セールスライティングって何? 明日から使える“モノを売る”型 3選

セールスライティング

こんにちは! ライターのやまおこと山口真央です。

私は「広告」のお仕事をいただくことがしばしばあります。「広告」はみなさんもご存じのとおり、モノやサービスを世間に広く紹介し、興味を持っていただいたり、購買をうながすことを指します。

利益とは消費者の「欲しい」という思いに対し、モノやサービスを「売る」ことで、初めて得られるもの。利益を増やしていくためには、この「欲しい」という思いを大きくしていくことが大切です。そのために効果的なのが「セールスライティング」です。

「セールスライティング」とは、ズバリ「モノやサービスを魅力的に紹介し、買ってもらうための文章を書く」こと。今回はセールスライティングの手法や、明日から始められるセールスライティングの型についてご紹介します。

セールスライティングとは? セールスライティングが求められるケース

「このモノ・サービスをたくさん買ってもらいたい!」と思っても、ただやみくもにたたき売りをするだけでは、消費者に買ってもらうことはできません。まずは、モノ・サービスが発売された事実や、そのモノ・サービスが他の競合商品と何が違うのかを知ってもらうことが必要です。

消費者に知ってもらうための手段にはさまざまなものがありますが、そのほとんどに「セールスライティング」のスキルが求められます。なぜなら、モノ・サービスの情報を仕入れるときに、文字情報は必要不可欠なものだからです。

たとえば、以下のようなケースが当てはまります。

ケース1. ホームページ・LPの作成

モノ・サービスを紹介するページを作成する際、ページのデザインや写真、動画だけでなく、いかにモノ・サービスを魅力的に伝えられるためののスキル、つまりセールスライティングが求められます。

モノ・サービスの特徴を捉え、メリットを明確に伝えます。ページ内にネットショッピングのリンクなどを埋め込む場合、そのリンクをいかに押してもらえるかを考えるのもセールスライティングのスキルです。アフィリエイトブログなどもこちらに含みます。

ケース2. メールマガジンの作成

メールマガジンは、購読している人にダイレクトに届くため、高い反応が期待できます。まずメールマガジンを購読してもらう必要があるため、購読者はそのブランドのファンであることや、メーカー、製造元、サービス元と以前なんらかの関わりがあった場合が多く、よりユーザーニーズに合った情報を届けられるメリットがあります。

ケース3. チラシやDMの作成

ポスティングされるチラシやDMは、高齢者世帯をターゲットにしたものが多く、また紙面には限りがあるため、短くわかりやすい言葉を選んでライティングするスキルが必要です。毎日数多くが投函されるチラシですが、より興味を引いてもらえるよう、見出しなどを工夫する必要があります。

ケース4. 放送台本やSNS投稿文の作成

ワイドショーやバラエティでよく見られる「製品紹介」「グルメ特集」などのうち、より購買に繋げたいと考えられ企画されている場合は、放送台本にセールスライティングのスキルが必要です。テロップには視聴者をひきつけるキーワードや、特に強調したいキーワードをチョイスし、出演者にはよりモノ・サービスが魅力的に映るような言葉を話してもらう必要があります。

また、SNSの投稿文も立派なセールスライティングのひとつ。より短文でモノ・サービスの魅力を知ってもらうために文章を書いていきます。

セールスライティングとコピーライティングの違い

ここまでを見てきて、「セールスライティング=コピーライティングではないの?」と思われた方もいるのではないでしょうか。

セールスライティングとコピーライティングは、とてもよく似ていますが、まったく異なるものです。

これまでも述べている通り、セールスライティングは、直接購買に繋げるライティングスキルのことを指します。

対してコピーライティングは、モノ・サービスに対して文章やキャッチフレーズのイメージを付けるライティングスキルのことです。たとえば、テレビCMでもよく取り上げられる日産自動車のコピー「やっちゃえNISSAN」は、このコピー単体でクルマを売ることはできません。でも、「やっちゃえ」と聞けば「日産」と出てきませんか? 企業のブランディングイメージができていますよね。

