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幸せに働くために必要な4つの“非地位財”とは。「従業員満足度」から「従業員幸福度」が重視される時代へ

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こんにちは。社会課題解決に特化したPR・企画・人材育成をおこなう株式会社morning after cutting my hairの中西須瑞化です。

新卒からフリーランスライターとNPO職員という一風変わったキャリアを選択し、気づけば6年ほど「ソーシャルセクター」と呼ばれる領域で仕事をしてきました。

現在はさまざまな企業・団体の「社会課題解決」に関する取り組みや事業の本質的な価値の発見のためのブランディング・PR支援、企画開発支援、ソーシャルセクターにおける人材育成プログラムなどをおこなっています。

コロナ禍に多くの変化を経験し、今も渦中にいるわたしたち。VUCAと呼ばれる不安定な時代には課題がつきものですが、そんな中でも幸せに働き、生きていくためのヒントをお伝えできればと思います。

中西須瑞化
中西須瑞化

社会課題解決に特化したPR・企画・人材育成をおこなう株式会社morning after cutting my hair発起人。新卒でNPOに入社するも3ヶ月で退職し、フリーライター+一般社団法人防災ガールの事務局長として100名以上のメンバーをマネジメントしながらソーシャルセクターでキャリアを積む。社会課題領域でスキルを活かすこれからの活躍人材になるためのプログラム「LeapingRabbit」企画運営・責任者。

これからは「従業員満足度」よりも「従業員幸福度」が重要になる

新型コロナウイルスの世界的な流行を経て、様変わりしたわたしたちの暮らし。かつて3.11の東日本大震災の時もそうだったように、こうした突然の大きな変化を受けて、生き方や働き方、パートナーシップなど、人生について再考しようと思われた方も多いかもしれません。

ガートナージャパン株式会社の調査によると、2025年までに、日本の上場企業の50%は、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションによる「従業員幸福度の向上」をESG開示情報(環境・社会・ガバナンスへの取り組み内容)に含めるようになるという見解が示されています。これが意味しているのは、企業が「長期的成長には従業員の幸福度向上が重要と考えている」ということ。

こうした動きもあり、企業がこれまで「従業員満足度」をはかっていたところから、今度は「従業員幸福度」をはかるようになる流れがやってくるかもしれません。

SDGs等の社会的な持続可能性を重視する流れに加え、こうした個人の持続可能性ともいえる「個人の幸福」についても考えていく社会になりそうです。

自分にとっての「非地位財」を築くために必要な4要素

「従業員幸福度」とは、“幸福学”と呼ばれる学問によって設定された、働くことにおける幸福度をはかるための指標です。研究によると、従業員の幸福度が高ければ高いほど健康に働き続けることができ、パフォーマンスも上がるのだそう。こうした研究結果もあり、企業がとりくむべき指標として注目を集めているのです。

人間の幸福度に影響を与えるものには「地位財」と「非地位財」という2種類があるとされています。これまでの従業員満足度ではかっていたような肩書きや賃金といった他人と比較して感じる幸福は、地位財的なもの。しかし、変化の激しい時代の中では、「地位財」はあまりに流動的で、不安定な幸福です。さらに、世代によっては、そうしたものでは幸福を感じない人も増えていると思います。

これからは、他人と比較できない絶対的な幸福に結びつく「非地位財」が大切な時代だといわれます。非地位財は、日々への充足感や心理的安心感というような、個々人の中にある確固たる幸せにつながるものであり、こちらは地位財と違って長続きする幸福だと定義されています。

そうした非地位財的な幸福を高めていくためには、4つの要素が重要だと考えられています。

  • 「やってみよう」という自己実現と成長
  • 「ありがとう」という人との繋がりと感謝
  • 「なんとかなる」という前向きで楽観的な気持ち
  • 「あなたらしく」という自分らしさと自立

これらの要素を、人生の中で多くの時間を占める「仕事」においても反映させていき、一人ひとりの人生を豊かで満足のできるものにしよう、そのために企業も努力しようというのが「従業員幸福度」の向上につながるでしょう。

企業・組織側がこうした配慮をしていくのは、私たち一人ひとりの幸福な人生、ひいては持続可能な社会に重要なことだと感じます。

自分の幸せをしっかりと見つめることが、社会に良い影響をもたらす

フリーランスや個人事業主、副業や複業など、ある程度自分の意思で仕事を選べる方の場合、どのような軸で仕事を選んでいるでしょうか。あるいはこれから転職や副業や複業を選んでいこうとされている方も、どのような軸で仕事を選びたいと考えているでしょうか。

興味関心、スキルを活かせる、給与、勤務形態、会社名や肩書きなど、たくさんの要素があると思います。近年では若年層ほど、社会貢献ができる仕事であるかどうか?という視点で選ぼうとする傾向もあるようです。

この記事を読んでいるみなさんは、年齢に関係なく、ぜひ一度「自分の人生の限られた時間を、私は何に費やしていくのか?」という視点でも検討してみてほしいのです。

自分自身の興味関心や好奇心を追求すること。

パートナーや家族との時間を豊かなものにすること。

友達と楽しむ趣味を増やすこと。

綺麗な景色やおいしいものを楽しむこと。

人生はたくさんの要素でできあがっていますが、そのいずれもが現時点では地球環境や平和な国家、社会がないと成り立たちません。

一人ひとりが自分にとっての「幸福とは何か?」を内省し、その構成要素を認識し、幸福を実現し続けられる人生や環境を選びたいと望んだ時に、それを阻むさまざまな困りごとやハードルが見えてくることがあります。現時点では問題がなさそうでも、数年後数十年後には崩れてしまうかもしれません。

そうした「幸せに生きること」を阻むものや困りごとにこそ、「社会課題」と呼ばれるものは潜んでいるのではないかと私たちは思います。

だからこそ、一人ひとりが自身にとっての幸福を探し、それを選ぼうと行動するというシンプルなことこそが、本来的には「より良い社会」を作っていくための一歩になっていくのではないかとも感じるのです。

「社会」なんて聞くと仰々しいですが、結局のところ「社会」は「個」でできています。

先ほどの幸福を高める4つの要素も踏まえつつ、あなた自身の人生をよりハッピーなものにするためには何が必要なのか、一度立ち止まって振り返ってみるのはいかがでしょう。

自分のスキルや経験を活かして何をしていこうかと考える時、ひとつの選択肢として、自分の人生と社会課題の距離を照らし合わせてみるのも良いかもしれません。

(執筆:中西須瑞化 編集:泉 提供元:LeapingRabbit

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