フリーランスのSwiftエンジニアになるには？学習方法や案件の獲得方法を解説

Appleが2014年に発表したプログラム言語・Swift。iOSやMac、Apple watch向けのアプリを開発することができます。

直感的に使える操作性の高さや処理スピードの速さから、発表当時より注目されてきました。iPhoneをはじめとした Apple製品の所有率の高い日本では、今後さらに需要が高まるでしょう。

そこで今回は、SwiftでできることやSwiftエンジニアの単価、未経験者にこそおすすめしたいSwiftのメリットについて解説していきたいと思います。

Swiftでできること

Swiftを用いて具体的にどのような開発ができるのでしょうか。この章では、Swiftを使って開発できるものについて紹介します。

できること1. iOSアプリ開発

Swiftを使う機会が最も多いのは、iOSアプリの開発です。

iPhoneは世界中で多くの人々が使っているため、iOSアプリも巨大なマーケットです。また、iOSアプリ開発はアプリの収益モデルとしても注目されており、広告やアプリ内課金による収益化も可能。Swiftで書かれたアプリは高パフォーマンスで安全性も確保されており、使い勝手のいいアプリが開発できます。

できること2. macOSアプリ開発

SwiftはMac向けのOSであるmacOSアプリの開発にも利用されています。macOSはクリエイターやエンジニアに多く使われており、特定の業界に特化したアプリケーションやツールの開発需要は高いでしょう。

また、Appleデバイスは端末間の連携がよく話題になりますが、こういった連携機能を活用することで、macOSとiOS間でのデータのシームレスな共有が可能になり、両プラットフォーム間での連携強化を図るアプリ開発も可能です。

できること3. WatchOS、tvOS開発

Apple WatchやApple TVといったデバイス向けのアプリ開発にもSwiftが使われています。

これらのデバイスは日常生活の中で増加するようになった「ウェアラブル」や「スマートホーム」領域において、その存在感を増しています。これらのデバイス向けのアプリケーション開発は、これからどんどん進んでいくといえるでしょう。

できること4. サーバーサイド開発

Swiftはサーバーサイドの開発にも向いています。AppleがサポートしているサーバーサイドSwiftフレームワーク『Vapor』を用いることで、安定性とパフォーマンスを保ちつつ、iOSアプリと同じ言語でバックエンドの開発ができます。

これによって、クライアントサイドとサーバーサイドの両方で同じ言語を使用することが可能。開発効率が向上します。

また、Swiftでのサーバーサイド開発は、従来のサーバーサイド言語であるRubyやPython、PHPといった言語と比較しても高いパフォーマンスを発揮します。そのため、大規模なWebサービスやリアルタイム性を求められるサービスの開発において、Swiftは有力な選択肢になりつつあります。

Swift学習のための資料とツール

Swiftの学習を始める際には、さまざまな学習資料とツールが利用できます。この章では、これらの学習に便利な資料やツールについて詳しく紹介します。

1. 公式ドキュメント

Swiftを初めて触るという人のために、Appleが提供する公式ドキュメントがあります。この公式ドキュメントは、言語仕様の全てを網羅しており、基本的な文法から高度なトピック、データ型、演算子、制御構文、エラーハンドリングなど、Swiftで必要となる知識が詳しく解説されています。

初心者はもちろんですが、独学で勉強してきた中級者や上級者が見ても、きっと参考になることでしょう。

2. Swift Playgrounds

Swiftの学習には、Appleが提供する教育用ツール「Swift Playgrounds」も役立ちます。このツールは、実際にコードを書きながら学ぶことができるのが特徴。

iPadとMacで利用でき、初心者でも簡単にプログラミングの基本を身につけることができます。レッスンはゲーム感覚で進められるので、子どもから大人まで、楽しみながら学ぶことができるでしょう。

3. オンラインコース

オンライン学習プラットフォームの利用もおすすめです。UdemyやCourseraなどのプラットフォームでは、多数のSwiftに関するコースが提供されています。

初級から上級までのレベル別、また特定のトピックに特化したコースなど、自身の学習目標に合わせて選ぶことができます。プロのエンジニアや教育者が講師となり、その経験と知識を活かした指導を受けられます。

