エンジニアの副業におすすめのサービス11選!メリットや戦略も解説
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アイデアのストックやメモの整理にEvernoteを使っている方は多いでしょう。Evernoteの料金プランの急な値上げ(7年ぶりに1.5倍に)や、経営体制の変化に不安を感じ、Evernoteから別のツールに鞍替えを検討されている方も多いと思います。
経験から言うと、ツール切り替えのネックになるのが「データ移行」です。移行の目的を明確にし、“ある程度割り切りも必要”と考えて検討してみると、自分がどうしたいかも見えてきます。
私も2009年からEvernoteをログの本拠地として使っているため、Evernoteの現状に不安を感じ、代替ツールを検討しています。本記事では、Evernoteのガチユーザーとして代替ツールをまとめました。
デジタルマーケティングプロデューサー/株式会社Rdesign factory代表取締役。企画×コンテンツ×マーケティングで価値の最大化を支援している。ツールを活用した仕事効率化には強く、Evernoteを14年活用中。(Twitter:@matty3com)
以下では、まずEvernoteの代替ツールを絞りこむために大切な5つのポイントをまとめています。
移行にあたって、まずはご自身のEvernoteの使用状況を再確認します。「どういう点がEvernoteを使う理由になっているか」を紐解いたうえで、移行先を明確にするためです。
私の場合、現況は以下の通りで、代替ツールを選ぶときに下記状況と同じの条件が満たせるものを選びたいと考えています。
チェック項目 | 利用状況 |
利用目的 | 議事録・アイディアメモ・記事まとめ・日記など、あらゆる記録を集約 |
利用頻度 | 毎日 |
利用デバイス数 | 4台(PC2、スマホ2台) |
月間アップロード容量 | 1GB |
他者との共有 | しない |
料金 | 3,100円/年(Evernoteプラス*) |
*過去の料金プランを継続利用しているためこの価格になっています(2023年8月現在)
自分の利用目的が確認できたら、代替候補のツールがそれを叶えてくれるかを検討しましょう。
他ツールを選択するときは、まずこの点を重視するべきです。また、その他に搭載している機能も併せて確認し、条件を満たさなくても代替できる機能があるかどうか、あるいはそれを上回る使い勝手のよさがあるかどうかも確認します。
私がEvernoteを使い続けているのは、ありとあらゆるメモをまとめてストックできることが最大の理由です。ピックアップすると、下記の利用目的条件を満たしているためとも言えます。
- テキスト入力(コード入力含む)
- 音声入力
- 画像挿入
- 動画挿入
- ファイル添付(とくにPDF)
- Webクリッパー
- Markdown
- マルチデバイス対応
- 検索機能
- タグの付与
とくに画像・動画・ファイル添付・マルチデバイス対応は必須で、これができないならEvernoteから他ツールに移行する意味がありません。検索機能やタグの付与についてはEvernoteが他ツールに抜きんでていますので、なくてもやむを得ないと考えています。
ちなみにノートツールは共有機能が充実しているツールも多いですが、Evernoteに記録している内容は機密情報が多いため、間違いが起こらないよう個人利用のみに限って使っています。共有する場合は、Googleドキュメントなどのクラウド共有サービスやNotionを使います。
Evernoteを比較的長く使っている場合、最大のポイントとなるのが、Evernoteからのデータ移行作業です。Evernoteは大型アップデートが過去に数回あり、データ構造が複雑になってしまいました。現在使っている状態をそのまま保持した形での移行は、難易度がかなり高いです。
そのため、優先事項を決めて、ある程度の手作業や切り捨てを想定する必要もあります。すでに移行したユーザーのツイートやブログなどを読むなかで、よく挙げられるのは次の点です。
- ノート自体の移行は問題ない
- タグは引き継げない
- ツールによって画像・動画・PDFは引き継がれないので、手作業発生の可能性がある(引き継ぐと記載されていても失敗)
ちなみに、Evernoteからデータをエクスポートする場合、Evernote公式が提供している方法は4つです。
- ENEX形式のファイル(.enex)でエクスポート
- 単一のHTML Webページファイル(.html)でエクスポート
- Webアーカイブファイル(.mht)でエクスポート
- 複数のWebページファイル(.html)でエクスポート
データを移行するには、4つの方法のどれかでデータを吐き出し、移行したいツールにインポートするか、移行先ツールがリリースしている公式ツールを使う方法を利用することになります。
Evernoteからまるまるデータを移行した場合は、代替ツールの長期利用が前提になります。そのため、サービス運営会社が運営の長期継続が可能なユーザー数を保持しているかどうか、保持するための開発環境を確保しているかどうかも可能な範囲で確認します。
対応デバイスと台数の制限はサービスごとにまちまちです。Win・Macの両方に対応していないツールもあります。
