デジタルマーケティングのコンバージョンモデルを設計する人たちに向けて、ディスプレイ広告のクリック率(CTR)指標をまとめました。

またディスプレイ広告だけでなく、SNS広告、リスティング広告のデータも掲載しています。

ぜひあなたのデジタルマーケティング施策にお役立てください。

ディスプレイ広告クリック率統計データ

ディスプレイ広告のクリック率指標を知るために最適な情報源は『Doubleclick(Googleが運営するディスプレイ広告配信インフラ)』です。

以前までディスプレイ広告の指標を調べるためのツールは、Googleのリッチメディアギャラリーの一部として提供されており、自分だけの指標を国、業界、広告フォーマット別に作ることが可能でした。

残念ながらサービス終了となってしまったため、現在は過去のデータしか見ることができません。今回はこのデータを参考に、ディスプレイ広告のCTR指標について考えていきます。

ディスプレイ広告の平均クリック率はわずか0.05%。しかしブランド認知と購買促進に貢献

すべてのディスプレイ広告フォーマットとプレースメントの平均クリック率は、たったの0.05%。

これは、1万impにつきたったの5クリックしか得られないということです。ディスプレイ広告やバナー広告から「すぐに購入につながる行動(ダイレクトレスポンス)」を得ることが、どれほど難しいかが分かります。この低い数字が理由で、Googleはこのデータを公開しなくなったのかもしれません。

Advertising Clickthrough Rates

クリック率はとても低いですが、クロスメディアでの調査を見ると、オンライン広告による露出がブランド認知に貢献し、購買意欲を喚起することが証明されています。とくにオフラインのメディアと組み合わせることで、その効果が倍増。

そのため、クリックされないからといって必ずしもオンライン広告が意味がないとは限らないのです。もし本当に意味がなければ、ここまで多くの会社がディスプレイ広告やプログラマティック広告(運用型広告)に投資をすることはありません。

ミルウォード・ブラウン社およびダイナミック・ロジック社が行った調査によると、ディスプレイ広告を見たユーザーは、たとえその時に広告をクリックしなくても、その後に指名検索をしてサイト訪問をしたり、その他の関連する検索行動を起こすことが明らかになっています。

またGoogle AdWordsやFacebookでのオンライン広告などは、CTRが1%を超えるなど、高いクリック率を獲得できるケースもあります。これらの広告フォーマットを使うことで、購買意欲が高いユーザーに効果的にリーチを伸ばすことができ、コンバージョン率も高められるでしょう。

広告フォーマット別ディスプレイ広告クリック率

ディスプレイ広告のクリック率は、プレースメント(広告掲載位置)や広告フォーマット(形やサイズ)によって異なります。

たとえば従来のフルサイズバナーは、摩天楼型や中型長方形、大型長方形などのバナーよりもクリック率が低い傾向です。

Advertising Clickthrough Rates

広告フォーマット別ディスプレイ広告インタラクション率

インタラクション率も、広告フォーマットごとに異なります。

こちらも大型長方形のバナーのインタラクション率は高く、フルサイズバナーは低い傾向です。

Advertising Clickthrough Rates

なおインタラクション率とは、ユーザーが以下のアクションをひとつ以上取るときを指します。

  • 広告に数秒間カーソルを置いたとき
  • 広告リンクをクリックしたとき
  • 広告をクリックし、フルスクリーンで閲覧したとき
  • 広告を拡大したとき

リッチメディア広告のクリック率

リッチメディア広告の平均クリック率は0.14%。

前述したDoubleClickのツールから得られるデータによると、あらゆるリッチメディア広告にて、平均クリック率は0.14%と言われています。これは比較的、現実的な数字だと言えます。

Smart Insightsでも実際に検証をしてみました。複数サイズのバナーを表示するマルチパーパスユニット(MPU)広告をサイト右側のファーストビューの位置に表示したところ、0.15〜0.22%(バナーのデザインや内容によって異なる)のクリック率が得られました。

