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社会人インターンという働き方が、フリーランス停滞期を救ってくれた

フリーランスの社会人インターン体験記
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フリーライターになって1年が経った頃。モヤモヤ〜っとフリーランスならではの悩みが大きくなっていました。

当時のお仕事はPCひとつで完結するものばかり。

打ち合わせもなく、原稿を書いてはチャットツールで送り、次の原稿の指示をもらい、また書く……の繰り返しでした。

 

幸いなことに、編集者さんやディレクターさんはいい方ばかり。

「フリーランスは教えてもらえないから成長できない」と聞いてたけど、みなさん丁寧にフィードバックをくれて「そんなことはないかも」と思っていました。

 

急かされることなく、提出日だけ連絡を取る。

最初は、なんだ仕事ってこんなに自由にできるんだ〜と、幸せに思っていました。

でも、気づけば生活は昼夜逆転、週に1日しか外に出ないなんてこともよくありました。

昼に起きて夕方から仕事を始め、暗くなってから「あれ、今日まだ一言も発してないな」と気づく。

 

そういえば、連絡をとっている編集者さんたちの顔も見たことがない。

そんな日々が続くうちに「寂しい」と感じました。

それもちょっと感じるくらいじゃないんです。気が滅入るほど暗闇に落ちていく。まるでバーチャルの世界に閉じ込められたような感覚でした。

わたしはもともと一人でいるのが好きなタイプだったので、こんなに気分が落ち込むんだと、自分でも驚きました。休日は一人家で映画を観て過ごすし、一人で回転寿司に行く、孤独と仲良しのわたしが……。

 

このままではやばい、現実世界に戻れなくなる……!と思ったわたしは、週の半分くらいを、気軽に相談したり、考えを共有できるチームで働こうと、仕事探しを始めました。

 

そこで出会ったのがWorkship MAGAZINE 編集部のインターン。

インターンと聞くと、大学生が就職活動に向けて行うイメージがあるかもしれません。でも、社会人にもインターンという選択肢があります。

今回は孤独に苛まれている若手フリーランスの方に向けて、社会人インターンをしてみて良かったことをご紹介しようと思います。

はつこ
はつこ

ライター・編集者。法政大学メディア社会学科を卒業後、EC事業会社を経てフリーランスに転身。インタビューやコラムなど物語のある文章を中心に執筆。企画、編集、ディレクションも行う。熱すぎず、半身浴のようにじんわり伝わる表現を研究中。Twitter:@8chyadeofficial

社会人インターンのいいところ

まずはやっぱり、「そばに話しかけられる人がいる」のは、精神的にも企画を進める上でも大きいです。

社会人インターンとしてオフィスで働けば、思いついたアイデアをチームのメンバーと気軽に話したり、気になったことを相談したり、Twitterで話題のあれ見ました?と言えたりする。

会議や打ち合わせ以外の「名前がついていないコミュニケーション」が意外と大切だなと気づきました。軽い雑談から、悩みが消えたり、企画が生まれたりする。何より寂しくない。

 

「いや、それなら会社員でいいじゃん」

という声もあると思います。でも、わたしにはインターンという働き方がしっくりきたんです。

なぜなら、スケジュールの融通が効きやすいから。

わたしは週の半分はインターン生でありながら、残りの半分は個人で別の仕事を続けていました。
会社員だと週3勤務ができる企業はまだまだ少ないのが現状。選択肢がかなり狭まるかと思います。週半々で別の仕事ができるのは、インターンならでは。

 

……と言うと、

「フリーランスでも、業務委託として常駐の仕事はあるよ」

こんな声が聞こえそうです。そうですよね、ありますよね。わたしも探していました。

 

でも、わたしが職探し中に見た限りですが、業務委託の募集の多くは「特定の領域における即戦力」を求めている場合が多かったのです。

一方、当時のわたしは、すでに書いてきた分野のライティングだけでなく、他の分野の執筆や編集にも挑戦したいと思っていました。

なかなか、未経験ですがやらせてください! がとおる常駐の業務委託は見つかりません。

 

しかしインターンは業務委託に比べて、経験より意欲を重視する募集が多いです。

それは、勉強会や教える体制が充実していたり、複数の職域をまたがって柔軟に関わっていける可能性が高いサイン。

Workship MAGAZINE 編集部では、編集長が丁寧に指導して話を聞いてくれるだけでなく、インターン向けの勉強会があったり、インターン同士でスキルを教え合うワークもあります。

