Clubhouse(クラブハウス) vs Twitter Spaces(スペース) 徹底比較!“専門性”と“包括性”、勝つのはどっち?

Twitter vs Clubhouse

コミュニケーション方法を音声のみに絞った『Clubhouse(クラブハウス)』は、新しいかたちのSNSとして彗星のごとくあらわれ、日本でも多くのユーザーを獲得しました。

これに対してTwitterが新たに発表したのが、Clubhouseと同様の音声配信機能『Spaces(スペース)』です。

今回は、TwitterのSpacesとClubhouseを徹底比較。専門性が高いCulbhouseと、包括性が高いSpaces、はたしてどちらに軍配があがるのでしょうか。

Clubhouseとは

クラブハウス

clubhouseとは、音声ベースのSNSです。雑談のような感覚で、オンラインで誰かと話したり、リスナーとして会話を聞いたりできます。ホストがroomを作り、ホストに許可されたユーザーのみ発言可能です。

2020年4月にアメリカでリリースされ、2021年1月頃より日本でも爆発的にヒット。日本人ユーザーが激増し、マスメディアでも連日取り上げられました。

clubhouseは「招待制」を特徴としており、すでにclubhouseアカウントを持つユーザーからの招待でしか参加できません。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

Spacesとは

Twitter vs Clubhouse

▲出典:daily dot

Spacesは、Twitterが発表した音声のみのチャット機能。複数のユーザーがリアルタイムで会話ができるのが特徴です。数度のテストを経て、2021年4月より一般公開されました。

Clubhouseは招待制でしたが、SpacesはTwitterユーザーであれば誰でも利用可能。ホストが許可すれば、同時に11人まで発言できます。

ホストが発言許可を与えたり、逆に取り消したりして発言できる人をコントロールできるのは、Clubhouseと同じです。また、ホストは参加しているユーザーを削除、報告、ブロックできます。

リスナーが会話に参加したい場合、発言の許可を申請するという点も、Clubhouseと同様です。

ClubhouseとSpacesの違い

Twitter vs Clubhouse

▲左がClubhouse、右がSpaces(出典:WSJ

ここまでの説明だと、ClubhouseとSpacesにはほとんど違いがないように思えますよね。

ここからは、両者の違いについて説明します。

参加者とカルチャー

Clubhouse

  • 招待制
    招待制のため、誰もが参加できるわけではない
  • iOSのみ対応
    2021年4月時点ではiOSのみ対応。2021年の春〜夏にAndroidにも対応予定
  • 新しいもの好きが利用
    アーリーアダプターはベンチャーキャピタリスト、セレブ、インフルエンサーなど
  • 男性文化が強い?
    シリコンバレー発かつ招待制であることから、男性文化が強いと批判する声もある

最後の項目について、ブランドコンサルタントのガブリエラ・カルドザ氏は、「(Clubhouseに)スピーカーとして参加した際、他のスピーカーに話を被せられたり、無視されたりした」と語っています

Twitter Spaces

  • 誰でも利用可能
    Twitterアカウントさえあれば誰でも参加可能。一部のβユーザーはホストにもなれる
  • iOS/Android対応
    iOSだけでなくAndroidも利用可能
  • 女性たちを意図的に優遇?
    女性や、社会から疎外されていると感じている人を意図的にβテストの対象に選択したとする説がある

プラットフォームの構造

Clubhouse

最後の項目に関しては、逆にコントロールする力が強いことによって、黒人クリエイターなどが安心して自分の意見や経験を共有できるという意見もあります。

Twitter

  • インクルーシブ
    平等・フラット・オープンで、基本的に誰でも参加可能。
  • スピーカー設定
    ホストは、スピーカーの設定を「全員」、「フォローしているアカウント」、「スピーカーとして招待したアカウントのみ」から選択可能。リスナーは発言の許可を申請できる
  • 多様性を重視
    女性や、周縁化されたコミュニティが会話に参加したり、リードするための場として位置付けられている。その一環として、多様なリーダーやアーリーアダプターをβユーザーに招待。よりインクルーシブな雰囲気をうみだした
  • コントロールする力が強い
    ホストは発言の可否、ユーザーの削除、報告、ブロックなどを高度にコントロールできる

製品の開発

Clubhouse

  • シリコンバレー発
    おもにシリコンバレーのエリート層によって作られた
  • ゆるやかな成長
    招待制のため、バグを解消して新機能を構築するまでは、成長が制限される

Twitter

Clubhouseの場合は発言者をひとりずつミュートする必要がありますが、Twitterはユーザーからの意見を反映して、より便利なミュート機能を実装しています。

録音と保管

Clubhouse

  • アーカイブが残らない
    ライブセッションが終了すると、アーカイブは消える。ただしclubhouse運営内部では一時的にアーカイブが残っている(違反行為を行うユーザーを記録・排除するため)
  • 録音&録画の禁止
    録音や録画は禁止。画面録画をしようとすると、ガイドラインに違反している旨のポップアップが表示される。

Twitter

  • アーカイブが一時的に残る
    ホストとスピーカーは、ライブセッション終了後30日以内なら、発言の記録をダウンロードできる
  • 違反行為証明のための記録
    違反行為を審査する必要がある場合に備えて、30日間音声記録が運営で保管される。違反が見つかった場合、異議申し立てのため保管期間は90日間延長。ホストは保管期間内であれば記録をダウンロードできる

ClubhouseとSpaces 両者の課題

課題1. 新型コロナウイルス関連

コロナ禍が過ぎ去ったあと、対面式のイベントや大規模なカンファレンスが復活することが予想されます。

こうした変化が、利用者の減少につながる可能性は否定できません。

課題2. 情報と倫理の問題

Clubhouseは、テスト段階ですでにニューヨーク・タイムズ紙の記者への嫌がらせや、反ユダヤ主義的な会話などの問題に直面しています。

また、Twitterも誤った情報を拡散させる場になっており、アメリカの暴動にも一役買ってしまいました。

課題3. インクルーシブデザインの課題

TwitterはSpacesを発表した当初、インクルーシブな開発アプローチを強調していました。しかし、その後の継続的な努力については語られていません。

またSpacesのインクルーシブデザインが、利用者数、エンゲージメント、そして収益の増加というかたちで報われるのかは不明です。

こうした取り組みは、他社がインクルーシブデザインに取り組むきっかけになるのでしょうか。そして、より安全で、魅力的で、生産的なプラットフォームの創出につながるのでしょうか。

Spacesがインクルーシブなアプローチで作られたからといって、Clubhouseよりもインクルーシブなプラットフォームになるとは限りません。大切なのは、今後の対応です。

アフターコロナで音声SNSはどうなるか

ClubhouseとSpacesは、どちらもコロナ禍という特殊な状況下で発表されました。

画像や動画で手軽にコミュニケーションをとれる現代において、はたして音声だけのコミュニケーションは今後どれくらい活躍することになるのでしょうか。

コロナ禍はまだつづきそうですが、両者の今後の趨勢に注目したいです。

(執筆:Meghan Wenzel 翻訳:中島あすか 編集:Workship MAGAZINE編集部)

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