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5億人以上のユーザーを抱え、いまや世界最大級の動画プラットフォームとなったTikTok。マーケティングに巨額の投資をしていることは事実ですが、具体的にどのような仕掛けが「中毒」とも呼べるユーザーを生み出しているのでしょうか。
今回は、TikTokの中毒的なまでの魅力についてご紹介します。
TikTokを使っていると、気付けば動画をスクロールしつづけていることがありますよね。Netflixでは動画が終わってから次の動画が始まるまでに約5秒かかりますが、TikTokは動画をループさせており、次の動画への切り替えもスムーズです。
いまの世代のコミュニケーションは、もはや「発信者 対 受信者」ではなく、「テクノロジー 対 ユーザー」です。私たちの感情はテクノロジーによってコントロールされており、私たち自身もテクノロジーとのコミュニケーションを期待しています。そしてTikTokのUIは、数あるサービスのなかでもとくにインタラクティブです。
ユーザーの注意力は限られているため、操作方法が複雑なデザインはユーザーフレンドリーとはいえません。
TikTokのUIはとてもシンプルです。楽曲、プロフィール、共有、コメントなどの重要な情報に注意がいくように設計されており、視覚的な美しさにも気を配っています。
ここからはTikTok以外のアプリにも応用できる、TikTokの特徴的な魅力を紹介します。
TikTokの動画フィードでは、スクロールすればするほど自分好みの動画があらわれます。こうしたレコメンドアルゴリズムはTikTok独自のものではなく、近年のアプリでよくみられるものです。しかしTikTokの狙いどおり、多くのユーザーは動画をスクロールし続けてしまいます。
また、誰もフォローしていなくても動画を閲覧できるという点は革新的です。
TikTokは動画の作り手へのロイヤリティがとても強く、ユーザーもTikTokに対してロイヤリティを感じています。動画作成機能はとても使いやすく、インタラクティブかつクリエイティブです。
ロイヤリティを大切にしつつも、アカウントに他のSNSのプロフィールを掲載できる点や、YouTubeチャンネルやInstagramのアカウント、Webサイトなどをかんたんに宣伝できる点も魅力のひとつでしょう。実際に「TikTokをInstagramなどへの集客に役立てている」というクリエイターも多数います。
クリエイターのコンテンツ制作を支えているのは、顔認識、パーソナライズされたフィルター、動画コラボレーション、使いやすい編集機能、音楽といった幅広い機能です。こうした機能は、動画の撮影や編集にかかる時間を大幅に短縮してくれます。
TikTokは動画の投稿だけでなく、音楽プロデューサーが作品を宣伝できる場でもあります。
動画に使用された楽曲には音楽プロデューサーの名前が表示され、またその楽曲を使った動画がどれくらい制作されているかも調べられます。
このようにTikTokのUIは、多方面のユーザーの心をひきつけるよう工夫されています。教科書的なデザインルールに従っているわけではありませんが、効果はじゅうぶん発揮しているでしょう。
今回、TikTokの強み/弱みを把握するために、UX Planetでリサーチをおこないました。TikTokに1日あたり最低45分以上を費やしているユーザー層に対し、人気の機能を聞いた結果が、以下の図に示されています。
1を「もっとも頻度が低い」、5を「もっとも頻度が高い」に設定し、1〜5で回答してもらいました。
左から順に、以下の項目でヒアリングを行っています。
リサーチの結果から、多くの人がまずレコメンドとトレンドを閲覧していることが分かりますね。
アプリの改善点についてのユーザーリサーチをおこなったところ、「改善してほしい点はない」という回答が約60%を占めていました。TikTokがどれだけユーザーから評価されているかが分かります。
しかし、とても興味深い改善点を指摘した回答もありました。以下はその例です。
こうした指摘を反映させられたら、よりTikTokの人気が高まりそうですね。
ユーザーリサーチからもわかるとおり、TikTokは多くのユーザーに愛されています。他のSNSにファンを増やしたい人や、作品を宣伝したい音楽プロデューサーにも注目されているはずです。
トレンドやレコメンドの的確さはもちろんのこと、UIの優秀さも人気に大きく貢献しているでしょう。テクノロジーとユーザーのインタラクティブなコミュニケーションを軸に、これからもTikTokだけでなく、類似のサービスがどんどん進化していきそうですね。
(執筆:Varsha Pammi 翻訳:Nakajima Asuka 編集:Sato Mizuki)
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