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フリーランス必読!「仕事につながるnoteの使い方」を、noteの中の人に聞いてみた

仕事につながるnoteの使い方
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2014年に誕生したメディアプラットフォーム『note』。現在ユーザー登録者数は380万にものぼり、誰もが文章をはじめとする個性豊かなコンテンツを投稿できる場所となっています。

そんななか、なんとnoteをきっかけにして『書く習慣〜人生が変わるいちばん大切な文章力〜』を出版することになった筆者。

有名人じゃないのに本が出せるなんて……とnoteのすごさに恐れおののくと同時に、「全フリーランスがnoteうまく使いこなせば、無敵になれるのでは!?」と強く思いました。

そこで今回は、noteの“中の人”である徳力基彦さんにインタビューを実施。徳力さんによる、フリーランスのための「仕事につながるnote術」、とくとご覧あれ……!

徳力基彦
徳力基彦

note株式会社 noteプロデューサー/ブロガー。新卒で入社したNTTを若気の至りで飛び出して、仕事が上手くいかずに路頭に迷いかけたところ、ブログを書きはじめたおかげで人生が救われる。現在は書籍「普通の人のためのSNSの教科書」を出版するなど、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるnoteやSNSの活用についてのサポートを行っている。(Twitter:@tokuriki

聞き手:ゆぴ
聞き手:ゆぴ

フリーランス3年目のライター。noteがきっかけにして先日『書く習慣〜人生が変わるいちばん大切な文章力〜』を刊行。発売2ヶ月で4刷。マジでnoteに足を向けて寝られません!!(Twitter:@milkprincess17

待っていても王子様は来ない。“わらしべ長者​​”で積み上げを

ゆぴ:
実は先日noteをきっかけに本を出版することができまして。私が書いたnoteを偶然編集者の方が検索エンジンで見つけたそうです。本当にnoteさんには頭が上がりません……!

徳力:
おお、おめでとうございます! 本を出版すると、「出版社にコネがあった」と思われがちですけど、noteがきっかけで出版された方はたくさんいるんですよ。

従来のインターネットのイメージは「シンデレラシンドローム」でした。たまたまどこかでスカウトにされたり、いきなり「本でも出してみないか」と声を掛けられたり、シンデレラ的な出会いをみんな期待しちゃってる。

でも、今のネットの世界では「わらしべ長者」が一般的。地道に発信を積み重ね、それがいろんなところに繋がった結果、大きなハプニングが起きるんです。

ゆぴさんのサクセスストーリーも、「noteを書きはじめたら速攻で出版社が見つけてくれるんだ!」と誤解されると思いますが、実際には3年前からnoteを書かれていますよね。

ゆぴ:
そうなんです。コツコツと……(笑)。

徳力:
おそらく普段からnoteを書いていたこともあって、検索エンジンでも上位に表示され、編集者に発見され、他の記事も読んだうえで依頼されたはず。これまでの積み重ねがちゃんと活きているんです。

でも、情報発信をするときにフリーランスの方が罠にはまりがちなのが、「今すぐ何とかしたい」と思ってしまうところ。だから、少しnoteを書いて何も起こらなかったらやめてしまうんですよね。でも、現実はそんなにトントン拍子で話は進まないので、「いつか役に立てばいいな」ぐらいの気持ちで積み上げをしていくのが大切です。

僕はフリーランスの人にはぜひnoteを使ってほしいと思っているので、今日は「仕事につながる」noteの使いかたを語っていこうと思います!

note 徳力基彦さん 顎に手

▲よろしくお願いします!

フリーランスはネットに分身を作るのが新常識。noteとは、“プル”のコミュニケーションである

徳力:
まず、いま何も情報発信をしていない方は、「インターネット上に自分がいない」ということだと思ってほしいんですよね。

ゆぴ:
いきなり辛辣発言きた。どういうことですか?

