実はノマドワーカーとの相性抜群!? 個人事業主向け完全治験ガイド
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聞いた事はあっても、具体的にどんなことをしているのか知っている人は少ないであろう治験。「人体実験」といったダークなイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際の治験は、ダークさとはかけ離れたクリーンな世界。むしろ、上手く活用すれば本業を継続しながら新たな収益の柱となってくれる、個人事業主にとっては心強い味方ともいえる存在なんです!
という事で今回は、今まで7年ほど治験に参加してきた筆者が「個人事業主向け完全治験ガイド」をお届けします。
謝礼はもちろん、お金以外の面でも魅力がある治験。気になった人はとりあえず読もう!!!
就職しないまま大人になってしまったライター。大学卒業1年後に開業届を提出し、それから個人事業主としてゆるく令和をサバイブ中。代表作に「図書館の資料修復技術を駆使してカピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせる」(X:@shugou17)
目次
そもそも「治験」とは、薬が一般に市販される前に、少数の人間に試験薬を投与して安全性や同等性を調べるために行う試験のことです。薬として国に承認されるにはこの治験の結果が不可欠なので、新しい薬を世に出すためには必要不可欠な試験となっています。
とはいえ、みなさんは、治験にどんなイメージを持っているでしょうか? 「なんかヤバそう」「人体実験」「人間モルモット」……。そんなイメージを抱いている方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、実際の治験は国や第三者倫理委員会による厳しい監視体制のもとで行われ、安全には相当気を配って実施されています。
また、映画などでよく見る「何があっても文句は言わない」という書類にサインする――なんてことは実際はなく、むしろ「いつ参加をやめてもいいよ!」「何かあったら製薬会社がちゃんと補償するよ!」という書類にサインすることになります。仮にトラブルがあっても、そのままほったらかしというわけではありません。
▲治験に参加するかどうかは、説明を受けて充分に検討したうえで決めることができます
なおかつ、日本で行われている健康な被験者を対象にした治験は、その多くがジェネリック医薬品の治験になります。ジェネリック医薬品の場合、すでに市場で日常的に使用されているお薬と同等成分の後発薬の試験となるので、完全に新規開発の新薬の治験と比較すると、未知の副作用のリスクはかなり抑えられます。
ということで、副作用のリスクが不安な方はジェネリック医薬品の治験のみに参加するのがオススメ(私もほぼこのスタイルです)。ほとんどの治験紹介サイトは電話での問い合わせに対応しているので、気になる案件があったらジェネリック医薬品の試験かどうかを確認してから応募しましょう!
もちろん、中には新薬の試験もありますし、ジェネリック薬の治験でも当然リスクはあります。
治験は「治験紹介サイトで申し込み」→「説明会&事前検査に参加」→「結果が良ければ被験者メンバー入り」といった流れになるので、事前の説明会を受けた際にリスクをよく考え、きちんと検討したうえで参加の意思決定をしましょう。
<治験紹介サイト>
副作用や安全性の話も気になりますが、もう一つ気になるのが「お金」の話ですよね……!
治験は基本的に入院するケースが多く、試験によって入院期間は様々ですが、1泊あたりだいたい2万円前後の協力費が相場となっています。
例えば、私が過去に参加した例でいうと……
といった具合です。どうでしょう、なかなか金額、デカくないですか……?
基本的に1回の入院につき1回投薬を行います。ジェネリック医薬品の場合は先発薬と後発薬を比較する関係上、2回入院してそれぞれを投与するという試験が多いですね。
治験のことを「治験バイト」と呼称しているサイトもありますが、治験はアルバイトではなく「有償ボランティア」という扱いになるため、謝礼は「賃金」ではなく「協力費」「負担軽減費」と表記されます。
昔は社会的貢献の側面もあったため「負担軽減費=非課税」という扱いだったのですが、現在は負担軽減費=雑所得の扱いとなるので、雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要となります。
閉鎖空間の大部屋で何日も集団行動することになるので、人によっては「無理かも……」な環境ですが、パソコンなどの電子機器は基本的に持ち込みOK。そのため、Webライターやプログラマーなどのノマドワーカーや、資格勉強をしている学生などがよく参加しています。
実は、この記事も治験のベッドの上で書いています! つまり、私は今、原稿料を稼ぎながら治験の謝礼も同時に稼いでいる、まさに2馬力の状態。
よくあるノマドスタイルのように「お金を払ってカフェで仕事する」だとカフェ代のぶん儲けが減りますが、これが「治験施設で仕事する」になると、原稿料に加えてなんと1泊約2万円がもらえる!!
