エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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Uipathに代表されるRPAツールを用いて業務の自動化を行い、生産性の向上や人的コストの削減につなげようとする企業は増加傾向にある印象です。
とくにメガバンクをはじめとした金融機関での導入実績が、RPA導入に踏みきる企業への後押しとなっているともいえるでしょう。
とはいえ需要はあれど、RPAの開発・導入を担えるエンジニアはまだまだ不足しているのが実情です。
そこで今回は、フリーランスのRPAエンジニアにスポットライトをあて、将来性や単価、実際の案件事例などを交えて解説します。
目次
RPAとは、「Robotic Process Automation」の略称で、ロボットによって業務を自動化するシステムのことを指します。
たとえば、基幹システムにコピー&ペーストで商品情報を転記する作業や、FAXで届いた注文書の内容をEDIシステムに入力する作業など、定型的かつ反復性の高い業務はRPAとの相性が抜群です。
そのため、これらの業務はRPAに置き換えることによって、業務の向上化が図れます。
一方で、RPAは万能ではありません。
RPAの稼働範囲は「判断を伴わない、単純な作業」がメインとなります。仮に「前進しろ」と命令されれば前に進むだけで、行く手に障害物があれば止まってしまいます。
障害物を検知し、迂回行動を自律的に判断できるのは、RPAではなくAIの領域となるので注意が必要です。
株式会社矢野経済研究所の調査結果によると、RPA関連にまつわるサービスの需要は増加傾向にあるとされています。
働き方改革が注目される昨今、人手不足や残業問題の解消、在宅ワークなどの取り組みも相まって、RPAツールの需要が高まっていることが背景にあります。
多くの業界・業種でRPA市場は右肩上がりで成長しているため、フリーランスとしてRPAエンジニアに転身したい方にとっては、「売り手市場」な現状だといえるでしょう。
RPAエンジニアの将来性はRPAの進化に伴って高くなっていくと考えられている一方で、多くの企業でRPAの導入が進めば、需要が落ち着くのではという懸念が示されているのも事実。
2025年までに世界の約1億人のホワイトカラー人材がRPAに置き換えられ、20年後には雇用の47%が自動化されるという予測も存在します。
今後は「RPA×AI」を組み合わせた「RPAI」もますます注目されることでしょう。RPAエンジニアとして、常に新しい情報やスキル・知識などをキャッチアップしていくことこそが、自分自身の将来性を高めることにつながっていくのではないでしょうか。
まずは「求人ボックス」にて、RPAエンジニアの正社員の給与を確認してみましょう。
RPAエンジニアの正社員における平均年収は約549万円です。日本の平均年収と比較すると高い傾向にあるといえます。
月給換算すると46万円となり、初任給は21万円程度が相場のようです。派遣社員やアルバイト・パートでは平均時給がそれぞれ2,150円、1,195円となっています。
次にRPAのフリーランスエンジニアがどれくらいの報酬を得られるのかを確認しましょう。「レバテックフリーランス」が扱っているRPAの求人・案件数は2024年3月時点で280件(募集終了案件も含む)を超えています。
月額単価は45万円~100万円とやや幅がありますが、おおむね50万円~70万円台の案件単価におさまってくると思われます。
ただしフリーランスは経験やスキル、クライアントとの信頼関係などで、案件単価は変動してきます。それはRPAエンジニアでも同じことです。
豊富な経験とスキルが求められるRPAコンサルタントの分野ですと、案件単価もおのずと高くなるので、月収80万円以上は狙えるのではないでしょうか。
正社員のRPAエンジニアの月収平均が46万なので、フリーランスに転向するならば、最低でも1.5倍以上の70万円~80万円は稼げる案件を請けたいところです。
フリーランスRPAエンジニアの実際の案件と報酬事例を紹介します。
参照元はすべて「レバテックフリーランス」に掲載されている事案で、2024年3月時点のものです。
案件種類 | 業務内容 | 求めるスキル | 報酬金額 | 想定稼働時間 |
大手金融機関向けRPA開発の求人・案件 | ・Uipath、WinActorを用いた業務自動化案件 ・顧客内既存、新規事務のRPA化推進作業 ・成果物の運用、保守作業 |
・WinActorの開発経験1年以上 ・UiPathの開発経験1年以上 ・VBA開発経験 |
~800,000円/月 | 140時間~180時間 |
金融機関向けRPA導入支援の求人・案件 | ・金融機関向けRPA導入支援 ・UiPath開発業務 ・提案 |
・UiPath開発経験 ・要件定義からテストまでの経験 |
~600,000円/月 | 140時間~180時間 |