つまりセールスライティングとは、文章単体でモノを買ってもらえるスキル。コピーライティングはモノ・サービスに印象付ける言葉を生み出すスキルなのです。

セールスライティングでおさえておくべきポイント

ここからは、実際にセールスライティングを行う際、理解しておきたいポイントをご紹介します。

ポイント1. モノ・サービスを理解する

まずは対象となるモノ・サービスを理解すること。理解のないライターが魅力的な言葉を書くことはできません。

モノ・サービスの理解には具体的に以下のポイントを意識してみるといいでしょう。

  • そのモノ・サービスのメリットはなにか
  • どんな消費者をターゲットとしているのか
  • 競合製品と差別化を図っている部分はどこか
  • なぜ今買うべきなのか

これらを理解した上で、構成案を考えていきます。

ポイント2. とくに推したいポイントは「大きく」「最初に」「具体的に」伝える

実際に文章を書く前に、何を伝えるべきかを考えていきます。

セールスライティングに限った話ではありませんが、とくに売りにしているポイントは一番最初に大きく伝えることで、読者によりストレートにモノ・サービスのよさが伝わります。

たとえば、以下のような具合です。

× 「WorkshipMAGAZINE」は記事数が多く、コンテンツも充実しているメディアです。

◎「WorkshipMAGAZINE」は日本最大級のフリーランスメディアです。

最初の1文に記事数の話や、コンテンツの充実度を並べられても「それって他も一緒じゃない?」「私が読んでも有益なメディアなの?」という疑問が出てきてしまいます。

そこで「日本最大級」「フリーランスメディア」と並べることで、フリーランスを対象としたメディアであることや、日本最大級=信頼できるメディアであることを伝えられるのです。

ポイント3. 詰め込みすぎず、消費者の声があれば引用する

魅力的なモノ・サービスは、どうしても紹介したい部分が多いもの。成分が優れていて、使い勝手もよく、パッケージもオシャレで……といったように、すべての部分を読者に伝えたくなってしまうのですが、それは読者にとって「押し売り」のように捉えられてしまうことも。

セールスライティングは、いかに「購買に繋げるか」が重要なので、せっかく読んでもらえても、購買に繋がらなければ意味がありません。読後感も大切なポイントです。

伝えたいポイントは多く詰め込み過ぎず、3~5ポイントほどに絞って深堀り。さらに、すでにそのモノ・サービスを購入した消費者の声があれば、文章に盛り込むと説得力が増します。

明日から使えるセールスライティング 3つの型

押さえるべきポイントがわかったら、さっそく執筆に入りましょう。セールスライティングにはいくつか適した型がありますが、今回は代表的な3つの型をご紹介します。

型1. BEAFの法則

まずはECサイトや広告LPで有効とされる「BEAFの法則」。「BEAF」とは、「Benefit」「Evidence」「Advantage」「Feature」の頭文字をとったものです。以下で詳しく見ていきましょう。

Benefit:モノ・サービスを購買することで得られるメリットと、その先の効果

冒頭で、購買した際のベネフィットを提示します。ベネフィットとは、メリットを得たことによってつながる効果のことです。

例:「○○を使えば、美肌効果が得られ、気になるあの人に注目されちゃうかも!」

この場合、「美肌効果が得られる」の部分がメリット、「気になる人から注目される」の部分がベネフィットになります。

Evidence:ベネフィットの根拠

次に、提示したベネフィットの根拠を示します。ただ「○○を使えば美肌になれる」ことだけを訴求しても、消費者は納得してくれません。なぜ美肌になるのか、本当に美肌になるのかを示して初めて、ベネフィットに納得してもらえます。

例:「有効成分を90%配合しており、購入された方の80%がまた使いたいと答えました」

Advantage:競合との差別化

ほかの競合モノ・サービスと比較・検討している消費者に向け、こちらにはどのような優位性があるのかを示します。「検討していたモノ・サービスよりも優れているならこちらを購入しよう」と消費者に思わせるのが目的です。