徳力:
日本はリアルが強いんです。従来は交流会や名刺交換などをきっかけに、直接会って仕事を取っていたケースが多い。

それがコロナ禍でしにくくなったいま、コミュニケーションを取る手段は主にインターネット。なのに、それをやっていないということは、そもそも営業をする術がないということなんですよ。

ゆぴ:
たしかに……。

徳力:
noteを書いたりSNSを使ったりすることを「コミュニケーション」と思うか、「情報発信」と思うかで精神的な負担が全然違います。

「情報発信」と言われると、権威性のある人がやっているイメージがあるから、「私なんか」と萎縮してしまう。でも、「コミュニケーション」、つまり営業はしなくちゃダメですよね?

ゆぴ:
SNS=情報発信だと思っているから、思わず避けちゃうけど、営業に関してはフリーランスは「マスト」でやるべきことですもんね。

徳力:
そうなんです。とはいえ、従来の営業をオンライン化すると、「メールを送る」「チャットをする」「電話をする」とこちらから相手に働きかける“プッシュ”のコミュニケーションに変換してしまいがちです。

インターネットの一番の革命は、“プル”のコミュニケーション。つまり、「ここに置いておくので、読んでくださいね」ができることなんです。

インターネット以前は、メディアに出る人しか許されなかったことです。「テレビに出たから観てね」「雑誌にコラムを寄稿したから読んでね」みたいな。

それが、今や誰でもやれるようになった。これを使わない手はないです。「コロナ禍で大変なので仕事をください」というメールを送る代わりに、それをそのままnoteに書けばいいんですよ。

ゆぴ:
そんなフランクな感じでいいんだ……!

徳力:
まずは、日々のコミュニケーションをオンライン上でやるようにするのが最初の入り口です。だって、文章を書いたことがない人がいきなり書きはじめようとすると、完璧なものを出そうとするから書けなくなりがちなんですよね。

note 徳力基彦さん 笑顔

▲おっしゃるとおりです

徳力:
なので、noteやSNSをコミュニケーションとして捉えられるかどうかが最初の一歩ですね。「私なんか」と思うかもしれないけど、フリーランスは営業をしないほうがまずいですから。プルのコミュニケーションをやっていきましょう。

フリーランスのnote術その1. 自己紹介ではなく「決意表明」を書こう

徳力:
まず、フリーランスの方がnoteを始めるうえでぜひ使っていただきたいのはnoteの「プロフィール」と「仕事依頼」。これを設定してない方って意外と多いんですよ。自分の名刺代わりに活用するなら、基本的な情報と連絡先は入れておくべきです。

ゆぴ:
うわ、わたしプロフィール記事ないです。

note

▲3年もnoteを使っていたのに設定していなかったことが発覚

徳力:
もったいない……! というのも、記事を読んだあと、トップページに来て「プロフィール」と「仕事依頼」をチェックしてくれるケースが多いんです。

プロフィールというと、履歴書のようなイメージを持つ人もいるけど、あくまで「仕事相手に知ってほしい自分」を見せてほしいですね。ポイントは未来の目線が入っていること。

「なぜ独立をしたのか」「どんな仕事がしたいのか」「なぜnoteを始めるのか」などの決意表明をしておくと、原点に戻れるのでオススメです。

ゆぴ:
仕事に繋げるなら未来への視点が必要なんですね。

徳力:
僕自身も20年前に転職するときに、「ネットコミュニケーションの水先案内人」というキャッチフレーズを自分の軸として付けました。

当時は恐れ多いとも思っていましたが、それを元に記事を書いたり、言いつづけたりすることで、次第に夢が現実になってきたんです。そういう意味でも、ぜひ「自分の原点」を意識したプロフィールページを作ってみてください!

フリーランスのnote術その2. 自分のためのメモを書こう

ゆぴ:
フリーランスが実際にnoteに書く内容としては、何を書いていくのがいいのでしょう?

徳力:
フリーランスなら仕事をしているなかで学んだことや、自分の仕事に役立つノウハウが蓄積されているはず。それをメモしていくのがオススメです。

ゆぴ:
メモ!