金融系既存開発済ロボット修正の求人・案件 | ・既存開発済ロボットの修正 ・設計、開発 ・AI-OCR連携ロボット開発、保守 |
・UiPathを用いた開発経験2年以上 ・VBA開発経験 |
~550,000円/月 | 140時間~180時間 |
【Java/Spring Boot】RPAシステム開発の求人・案件 | ・Javaを用いたRPAシステム開発 ・バックオフィス業務を自動化するためのRPAツールの開発 ・クライアントへの導入支援 |
・Javaを用いた開発経験3年以上 ・Spring Bootを用いた開発経験 |
~680,000円/月 | 150時間~180時間 |
RPAエンジニアに不可欠なスキルとはどのようなものがあるのでしょうか。筆者が思う3つのスキルをここでは解説します。
案件事例からもわかるように、RPAエンジニアとして活躍するためには、RPAを実現するためのソフトを使いこなせるスキルが求められます。
たとえば「WinActor」や「UiPath」、「BizRobo!」などに対する知識やスキルは不可欠だといえます。
また昨今では、これら以外にもさまざまなRPAソフトがリリースされており、それぞれで特徴も異なってきます。
加えてRPAツールは年々進化しており、新機能の習得や最新バージョンへの対応も常に求められます。クラウド環境でのRPA実行やRPAの運用管理など、周辺技術への理解も必要となるでしょう。
RPAエンジニアとして一人前になるためには、単にソフトの操作だけを覚えればいいわけではありません。それぞれのソフトの長所や短所を熟知し、状況に応じて最適なアプローチを選択できる状態になっておきたいところです。
RPAツールを効果的に活用し、高度な自動化を実現するためには、ソフトウェア開発に関する基本的な知識やプログラミングスキルは欠かせません。
RPAツールは、UIを介して簡単に操作できるものも多いですが、複雑なプロセスを自動化する場合には、やはりコーディングスキルが必要となります。
APIの利用やデータベースとの連携、基幹システムとの統合など、実にさまざま場面で技術的課題に直面することが想定されます。
そのとき、エンジニアリング・コーディングスキルがあるかないかで、克服できる課題の量にも影響を及ぼすことでしょう。
またRPAの開発・導入のケースでも、一般的なシステム開発と同様の形式でプロジェクトを進めることになります。
そのため、上流工程から導入までの流れ、設計書やドキュメントを読み解く力、テストパターンの洗い出しなどもできるようにしておくと文句なしです。
RPA案件で自動化する対象となる業務は、おもにバックオフィス系のものがメインとなります。
実際にバックオフィス業務を経験したことがある方ならば、RPA案件にも対応し易くなるはずです。
RPAのフリーランスエンジニアは、クライアントのバックオフィス業務を正確に理解し、どの業務をどのように自動化するかを見極めることが求められるでしょう。
とくに会計業務については、深い知識が必要です。売上計上や支払処理、経費・給与計算など、さまざまな領域が関係してくるので、これらの会計業務の流れや細かいルールなどは熟知し、適切に自動化できるようにしなければなりません。
またバックオフィス業務には、企業の機密情報も多分に含まれているため、情報セキュリティに関する知識も欠かせないでしょう。
RPAエンジニアとして働くにあたって、とくに資格などは必要ありません。
しかし、RPAエンジニアはツールを使いこなしてこそ活躍の場が広がります。ベンダーが独自で提供している認定資格の取得に励むエンジニアの方もたくさんいます。
RPAツールの認定資格を取得することで、RPAに関する一定レベルの知識とスキルを兼ね備えていることの証明にもなるので、より高単価な案件獲得につなげる手段として有効活用できるのではないでしょうか。
ここでは、代表格なRPAツールに関するベンダー認定資格を3つご紹介します。
RPA技術者検定とは、NTTデータが提供しているRPAツール「WinActor」に関する認定資格です。
試験レベルには2種類あり、WinActorの基本操作に関する資格「アソシエイト」と、WinActorを実務で使用し、自動化を実現するスキルを問う資格「エキスパート」がそれぞれ用意されています。
「RPA技術者に目標と刺激を与える」「RPA技術者教育の水準を確保」「技術者選定の客観的な尺度」が、認定資格創設の目的であることから、RPAエンジニア・企業双方にとってもメリットをもたらす資格だといえるでしょう。
RPA技術者検定の受験者数及び合格率は、公式Webサイトからとくに公表されていませんが、掲載されている合格者の声から判断するに、IT関連の資格のなかでは比較的易しい難易度だと推測されます。
WinActorのマニュアルや過去問などを通じてしっかりと勉強しておけば、合格できる確率はぐっと高くなるので、少しでも多くWinActorに触れておくことをおすすめします。
