エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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「GPTsを試してみたいけど、業務に直結するツールが作れる自信がない……」
と思ったことはありませんか?
ChatGPTを使う人は増えましたが、GPTsで自分専用のGPTを作っている方はまだ少ないです。とはいえ一度作れば業務効率をぐっと上げてくれる可能性を秘めているため、使い方を押さえておきたい方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、元VBAエンジニア(歴8年)で、業務効率化ツール開発のプロである筆者が、GPTsの基礎的な作り方に加えて、業務効率化に直結するアイデアをまとめて紹介します。
記事後半で「思い描いたGPTsを作るコツ」もまとめているので、ご一読ください。
目次
GPTsとは、OpenAIが提供しているオリジナルのChatGPTを作れる機能のことです。2024年1月11日にGPT Storeが解禁され、公開されているGPTを検索できるようになりました。
副業やフリーランス向けの情報に絞って言えば、GPTsのハッカソンやコンテストはすでに活発化しており、新たな収入の柱になりうる可能性を秘めています。今後生成AIを活用したコンサルティングや構築などの仕事も増える可能性があるため、目が離せません。
また2024年2月25日時点ではまだ追加されていませんが、GPTsを有料販売できる機能も発表されているため、期待が集まっています。
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GPTsの作り方はとてもシンプルですが、いくつか方法があるため2つに分けて紹介します。
- 方法1:Createタブから会話形式で作る
- 方法2:ConfigureのInstructionsから直接作る
なお、テキストでご説明するより実際の動画を見ていただいたほうがイメージしやすいと思い、動画で解説してみました。全体で10分の動画で、方法2については1分程度で紹介しています。
まずは上記の動画を見ていただき、GPTsを作る流れを簡単に押さえておきましょう。
GPTsの作り方がわかったとしても、業務効率化ツールを作るとなると話は別です。なぜなら「業務効率化ツールを作ること」に慣れていない方がほとんどだからです。
そこでここからは、最低限知っておくべき業務効率化ツールを作る流れを紹介します。手順は以下の3ステップです。
- 業務のボトルネックを整理して優先度付けを行う
- ChatGPTに相談しながら解決できそうか探る
- ステップ1やステップ2を考慮して成果の出やすい業務をGPTs化する
1つずつ詳しく見ていきましょう。
最初のステップは、業務のボトルネックを整理して優先度付けを行うことです。
なぜなら、目の前で見えている課題をいきなり効率化しようとすると、ほかに優先度の高い解決すべき課題があったときに、リソースを割けなくなってしまうからです。
以下のようにExcelやGoogleスプレッドシートなどで課題を整理したうえで優先度付けを行ない、もっとも課題解決につながる業務を事前い見極めたうえでツール化していくことがおすすめです。
イメージしづらい場合は、業務の流れを箇条書きで整理するところから始めましょう。
▼補足
業務上解決できる課題や作るべきツールの例が思いつかない場合は、教えてAIのようなGPTsがまとまっているWebサイトを覗いてみるのも1つの手です。調べてみて「業務に使えそうなもの」が見つかれば、実際に使って試してみましょう。
次に、ChatGPTで実現できそうか試していきます。
いきなりGPTsを作り始めない理由は、仮にうまく作れなかったときに「ChatGPTでそもそも作れない」のか「GPTsで作るのが難しい」のか、問題の切り分けが難しくなってしまうためです。
たとえばChatGPTは数値計算が得意ではないため、数値計算をするGPTsを作ろうとしてもうまくいきません(2024年2月25日時点)。
それに気づかずGPTsを作りはじめると、条件の指定とプレビューでのチェックで操作が多くなってしまい、検証に時間がかかってしまいます。
まずはChatGPTを活用し、そもそも実現できそうか検証することがおすすめです。
次に、ステップ1とステップ2で整理した情報を元に、実際にGPTsを作っていきましょう。
GPTsを作るのに慣れていない場合は、対話形式で相談しながら作っていくことをおすすめします。
具体的に言うと、以下の流れでGPTsを作ります。
1. GPTsを開き、Createボタンをクリックする
2. Createタブを開き、ChatGPTと同様の使い方でGPTsを作る
もしもGPTsの作り方で悩んだ場合は、先ほど紹介した「【初心者向け】GPTsの作り方」や記事後半で紹介している「思い描いたGPTsを作るコツ」をご参考ください。
いざ業務効率化ツールを作ろうと思っても、何を解決すべきかイメージしづらい方もいるのではないでしょうか。
