エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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Googleは2021年6月、『Google Workspace』へ導入予定である「性差にとらわれない包摂的(インクルーシブ)な文章を書くための機能」について発表しました。
ライターとして活動したり、自社メディアやSNSで情報を発信したりするなら、今後ますます「男女の性差にとらわれない」「包摂的」な文章を書くための意識は必須となるでしょう。
今回は、男女の性差にとらわれず、包摂的な文章を書くための4つのポイントをお伝えします。
(※原文翻訳にともない、一部表現を調整&追記した箇所がございます)
目次
残念ながら、まだ世の中には「特定の性別を前提とした文章」が存在しています。
たとえば、以下のような文章がそれにあたるでしょう。
“We’re looking for someone with experience in management. He should be able to lead teams and share his guidance with his peers.”
(マネジメントの経験がある人物を探しています。彼に望むのは、チームをリードし、ガイダンスを仲間と共有することです)
このように英語圏の文章においては、人物一般を指すときに、男性をあらわす「He」を代名詞として使う傾向があります。「Businessman(ビジネスマン)」や「Mankind(人類)」に使われているのも、「Man(男性)」という単語です。男性をあらわす「He」が使われているからといって、求める人材を男性に絞っているわけではありませんが、誤解を招く恐れはあります。
また男性のCEOは単に「CEO」と呼ばれますが、女性のCEOは「Female CEO(女性CEO)」と表記されることもありますよね。
たくさんの単語や言い回しで「男性」を基準とする習慣が残っています。シスジェンダーの男性以外の属性がないがしろにされていると感じても仕方のない現状です。皆さんもご存知のとおり、男性は人類全体の代表ではありませんが、無意識的にそのような言いかたになってしまうケースは多々あります。
そもそもジェンダーは、「男性/女性」という二元的なものではありません。まずは特定の性別や代名詞を見直すところからはじめましょう。
以下は、避けるべき言いまわしの例と、その改善例です。
長い文章や難しい単語が読めなかったり、どうしても集中できずに気が散ってしまったりする人もいます。
以下は、文章を読むことに関する統計的データです。
- 成人の6人に1人は文章を読むことを困難に感じる
- 一般人口の5〜9%が学習障害をもっているといわれている
- 全世界の成人の約2.8%はADHDとされる
- 全世界の約15%が失読症で、約7億人がこれに該当する
こうしたデータを踏まえて、文章を書く際には以下のようなことに気をつけましょう。
プレーンでシンプルな言葉を使いましょう。自分のスキルをアピールするための文章ではなく、理解しやすい文章を心がけるのがポイントです。
長い一文ができあがってしまったら、適度に分割しましょう。アイデアを伝えるためには、短くて簡潔な文が効果的です。
見出し、小見出し、太字、下線、斜体などを使って、重要な情報を目立たせる工夫をしましょう。
ひとつの段落に情報を詰め込みすぎるのは避けましょう。内容に応じて小まめに段落を分けると、意味が伝わりやすくなります。
ときには流れを断ち切るために、独立した文章を書くのもおすすめです。必要に応じて箇条書きも活用しましょう。
人をジャンルで分けて、決めつけるような表現は避けましょう。とくに形容詞の使いかたに要注意です。
たとえば、「Blind woman(盲目の女性)」という表現は、「盲目であること」をその女性を代表する形容詞として使ってしまっています。この場合は、「A woman who is blind(女性で盲目の人)」と表記しましょう。
「Differently-abled engineer(身体障がい者のエンジニア)」についても同様です。スロープ付きのバスを手配するような場面でないかぎり、障がいについてわざわざ触れる必要はありません。
また私たちが考える「普通」にも思い込みが潜んでいます。
たとえば「女性が本来もっている母性本能は、自分の子どもを見ると発揮されます」といった文章は、たとえ書いた当人に悪意がなくても、誰かを傷つける可能性があります。子どもが好きではなかったり、子どもに愛情を感じられず産後うつに悩む人は、こういった文章は読みたくないかもしれません。
「普通はこうだ」という偏見を捨てて、あらゆる人を想定した文章を書くように配慮しましょう。
人は自分や、自分のまわりの環境を基準に物事を考えがちです。自分とは立場や感情が異なる人を疎外しないように、以下の6つのポイントに気をつけましょう。
特定のコミュニティにしか伝わらないような表現や、専門用語は避けましょう。
たとえば英語には「Hit it out of the park」という野球ファンの間で使われる表現があります。場外ホームランを表す言葉で、それが転じて大成功をおさめることを指す言葉です。野球ファン以外には伝わらないため、使用するのであれば場面を選びましょう。
英語には「That’s so lame(それ、すごくダサい)」という言いまわしがあります。しかし、この「lame」はもともと足が不自由な人を指す言葉なのです。
このように使う言葉によっては、意図しない意味合いが相手に伝わってしまうことがあるので注意しましょう。
似た例で「A walk in the park(公園を歩く)」という言いまわしがあります。「誰でもできるたやすいこと」という慣用句ですが、車椅子の人にとって「walk(歩く)」は当てはまりません。無意識に健常者を基準に考えているといえるでしょう。
こういった差別的な言い回しに対する意識は、日本でも変化を見せています。クレヨンや肌着の色を「肌色」と表記するのをやめ、「ベージュ」等と表すようになったのも、さまざまな立場や人種の方へ向けた配慮のひとつです。
「Psycho(サイコ/精神病者)」や「Crazy(クレイジー/狂っている)」といった表現を気軽に使うのは避けましょう。うつなどの治療中の方、もしくは当事者とともに生活している人を傷つける可能性があります。
「Young man(若い男性)」や「Elderly(年寄り)」といった表現は、幼さや弱さを暗示してしまいます。
特定の年齢層の人を指す場合、「People over 65(65歳以上の人)」というように、事実に基づいて表記しましょう。
人種等の属性が人の特徴のすべてではありません。「Blacks(黒人たち)」や「Gays(ゲイたち)」などと言った表現は避けましょう。
人種や性的嗜好などが関係しない文脈においては、「ケニア出身」といった国籍で表現するなど、工夫できることはたくさんあります。
貧困について触れるときは、「Poor(貧乏)」や「Homeless(ホームレス)」といったネガティブさを強調するような単語は避けましょう。
こうした話題には、「従わないといけないルールが多すぎて、なにも書けなくなる」といった意見がつきものです。
しかし、言葉や文章はつねに進化しつづけ、世代、文化、政治、地域を超えて成熟してゆきます。成長や変化は痛みを伴いますが、時代が前に進んでいくことは止められません。
制作するコンテンツに責任をもち、文章によって傷つく人をひとりでも減らすために、健全で包摂的(インクルーシブ)な環境を育む変化を受け入れましょう。
(執筆:Mohana Das 翻訳:Nakajima Asuka 編集:北村有 提供元:UX Collective)