主要SNS広告クリック率統計データ

ここからはAdStageによる2020年のレポートをもとに、Facebook、Instagram、LinkedIn、Twitterなどの広告のクリック率をお伝えします。(北米のクライアントデータを参照しています)

Facebook広告

Advertising Clickthrough Rates

2020年におけるFacebookニュースフィード広告の平均クリック率は、1.11%。前年比0.37%減で、下降傾向にあります。

また、以下のようなことも明らかになっています。

  • 右側に表示される広告の平均クリック率は0.16%
  • ストーリーの平均クリック率は0.79%
  • おもにアプリなどの広告に使用されるオーディエンスネットワーク広告の平均クリック率は0.69%

Nanigansは、2019年第3四半期のFacebookについてのレポートにおいて、以下のように広告をフォーマット別に分類しています。

  • 海外顧客の流入
  • アプリインストール
  • 見込み客(リード)の獲得
  • トランザクション

Advertising Clickthrough Rates

Facebook広告では高い精度のターゲティングが行われており、ディスプレイ広告のクリック率が高い傾向です。とくに以下の2つで高いクリック率が確認できます。

  • リード獲得広告
    例:ニュースレターの購読を効果的に促進する
  • ダイナミックプロダクト広告
    例:以前にサイト訪問をしたことがある人に、特典をつけてリターゲティングする

Advertising Clickthrough Rates

以下は、Smart Insights寄稿者のマリー・ペイジ氏によって調査された、Facebook広告の広告フォーマット別クリック率比較データです。このデータから、Facebook広告のターゲティングを活用すれば、オンライン広告全体のクリック率を高められることが分かります。

Advertising Clickthrough Rates

Instagram広告

Advertising Clickthrough Rates

2020年におけるInstagramフィード広告のクリック率は、前年よりも大幅に低い0.22%です。これに対し、ストーリーのクリック率は0.33%とやや高め。

Instagramは、文字情報よりも写真や動画など視覚的にアピールするコンテンツが多いことが特徴です。そのため、ストーリー以外のオーガニックニュースフィードにおいて、CTRが低くなっていると考えられます。

LinkedIn広告

Advertising Clickthrough Rates

2020年におけるLinkedIn広告のクリック率は、0.22%。

数値はInstagramと同じであるものの、LinkedInはB2Bオーディエンスをターゲットにしている点で異なります。

Twitter広告

Advertising Clickthrough Rates

2020年におけるTwitter広告のクリック率は、0.86%。

他のプラットフォームと比べて高水準ですが、グラフからもわかるとおり第1四半期で大幅にクリック率が減少しています。

Facebook広告とTwitter広告の比較

Wordstream社のアナリストであるLarry Kim氏は、Facebook広告とTwitter広告の比較に関する興味深いデータを公開しています。

これまでのFacebookは広告ユニットが目立ちにくく、クリック率が低い傾向にありました。これはLinkedIn広告でも見られている現象です。

しかし最近では、とくにモバイル向けにおいて広告ユニットを目立たせる改善が続けられており、この数字も変わってきています。

業界別広告クリック率統計データ

ここからは、Googleディスプレイ広告とFacebook広告について、業界別の統計データをご紹介します。

Googleディスプレイ広告

Wordstream社から発表された業界別Google広告のクリック率とコンバージョン率の指標データでは、Googleのリスティング広告とディスプレイ広告のクリック率を比較しています。

このデータでは、以下のように言及されています。

すべての業界において、Google広告の平均クリック率はリスティング広告で3.17%、ディスプレイ広告で0.46%。

リスティング広告では、検索された商品名やブランド名をキーワードにして、ユーザーにとって関連のある広告が表示されます。そのため、ディスプレイ広告よりもクリック率が高くなります。

一方ディスプレイ広告は、広告掲載サイトで扱っているコンテンツと関連性のある広告が表示されます。したがって、必ずしもユーザーニーズとマッチする広告が表示されるとは言い切れません。