ここでは参考として、GPTsを使って改善すべき業務効率化アイデアを5つ紹介します。
- タスク爆速整理アドバイザー
- 文章をわかりやすく言い直してくれる君
- ExcelやGoogleスプレッドシートの関数マスター
- メールの文章自動で作ってくれる君
- ビジネスフレームワークを活用した壁打ち君
1つ目のアイデアは「タスクを爆速で整理してくれるツール」です。
フリーランスとして活動していると、急に相談が来たり、突発的な案件が始まったりするケースもあります。
このとき「いま進めている案件」をやるべきか「突発的に来た案件」を進めたほうがいいのか、進め方に悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。このようなシーンで、第三者の視点から何を優先すべきか整理してくれるGPTsは役立ちます。
「でも、ChatGPTでも同様のことができるのでは?」と思った方もいるかもしれませんね。
確かにChatGPTでも同様のことができますが、数回のラリーで済む点はGPTsを作るメリットです。自分の職種や普段の働き方、稼働時間の目安などのパーソナル情報を事前に伝えておけるため、効率的に情報整理しやすくなります。
2つ目のアイデアは「文章をわかりやすく言い直してくれるツール」です。
公的文書や専門用語を調べるときは、内容が難しく理解しづらいこともありますよね。このような場合に文章をわかりやすく(中学生でもわかるように……など)してくれるGPTsがあれば内容理解が捗ります。
一度ざっと内容を把握したいシーンなどでとても役立つため、インプットの効率化につながるのではないでしょうか。
「中学生でもわかるように」「ITリテラシーの低い人でもわかるように」など条件は自分好みに変えつつ、GPTsを作ってみることをおすすめします。
▼補足
ちなみに語尾を可愛くして読みやすくするテクニックもあります。なんとなく難しい文章でも、語尾に「にゃ」とついていると読みやすくなるかもしれませんね。
3つ目のアイデアは「ExcelやGoogleスプレッドシートの関数マスター」です。
ChatGPTでも「実現したいこと」や「Excelの関数を教えて」と伝えると、関数を教えてくれます。しかし毎回同じことを伝えるのは非効率ですし、アウトプットの粒度(レベル感)を指示しないと適切なアウトプットが出てこないこともあるため、おすすめできません。
こういったシーンでも、GPTsであれば「やりたいこと」を伝えるだけで関数名や補足説明をしてくれるツールが作れるのでおすすめです。
4つ目のアイデアは「メールの文章を自動作成してくれるツール」です。
顧客にメールを送るとき、ただ伝えたい内容を書くだけではなく「メールのマナー」に沿って文章を作成しますよね。相手にとって失礼のないようメールを作る必要があるため、時間がかかったり、忙しいときにすぐ返信ができなかったりすることもあります。
こういった場合でもGPTsを作っておけば安心です。GPTsがあれば「伝えたいメッセージ」や「シチュエーション」を送るだけでメールの文章を自動生成できます。
▼補足
セキュリティ上のリスクを避けるため、顧客名は入れずに活用する必要がある点に注意が必要です。またGPTsに直接顧客情報を入れてしまうと「インジェクション攻撃」などを受けて、顧客情報が流失してしまう可能性があるので注意しましょう。
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5つ目のアイデアは「ビジネスフレームワークの観点で壁打ちしてくれるツール」です。
仕事によっては、ビジネスフレームワークを使ったほうが良いシーンもあります。
たとえばマーケティング業務では、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを使って分析をすることがありますが、毎回詳細を伝えてChatGPTに指示を出していては効率がよくありません。
事前に以下のような情報を指示し、GPTsでは「分析したいこと」だけ伝えられるようにしたほうが効率的ではないでしょうか。
- ビジネスフレームワーク活用のプロ目線でアドバイスすること
- 対象のフレームワークやその補足
- アウトプットのイメージ
フレームワークを活用した分析もGPTsの得意とするところなので、よく使うフレームワークがあれば作っておくことをおすすめします。
ここまでGPTsの簡単な作り方や業務に役立つアイデアを紹介しました。
ただ、いざGPTsを作り始めてみると「思い描いたツールが作れない……」と悩む方も多いです。
そこでここでは、思い描いたGPTsを作るコツを5つ紹介します。
- 基礎的なプロンプトの指示力を上げる
- ChatGPTに相談してから作る
- プレビューで試しながら作っていく
- ConfigureのInstructionsを調整する
- PDFや画像を渡して精度を上げる
1つ目のコツは「基礎的なプロンプトの指示力を上げる」です。
「何を当たり前のことを」と思ったかもしれませんが、一番重要な点といっても過言ではないため押さえておくことをおすすめします。
