1分1秒を惜しまなきゃ、自分の人生の舵は握れない。四角大輔著『超ミニマル主義』 #フリーランスの本棚

超ミニマル主義 レビュー

「知ること」は、自分の選択肢を増やすこと。

そんなモットーで生きているフリーライター・いしかわゆきが、僭越ながら迷えるフリーランスの皆さまにオススメ本を紹介する連載が始まりました。

今回ご紹介するのは、四角大輔著『超ミニマル主義』です!

ものすご〜く!分厚いのですが、働き方に留まらず、眠り方や集中力の高め方など、人生において実用的なメソッドが詰まっています。「辞書」のように手元に置いておき、必要なときに必要な項目を取り出せるようにしておくとオススメ。

とくに、時間を問わずにがむしゃらに働いて“ひとりブラック企業”になっているフリーランスの方に届けたい1冊です。

【書籍概要】
ベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』の著者による最新刊。余計なコト・モノを手放して身の回りをミニマル化し、楽でシンプルな働き方を手に入れるための教科書。「仕事術」「ワークスペース」「働き方」「スケジュールとタスク」「デバイスと情報」「思考と習慣」「超時短メソッド」「人付き合い」など、「手放し、効率化し、超集中する」ための全技法が詰まっている。

ゆぴ
ゆぴ

フリーライター。Workship MAGAZINE編集部所属。早稲田大学文化構想学部卒業。取材やコラムを中心に、仕事・働き方にまつわる記事を執筆中。連載『健康で文化的なADHDフリーランスのお仕事ハック』、自著『書く習慣』『ポンコツなわたしで、生きていく。』など。(Twitter:@milkprincess17

「爆発的な成功」よりも「持続的な成果」を狙え!

かつてはレコード会社の敏腕プロデューサーとしてバリバリ働いていた四角さん。無理がたたって身体を壊した経験から、「持続的な働き方」の大切さに気付きます。

とはいえ、「心身ともに健やかに働こうよ!」「ご自愛しようよ!」なんて、現在では使い古された耳触りのいい言葉でもあります。

そんなことはみんなわかってるんです。徹夜したくてしている人なんていない。短時間で仕事が終わるに越したことはありません。

しかし! 本書のポイントは、我々にそんな表面的な言葉を投げかけて鼓舞しておわるのではなく、「では、どのように仕事を軽量化するか」を「超具体的に」教えてくれること。

作業効率化のためのデジタルデバイスや、タスクを漏らさないカレンダーの使い方、心身に負担をかけないための衣類やバッグの具体的な品名までが事細かに書かれています。

読んでいるだけで真似したくなり、ワクワクと気持ちが昂ぶっていく。本書はそんな「読んで楽しい、実践して楽しい実用書」なのです。

30分程度のカスタムが時間の使い方を劇的に変える

四角さんは、自分にとって不必要な情報のことを「ノイズ」と形容しています。特に、彼がもっとも気をつけているのが、とめどなく情報が溢れているインターネットとの付き合い方。

気が付けば何時間でも自分の貴重な時間を奪っていくスマホやSNSをうまくカスタムし、情報社会に振り回されるのではなく、乗りこなしていく方法が、本書には載っています。

実際に本を読んでいくうちに、わたしのスマホは、必要な情報が1ページにまとまり、通知も一切来ない「ミニマルなスマホ」へと変貌を遂げました。

正直、スマホの中身がぐちゃぐちゃとしていても、どこに必要なアプリがあるかわからなくても、ちょっと画面が明るくても、たくさん通知が来ても、普通に生活をすることはできます。

でも、それを毎日毎日使っていると、気付かぬうちにストレスが降り積もっていく。余分な時間と手間が発生していく。

ミニマルに生きるためには、徹底的に設定を変えて、徹底的にノイズをシャットアウトする必要があるのだと学びました。

この本を読んでから、約2ヶ月。カスタムしたスマホとPCを使ってみたのですが、通知に追われる生活から解放され、代わりにスマホで本を読む時間が増えました。

たった30分程度のカスタムが、日々の時間の使い方を劇的に変えた。その圧倒的な効果には目を見張るものがあります。その威力は、本を読めば体感していただけるかと思います!

本気で取り組まないと「自分時間」は生まれない

また、わたしがこの本を読んで大きな感銘を受けた……というか、「そこまでやる!?」と度肝を抜かれたのが、四隅さんの「自分時間」の捻出方法です。

5年分のカレンダーを隅々までチェックし、細切れになっている祝日を、有給を活用して長期連休へと昇華させる技術がハンパない。彼はこれを「バカンス思考」と呼んでいます。

普通なら「土日の片方に飲み会が入ってしまったけど、まあいいか」「木曜日に休めば4連休になるけど、別に行きたいところもないし」と思ってしまいがちだけど、それを許してしまうと、いつまで経っても自分の時間を得ることができません。

休めるタイミングを見つけたら、何がなんでも休んで好きなことをする! なぜなら、自分でコントロールできる時間をどれだけ持てるかが生き方を決めるから。これは会社員はもちろん、フリーランスも持っておきたい視点です。

フリーランスという生き物は、お仕事が大好きだし、自分たちが思っているよりも休むのがヘタクソで、365日ずるずるとお仕事をしてしまいがちだから。

「不必要なもの」を潔く手放していった先にあるもの

『ミニマル主義』を読み進めていると、次第に四角さんに対して憧れが募っていきます。四角さん自身はもちろん、その「潔さ」に対して、です。

体力を奪われないために重いPCを手放してiPadとキーボードを使ったり、1gでも装備を軽くするために服やカバンにこだわったり、机の上をつねにまっさらにしておくように心がけたり。

そんな物理的な「ミニマルさ」はもちろん、朝のゴールデンタイムに仕事を片付け、不必要な飲み会を徹底的に断って自分の時間を創造し、隙あらば海外に飛び立ち自分の好きなことをする。

そこには、たとえ白い目で見られようと、まわりに流されずに自分の人生の舵を取るのだという「強さ」を感じます。

舵を取るためには不必要なものを手放していかなければならない。そして、本書に書かれているのは「理想論」ではなく「ハウツー」なので、エッセンスを取り入れていけば、確実に自分の生活が変わっていくのを感じられるはずです。

「いいな」と指を咥えているだけじゃ、仕事まみれの生活は何も変わらない。ぜひみなさんも『超ミニマル主義』のメソッドをひとつずつ実践して、自分の人生の舵を取っていきましょう!

(執筆:いしかわゆき 編集:少年B)

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