以下の表は、20の業界別にクリック率をまとめたものです。コンバージョン率を向上させるための施策を考えたり、他の業界とのデータを比較したりしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

Advertising Clickthrough Rates

もちろん、分野やキーワードの種類によっては、上記のコンバージョン率とは異なる場合もあります。

たとえば指名検索は、一般検索よりも高いクリック率とコンバージョン率を獲得できます。またコンバージョンの定義も、リテール業界では購入をコンバージョンにしていることが多い一方で、他の業界では見込み客獲得をコンバージョンと設定していることがあります。

Googleは最近、Googleディスプレイネットワーク(GDN)にレスポンシブディスプレイ広告を導入しました。アセット(画像、見出し、ロゴ、動画、説明文)をアップロードすると、ディスプレイネットワークに表示される広告が自動的に生成されるものです。早期に導入した企業によると、クリック率は比較的高くなっています。

以下のグラフは、Smart Insightsのコメンテーターであるデビット・マイルス氏によるGoogle Adsの比較です。レスポンシブディスプレイ広告を使うと、クリック率が上がることがわかります。

Advertising Clickthrough Rates

Facebook広告

2017年にWordstreamから、Facebook広告のクリック率に関する業界別データが発表されています。

これによると、業界ごとにクリック率が大きく異なることが明らかになっています。

Advertising Clickthrough Rates

Advertising Clickthrough Rates

たとえば「法律」「小売」のクリック率は約1.6%なのに対して、「雇用」「研修」のクリック率は0.47%です。

国別広告クリック率統計データ

やや古いデータですが、以下の表はDoubleClickによって提供された、2009年における各国のオンライン広告クリック率データです。

全体のクリック率 (%)
北アメリカ
カナダ 0.09%
米国 0.10%
欧州・中東・アフリカ
オーストリア 0.11%
ベルギー 0.13%
デンマーク 0.12%
フィンランド 0.05%
フランス 0.12%
ドイツ 0.11%
ギリシャ 0.17%
アイルランド 0.10%
イタリア 0.10%
ルクセンブルク 0.09%
オランダ 0.14%
ノルウェー 0.11%
スペイン 0.12%
スウェーデン 0.08%
スイス 0.12%
アラブ首長国連邦 0.18%
英国 0.07%
アジア太平洋
オーストラリア 0.07%
中国 0.12%
香港 0.17%
インド 0.18%
マレーシア 0.30%
シンガポール 0.19%

最新データに関しては、こちらからお問い合わせください。

オンライン広告のビューアビリティに関する統計データ

ビューアビリティとは、広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧およびクリックできる状態にあったインプレッションの比率を意味します。ビューアビリティは、オンライン広告の効果を測るときに考慮すべき項目です。

Googleが発表したビューアビリティに関するデータによると、広告全体のうち44.9%がクリック可能な広告とされています(逆にクリックできない広告とは、スクロールしないと見れないような広告を指します)。ページをスクロールを途中でやめてしまい、広告が表示されない場合はカウントされていません。

この比率は、広告掲載者やコンテンツの種類によって異なります。

Advertising Clickthrough Rates

また近年は、広告ブロックアプリが全世界でさまざまな年代の人に使われ始めています。広告ブロックを使う人が35%の国もあり、ビューアビリティに大きな影響を与えています。

ビューアビリティと広告ブロック機能がクリック率に与える影響を受けて、多くの企業ではビューアビリティの高い広告に投資がシフトしています。ネイティブ広告等のオプションが増えるにつれて、広告効果も高まっていくでしょう。

おわりに

今回は、2020年のディスプレイ広告CTR統計をご紹介していきました。媒体や広告フォーマットによって、その数値が異なることが分かりましたね。

今回ご紹介したデータをぜび自社のマーケティング戦略に役立ててみてください!

(執筆:Dave Chaffey 翻訳:Nakajima Asuka 編集:Kimura Yumi)

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