そうなんです……まるで獲得経験値が2倍になるアイテムのような魅力が治験にはあるのです。スゲッ。
試験実施中は施設に缶詰状態になるので、「ベッドで寝たきりってこと?」「薬の副作用とか関係なく、なんか不健康そう……」と思うかもしれません。
しかし、試験期間中は7時起床~21時消灯といった具合に規則正しい生活を送ることになりますし、栄養やカロリーが計算されたバランスの良い食事が朝・昼・晩と提供されるので、むしろ規則正しく健康的な生活を送ることになります。
私は個人事業主という事もあって普段は生活リズムが壊滅的なのですが、治験に参加すると昼夜逆転生活が正される上、普段は食べない朝ご飯や野菜類を食べることになるので、「乱れた生活リズムと食生活をリセットしてくれる健康矯正施設」くらいに思っています(しかも、治験に参加するとほぼ毎回1キロほど痩せる)。
▲対象となる薬以外の要因が健康に差し支えないように、入院中の生活は(良い意味で)管理されます。めざせピカピカの健康体!
あと、そもそも治験は、肉体的に健康な人じゃないと被験者メンバーとして選ばれません。そのため治験の猛者は、普段から「一汁三菜」みたいな丁寧な暮らしを貫く超健康体なこともしばしば。
酒もタバコも吸わず脂っこい食事もせず、アスリートが試合に合わせて体調をピーキングするように、事前検査前はコンディションをととのえて検査に挑みます。検査前日にマックとかはもちろんNG。
また、多くの治験猛者は「水をたくさん飲むと血液検査や尿検査でいい数値がでる」という治験ライフハックもフル活用して被験者メンバー入りを勝ち取ってきます。なので、尿検査では「いろはす…⁇」ってくらい透明な尿を提出してきて毎回ビビらされます(施設によっては他の人が提出した検尿カップを見られる)。
前の見出しでも述べたとおり、治験は基本的に、1回の入院につき1回投薬を行い、2〜6泊程度の入院を2〜4セット行うケースが多いです。
例えば私が参加したものでは、「約1ヶ月間で4泊を4セット」「負担軽減費は37万円」という試験がありました。
この試験の場合、4泊の1セットごとに1回投薬をするので、試験全体では4回投薬を行いました。入院日数も多いため、負担軽減費もなかなかの金額になります。
投薬日は自由に動けず、5時間ほどは「安静時間」といってベッド上でじっと座っていなければなりません。この時間は結構苦痛です…(スマホとかは使える)。
投薬日は採血も10回以上あって肉体的にもハードなのですが、逆に投薬日以外は「朝に一度採血をしたらあとは自由時間」なことが多いので、入院期間が長くとも、投薬日以外はほぼ自由時間で占められていることも珍しくありません。なのでスケジュールを調整しやすい個人事業主にとっては、うまく活用すればありがたい稼ぎの種となってくれるはず!!
▲採血のときだけはちょっとハードですが、それ以外は自由に過ごせる!
ちなみに、「そんなに楽に稼げるなら、ずっと治験だけやってれば良くね⁇」と思ってしまうかもしれませんが、治験は「一度参加したら次の参加まで3~4ヶ月は期間を空けなければならない」ルールがあります。(ジェネリック薬は3ヶ月、新薬は4ヶ月が基本)
試験期間中にそこそこの量の採血をするので、献血を連続してできないのと同様に、治験も一度参加した ら「休薬期間」というインターバルを挟まないと次に参加できない仕組みになっているんですね。
そしてこの仕組みは、「臨床試験受託事業協会」が運営する「被験者照合システム」によってきっちり管理・共有されているので、治験実施施設に嘘の申告をするとすぐにバレてしまい、最悪永久BANされて二度と治験に参加できなくなります……。治験参加歴は正直に申告しよう。(参考リンク:被験者照合システムについて)
それでも、たとえば年3回治験に参加して施設で仕事をすれば、治験で得た謝礼の分だけ収入がアップすることになるわけです。
本業の依頼が減ったタイミングなどで治験をうまく活用すれば「稼ぎの防御力」もアップするので、不安定になりがちな個人事業主には稼ぎの種の一つとしてオススメです!
「未承認の薬を自分の体に投与するなんて無理~!!」という方にオススメなのが、健康食品や化粧品などのモニター試験。
健康機能食品やサプリなどを試すケースが多く、入院しなくてOKな案件も豊富なので、治験よりも気軽に参加できます。
また、女性は月経の関係で治験は参加NGな案件も多いのですが、モニター試験はむしろ女性向け案件のほうが多いため、治験に参加したくてもできない女性にもオススメです。
<モニター試験を紹介しているサイト>
フリーランスやノマドワーカーといった働き方が増え、街のカフェではPCを前に仕事をしている人を見かけるようになりました。しかし、実は治験施設でも同じような光景が広がりつつあります。
治験を上手く活用すれば、個人事業主にとって年に3〜4回だけ使えるボーナスステージの様な存在になってくれるはず。家に篭りがちな個人事業主の方には、ちょっとした気分転換にもなりえます。
治験で仕事して稼いで、さらに負担軽減費をもらって、そしてそのお金で出所祝いのご馳走を食べて家に帰る……。
そんな治験&個人事業主のWワークライフスタイルを、あなたも始めてみては?
▲出典:Workship
最後に、より多く稼ぎたいフリーランスのために『Workship』をご紹介します。Workshipは、フリーランス・副業向けの案件検索プラットフォームです。
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(執筆:シュゴウ 編集:夏野かおる)