小さなことが信頼を左右!クライアントが萎える“詰めの甘さ”
- 【連載】現場のギモンにプロが回答!フリーランス駆け込み寺
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こんにちは。お金は好きだけど働くのは嫌いなライター、シュゴウです。みなさん、楽してお金稼ぎたくないですか? ……そうですよね! 楽して稼ぎたいですよね!!!
しかし、世の中にノーリスク・ハイリターンなビジネスなんか基本的にありません。だからみんな頑張って日々働くわけですが、ちょっと理想レベルを下げたローリスク・ミッドリターンなビジネスなら、実はあなたの周りにもゴロゴロ転がっています。
それが、今回ご紹介するカスマーケットを活用した超マイクロビジネス、略してカスビジです。
現在はありがたいことにライターとしてお仕事をいただいている私も、個人事業主として開業届を出した頃の仕事はほぼゼロでした。しかしそんな状況でも、”ニッチな市場”に特化した自分だけの小さなカスマーケットを築くことで、無理せず副収入を得られました。
皆さんは、“投資の神様”と呼ばれるウォーレン・バフェットが6歳で手がけた「最初のビジネス」、知っていますか?
あるいは、「木彫りの熊にお金を生み出してもらう」なんて聞いたら、ちょっと気になりませんか?
ということで、今まで7年間個人事業主としてサバイブしてきた私が、カスマーケットを活用した超マイクロ副業のアイデアをお伝えします。
就職しないまま大人になってしまったライター。大学卒業1年後に開業届を提出し、それから個人事業主としてゆるく令和をサバイブ中。代表作に「図書館の資料修復技術を駆使してカピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせる」(X:@shugou17)
目次
ニッチ&小規模な「カスマーケット」を活用したマイクロビジネス、略してカスビジ。カスとかニッチとかマイクロとか雑魚キャラ感がすごいですが、実は馬鹿にできないポテンシャルを秘めているんです。
みなさんは世界の富豪ランキングの常連であり、「総資産額25兆円」と言われる投資の神様、ウォーレン・バフェットが最初にやったビジネスをご存知でしょうか? バフェットは6歳の頃に、
「5種類の味のガムを組み合わせて販売する」
「コカ・コーラを6本パックで購入し、1本ずつバラ売りする」
といった商売をしていました。6歳の時点で頭角表しすぎですね。
「コーラのバラ売り」「ガムのアソート売り」、どちらも誰でもできるシンプルで小規模なビジネスですが、バフェットが販売した「異なった5種類の味の組み合わせガム」は、それまで世界に存在しなかった商品です。
たとえ「5種の味を組み合わせただけ」であっても、それが顧客のニーズに応えたモノであればビジネスとして成立してしまうんですね。
これこそが、まさしくニッチ&小規模な「カスマーケット」を活用したマイクロビジネス。実はバフェット、カスビジ出身の人だったんです!!!!!!カスビジ万歳!!
「じゃあみんなカスビジやれば大富豪じゃん!」 と思うかもしれませんが、いったん落ち着きましょう。カスビジには弱点があります。それは「ニーズがあっても市場が小さすぎる問題」。
例えば、毎月5万円稼げるカスビジがあったとしましょう。年間市場額でいうと、60万円。企業や投資家が参入するにはあまり魅力的なビジネスとは言えませんよね……。
でも、私たち個人事業主にとっては「毎月5万円」って結構大きくないですか? これだけの収入では生活できなくても、本業と組み合わせたり、複数のカスビジを同時並行で行ったりすれば、総額ではけっこう馬鹿にできない金額になってきます。
ニッチ&小規模だからこそ個人でも参入できて、大手は参入してこない。どうですか? ちょっとカスビジ、「アリかも…」ってなってきませんか?
市場が小さいという弱点を持っている一方で、ニッチ&小規模だからこその利点をたくさん持っているカスビジ。特に自由に業務時間や業務量を調整できる個人事業主との相性は抜群なので、その魅力を見ていきましょう!
大きな市場には、資本力の大きい数多くの企業が参入してきますが、カスマーケットにはライバルが存在しないことがほとんど。
ブルーオーシャン……というより、「誰も目をつけていない、そこらへんの池」といった具合のマーケットなので、「競合他社とのシェア争い」「ライバルに仕事を奪われる」といった心配事はあまり起きません。
カスビジは小規模なビジネスだからこそ、初期投資や固定費があまりかからないというメリットがあります。
「カフェを開業する」「不動産投資ビジネスをやる」となるとそれなりのお金が必要になりますが、カスビジなら多額の開業資金は必要なし。
自分一人でやるのが前提のビジネスなので人件費もかからず、「とりあえずやってみてダメなら撤退しよう」という気軽さで始められます。
クライアントワークのフリーランスや、繁忙期・閑散期があるような業種の場合、時期によって業務量にばらつきが発生しますよね。その他にも、主力取引先からの依頼がなくなったり、コロナのように不可抗力で仕事が減ったりするケースもあるでしょう。
そんなときこそ、カスビジを頼りましょう。仕事が多い時は本業に取り組み、リソースが余りがちなタイミングはカスビジに取り組むといった働き方をすれば、カスビジが業務の調整弁として機能します。
実際、私もライター業の依頼が少ないときには、カスビジに取り組むことで業務量や収入のばらつきを抑えていました。本業とカスビジでは「執筆作業」「梱包作業」といった具合に業務内容が違ったので、わりといい気分転換にもなりました。
カスビジといえども、そこで培った知識や経験は唯一無二のものです。得たスキルを本業に活かしてもいいし、カスビジがそのまま本業や他のビジネスに繋がる例もあります。