私の場合はWin2台、iOS1台、Android1台でアクセスしますので、そのすべてでアクセスできることが条件となります。
上記で挙げたEvernoteの利用目的をもとに、Evernoteと候補となる5ツールを機能比較表にしました。「各ツールの特徴」「データ移行候補に挙げた理由」「データ移行ツールの有無」については、各ツールの紹介欄にまとめています。
Evernote | UpNote | Microsoft OneNote |
Dropbox Paper | Joplin | Notion | |
料金/月 | 775円/月~ | 100円/月~ | 無料 | 1,500円/月~ | 無料 | 10ドル/月~ |
トライアル or フリープランの有無 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ノート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
テキスト入力 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
音声入力 | ○ | × | ○ | × | △ | ○ |
画像挿入 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
動画挿入 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | |
ファイル添付 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Webクリッパー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Markdown | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
マルチデバイス対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
検索機能 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
タグの付与 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※Joplinはプラグインをインストールしてカスタマイズすると、音声入力も可能になります
■ツールの特徴
「書くことに集中する」をコンセプトとし、メモや日記などライティングに特化したツール。もっともEvernoteの操作性に近いのも特徴のひとつです。ただし、音声や動画などは非対応なので要注意。
■候補の理由
Evernoteに近いインターフェースで、Evernoteからの移行ユーザーが多く、ブログ記事も多いです。データ移行の難易度も割と低めで、Evernoteより使い勝手がいいという評価も。
■データ移行ツール
有料版を利用すると移行ツールが使用できます。
運営会社 | UpNote Company Limited |
プラン/料金 |
|
■ツールの特徴
「ノート記録が必要なあらゆる場面でこれ1つで対応できる機能縦断型ノートブック」。最大の特徴は自由度の高さで、テキストはもちろん、手書き入力や動画、音声、PDFなど多様な形式のファイルをストックできます。
■候補の理由
Evernoteにある機能はほぼ兼ね備えたツール。運営会社がMicrosoftであるため、データの保全性が担保されやすいのも魅力です。
■データ移行ツール
Microsoft公式の移行ツール「OneNote Importer」あり。
運営会社 | Microsoft Corporation |
プラン/料金 |
|
※Onenoteの保存ストレージはOneDriveになるため、容量を増やす場合はアップグレードが必要
■ツールの特徴
「1箇所でアイデアを出し合うのに最適な共同作業ツール」がコンセプトのツール。使う人のアイディア次第のノートで、テキスト、画像、動画、ファイルなどの挿入も可能。文書用のテンプレート(24種)が用意されているほか、オリジナルテンプレートも作れます。
■候補の理由
Evernoteのようにインタラクティブなノートとして利用できそうな点と、ストレージサービスの「Dropbox」社が運営しているため、データの長期保存については心配しなくてよい点が魅力です。
■データ移行ツール
公式ツールなし。Evernoteから移行できるファイル形式が現時点ではなく、移行はできないようです。
公式コミュニティのユーザーによるQ&Aにも「Evernoteのファイルはフォーマットが異なるため、Dropbox Paperに直接インポートする方法はありません」と記載がありました。新しいツールとして使うのには向いていますが、Evernoteのデータ移行の点では現時点では対応していません。
運営会社 | Dropbox, Inc. |
プラン/料金 |
|
※Dropboxユーザーは無料で利用可。上記料金はDropboxの料金プラン
■ツールの特徴
