エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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AR(拡張現実)は今やSFファンタジーの世界ではなく、現実のものとなってきています。ARはより身近なものとなり、デスクトップやタブレット、スマートフォン等において誰もがARアプリケーションを体験しているでしょう。
ARやVR(仮想現実)の発展は、クリエイターやデザイナーの活躍の場を大きく広げました。デザイナーはより良いUXを提供するために、あらゆるビジネスの壁を越えてARを活用することが求められ始めています。
今回は、拡張現実が次の5年にWebデザインの世界をどのように変化させていくか、考えていきたいと思います。
目次
AR(拡張現実)は、VR(仮想現実)とは全く異なります。
VRは没入感のある体験を提供し、ユーザーに物理的な空間の外にいるような感覚をもたらします。VRによってユーザーは、現実の空間にいるときと同じような感覚で、バーチャル空間とインタラクションすることができます。
一方でARは、デジタル技術を利用して作られた”ノンデジタルな”、 あるいは ”拡張された” 現実世界を重ね合わせることによって、現実世界とデジタル世界の境界を曖昧にするような技術を意味します。
▲出典:Retail Customer Experience
近年では、WebデザインにARを取り入れる動きもあらわれています。特に、スマートフォンカメラやWebカメラを活用することで、ユーザーをプロダクトやサービスにより結びつけようとする試みがよく見られます。
例えばファッション小売業界では、ARはバーチャルフィッティングルームとして活用されています。顧客は、スマートフォンのカメラを自分自身に向けることで、AR上で手軽に試着できるのです。実際にJCPenneyはこの仕組みを実装しており、メガネの小売業界においても同じ技術を取り入れる動きがあります。
WebデザインにとってのARアプリは、WordPress VRのような互換性のあるプラグインの技術のおかげで発展しつつあります。このプラグインを使うことで、360度ビデオをサイトにアップロードできるようになります。
ARが身近なものになるにつれて、モバイルインターフェースへのAR技術の導入は今後より求められるようになるでしょう。ユーザーのWeb体験もますます変化していくことが予想されます。
起業家やマーケターは、彼らの製品やサービスを顧客に届けるために、常に素晴らしいストーリーテリングを求められています。ARはデジタルマーケティングと広告を、より人々に効果的に届ける助けとなるでしょう。AR技術によって、ユーザーは、商品購入を決める前から製品やサービスと繋がり、インタラクションできるようになります。
とある起業家は「ARはユーザーに製品をプレゼンテーションする良い方法だ」と述べています。 ARは製品に関係する擬似的な環境を作り出せるため、より高いエンゲージメントが期待できるのです。マーケターは、ユーザーがより製品・サービスとつながり、それらを体験できるようなコンテンツを作る必要があります。
例として、下記の360度リプトンティーのケースを見てみましょう。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=5&v=S_hpD7teoow
このキャンペーンは、オーディエンスをワクワクするような美味しい抹茶ティーの世界へと導きます。360度カメラにより、ユーザーはまるで自分がカップの中へとダイブし、抹茶の茶葉の香り漂う、濃く鮮やかな世界へと入っていくかのような錯覚におちいります。
モーショングラフィックとARの組み合わせは、ユーザー体験をより印象的なものへと高めます。ARはUI/UXデザインにおいて限りない可能性を秘めているといえるでしょう。
ARはあなたが作るプロダクトやサービスだけではなく、人々が使うツールにも変化をもたらします。
これまではユーザーは、スクリーンスペースが固定されているインターフェースで、頭を回転させたり、視点を引いたりしていましたが、AR技術を使えばそんなことをする必要はなくなります。なぜならユーザー自身によって、視覚・聴覚体験を動的に変えられるからです。
ARがUIデザインを変えた良い例として、Google翻訳のARデザイン統合があります。AR技術によって、あなたのスマートフォンのカメラは、言語の壁を超えるツールとなったのです。
ARは教育分野でも大きく注目されています。最近では多くの学校や博物館などの教育施設が、ARアプリケーションを導入し始めています。
2015年までに、アメリカに住む約86パーセントのミレニアル世代がスマートフォンを所持するようになったといわれています。彼らは、毎日何時間もネットサーフィンやゲームをしたり、ソーシャルメディアを使ったりしています。もし教育者が、若者たちがスマートフォンに夢中になっていることを逆手に取れば、ARを学習の機会に利用し、教育効果をあげられるかもしれません。
またミュージアムは教育の場であると同時に、エンターテイメントの場でもあります。ARロンドンストリートミュージアムの例を見てみましょう。これは2010年にiPhoneアプリとして開発されたもので、ユーザーがロンドンの街中でアプリを開くと、その場所にちなんだ歴史的な写真が表示されるというものです。このモバイルアプリはGPSを使って、ユーザーをロンドンのさまざまな場所へと導きます。ユーザーがある地点にくると、3Dの映像がカメラをとおして現れ、過去にその場所がどのような場所だったかを教えてくれるのです。このようなAR体験は、歴史への意識を向上させ、時間や出身地を越えて人々の共感をもたらしています。
ある研究では、ARはテレビ等と比べてよりエンゲージメントしやすいツールであるとされています。また別の研究によると、ARはユーザーが商品やビジネスにより共感しやすくなる可能性があると言われています。
Facebookは人気のヘッドセットであるOculus(オキュラス)に何十億もの投資をしています。Oculus開発によって、Facebookのフィード内に360度のコンテンツを表示できるようになりました。OculusとFacebookは、コンテンツマーケターにとってユーザーとの関係を高めるための大きな可能性をもたらしました。
現時点で、ARはデザイナーにさまざまなチャレンジを課しています。Webデザインがモバイル中心になっていく中で、AR開発もまたモバイルに最適化する必要が出てくるでしょう。
そして何より、WebデザイナーはARの利点を活用する前に、まずはオーディエンスへの理解を深めるべきです。ARは、ゲーム等に適したVRとは少し異なり、顧客体験をより向上させるものであることを忘れてはいけません。
(翻訳:Ayako Ogita)