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フリーランスが“社会課題領域”で働くのに向いている理由

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FREELANCE

こんにちは。社会課題解決に特化したPR・企画・人材育成をおこなう株式会社morning after cutting my hairの中西須瑞化です。

新卒からフリーランスライターとNPO職員という一風変わったキャリアを選択し、気づけば6年ほど「ソーシャルセクター」と呼ばれる領域で仕事をしてきました。

現在はさまざまな企業・団体の「社会課題解決」に関する取り組みや事業の本質的な価値の発見のためのブランディング・PR支援、企画開発支援、ソーシャルセクターにおける人材育成プログラムなどをおこなっています。

今回は「VUCA」と呼ばれるこれからの時代において、「社会課題解決領域が誰にとっても身近なキャリアの選択肢のひとつになる」という可能性についてお伝えしていきたいと思います。

中西須瑞化
中西須瑞化

社会課題解決に特化したPR・企画・人材育成をおこなう株式会社morning after cutting my hair発起人。新卒でNPOに入社するも3ヶ月で退職し、フリーライター+一般社団法人防災ガールの事務局長として100名以上のメンバーをマネジメントしながらソーシャルセクターでキャリアを積む。社会課題領域でスキルを活かすこれからの活躍人材になるためのプログラム「LeapingRabbit」企画運営・責任者。

予測不能なVUCA時代に突入し、あちこちに「課題」が生まれる社会

ここ数年、「これからはVUCAの時代だ」と言われるようになりました。

VUCAとは、

  • Volatility(変動性・不安定さ)
  • Uncertainty(不確実性・不確定さ)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性・不明確さ)

の4つの言葉の頭文字をとった言葉であり、「誰も予想できない、不確実で不安定な時代」を表す言葉としても用いられています。

新型コロナウイルスの流行は、まさに多くの予想不能な変化を私たちの生活に与えてきました。それに限らず、年々激しさを増す自然災害や、大手ブランド企業の倒産、終身雇用前提の働き方から流動性の高い柔軟なワークスタイルへの変化、女性蔑視発言によって東京五輪・パラリンピック組織委員会会長が解任されるなど、さまざまな粒度での「変化」が社会では起こり続けています。

そうしたさまざまな社会変化に向き合いながら、地球全体として課題に向き合い、より良い未来に向かって進もうと定められた国際目標が、最近よく耳にする「SDGs」です。

2030年までに達成するべき目標を掲げ、世界各国で協力して社会課題解決推進ができるように世界全体の動きを後押ししています。

世界では「ESG投資」と呼ばれる、環境・社会・ガバナンスの3つの観点を含めた投資活動が活発になり、日本でも近年少しずつ取り入れられるようになってきました。今後、こうした流れは加速し、投資家のみならず一般消費者にとっても、「企業(や投資先、すなわち消費活動をおこなう先)を選ぶ基準」のひとつに社会課題解決への取り組みが加味されていくようになるのではないでしょうか。

フリーランスや多様なキャリアを目指す人こそ社会貢献を仕事にしやすい

日本では、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけにNPO活動が活発になり、2011年の東日本大震災以降はクラウドファンディング等での寄付や社会貢献活動が注目されるようになりました。

そうした流れもあってか、「NPO等の非営利組織=無償のボランティア活動」というイメージを持つ方も多いのですが、実際はNPOも「法人」として売上をあげる事業をおこなっています。「非営利組織」とはいえ、スタッフの給与や広報活動のための費用など、事業継続のための費用は稼ぎ、営利企業と同じように支払いをおこないます。

SDGsなどの動きを受けて大企業が社会貢献文脈でのプロジェクトを立ち上げる動きなども増え、少しずつ「社会貢献=無償」の認識は改まってきていると思いますが、国内外ともに、今後は市場としても拡大し、「ビジネス」の目線から見てもSDGsを始めとする社会課題解決は見逃せないテーマとなっていくかもしれません。

そうした文脈からも、組織にとっても重要なテーマとなる「社会課題解決」ですが、個人にとっても、今後需要の高まっていく領域ではないかと思います。

2019年秋の時点でも、パーソナルキャリア株式会社の調査で、ビジネスパーソン8449人中、約3割がソーシャルセクターや一般企業のCSR部門などで社会課題解決を主目的に働いている、または働くことを希望しており、特に約4人に1人がソーシャルセクターで勤務する意向をもつという結果がわかっています。

ただ実際のところ、私自身もNPOやソーシャルベンチャーで長年働く中で感じたこととして、非営利活動をおこなう組織には以下のような悩みがある場合が多く、「団体の理念に共感し、同じ想いを抱きながら自律的・能動的に活動してくれる仲間がほしい」「大企業のような賃金を払って正社員雇用をすることは難しいけれど、伴走してくれるプロフェッショナルに出会いたい」と考えていることが多いように思います。

「良いことをしているのに伝わっていない」問題

  • 一人でも多くの人へ課題解決につながる情報を届けたいが、周知させるリソースが足りない
  • 日々目の前の当事者や困難に向き合うことに時間を費やし、活動報告や広報・PRに手がまわらない
  • 本当はもっとたくさんの活動をおこないたい(おこなう必要がある)が、メンバーが足りない
  • 営業力や広報力が弱く、良いことをしているのに寄付が集まらない
  • 課題の現場に対する想いから突き進んできたため、ブランディングやデザインを整えるのが後手になっている。マーケティングができていない……

また、強いニーズはある一方で、採用活動や人材育成にもリソースや時間をかけることが難しく、「社会課題解決への想いを持っているが、スキルが備わっていない」「スキルはあるが、社会課題解決に対する眼差しが醸成されていない」といった人材とのミスマッチが生じやすいのではないかとも感じてきました。

だからこそ、「自分の能力や業務範囲、興味関心を正しく把握し、伝えることができる」人材というのはとても貴重です。それってまさに、フリーランスが得意なことじゃないですか?