また、現在行っているキャンペーンなどを紹介し、今すぐ買うべきであることもアピールするのもよいでしょう。

例:「従来製品と比較し、10gあたりに含まれるコラーゲンを20%増量。いまなら初回半額!」

Feature:詳細な特徴と購買への一押し

これまでの「Benefit」「Evidence」「Advantage」を読み進めた消費者は、特に購買意欲が高くなっています。そこで、購買につなげるために最後の一押しをします。ネットショッピングなどで購買ボタンを押してもらうことが目的なら、購買ボタンを押した先のページに特徴を記載してもいいでしょう。

例:「原材料、読者の声をもっと見たい方や、購入はコチラから!」

型2. 新PASONAの法則

次は、こちらもセールスライティングの型としてよく用いられる「新PASONAの法則」です。こちらは消費者の悩みを明確にし、解決方法を提示する方法。記事の読了率を上げたいときや、よりじっくりと読んでほしいときに有効で、主に悩みが漠然とし、ぼやけている人をターゲットとするときに効果的です。

Problem:問題提起とその明確化

まずはじめに、消費者が心のどこかで感じている問題を提起し、「たしかに自分はこういう問題を持っているな」と思わせることで読者のターゲットを絞ります。

例:「毎日カルシウムを摂取していますか? カルシウムは不足すると、イライラの原因にも……」

Affinity:その問題に寄り添い、親近感を持たせる

その問題に対し、すぐに解決策を提示するのではなく、具体的な調査結果や数値を示し、「今まではいいかと思っていたけれど、やっぱり改善するべきだ」と思わせます。

例:「成人男性が必要な1日分のカルシウムは、大きな牛乳パック1本弱(約900ml)といわれています。ですが、これだけの牛乳を毎日摂取するのは大変ですよね」

Solution:問題に対する解決方法

ここでやっと解決策を紹介します。「○○が効果的」「世間一般はこうしている」といったような手段を提示します。購買対象となるモノ・サービスの紹介はしません。

例:「手軽に毎日摂取するなら、サプリメントが効果的!」

Offer:解決方法の具体例を提案

手段の具体例として、対象となるモノ・サービスを紹介します。モノ・サービス概要はここでまとめて提示するのがポイントです。

例:「1日分のカルシウムを手軽に摂取できる〇×サプリは、1日1粒でいいんです!」

Narrow down:期間限定、ターゲット限定などで絞り込む

今このページから購入してもらうために、今購買することに対するメリットを紹介します。期間限定キャンペーンや、このページを見た人限定、などの文言が効果的です。

例:「今このページから購入すると、1袋分の値段でもう1袋プレゼント」

Action:今すぐの行動を呼びかける

今購入すべきポイントをもう一度念押しし、行動を促します。

例:「毎日のカルシウム不足を手軽に解決したいなら、〇×サプリを今すぐチェック!」

型3. SDS法

最後に、現在急速に普及するSNSでのセールスなど、限られた文章量でも使える「SDS法」をご紹介します。端的に紹介する「SDS法」は、ニュース原稿やプレスリリースなどにも用いられており、理解しやすく記憶に残りやすい手法です。

Summary:伝えたいことの要約

発信者にとって一番知ってもらいたい情報を端的に述べます。

例:「○○社は、これまでとまったく違う、新しいシャンプー××を発売しました」

Details:詳しい内容やデータ、その理由

その内容を詳しく説明します。

例:「××はノンシリコンで、洗った髪のキューティクルをやさしく修繕。よりつややかな髪に仕上げられます。値段は1000円で、全国のドラッグストアで販売中です」

Summary:まとめ

最後に購買につなげるためのまとめを述べます。ここでは最初の「Summary」で述べたことを違う角度から書いていくことがポイントです。

例:「××であなたの髪が生まれ変わる! これからのシャンプーに新しい選択肢」

まとめ

文章でモノ・サービスを売るライティング「セールスライティング」、いかがでしたか?

「セールスライティング」を身に着ければ、モノ・サービスを買ってもらえるだけでなく、自分が購入を検討しているモノ・サービスに対しての理解力が深まったり、人に伝わりやすい文章を考えられるようになります。

上記に挙げた型も身に着ければ、セールスライティング以外の紹介レポートやSNS投稿文にも応用でき、人に購買や行動を促せるです。

ぜひセールスライティングを身に付けて、人の行動を変える文章を書いてみませんか?

(執筆:山口真央 編集:少年B)

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