シンプルなインターフェースのノートで、完全無料。メモ、Webページのクリップ、画像や添付ファイルが保存でき、Joplin Cloudのほか、OneDriveやDropboxなどのクラウドストレージで同期できます(ストレージの容量は自分が契約しているストレージ量を使うことになるため注意が必要)。
またプラグインがあり、好きな機能をカスタマイズできるのも特徴の一つです。
■候補の理由
Evernoteにおけるもっともシンプルな機能「ノートを書く」に特化されており、マルチプラットフォーム対応である点。スムーズな動作も人気があります。
■データ移行ツール
公式ツールなし。Evernoteの公式エクスポート機能で「ENEX形式のファイル(.enex)」でエクスポートし、Joplinにインポートする方法がありますが、ノートのタイトルが正しく表示されないバグも報告されています。
ツールの公開は終了していますが、「Evernote Legacy」(旧バージョン)のエクスポートツールを使うと、Markdown形式でJoplinにインポートできたそうです。
運営会社 | Laurent Cozic |
プラン/料金 | 無料(※) |
※寄付の受付あり
■ツールの特徴
Notionは、「仕事の質とスピードを向上させるコネクテッドワークスペース」。シンプルなノート機能のほか、Wiki、ドキュメント、プロジェクト管理、AIとビジネスシーンに役立つあらゆる機能を搭載。Evernoteにある機能はほぼ網羅しており、チーム共有ツールとしても役立ちます。
■候補の理由
Evernoteがもつ機能をほぼ網羅。WikiやDBの構築などもおこなうことができ、ノートの枠組みを超えたノートとして使える点に魅力があります。
■データ移行ツール
Notionによる公式ツールあり。アカウントにログインし、Evernoteに接続した状態でインポート。Evernoteのノートブック単位でNotionにノートが作成されます。
運営会社 | Notion Labs Inc. |
プラン/料金 |
|
次世代のメモアプリ『Notion』の使い方。Evernoteと比べてどっちがいい?
Workship MAGAZINE
Evernoteから別ツールにデータ移行を検討しているのは、積極的理由はほとんどなく、むしろ続けてほしい気持ちのほうが大きいです。
現在のEvernoteは、2023年5月に7年ぶりに1.5倍の料金値上げをおこない、7月には経営権をもつBending Spoonsが本拠地をヨーロッパに移行することに伴い、アメリカとチリを拠点とする従業員の大半を解雇しました。
サービスとして継続する点は発表されており、ヨーロッパで開発チームを再構築するようです。開発チーム自体が0から構築するとなると、サービスに対する考え方そのものが変わる可能性があり、サービス内容が変わる場合もありますし、データ保全がどんな形で維持されるかはまだわかりません。
データの保全性が担保されることを前提に有料プランを長期継続してきた身にとっては、毎日の使用を続けながら何かが起こる前にデータを移行し、安全にデータを保持できるよう対応したいと考えています。
代替ツールをテスト利用しながらベストツールを定めてデータを移行するつもりです。しかしEvernoteの有料期間はまだ残っていますので、契約期間が残っている間は現データをEvernote上で保持します。
ヨーロッパでの開発環境が詳らかになり、「このまま使い続けても大丈夫」と判断できた場合は、引っ越したツールからデータの差分をEvernoteに戻し、継続使用も頭の隅にプランBとして持っています。
というのも、以前Evernoteから別ツールに移行したいと考え、Notionに一部のデータを写して使用していました。しかし1か月ほど使ってみて、EvernoteのシンプルなUXのほうが私の使いたい用途に合っていたため、Notionからデータを引き上げました。
今回のデータ移行でも同様のことが起こりうる可能性があります。そのため各ツールのトライアル(場合によっては有料プラン)を使って一部データを移行し、使い勝手を確認するつもりです。そのうえで、代替ツールを本命ツールとするかどうかを決めたいと思っています。
余談ですが、この原稿を書くなかで、Dropbox PaperはEvernoteからのデータ移行ができないことがわかりました。別件でDropboxの有料プランを検討していることからDropbox Paperはデータ移行の有力候補だったのですが、その可能性は残念ながら消えてしまいました。
Dropboxユーザーの方で検討候補に入れている方もいらっしゃると思いますので、候補のひとつとして記載しておきます。
2023年時点のEvernote代替ツール候補をご紹介しました。
それぞれの機能や特性がどれほど優れていても、Evernoteの代替ツールとして選択するとき、最終的にはあくまでご自身のニーズ、予算、ワークフローに大きく依存します。機能・価格・利便性を総合的に比較し、自分に最適なものを選ぶことが重要です。
たいていのツールはフリートライアルやデモが用意されています。ツールが期待通りに機能するか、またはあなたのニーズを十分に満たすか事前に確認したうえで移行しましょう。
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(執筆:まてぃ 編集:北村有)