エンジニアの副業は週1からでも可能?副業の例や探し方も解説
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最近、あらゆるサービスやプロダクトへの仮想通貨の導入について、関心が高まっています。
一方で、仮想通貨の導入を進めるにあたっては、「言葉の壁」が大きな問題になっています。つまり、仮想通貨のコンセプトや専門用語が一般人には難解であり、保守的な金融業界やフィンテックへ仮想通貨の導入が遅れている原因のひとつとなっているのです。
▲仮想通貨に関する言葉。難しい専門用語が混乱をもたらしている? (Ultan Ó Broin/Wordle)
▲Litecoinでラテが飲める? アイルランドのダブリンにあるカフェ「Crypto Café」では仮想通貨でも注文ができる
Iota Localisation Services のGraham Rigbyは、Fintech of Localizationの記事において、フィンテックのローカライゼーションにおける課題について記事を書いています。彼は、現代の急速なビジネス環境の変化において、サービスプロバイダー同士が柔軟に協働しながら対応していく必要性を訴えています。
いま、金融業界には大きな変化が生まれようとしています。
例えば、ベルリンのDeutsche Bankが、最近流行の Kaffee und Kuchenと協働したり、スペイン語の ImaginBankがスマホ中毒者たちを顧客として巻き込もうとしたりしています。また、このような今までになかった金融業界の動きにくわえ、仮想通貨 が新たな変化をもたらそうとしているのです。これは、金融業界に新しくデジタル分野の専門性が必要となっているということであり、「わかりやすく伝えるための言葉」も含めて、考えていく必要があります。
Karen Scipiは、「成功するインタラクション」について次のように述べています。
最も成功するインタラクション、つまりユーザーが使いやすいと感じるものは、必ずビジュアル、インタラクション、言語がバランスよくデザインされている
— Karen Scipi (Designing a Naturally Conversational User Experience)
筆者は現在、グローバル進出を目指すデジタルサービスをデザインしようとしているスタートアップのベンチャー企業に対し、デジタル環境の移行に関するコンサルティングを多く行なっています。仮想通貨の世界に飛び込み、日々新しいアイディア、コンセプト、そして新しく難解な言語と格闘しています。
仮想通貨の言語とは、その言葉の意味することや可能性・用途について詳しく説明せず使われてしまっている「ビットコイン」や「ブロックチェーン」などのバズワードだけではありません。例えば「ブロックチェーン」は、 ONO, Sola, Indorse, Ong, and Mithrilのような分散されたソーシャルメディアの背後に隠れたプラットフォームのことでもあります。これらのプラットフォームをもっと検証したい人は、Genson C. Glierによるブロックチェーン、ビットコイン、イーサリアム、仮想通貨についての一連のブログもぜひ読んでみてください。
仮想通貨に関する言葉を学ぶには、Tim Ferrisによるポッドキャストなどがおすすめです。このポッドキャストは、少し難しい内容も含みますが、いまさら人に聞くのは恥ずかしいと思うようなこともきちんとカバーしています。(簡単な説明を見るには、ポッドキャストの “Show Notes”を見てみましょう)
Miner, Smart Contract, Daap, Truffle, Geth, Ganache, Hashcash, “Wet” Code, “Dry” Code, ICO, TxHash, Distributed Ledger, and Gas 等の言葉を理解できるように頑張ってみましょう。
▲ダブリンの公共交通期間におけるeToro仮想通貨プラットフォームの広告。アイルランドにおいて仮想通貨への関心はかなり高まっている(Ultan O’Broin)
最近では、仮想通貨に対する多くの人や組織の態度は、不信感から好奇心へとシフトしてきています。
仮想通貨についてわかりやすい言葉で説明されていたり、ディベロッパーではない人たちが専門用語に立ち向かっていたりするような状況は、一般の人にとっても仮想通貨への親しみが深まりつつある良い兆候だといっても良いでしょう。
▲同じく、ダブリンの公共交通期間におけるeToro仮想通貨プラットフォームの広告。コンシューマーが仮想通貨の規制や安全性の弱さを警告している文章(Ultan O’Broin)
一般的に、仮想通貨はほとんどの利用者にとって”投機”という点に価値を感じています。しかし、「デジタル通貨」ともいわれているように、仮想通貨は徐々に価値交換の媒体としても機能しはじめています。例えば最近はビットコインに対応したATMが世界中で出現し始めています。アイルランドでは、120,000人もの人々が仮想通貨を所有し、所有者の数は過去4年で300%伸びています。
一方で、コンセプトをわかりやすく説明するための言葉や、ユーザビリティの向上は、専門家にも無視されてしまっているようです。
ビットコインにフレンドリーな国には、私たちにとって意外な国(エストニア等)や、英語が母国語ではない国も含まれています。(彼らも、開発ツールやコーディングプラットフォームには英語を使っています)
▲Remix IDE を使ったイーサリアムによるブロックチェーンコーディングダブリンのクリプトカフェにて、CoderForge社と共に(Ultan O’Broin)
仮想通貨利用のデシタル上のUXは、まだまだ体制が整っていません。仮想通貨が主流になろうとしている今、UXを差別化していくために、言葉はもっとわかりやすく改善されていかなくてはなりません。
仮想通貨への理解や、わかりやすい言葉の構築にくわえて、伝統的な金融業界、フィンテック、そして仮想通貨がもっと深く繋がり、もっと市場におけるプレイヤーとうまく連携していかなくてはなりません。例えば、Rippleは11,000もの銀行をつなぐ国際的なSWIFTネットワークに代わって、国際的な金銭のやり取りをより簡素化しようとしています。
仮想通貨のコミュニケーションにおいて大事なのは、複雑な言葉を定着させることではなく、一般の人々でも理解できるような言葉を使うことです。誰もが理解できるようなシンプルな用語やメタファーから説明を始めることが、ファーストステップとしてとても重要になると思います。
今でも、世界における大多数の人たちが、英語を理解していない。つまり、これがいま、ビットコインやブロックチェーンのトピックについて起きている問題なのです。
— Henk van Cann (“To translate or not to translate, that is the question…”)
たびたび、英語は単なる別の言葉であるといわれていますが、仮想通貨の世界においてはこの考え方は通用しないように思います。
どんなにテクノロジーの発展をすすめたとしても、一般の人にわからないような言葉を使って説明をしていれば、仮想通貨の普及における壁は崩れないのです。ダブリンは仮想通貨やブロックチェーンの野望であふれているようなので、筆者自身、難しい用語に出会う度、その用語は学ぶための努力をしています。しかし、難しい言葉をそのまま一般の人に使うと、仮想通貨へのメンタルブロックが強化されてしまうことにも繋がります。
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Ultan O’Broin(@ultan) は、インタラクティブなUIを提供しているSaaS実装者やスタートアップに対して、デジタル環境の移行のコンサルティングを提供しています。シリコンバレーにおける、20年以上の商品開発やリリース前のデザインシンキングの奉仕を通じて、チャットボット利用のケースや、テクノロジー、デザイン、パーソナリティの重要性について記事を書いています。
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(著者:Ultan O’Broin 翻訳:Akiko Ogita)