たとえば、ただ文章で条件を伝えるだけではなく以下のようにプロンプトを作ると、より細かくアウトプットの調整が可能です。
プロンプトに入れる要素 | 例 |
---|---|
制約条件 | ・日本語で出力してください ・〇〇は生成しないでください ・わからないときは「わからない」と答え、想像で回答しないでください |
アウトプットの指示 | ・必ず日本語のテキストのみ出力してください ・画像のみ生成し、補足文章は一切出力しないでください |
参考情報 | ・出力結果の例を渡す ・PDFや画像などのファイルを渡す |
プロンプトの指示力は、AIに関する知識を網羅的に増やすことでも磨けます。
たとえば『生成AIパスポート試験』を受けるために勉強すると、AIに関する知識やプロンプトの具体例などを学べます。
ほかにも、promptiaなどプロンプトの例が掲載されているWebサイトを活用すると、プロンプトの書き方を理解しやすくなるためおすすめです。
2つ目のコツは「ChatGPTに相談してから作る」です。
GPTsはとても便利なツールが作れますが、いきなり使い始めるのはおすすめできません。なぜなら作りたいツールを作れない可能性があるだけではなく、検証に時間がかかってしまうからです。
時間がかかってしまう理由は「条件の指示」と「プレビューでの確認」の2つの操作が必要となるためです。まずはChatGPTに相談し、意図したアウトプットが返ってくるか試すことをおすすめします。
上手くアウトプットができたら「GPTsでツール化したいから『ツール化するための条件となるプロンプト』を作ってもらえる?」と相談し、条件となるプロンプトのたたき台を作ってからGPTsを作りましょう。
慣れてきたら、プロンプトのたたき台を作ってくれるツールをGPTsで作っておくのも1つの手です。
3つ目のコツは「プレビューで試しながら作っていく」です。
さらに言えば「条件はあまり大きく変えずにプレビューを試す」「プレビュー時は同じプロンプトで試す」の2つが重要となります。
改善のPDCAを回していくときは、可能な限り「なぜうまくいったのか」「なぜうまくいかなかったのか」を理解できるようにする必要があります。理由はシンプルで、理解できなければ、どこをどう改善すればいいのかわからないからです。
手当たり次第に改善方法を試すと沼にはまってしまうため、注意しましょう。改善個所やプロンプトの条件で加える内容は1つにしつつ、こまめにプレビューで試しながらGPTsを作っていくことをおすすめします。
4つ目のコツは「ConfigureのInstructionsを調整する」です。
GPTsは会話形式で条件を作っていけますが、プロンプトの内容は「Instructions」に保存されています。
保存されているだけではなく直接編集もできるため、条件を直接変えて保存可能です。
Createから会話形式で条件を変えていくと「数回前に指示した内容を忘れている」といったケースがよくおこるため、上手くいかなかった場合に「過去のInstructionsの内容」を見て直接編集するとうまくいくケースもあります。
たとえば「出力結果は日本語で」と指示していたにもかかわらず、その指示が抜けていた場合は差分を見て「日本語で出力してください」といった条件だけ追加すれば済みます。
これはあくまでも例ですが「差分を見て直接Instructionsを変更する」といったテクニックは覚えておいて損はありません。
5つ目のコツは「PDFや画像を渡して精度を上げる」です。
意外な盲点かもしれませんが、プロンプトだけでうまくいかないときに「PDF」や「画像」などで具体的なイメージを渡しておくと、うまくいくこともあります。
たとえば文章の校正ツールを作るとき、細かい条件をテキストで指示するだけでは限界があります。しかし参考となる文章やルールをPDFでまとめて読み込ませておけば、高い精度の文章校正ツールを作ることが可能です。
プロンプトのみで試してみる
↓
プロンプトだけではなくPDFにまとめた資料と併用してみる
↓
併用したうえでプロンプトの指示を調整してみる
などいくつかのパターンで改善していくことで、よりイメージに近いGPTsを作れるようになります。
ただし、PDFや画像を利用するときは、データプライバシーと著作権の観点から注意が必要です。第三者に情報漏洩しないよう、安全な管理と使用を心掛けましょう。
今回はGPTsの作り方や業務効率化につながるツールの作り方、具体的なアイデアの例などを紹介しました。
GPTsを始めとする生成AIの活用は加速しています。GPTストアでの有料販売ができる日もそう遠くないことが予想されますし、企業でのAI活用も増えていく可能性が高いです。
今回の記事を参考に、ぜひGPTsを作ってハッカソンやコンテストなどに応募して権威性を高めてみてはいかがでしょうか。AI関連の仕事は今まさに始まったところなので、いまからでも追いつけるはずです。
実際に筆者は2023年の11月から本格的にAIを活用し始めて、現在(2024年2月)はAIの教材開発やAI講師などの仕事をスタートしています。
AI関連の仕事をスタートする際に悩まれた場合は、お気軽にX(@siro3460)からご相談ください。
(執筆:しろ 編集:北村有)