フリーランスに効く「お守り資格」で自分だけのセーフティネットを構築しよう
- お金
- フリーランス/個人事業主
- 資格
コロナ情勢、侵略戦争、超円安に超関税――
会社ですら社会の急激な変化に振り回されている昨今、一人親方であるところの私たち個人事業主は、以前にもまして不安定な存在と言えるでしょう。
「ある日、突然収入が途絶えてしまったらどうしよう」そんな不安を抱えている方も多いはず。最近のAIの進化、エグいしね……。
会社や組織という後ろ盾がない「個人」事業主だからこそ、様々なリスクに対する自己防衛が重要になってくるわけですが、具体的に何をすれば良いのかというと、わからない人も多いのではないでしょうか。
▲今は良くても、明日、来月、来年も調子が良いとは限らないのが個人事業主の怖いところです
でも、安心してください! この記事では、個人事業主として7年間しぶとくサバイブしてきた私の実体験をもとに、いざという時に頼りになる「お守り資格」について紹介します。
無理ゲー社会と呼ばれるこの時代、ただでさえリスクだらけの個人事業主だからこそ、今のうちに“自分だけのセーフティーネット”を仕込んでおくべし!
これを読んで、「最悪こうすれば生き延びられるしな~」という雑草みたいなしぶてぇ精神、手に入れませんか?
就職しないまま大人になってしまったライター。大学卒業1年後に開業届を提出し、それから個人事業主としてゆるく令和をサバイブ中。代表作に「図書館の資料修復技術を駆使してカピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせる」(X:@shugou17)
目次
どんなに気をつけていても、社会情勢や取引先の動向しだいでいとも簡単に収入が途絶えてしまうのが個人事業主の怖いところ。
そんな収入が不安定な個人事業主だからこそ、いざという時「トラップカード発動!」といった具合に緊急発動できる「お守り資格」をもっていると安心です。
ということで、実際に筆者が持っていて役に立った「お守り資格」について紹介します。
▲急な収入低下に、トラップカードで対抗しましょう
「お客様が勝手に給油する」スタイルのセルフガソリンスタンド。しかし実は安全対策のため、モニター越しにお客様の給油作業を監視している人がおり、その人がボタンを押さない限りガソリンがノズルから出てこない仕組みになっています。
そして、この監視している「モニター監視員」の業務に必要な資格が「乙種第4類危険物取扱者(通称:乙4)」。
ガソリンや軽油などの引火性液体を扱う場合、必ず乙4の有資格者が作業するか、立ち会うことが法律で定められています。そのため、セルフスタンドでは乙4保有者がモニター越しに給油作業を監視しているわけなのですが……この乙4保有者、ガソスタ業界では常に人手不足となっているんです。
24時間営業のセルフガソリンスタンドの場合は夜間にも乙4保有者を配置しなければならないのですが、ただでさえ有資格者は人手不足の上、夜勤となるとさらにレアな人材に……。
というわけで有資格者のニーズが高いのですが、資格の取得難易度は低め。筆記は選択問題なので、私は3日間集中して勉強した結果、無事取得できました。
▲落ち着いて挑めばきっと大丈夫
セルフスタンドのモニター監視員なら屋内で座ってボタンを押すだけなので肉体的にも楽ですし、夜勤の場合、深夜は車がほとんど来ないためさらに楽になります。
私は大学を卒業して開業届を提出するまでの1年間、このモニター監視員の夜勤をしていましたが、自分が勤務していたセルフガソリンスタンドはPCの持ち込みもOKだったため、開業のために必要なお金と時間を効率よく貯められました。
セルフスタンドは全国どこにでもあるので、「お守り資格」としてはかなりオススメ。
ちなみに私の近所に住む個人事業のおじさんは、この資格を取得し、夜勤のモニター監視員と個人事業とを組み合わせて働いていました。Wワークで稼ぎたい人にもオススメの資格です。
厳密には資格ではないのですが、警察に申請をすると発行してもらえる「古物商許可証」を保有しておくと、様々なビジネスがやりやすくなります。
申請には手数料が19,000円かかるのですが、基本的に誰でも申請でき、過去に詐欺や窃盗などの犯罪歴がない人であれば発行してもらえます。
この古物商許可証、古物(簡単に言うと中古品)を仕入れて事業として販売するには必須の資格です。私はこの古物商許可証を取得することで、海外の雑貨やアウトドア用品を個人輸入して販売したり、イベントに出店してビンテージ雑貨や古道具を販売したりしていました。
【超マイクロ副業のススメ】ニッチなジャンルで自分だけの「カスマーケット」を開拓して儲けよう
Workship MAGAZINE
また、古物商許可証を所持していると、古物市場という家具や家電、生活用品などを中古販売しているオークション会場に仕入れに行くことも可能になります。
この古物市場、何度か行ったことがあるのですが……あらゆるものが高速で安く競り落とされていく、プロのリサイクルショップなども仕入れにやって来るような場所となっています。
