人間は、色彩や形、アクセント、影の付け方など、さまざまなものから心理的な影響を受けています。

そして優れたデザイナーは、こうしたデザインと心理学の関係性を知ったうえで、特定の感情を誘発するデザインを意識して選んでいます。

もちろん、これらはフォントにも当てはまります。

Alex Slobzheninov

Alex Slobzheninovにデザインされたフォントファミリー

フォントにはそれぞれ特徴があり、フォントごとにさまざまな感情を誘発します。

そしてフォントが誘発する特定の感情は、ブランドに対するイメージを作り上げ、ユーザーの意思決定に大きな影響を与えます。

この記事では、フォントが私たちの心理にどのように影響するのか、5つのポイントからご紹介します。

1. セリフ体 vs サンセリフ体

セリフ体(文字のストローク端に飾りのあるフォント)は、伝統的に使用されているなフォントです。日本語では「明朝体」などがそれにあたります。

セリフ体には、信頼性、権威性、優雅さ、フォーマルさといったイメージがあり、科学的なコンテクスト等にもよく使用されます。

一方のサンセリフ体(文字のストローク端に飾りのないフォント)は、比較的新しいスタイルです。日本語では「ゴシック体」がそれにあたります。

サンセリフ体には、先進性、カジュアルさ、ポップさといったイメージがあり、若者向けの老舗ブランド等にもよく使われます。

Kotori Rose

Kotori Roseによってデザインされたサンセリフ

気をつけなければならないのが、サンセリフ体です。サンセリフ体はストローク端の飾りがないため、PCのスクリーン上ではやや読みにくくなるケースがあります。

2. ライト vs ボールド

ライト(文字が細いフォント)は、フェミニンで華奢な美しさがあります。背が高くスマートな印象で、現代女性の美的感覚にマッチしています。

ボールド(文字が太いフォント)は、力強くポップな印象です。可読性が高く目立つため、見た人にインパクトを与えます。

AVON

AVONのロゴ。文字が細くフェミニンなイメージがある

どんなに小さな表示でも、ライトを選ぶかボールドを選ぶかで、顧客がブランドに抱くイメージは大きく変わります。

マーケティングや顧客ロイヤリティの確立には、細部へのこだわりが大切です。

3. 角ばったもの vs 丸みのあるもの

角ばったフォントは、危険さ、力強さ耐久性を表現したい場合に最適です。

鋭いナイフを見た時の感覚を想像してみてください。フォントでも同じことが言えます。

Dougong

▲Laura Gouveia、Isabel Franco、Maria AmorimによってデザインされたDougongフォント

一方で丸みのあるフォントは、柔らかさ、心地よさ、女性らしさを出したいときに向いています。

幼児向けブランドや美容ブランド、スイーツなどに使うフォントとして便利です。

Zetafonts Type Foundry

Zetafonts Type Foundryにデザインされた丸みのあるフォント

4. 小文字 vs 大文字

小文字のフォントは、思いやりやイノベーションを想起させます。

そのため、福祉系の企業や、クリエイティブ制作に関わるブランドにぴったりです。

Fireart Studio

Fireart Studioによってデザインされた、insstaのロゴ。小文字を使用している。

大文字のフォントは、より権威的なイメージを与えます。

BMW、Nike、Sonyなどの世界的に有名な大型ブランドでは、ロゴを大きく使うことで、ブランドの確固たる地位を表現しています。

Zetafonts Type Family

Zetafonts Type Familyによる大文字のフォントデザイン

もちろん、大文字と小文字を組み合わせることもあります。適切に組み合わせ配置することで、読みやすさはアップします。

5. 文字間の距離

文字間が狭いと、やや堅いイメージになり、緊張感や正確さを想起させます。

このイメージを上手く使えば、デザインに程よい豪華さと非日常感を与えられます。

Rajesh Rajput

Rajesh Rajputによる文字間の狭いフォント

一方で文字間に余裕があると、広々とリラックスした雰囲気になります。

デザインに余裕が生まれ、軽い雰囲気を演出できるでしょう。ポジティブで明るい雰囲気を出したいときにぴったりです。

Mathieu Desjardins

Mathieu Desjardinsによる文字間の広いフォント

6. 背の高さ

背の低いフォントは重く安定した雰囲気があり、背の高いフォントは軽く華麗なイメージがあります。

人間は無意識に、背の高さから重厚感をおぼえます。そのため、背の低い横文字のフォントを使えば、耐久性と安定感がある、ずっしりとしたイメージをブランドに与えられます。

Daniel Bennett

Daniel Bennettによる背の低いフォントデザイン

軽くすばやい雰囲気のある背の高いフォントは、革新的な雰囲気があります。成長や成功、ラグジュアリーさを表現するためにも使用されます。

YouWorkForThem

YouWorkForThemによる背の高いフォントデザイン

まとめ:あなたにぴったりのフォントを見つけよう

フォントに関する心理学は、論理的でありながらも、同時に直感的な科学です。

全てのフォントにはそれぞれパーソナリティがあり、ユーザー心理にインパクトを与えます。あなたのブランドの文化やスタイルにぴったりなフォントを、丁寧に選びましょう。

 

執筆:Dana Kachan
翻訳:Sugita Mariko
編集:Sato Mizuki

 

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