もともとやっていた分野を超えたお仕事も、教わりながらやらせてもらえました。

わたしは入社して「最高な環境では……!?」とウキウキしました。

 

実はわたしはもともと、お金を払って文章講座にも通っていました。それも複数。それでももっと通いたい、学びたいと思っていました。

でも講座に通うとは、お金を払って文章を書くということ。いくつも通っていては、時間と収入が追いつきません。

そんな中、お給料をいただきながら学べる環境があるというのは、フリーランスになったからこそ噛み締められる尊いことでした。

 

ちなみにわたしが入社した当初、インターンはわたし以外みんな学生さんでした。

それでもみんな、わたしが知らなかった知識や視点がたくさんあって、学ぶことがたくさん。椅子から転げ落ちそうになるくらい優秀で、自分の学生時代との差に驚きました。

 

実はこのインターン、始めは社会人を募集しているかわかりませんでした。

インターンの募集要項を見ていると、中には「第二新卒歓迎!」「社会人歓迎!」と書いている会社もあるのですが、書いていない場合もあり、学生のみを募集していることもあります。

「もしかしたら学生を想定しているかもしれない……」

でも、わたしはこう考えたのです。

「学生を募集していたとしても、社会人経験があって、そこそこ実務経験がある人がきたら嬉しいのでは……!?」

実際、編集長はそう言って歓迎してくれました。

 

学生に混ざってインターン。それは、フリーランスとしてやって行こうと決意して歩みを進めてきた若手にとって、もしかしたら踏み出し難い道かもしれません。

わたしも、フリーランスになったばかりの頃は、会社に頼らず文章で食ってくぞ!と思っていました。

でも、わたしにとって雇用形態は目的ではなかったはず。プライドを捨ててみたら、思い描いていたよりずっと軽やかに早く進めたのです。

会社に入ってわかった「フリーランス」

  • 気軽に話せる人がいる
  • 他の仕事とのバランスがとりやすい
  • 学べる

これらは、なんとなく想像していて実際に良かったことです。

でも働きはじめてみると、思ってみなかったいいところ2つありました。

 

まずは、「安定した給与所得がある」という安心感。

フリーランスは、予定していた案件がとんだり、突然打ち切りになってしまう不安と常に隣り合わせ。わたしも月10万円ほどの継続案件が、今月で終わりです。と無くなったことがあります。

その点インターンは、案件が無くなっても、また他の案件をやらせてもらえます。突然仕事がなくなるリスクが低いのです。

 

収入がなくなる不安から、気が進まない案件を受けたり、無理をしてたくさん仕事を引き受けたりした経験があるフリーランスは多いのではないでしょうか。

でも、インターンで毎月一定の継続収入が見込めたら、精神的に余裕ができて、個人の仕事を選ぶ基準を上げられるかもしれません。

 

もう一つの良かったところは、「フリーランスを客観的に見れた」こと。

私がインターンとして入社した株式会社GIGは、積極的にフリーランスと一緒にお仕事をしていく会社でした。そのためフリーランスさんにお仕事を発注することも多く、「会社側の人」として「どんなフリーランスと仕事がしやすいか、発注したくなるか」や「予算がどんな風に割り振られていくのか」を考えることができました。

コミュニケーションの仕方一つとっても、こう言ってくれるとやりやすいな、と身を以て実感でき、フリーランスとしての仕事に活かせる。

クライアントの言動に対しても、もしかしたら社内でこんな動きがあったのかもしれないと、想像の幅が広がる。

 

もちろん、相手のことを想像するのは、フリーランスなら普段から心がけていることだと思います。わたしも考えていたつもりです。

でもやっぱり、想像が及ばない部分があるもの。身を置くポジションを変えて実際に経験して得た知見は、解像度が高く貴重な学びとなりました。

働き方に選択肢を

今回わたしがお伝えしたかったのは「フリーランスよ!インターンをしよう!」ということでは決してありません。

わたしはフリーランスとしての働き方に悩んでいたところ、インターンという働き方に出会って、救われました。

だからもし同じような悩みを持っているフリーランスがいたら、インターンという選択肢がヒントになるかもしれない、と筆を取った次第です。

フリーランスとしての日々に少し息が詰まっていたら、雇用形態の選択肢を少し広げて、いろんな働き方を探してみると、突破口が見つかるかもしれません。

(執筆:はつこ 編集/イラスト:Uchida Kazuyoshi)

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