「次はこのスーツケース新品20個! ハイ2万! 決まりね!」
といった具合に、ネットの中古相場よりもかなり安価に商材を競り落とせる上、新品の大量セットなんかも。
▲古物市場の活気は、まさに「競り」という感じ
そのため、「この古物市場で生活用品を仕入れてヤフオクなどで販売すれば、とりあえず割の良いアルバイト位の稼ぎは得られるな……」と心のセーフティーネットを構築できたんですよね。
もちろん、実際にやるとなるとそれはそれで大変なのは間違いないのですが、「とりあえずコレがあれば食いっぱぐれないな!」という備えがあるのは、心理的に大きな効果を発揮します。
こんな感じの心の備えがあれば、人によってはギャラ交渉などでもすこしだけ大胆になれる……かもしれません。
「お守り資格」と呼ぶのはちょっと失礼ですし、取得のハードルも高いのであまり参考にならないかも知れませんが、私はもともと教員志望だったので、高校の教員免許を保有しています。
ここまでの記事でも触れてきたとおり、私には一度も就職歴がないので、「今後、民間企業に就職するのはめっちゃハードル高いのでは……」とふと怖くなるときがあります。
そんなときでも、「決して簡単ではないけれど、心を入れ替えてめっちゃ頑張れば、教員を目指すルートも一応ある……!」という心の支えがあったので、良くも悪くも就職せずに個人事業主として今までサバイブしてこられました。
実家が事業を営んでいるなど、別の形のセーフティネットがある人は羨ましい限りですが……そうでない場合はこのような資格をとっておくと、就職歴にかかわらず個人事業主以外のルートを確保しやすくなります。
地味だけど一生稼げる!? 会社員×副業社労士を選んだワケ Workship MAGAZINE フリーランスに「行政書士」資格がおすすめな理由|資格は“使えるか”で選べ! Workship MAGAZINE
危険物取扱者資格、消防設備士、第三種冷凍機械責任者、フォークリフト運転技能講習などなど、「地味だけど仕事につながる資格」はまだまだあります。
「わざわざ勉強して資格取るのもな~」と思うかも知れませんが、「数日の勉強」「テキスト1冊」「数千円の受験料」で、「入手難易度はそこまで高くないのに、需要はそこそこある資格」が手に入ると考えたら、むしろお手軽な感じがしてきませんか?
こういった資格をとりあえず一つ取得しておけば、実際に使わなくても、「いざという時にはコイツで急場をしのげる!」という心のお守りになるので、精神衛生上も楽になります。
「そんなに前もって備えなくても、いざという時に取れば良くない?」という考え方もアリっちゃアリですが、個人事業主は会社員とは違い、休業補償や退職金は出ません。つまり、いざというときにはすでに貯金が毎日目減りしていく状況に陥りかねないのです。
そういった意味でも、HPに余裕があるうちに稼ぎの防御術を高めておき、何かあった時に素早く就労できるアイテムとしてお守り資格を備えておくことをオススメします。
ちなみに、「資格 オススメ」で検索するとよく出てくる定番資格の「簿記」や「IT系資格」は、取得するのにそれなりの勉強時間が必要な上に、経理やWebエンジニアの求人は経験者が求められる傾向が多いため、「ピンチの時に役に立つ」という即効性は低め。「お守り資格」としてはあまりオススメしません。
ただ、私は「簿記2級」と「ITパスポート」を取得しているのですが、日々の業務の経理作業やネットワーク環境構築など、すべてを一人で担当しなきゃいけない個人事業主にとっては色々と役立つ知識が得られるので、中長期的なサバイブには役立つ資格ではあります。
▲何かと自分で作業しなければならない個人事業主。直接収入につながらなくとも、取っておいて損はない資格もあります
休業補償や労災がない個人事業主だからこそ、万が一に備えた自分だけのセーフティーネットを備えることが重要になってきます。
「いざとなったらこれらを活用して、ある程度はサバイブできるしな~」といった心のゆとりがあれば、平時にもより大胆に本業の意思決定ができるはず!
無理ゲー社会という荒波を、個人事業主という頼りないボートで突き進むために。万が一の“救命胴衣”となるお守り資格をみなさんも探してみてください!!!
▲出典:Workship
最後に、より多く稼ぎたいフリーランスのために『Workship』をご紹介します。Workshipは、フリーランス・副業向けの案件検索プラットフォームです。
公開案件の80%以上がリモートOKと働く場所を選ばず、エンジニア、デザイナー、マーケター、ディレクター、編集者、ライター、セールス、人事広報など、さまざまな職種の案件が紹介されています。
さらに、トラブル相談窓口や会員制優待サービスの無料付帯など、安心して働ける仕組みがあるのも嬉しいポイント。時給1,500円〜10,000円の高単価な案件のみ掲載しているため、手厚いサポートを受けながら、良質な案件を受けたい方におすすめです。
(執筆:シュゴウ 編集:夏野かおる)