェクトの成果を判定する際、費用対効果(ROI)を算出するだけでは完璧な判断材料にならない場合もあります。

例えば広告出稿やWEBメディアの運用では、以下の指標も重要です。

  • ROAS(ロアス):
    広告費用対効果を表す用語。「広告による売り上げ÷広告費×100」で算出する
  • CV(コンバージョン):
    Webサイトにおける「成果」を表す用語。サイト登録数、資料請求数、クリック数など。なにを成果と定めるかはサイトによって異なる。
  • CVR(コンバージョンレート):
    Webサイトに訪れた人のうち、最終成果(CV)に至った人の割合のこと。「CV÷Webサイトへの流入数(クリック数)」で求める。CVRが高いほど、目標達成の割合が高いことになる
  • CPA(コンバージョン単価):
    1件のコンバージョンを生み出すにあたり、費やした広告費用のこと。「広告費用÷コンバージョン総数」で求める

費用対効果(ROI)と広告費用対効果(ROAS)の違い

費用対効果(ROI)と広告費用対効果(ROAS)は似た意味を持つ言葉ですが、最終的に見る数字が異なります。

費用対効果は、費やした資本に対する「効果」をみるものです。

一方の広告費用対効果は、広告費以上の「売り上げ」があるかどうかを判断します。

原則として、ROASが100%以上だったとしても、ROIが100%以下であれば利益はマイナスと判断します。ただし場合によっては、100%以下の数値がマイナスの成果とは限らないこともあります。

例えば設備投資に対する費用対効果を測定する場合は「年間ROI:15%」というように、100%以下の数値となります。このような場合にROIは、何年かけて設備投資費を回収できるか、見通しを立てる指標として使われます。

「効果」になにを設定するかで、費用対効果の結果は変わる

費用対効果を測定する際、「効果」になにを設定するかで、費用対効果の測定値も変化します。

例えば50万円でWeb広告を出稿したときの、「クリック数」と「商品売り上げ高」を効果(CV)と設定するケースを考えてみます。

例(※ABどちらも50万円で広告出稿したとする)

  • A広告 10,000クリック、商品売り上げ50万円
  • B広告 6,000クリック、商品売り上げ60万円

【クリック数を効果として算出した場合】

  • A広告 10,000÷500,000×100=2%
  • B広告 6,000÷500,000×100=1.2%

→ A広告のほうが、費用対効果が高い

【商品売り上げ高を効果として算出した場合】

  • A広告 500,000÷500,000×100=100%
  • B広告 600,000÷500,000×100=120%

→B広告のほうが、費用対効果が高い

効果(CV)をクリック数にするとA広告のほうが費用対効果が高くなりますが、売上高を効果とするとB広告のほうが費用対効果が高くなります。

広告に限らず、なにを「効果(利益)」と設定するかで、見方が大きく変わります。

投資する費用の効果を正しく判断するためには、「プロジェクトの本来の目的」を見定めることが大切です。

まとめ

費用対効果を算出する際は、プロジェクトにあわせた効果の指標が不可欠になってきます。達成すべき目標値を明確にし、費用対効果を正しく把握しましょう。

また「なんか難しそうだから」といって敬遠せずに、いちど費用対効果を算出してみてはいかがでしょうか。企画の有効性を比較したり、実施したプロモーション効果を振り返ったりするのに効果的だと分かりますよ。

 

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