社会課題領域の組織は柔軟な関わり方を用意している団体も多く、プロボノやボランティアはもちろん、業務委託契約やイベント時のみのスタッフ雇用など、調整しながらマッチングできる可能性は一般企業よりは高いとさえ言えるかもしれません。

  • 正社員雇用をする余裕はないけれど、業務委託ベースなど、スポットで力を借りたい
  • 複業や副業でも良いから、細く長く伴走してほしい
  • 指示待ちではなく自ら業務範囲を理解し自主的に活動できるメンバーがほしい
  • プロボノとして関わってもらいながら、ゆくゆくはぜひ正社員として……

など、社会課題解決に関心があるという場合には、ある程度の実力や実績を持っているフリーランスとの相性はとても良い領域なのではないかと思います。

今後さまざまなキャリアプランやライフスタイルを検討されている方には、ひとつの選択肢として「スキルを活かしながら仕事として社会課題に関わる」ということも視野に入れていただくのも良いかもしれません。

社会課題領域で活動する前に心得ておくべきポイント

非営利組織やソーシャルベンチャー、行政といった公的機関に限らず、今後は営利企業の中でも部署としてSDGsや社会課題解決に関わる役割が増えたり、外部のプレイヤーと連携して新規事業を開始したり、事業内容にも変化が生じてくる可能性があります。

これまで「社会課題」というものにあまり触れてこなかった方々も、さまざまな立場や役割として関わるようになっていくことでしょう。それ自体は、社会課題を解決するためにとても重要で、必要な変化です。

ただ、その一方で、「予期せぬ炎上」「意図せず誰かを傷つけてしまう」といったことが最近あちこちで起こっているようにも感じます。

「社会課題」とは、想像以上に複雑な、入り組んだ構造を持っているものです。また、それぞれに「困難を感じている当事者」が存在し、それぞれの感情や人生の深い部分に触れる可能性があるものだともいえます。

時には発信したものが二次加害を生んでしまったり、誤解を生むことで課題を深刻化させてしまったりといった危険性も孕みます。ただ単に表面上だけをなぞるSDGsや社会課題解決は、「SDGsウォッシュ(※)」とも呼ばれるように、批判の対象にもなり得るものです。

(※SDGsウォッシュ:実態が伴わないのにSDGsに取り組んでいるように見せかけること。1980年代に欧米を中心に使われた、上辺だけ環境に配慮すると見せかける企業を批判する「グリーンウォッシュ」という造語からきている)

こうした誰も幸せにならない状態を防ぐには、まずは「社会課題とは何か」を自身の言葉で語れるように理解することが重要です。

言葉の定義や知識を学ぶことも重要ではありますが、社会課題は日々変化し、その定義もまた人や環境や時代によって変化していく可能性があるものです。

「社会課題とは何か」「社会課題解決とは何か」という問いは、「この地球の未来がどうなれば良いか」という問いにも似て、わかりやすい正解が用意されたものではありません。

だからこそ、多かれ少なかれ、どのような立場でも社会課題に関わることになるであろうこれからの時代を生きる私たちは、「自分にとっての」言葉を持ち、理想を描き、見えていないことがあるという前提のもとで、それぞれの言葉で対話を繰り返していく必要があるのだと思います。

同じ社会課題解決に携わる団体でも、その活動内容はさまざまです。ひとつの課題に対しても、関わるレイヤーや重視する事柄によって、アプローチ方法や表現方法が異なります。そこには、各自の信念や理想、想いや問いというものが必ず含まれ、「なぜ私たちはこれをおこなうのか」というそれぞれの言葉が存在しています。

もしも「社会課題解決に携わりたい」「関わらなければならない」となった時には、たとえばフリーランスが自分の特徴や得意分野を整理する時のように、「自分は誰のために、何を、どのような形でやりたいのか。それはなぜか」を考えることから始めていただければと思います。

社会課題への感度は、あなた自身の人生への感度にもなる

これから先、誰もが何らかの形で関わっていくことになるであろう「社会課題」。発信者、支援者、消費者、当事者と、きっと誰もが、課題ごとにポジションを行き来しながら付き合っていくことになるはずです。というよりも、本当は誰もが、今だって「社会課題」と付き合いながら生きているのだと思います。

あなたの人生の中で困っていること、モヤモヤしていることはないでしょうか。見聞きして、悲しい気持ちになったり、不快に感じたり、どうにかしてあげられたらいいのにと思ったことはないでしょうか。「そういえばこれって何でダメなんだっけ」「そういえばこれって何でできているんだっけ」など、ふと疑問に思うことはないでしょうか。

改めて「社会課題」に目を向けるアンテナを持つためには、SNSやニュースや友人との会話、日常の中にあるお店や生活といった身近なところから、自分の言葉で感じて、考える癖づけをしていくことがおすすめです。

それらを繰り返すことで、自然と自身の中の「社会課題との向き合い方」が生まれ、自分の人生や自分の信念にとって重要な課題が見えてくることもあります。

これからの時代を突き進む、社会課題解決を仕事にするためのヒントになれば幸いです。

(執筆:中西須瑞化 編集:少年B 提供元:LeapingRabbit

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