Swiftは稼げる？ Swiftの案件と単価

SwiftはAppleデバイスの普及率と比例してその需要が高まるはずです。この章では、現時点でSwiftは稼げるプログラミング言語と言えるのか、という点について解説します。

Swiftの単価

Swiftの単価は比較的高い水準に位置しています。

フリーランスエンジニア向け求人サイトを運営するフリーランススタートによれば、Swift案件の月額平均単価は75.9万円とプログラミング言語全般の中でも上位に位置します。

この単価はあくまで一例です。単価はエンジニアのスキルや経験以外にも、クライアントのニーズや予算、プロジェクトの規模や期間など、さまざまな要素により変動します。ただし、フリーランスエンジニアとして高額な案件を獲得するためには、一定の経験とスキルは必要な条件です。

Swiftの案件数

Swiftの案件数は、iOSデバイスの普及と関連する新規サービスの増加に伴い、増加傾向にあります。主に、ECサイトやモバイルアプリ開発において、Swiftエンジニアの需要が高まっています。

新型コロナウィルスの影響で利用が伸びた、食品配達サービスや旅行予約サービスなどのアプリ開発においても、Swiftは積極的に利用されています。これは、多くの企業が自社のサービスをモバイル対応にするため、また新しいモバイルアプリを開発するために、Swiftを使うことが増えているからです。

また、新しいサービスの開発や既存サービスの改善を目指すスタートアップ企業でも、Swiftの需要は高まっています。これらの傾向から見ても、Swiftエンジニアの案件数は広がり続けているといえるでしょう。

ちなみに、StatCounter Global Statsによると、日本におけるOSのシェア率は、iOSが69%と大きな割合を占める一方、Android OSは31%と劣ります。案件数自体に大きな差が出るわけではありませんが、言語の作りがまるで異なります。

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未経験者におすすめ！ Swiftのメリット

最後に、Swiftのメリットについてご紹介します。

メリット1. 学習のしやすさ

最大のメリットは、学習のしやすさです。

Swiftは文法がシンプルで直感的であるため、初めてプログラミングを学ぶ人でもすぐにコードを書き始めることができます。特に、「var」と「let」による明確な変数宣言、簡潔で視認性の高い構文、省略可能なセミコロンなど、初心者がつまづきやすい部分を緩和する工夫が施されています。

メリット2. 高いパフォーマンスと強力な開発支援

Swiftは、CやObjective-Cといった伝統的な言語と比較しても、遜色ない高いパフォーマンスを持つ言語であり、大規模なアプリケーション開発にも十分に対応可能です。

また、Appleの強力なサポートを受けており、Xcodeという優れたIDE（統合開発環境）やInterface Builderなどの視覚的な開発ツール、プロファイリングツールを始めとする充実した開発支援ツールが提供されています。

これらのツールは、コードの記述からデバッグ、テスト、最適化に至るまでの開発フローを大いに助け、安定した開発環境を提供します。

メリット3. クロスプラットフォーム開発の可能性

Swiftの持つメリットはまだあります。クロスプラットフォーム開発の可能性です。

SwiftはiOSだけでなく、macOS、watchOS、tvOSといったAppleのすべてのプラットフォームで使用可能。ひとつの言語を学ぶことで、iPhoneやiPadだけでなくMac、Apple Watch、Apple TVなど、幅広いデバイス向けの開発が可能となります。

また、Appleが推進するSwiftUIやCombineといった最新のフレームワークを利用することで、より効率的かつ簡潔にコードを記述することが可能となり、一度覚えてしまえば非常に強力な武器となるでしょう。

Swiftの将来性は高い！

Apple製品の開発で活用されているSwiftは、その多機能性と高速な処理速度から注目を集めています。日本では特に、Apple製品の高い所有率を背景に、Swiftの需要は今後さらに高まることが予想されます。

これらの要素を考慮すると、Swiftは今後ますます需要が高まるプログラミング言語といえるでしょう。この記事を参考に、あなたもSwiftの学習を始めてみてはいかがでしょうか。

（執筆：セイタモ　編集：少年B）