知らないと危険!ファクタリング詐欺の手口と安全な利用方法

知らないと危険!ファクタリング詐欺の手口と安全な利用方法

資金繰りの悪化を防ぐための有効な手段として、近年注目されているファクタリング。

しかし、そんなファクタリングの仕組みを悪用した詐欺事件も増加しています。この記事では、具体的な詐欺手口の事例や注意点を解説していきます。

ファクタリングとは:
取引先からの売掛金(将来の支払い)を、ファクタリング会社に売却して、手数料を差し引いた金額を早めに受け取る仕組みです。簡単にいうと、未来に受け取る予定のお金を、今すぐ手に入れるためのサービスです。

ファクタリング詐欺とは?

ファクタリング詐欺には、サービス提供側(悪徳業者)によるものと、利用者によるものの2つがあります。

悪徳業者による詐欺では、実際にはファクタリングを行わずに高額な手数料を騙し取ったり、違法な金利で貸付を行ったりするケースがあります。さらに、実際にはファクタリング契約ではない不利な契約を結ばせたりするケースも報告されています。

一方、利用者による詐欺では、架空の債権を譲渡したり、債権の二重譲渡をしたりするケースがあります。

【二重譲渡とは】
売掛債権を二つ以上の会社に譲渡すること。「二重譲渡」が行われると、先に債権譲渡登記を完了した会社が正当な権利を持ちます。
後から債権譲渡登記を行った企業は、売掛債権を買い取ったにも関わらず損失を被ることになります。

サービス提供側のファクタリング詐欺の事例

サービス提供側(悪徳業者)による詐欺の事例として、2017年に貸金業法違反(無登録営業)の疑いで、東京都中野区の2業者が摘発された事件があります。

大阪府警によると、2業者はファクタリングを装いながら、実態は売掛債権を担保に高金利で金を貸し付けていたため、出資法違反(超高金利)容疑でも捜査を行なったとのこと。資金繰りが悪化した中小企業を中心に全国約250社に総額3億円以上を貸し付け、1億円以上の利益を得ていたといいます。

このように、ファクタリングを装って、実際には高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在も確認されています。

そのためファクタリング会社を選ぶ際には、以下のようなポイントに気をつけ、本当に信頼できる業者かどうかを見極めることが重要です。

【悪質ファクタリング業者を見抜くポイント】

  • 手数料の透明性
  • 契約内容の説明
  • 返済請求権の有無
  • 勧誘の方法
  • 会社情報の公開状況
  • 口コミや評判 など

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利用者側のファクタリング詐欺の事例

この章では、実際にあった利用者によるファクタリング詐欺の事例を2つ紹介します。

事例1

1つ目は、架空の売掛債権を使ったファクタリング詐欺の事例です。

とある会社役員は、2020年にファクタリングの実施業者に、沖縄本島の病院から医療用マスクの発注を受けたとして、虚偽の売掛債権の買い取りを依頼し、その代金約3652万円をだまし取りました。

被告側は融資(貸付)申し込みをしたにすぎないなどと主張していましたが、裁判官は「債権売却の申し込みをしたとの事実に欠けるところはない」と認定。

会社役員は詐欺罪に問われ、那覇地裁は懲役2年(求刑懲役3年6月)の判決を言い渡しました。

事例2

2つ目も、架空の売掛債権を使った利用者による詐欺事例です。

とあるイベント企画会社の代表は、架空の売掛債権を決済代行会社に販売し、約3億4600万円をだまし取ったとして警視庁に逮捕されました。架空債権は100件を超え、総額約45億円に上ったと言います。

代表は取引を実在するかのように装い、大手企業の社員になりすまして、決済代行会社とやり取りを行っていました。だまし取った約45億円のうち、約30億円を期日までに自ら返済していましたが、資金繰りが悪化し不正が発覚したとのことです。

利用者側がファクタリング詐欺を行ったらどうなる?

売掛債権の偽造や二重譲渡は、刑法上の「詐欺罪」「横領罪」の対象となる可能性があります。

詐欺罪は、他人を欺いて財産的利益を得る行為が該当します。したがってこれに該当する売掛債権の偽造や架空取引は、同法の規定により処罰されます。

また、ファクタリング詐欺においては、ファクタリング会社から受け取った資金を本来の目的外に使用したり、返済の意思がないにもかかわらず資金を受け取る行為は、「横領罪」に該当する可能性もあります。とくに業務上の地位を利用した場合、より重い「業務上横領罪」が適用されることがあります。

このように、ファクタリング詐欺は「詐欺罪」や「横領罪」として処罰される可能性があり、場合によっては重い刑罰が科されることがあるため、注意が必要です。

泣き寝入りしないために:警察・弁護士への相談

▲出典:金融庁

利用者として、ファクタリング詐欺への泣き寝入りをしないためには、警察や弁護士へ相談しましょう

金融庁は「ファクタリングの利用に関する注意喚起」で、「ファクタリングを利用する事業者も、ファクタリングを提供する事業者も、少しでも心配な点があれば、法律の専門家である弁護士に相談するなど、違法な取引が行われないよう、ご留意ください。」と注意喚起を行なっています。

怪しいと感じたら、以下の連絡先に相談・問い合わせをするようにしましょう。

ファクタリングの問い合わせ先

▲出典:金融庁

正しい知識を身につけて安全な資金調達を!

ファクタリングは資金繰りの改善に役立つ有効な手段ですが、詐欺などのリスクも存在します。

安全な資金調達を行うためには、ファクタリングに関する正しい知識を身につけ、リスクを理解した上で利用しましょう。

▼フリーランス・個人事業主におすすめのファクタリングサービスは以下の記事を参照ください!

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▲出典:Workship

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(執筆:野風真雪 編集:夏野かおる)

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