例えば私の友人は「旧海軍」が好きという、ミリオタの中でもかなりマニアックな趣味を持っていたのですが、あまりにマニアックすぎてほしい衣装や装備が世の中に存在しないため、「自ら服や帽子を製作する」というアグレッシブさを発揮し、イベントやネットでの商品販売も始めました。
そこからしばらくすると、なんと映画の衣装提供依頼などが舞い込むように。市場が大きくないからこそ、自分ひとりがその界隈で唯一の市場主になれる。そんなカスビジドリームがあり得るかも知れないのです……。
「もうバフェットもメリットも分かったから、今すぐカスビジのやり方教えて~」というみなさん、お待たせしました。
ここからは、実際に私がやっていたカスビジの一部を紹介したいと思います。(一部と言えるくらい、生き延びるためにたくさんのカスビジをやってきたんです……)
バフェットが6歳の頃にガムでやっていた「組み合わせを変える」というビジネスを、私は20代の頃にアニメDVD・Blu-rayでやっていました。6歳児のビジネスを成人男性のオタクがパクっていたわけですね。(情けな…)
初回限定版のDVD・Blu-ray には本編ディスクの他に特典CDや特典冊子が付属している場合が多いのですが、私はシリーズの1期・2期・劇場版の限定版を中古で購入し……
「1期/2期/劇場版 本編ディスクだけセット」
「1期/2期/劇場版 特典CDだけセット」
「1期/2期/劇場版 特典冊子だけセット」
といった具合に組み替えて販売していました。
ネットで買った中古の初回限定版を、セット内容を組み替えてまたネットで中古販売する。めちゃくちゃシンプルなカスビジですが、特典冊子だけほしい人にとっては、「1期/2期/劇場版の初回限定版を自分で揃える」よりも、私が出品した「1期/2期/劇場版 特典冊子だけセット」を買ったほうがはるかに安上がりなため、割高な値付けでもそれなりに買ってもらえました。
それまで「特典冊子だけほしい」といったニーズはあったものの、「特典冊子のみのセット」という商品は市場に存在しなかったため、私がこのカスマーケットに商品を投入した瞬間に市場占有率は100%を獲得。市場の競争原理も働かないため、価格決定権も自分が得られたわけです。
……どうでしょうか。カスビジの「ニッチ&小規模だからこそ競合が少ない」という意味の凄さが、ようやくわかってもらえたのではないでしょうか!?
まだまだあります! 私、こんなカスビジやってました!!!
アニメグッズ、キャンプグッズ、ジッポライターなど、趣味を引退した方の大量出品物をヤフオクで買い、バラで高く売る。バフェットの「コカ・コーラを6本パックで購入し、1本ずつバラ売りする」と同じカスビジ。数万円のテレカが紛れていることもあり、お宝探し感覚で結構楽しい。
レトロブームで最近人気のカセットウォークマン。ヤフオクに出品されているモノは高確率でゴムが切れてジャンク扱いになっているので、それを落札して自分でゴムを交換し、動作品として売るカスビジ。
抽象的な作風が特徴の柴崎重行という作家の木彫り熊は芸術性が高く、高いものだと50万円ほどの値がつく。とはいえ、全て手彫りの1点物で相場があってないようなものなので、「表情がいいけど10万以下の柴崎重行木彫り熊」を買い、「プラス数万円で再出品し、コレクターが買ってくれるのを待つ」というカスビジ。ただし、「割安だけどいい感じの木彫り熊」を見分けられないと、逆にめっちゃ損する。
まだまだあります。ここからは「カスビジといっても、自分に何ができるのか分からない……」そんな人向けに、簡単に始められるカスビジを紹介します。
あまり使っていないモノやスペースがあったら、レンタルするのはどうでしょうか? 借り手が見つかれば、それはもう立派なカスビジです。
最近では私物レンタルを仲介するサイトもありますし、ヤフオクやジモティーといった個人売買のサイトでも私物をシェアリングできます。
意外なアイテムがレンタル市場で人気を集めている例もあります。例えば、20年以上前に発売され、今となっては入手が難しいMDウォークマン「MZ-RH1」は、MD音源をデジタルでPCに取り込める数少ない機種のため、未だに根強い需要があります。(中には400回以上レンタルで稼いでいる猛者もいました)
こういった「今では手に入りにくいけど、特定の用途では必要とされる」機器はレンタル市場で根強いニーズがあるので、カメラ機材・ビンテージ楽器・古いゲーム機などにも同様のチャンスは広がっています。
モノの他にも、駐車場をシェアリングサービスに登録したり、余った部屋を「冬用/夏用タイヤ保管サービス」として活用し、ジモティーで収益を得たりしている人も。特別なスキルがなくても、ニーズさえあればカスビジは成り立つのです!
好きな趣味がある人は、それだけでカスビジを生み出せるチャンスです!
私の兄は、古い自転車が好きすぎて「古いチャリ用懐中電灯の買取&販売」という、ニッチすぎるカスビジをしていました。
物販以外でも、例えば食べ歩きが趣味の人は、飲食店の接客対応などを調査するミステリーショッパー(覆面調査員)として活躍する……などの道がありそうです。
趣味の内容は人それぞれ。うまくカスビジに繋げられれば、他人と差別化した自分だけのカスマーケットを生み出せるかもしれません。
カスマーケットを活用した超マイクロ副業なら、売上は小規模でも、コストやリスクも小さく抑えられます。
本業の収入にばらつきが出やすい個人事業主にとって、毎月一定額の売上が立つカスビジはセーフティーネットになりますし、本業と組み合わせることで業務量の調整弁になります。これはもう、始めるっきゃない。
カスマーケットビジネスを活用して、無理ゲー社会と呼ばれる令和の日本をサバイブしましょう!!
▲出典:Workship
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(執筆:シュゴウ 編集:夏野かおる)
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