徳力:
せっかく一生懸命書いたのに、誰にも読まれなかったら辛くなってしまいませんか? でも、自分のためのメモだと思って書けば、「まぁメモだしいいか」となりますよね。

ゆぴ:
たしかに……。それにいきなり「誰かのために書こう」と考えると、こんな文章力でいいのかな……となっちゃいますよね。

徳力:
noteを書くとき、「文章力」がハードルだと感じてしまう方が多いんですよね。でも、メモだったら最低限自分に役立てばいいし、文章力も関係ないです。

個人的にはnoteのような情報発信には「①メモ」「②コミュニケーション」「③メディア」の3ステップがあると考えています。まず、フリーランスが重視すべきなのは「②コミュニケーション」までで、多くの人は「③メディア」を考える必要はありません。一人でメディア運営するのは大変ですからね。

なのに、ほとんどの人はいきなり「メディアを作ろう」「作品を作ろう」と意気込んで始めようとするから、逆にいつまで経っても何も書けないとなりがちなんです。

実はプロの編集者の方のほうが、完璧な作品しか外に出したことがないので、noteのような発信が苦手って方が多いんですよ。そういう方ほどメモの気分で練習をして、自分の文章をネット上に出すことにまず慣れたほうがいいですね。

ゆぴ:
(プロのライターなのにガンガン適当なnoteを書いてるわたしは一体……)

仕事に繋げるためには、やはり仕事を中心に書くのがオススメですか?

徳力:
仕事はもちろんですが、noteはさまざまな記事を雑誌のようにまとめた「マガジン」を作る機能があるので、自分が好きなものの記事をまとめておくと、新しい仕事に繋がる可能性があります。

僕もネットにまつわる記事が中心ですが、マガジンには子どもと鉄道旅行に行ったときのメモを残すようにしているんです。それが、旅行系メディアのインタビューの仕事に繋がったこともあります。

フリーランスは自分のキャラをどう出すかが大切。たとえば、ライターは大勢いるけど、自分の好きなことについて書いた記事を置いておくだけで、「映画が好きな人」「特定のスポーツチームが好きな人」と人格が立体的になっていきます。

人間にはさまざまな顔があると思うので、それをマガジンごとに分けていくイメージです。

ゆぴ:
自分のさまざまな側面をマガジンで見せていく。なるほど!

徳力:
そうやって、自分のためのメモを出し続けていると、だんだん自分と近しい人が集まってきます。そうしたら、その人たちに教えてあげるような気持ちで書いていくのを意識してみてください。

「友だちの役に立てばいいか」ぐらいの感覚なら、そんなにスゴイ文章力は必要ないですよね?

note 徳力基彦さん 笑顔2

▲ハードル下がるな〜〜

フリーランスのnote術その3. 書いてコミュニケーションを取ろう

徳力:
メモを書くことに慣れたら、「②コミュニケーション」へと進みます。

デジタルのコミュニケーションは、実は個人ほどメリットが大きいんですよ。自分の分身をインターネット上に作れば、個人とも法人ともフラットにコミュニケーションが取れますから。

だから、仕事に繋げようと思うなら、まず繋がりとコミュニケーションの数を増やすことを試してみてほしいです。

ゆぴ:
なるほど。具体的には何をすればいいんですか?

徳力:
自分と似た仕事をしている人をフォローして記事を読んだり、コメントをしたり、記事を紹介したりすると良いです。ポイントはひっそりとやるんじゃなくて、見つけてもらえる工夫をすること。

少しズルいテクニックに聞こえるかもしれませんが、僕は会いたい人の本を読んだら、その人の名前をタイトルに入れて記事を書いたり、セミナーに参加したら内容をメモしたりしています。何なら「これを公開してもいいですか?」とDMを送ることでコミュニケーションが生まれますよね。

徳力:
有名な人であればあるほどエゴサーチをしているはずなので、エゴサーチで引っかかるように書いておけば、「好きです」というシグナルを間接的に送ることができて、フラットに繋がれる可能性が上がります。

noteでは、相手のnoteリンクを自分のnote内に貼ると「あなたの記事が話題です!」と相手に通知が飛ぶ仕様になっています。自分の記事をポジティブに取り上げられて嫌な人はいないですよね。