RPAツールといえば「UiPath」と認識されている、業界のリーディングカンパニー的な役割を果たす同社が実施する認定資格に、「UiPath Certified Professional(UCP)」というものが存在します。
「UiPath RPA アソシエイト資格試験」と「UiPath RPA デベロッパー上級資格試験」の2種類が用意されており、前者はUiPathが開発するRPAツールである「UiPath Studio」「UiPath Robots」「UiPath Orchestrator」などに関するスキルや知識を証明するものです。
加えてRPAエンジニアに求められる基本的なスキルも証明可能で、製品固有のスキル以外も求められます。
後者はUiPathの基本知識だけではなく、その知識やスキルが実践で使えるレベルのものかどうかを証明する資格です。対象となる製品はアソシエイトと同じではありますが、より実務的な内容が問われます。
アソシエイトはすべてのUiPathユーザーが対象ですが、デベロッパー上級資格試験は高度なRPA開発を行うエンジニアを対象としているので、6カ月以上のRPA開発経験が必要とされます。
BizRobo!検定とは、RPAテクノロジー社が提供するRAPツール「BizRobo!」に関する認定資格です。BizRobo!は、国内2,200社以上の導入実績を誇ります。
「BizRobo」検定区分には、「BizRobo! 基礎検定(DS検定/DA検定)」と「BizRobo! 認定開発者検定」の2種類があります。
DS検定は、DS(Design Studio)開発のための知識を証明するもので、DA検定はDA(Device Automation/Desktop Automation)開発のための知識を証明するものです。
RPAに初めてたずさわる初心者の方から、大規模開発・導入の経験が豊富な上級者の方まで、幅広く「BizRobo!」を扱えるように作られている検定でもあります。検定合格に向けたアカデミーやコミュニティも充実していることから、比較的学習にも取り組みやすいRPAツールといえるでしょう。
最後に、フリーランスのRPAエンジニアが案件を探すのにおすすめのサービスを3つ厳選してご紹介します。
『Workship』は、「仕事を発注したい人」と「仕事を受注したい人」をマッチングさせるフリーランス・副業ワーカー向けマッチングサービスです。
高単価案件が多いプラットフォームで、時給1,500円~10,000円の案件がずらり。
またエンジニア向けの案件が充実しているのはもちろんのこと、「週1~」「リモートワーク」といった希望するスタイルに合わせて案件を選べるのも嬉しいポイントとなるでしょう。
トラブル相談窓口や会員制優待サービスの無料付帯など、安心して働ける仕組みも用意されているので、手厚いサポートを受けながら、良質な案件を請けたい方にはとくにおすすめのサービスとなります。
『レバッテクフリーランス』は、IT系のフリーランスエンジニアをおもにサポートするエージェントサービスです。
フリーランス利用者の平均年収は約876万円で、専属の担当者が契約更新手続きや営業活動をサポートしてくれます。
また税務サポートやヘルスケア、会員向け特典なども用意されており、大手ならではの充実した福利厚生も魅力のひとつ。
またクリエイター向けには姉妹サービスである『レバテッククリエイター』も提供されており、得意分野に合わせてエージェントを選択するのも良いでしょう。
Offersは、副業したいエンジニアやデザイナーと採用したい企業とをマッチングさせるサービスです。
企業は登録しているユーザーに対して、ダイレクトにオファーを出すこともでき、求人を掲載することで幅広いユーザーからの応募を集めることもできます。
Offersの大きな特徴は、エンジニアやデザイナーの副業に特化したマッチングができる点が挙げられます。
まずは副業からRPAの案件にたずさわってみたいと思っている方には、とくにおすすめのサービスとなるでしょう。
企業側からしても、転職の採用ではなかなか採用できない優秀層に、副業としてであれば気軽にオファーを出すことができます。
かつプロジェクトに必要なスキルを持ったエンジニアを採用できることから、マッチング率の高さが評価されているサービスでもあります。
RPAを導入する場合、ほとんどのケースでRPAソフトやツールを利用することになります。そのため、まずはUiPathのようなRPAソフトを使いこなせるようになることが、フリーランスのRPAエンジニアとして活躍するための第一条件だといえます。
加えてRPAは年々進化しており、今後はOCRやAIのスキルと掛け合わせたものがメインとなることが推測されます。
そのため、フリーランスのRPAエンジニアを目指す場合には、RPA分野で今後必要とされる知識やスキルは早めにリサーチして、積極的に身につけておくことも大切です。
(執筆:kansaitarou 編集:北村有)