「相手に見つけてもらえる力」をいかに使うかが、自分がラクになれるかどうかの分岐的だと思います。

ゆぴ:
直接「好きです」と言うのは恥ずかしいけど、これなら自然にコミュニケーションが取れますね。

徳力:
そしてフリーランスの場合、有名な人だけではなく、自分と同じステージにいる人と繋がりを作っておくと、将来絶対役に立ちますよ。はじめは同じステージでも、いつか仕事を発注してくれたり、助けてくれたりする存在になることがありますから。

僕らは影響力がある人に引き上げてほしいと思っちゃうけど、影響力のある人からしたら、僕らを引き上げるメリットはない。だから、同じような立場にいる仲間を増やしていくことが本質なんですよ。そこで意識したいのが「誰かの役に立っているかどうか」です。

徳力:
たとえば、何かのイベントに参加してレポートを書いておくことで、イベントに参加できなかった人に感謝されて繋がれることもありますよね。

仕事がほしいからって「仕事ください」とばかり言っている人のnoteは誰も読みたくないはずです。フリーランス向けのツールの使いかたをまとめてみるとか、便利な制度を紹介するとか、自分の得意なことで、誰かの役に立つアウトプットができているかどうかを考えてみてほしいですね。

フリーランスのnote術その4. 定期購読マガジン・有料サークルで横の繋がりを作ろう

徳力:
ここからはプラスアルファですが、フリーランスなら「有料note」「定期購読マガジン」「サークル」もぜひ活用してみてほしいです。

基本的には多くの人に読まれたいのなら無料で記事を公開したほうがいいと思いますが、希少なノウハウで価値の高いものであれば「有料note」で値段をつけるのもアリだと思います。

僕が個人的に推しているのは「サークル」機能ですね。

noteでは有料の「サークル」という団体を作ることができて、メンバー同士でコミュニティ活動ができるんです。フリーランスはこのサークルを共同運営するのがオススメです。1人でオンラインサロンをやる場合は頂上に立つ人のパワーが重要ですが、共同運営ならフラットに繋がれて、会費もオーナー総取りではなく、みんなで有効活用ができる。

note上で投稿をしても良いし、決済システムとして使って、コミュニケーションはSlackやFacebookなどで行うパターンも多いです。

そして、「定期購読マガジン」は少しハードルが高いですね。まず継続して情報発信ができて、「あなたのコンテンツを読みたい」という読者がいることが前提なんです。

ゆぴ:
……実はわたし、1年ほど定期購読マガジンをやっていたことがあるんですけど、更新が滞って停止するという事案を起こしたことがあります……(笑)。

徳力:
あはは(笑)。定期購読マガジンは大変ですよね。そこはぜひ目的に応じて、課金の仕組みを使い分けてみてほしいです。

フリーランスは1人じゃできないからこそ、みんなで何かを成し遂げるために「サークル」の課金の仕組みを使うという選択肢もあると思います。

ゆぴ:
たしかに、似たようなコミュニティ課金の仕組みってあるけど、noteの「サークル」はそれぞれのメンバーのページに飛べることで、「こういう記事を書いているんだ」と人となりがわかることもすごくいいな……! 透明性がありますね。

徳力:
そうですね。横の繋がりの人たちが何かを一緒にやるのにサークル機能を使ってくれるといいな、と思います。

ゆぴ:
本日はありがとうございました!

お話を聞いてみると、「わたしが普段noteでやっていたこととものすごく似ている……」と感じることが多くて、意外と自分はnoteを使いこなしていたんだと驚きました……

徳力:
noteと思想がすごく似ているのかもしれませんね。これからも引き続きよろしくお願いいたします(笑)。

書くことが好きになりたい人に贈る『書く習慣』

というわけで、フリーランスの皆さま、もうnoteの活用法はバッチリですね!?

それでも「何を書いたらいいのかわからない……」という方に向けて、書くことへのハードルを極限までに下げたのがこちらの本、『書く習慣〜人生が変わるいちばん大切な文章力〜』です。

「書くことを習慣化する方法」はもちろん「日常からネタを探すには」「読まれるためにはどうしたらいいのか」というところにまで踏み込んでいるので、ぜひお手にとっていただけたら嬉しいです!

(執筆:ゆぴ 編集:少年B)

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